風車のお話し

東日本大震災における原子力発電所の事故の影響もあり、太陽光や風力などによる持続可能なクリーンエネルギーに注目が集まっています。

実はこのたび、私たちの工房のすぐ近くでも大型の風車の設置工事が始まりました。

計画はずいぶん前から進行していたようなのですが、騒音や健康被害、環境への影響などに配慮し、計画当初は12基の建設予定だったものを6基へ縮小しての建設となりました。

建設途中の風車-その1-
建設途中の風車-その1-

建設が始まってまず驚いたのは、その圧倒的な大きさです。

ひとつひとつのパーツがトレーラーで運ばれてくるのですが、その大きいこと大きいこと。羽根の長さが約40メートル、支柱の高さが80メートルだそうなのですが、それが道のすぐ脇に止められたトレーラーの上に載っている姿にとにかく驚きました。

建設途中の風車-その2-
建設途中の風車-その2-

次に驚いたのは、作業の迅速さです。

下準備は以前から進んでいたのですが、さすがに大きなプロジェクトだけあって作業はとても段取りのよいもので、ある朝大きな支柱が運ばれてきたかと思えば、夕方にはそれが自立しており、次の朝に本体(扇風機のモーター部分のようなもの)が運ばれてきたかと思えば、夕方にはそれが支柱の上に取り付けられ、また次の朝には羽根の部分が運ばれてきて夕方には組み上がっており…といった具合で何も無かったところにみるみる“巨大”な風車が姿を現したのであります。

すでに震災以前からここ淡路島では、鳴門海峡に面した阿那賀地区というところで14基の大型風車が稼働していたのですが、今回は、京阪神からもよく見える島北部の丘陵地での建設です。

出来上がると、6基で12,000KWの発電量になるということです。もちろん、1基で百数十万KWという原子力発電所の規模には遠く及びません。しかし、未来へ向けて自然と共存できる持続可能なエネルギーの開発や普及とともに、私たち一人一人の意識を少し変えて、バランスのとれた生活を心掛けることも必要だなあと、改めて感じた今日この頃です。ただ、作業場にとても近いので、音などがちょっと心配ではありますが…。(Hi)

倉敷~高松

この土曜、日曜日は、昨年の倉敷での展示会でご注文いただいた作品の納品に出掛けてきました。

岡山や倉敷は十分日帰りできる距離なのですが、倉敷でいつも利用しているホテルのポイントがたまり、3月末まで有効の1泊無料券をいただいていたので、それを利用してちょっとゆっくり出掛けてきました。

というのも、納品のほかにもうひとつ大事な用事があったのです。

昨年10月に、京都東寺の弘法市で”酒袋”を購入してきたことをこのブログでご報告しましたが、そのままの形では利用しにくいので、普段使えるよう、夫は小物入れに、私は手帳カバーにしたいと考えました。

以前、醤油袋でバックをつくって頂いた倉敷の方に製作をお願いしていたものが出来上がり、それを受け取りに行ったのです。

酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバー
酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバー
酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバーを開いたところ
酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバーを開いたところ

私は毎年決まった手帳を使うことにしていて、いっしょにバスの時刻表や薄い住所録、メモ用紙などをまとめて持ち歩きます。今までは使い古したビニールのカバーやクリップ、輪ゴムなどを使って一束にしていたのですが、見苦しいわ使いにくいわで…。使い勝手がよく、しかも持っていて心地の良い手帳カバーをずっと探していたのですが、コレといったものに巡り会えず、今回お願いをして作っていただいたのです。

小物入れは、もともとの繕いを活かし、木のボタンをループで留めるかたちにしていただきました。筆記具や手帳などを入れて使うつもりだそうです。

裏地や隅々の縫製に到るまでとても丁寧なお仕事で、手触りといい、革の縁取りの雰囲気といい、2人とももう大満足!!

酒袋は丈夫で、しかも使い込むほど柔らかくなり次第に革のような風合いになっていくということで、これからとても楽しみです。

フェリーで四国へ
フェリーで一路、高松へ

日曜日は倉敷から玉野へまわり、以前から展示会などでお世話になっているサンコアさんにご挨拶に寄らせていただいたのち、宇野港から四国フェリーで高松へ。

高松で用事を済ませた後、鳴門大橋を渡って淡路に帰ってきました。

淡路~明石海峡大橋~倉敷~玉野~鳴門大橋~淡路 という1周コース。納品させていただいたお客様にもたいへん喜んでいただけて、とても充実した2日間でした。あ、もちろんおいしい”讃岐うどん”も昼食に頂いてきました。(Ku)

額、3点

最近納めさせていただいた額3点を紹介させていただきます。

染め絵の額
染め絵の額

まず1点目はお客様お持ちの型染めの絵を飾るための額です。松ぼっくりのような愛らしいふくろうが寄り添っている、何ともいえないほのぼのとした絵柄の邪魔にならないよう、また、お客様のご希望をお聞きした結果、シンプルな額になりました。材料は”キハダ”、オイルステインで着色後、ワックスを塗って仕上げています。

色紙用の額
色紙用の額

2点目は書家の方から、その方のお師匠さまの作品の色紙を飾るための額としてご依頼を受けて製作したものです。飾ったときの存在感、繊細ながら力強い書に負けないことなど、お客様とご相談した結果、木目のきれいなニレケヤキの1枚板をくり抜き、拭き漆で仕上げました。

社訓用の額
書の額

最後は、また別の書家の先生からのご注文で、先生が揮毫を依頼された作品のための額です。”斑”の入ったナラ材を使い、拭き漆仕上げとしました。長さが約80cmと大きいため、重くならないようガラスの代わりにアクリル板を使用しています。寸法や雰囲気の確認のため、習作中の1枚をお借りして製作させていただきました。

今回偶然、3件の別注の額の製作が重なりました。定番としての額の製作もしていますが、このように、中に飾る作品が決まっていてそれに合う額を製作させていただくことはとても緊張するのですが、やはりやりがいのある仕事です。

幸い3点ともにお客様にとっても満足していただき、ほっとひと安心です。(Hi)

今年もよろしくお願いいたします

倉敷で毎年展示会を開いているギャラリーは美観地区から少しだけ離れたところにあり、宿泊先とギャラリーの行き来ではその美観地区を横切ります。

秋の展示会の時期は、そろそろ「来年の年賀状は…」と思案を始める頃でもあります。ある朝、ちょうど大原美術館の前を通りかかったとき、立派な龍の彫刻が目に入りました。

美観地区を流れる倉敷川にはいくつかの立派な石橋が架けられているのですが、そのうち、大原美術館の前の”今橋”には見事な龍の彫刻が施されています。観光 パンフレットを見ると、大正15年に架けられた橋で、龍の彫刻は児島虎次郎のデザインとのこと。是非年賀状で版画にしたい、と考えて写真を撮って帰りまし た。

迫力のある彫刻が再現出来たでしょうか?

年賀状<2012>
年賀状<2012>

今年は平穏な一年になって欲しいものです。

今年も2人で力を合わせてがんばっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

太田秀世 ・ 久美子

子犬のレオくん

以前お納めした棚の引き出しの調整や、新しい文机の納品など、いくつかの用事を兼ねて先日姫路へ行ってきました。その際、少し時間に余裕を持たせて姫路に住んでいる叔父夫婦のところへ寄ってきました。

叔父夫婦には、今年の5月の姫路クラフトのときに泊めてもらったりしていつも何かとお世話になっているのですが、今回訪ねてみると何ともかわいらしい小さな白い犬がいるではありませんか。

実は叔父夫婦は以前から”キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル”という種類の小型犬(名前はキューちゃん)を飼っていたのですが、そのキューちゃんが老衰で急に死んでしまったので、最近新しく家族の仲間入りをしたというのです。

今度の新入りくんの名前は”レオ君”。あのジャングル大帝の小さい頃にとってもよく似ている(ような気がする)ということに由来しているのですが、生後2ヶ月のチワワとマルチーズのミックス犬です。

少し長めの真っ白な体毛に、くりくりっとしたつぶらな瞳が輝き、とにかく“やんちゃ”で片時もじっとしていません。おこたの布団の上を、まるで雪原を飛び跳ねるようにして走りまわったり、私たちの手や服の袖などにかじり付き、とても楽しそうにじゃれ回るのです。

歯の先がとがっているので小さな口でもかまれたあとはチクチクと痛みますが、でもとにかく元気で、体全体で『生きていることが楽しくてしょうがない!』というオーラを発散させています。小さな命の、その生命力の輝きに勇気づけられ、私たちももっともっと前を向いてがんばらねば、という思いを強く感じた出来事でした。このまますくすくと育っていってね。

それから、初めは真っ白だったのに、私たちとさんざん遊び回ったあとには少し黒っぽく汚れてしまいました。コレって、私たちの手が汚れていたってことですね…

ごめんなさいね…(Hi)

メリークリスマス
メリークリスマス!!

今日はクリスマスですね。”大荒れの天候”との予報でしたがここ淡路島では昨日少し雪が舞い、強風が吹き荒れてはいるものの晴れ間ものぞくお天気でした。

”もりのこ”に綿でひげを付け、赤い帽子をかぶせてみました。サンタクロースみたいでしょ。

メリークリスマス!!(Ku)

閑谷学校

今週は、先月の倉敷での個展の帰りに立ち寄った『閑谷学校』の写真を何枚かご紹介します。

『閑谷学校』校門
『閑谷学校』校門

『閑谷学校』は岡山県備前市にある史跡で、岡山藩主池田光政によって建てられた庶民のための学校です。当時のままの立派な木造建築がいくつも残っており、私たちにとってとても興味深い場所です。

楷の木
楷の木

『聖廟』の前の大きな2本の”楷の木”は、中国の孔子廟の楷の木に由来しており、秋には見事な紅葉が見られるそうです。閑谷学校に立寄るのはいつも秋の個展が終わってからなので、楷の木の紅葉の見頃は過ぎてしまっています。その分、観光客が少なくて落ち着いてはいます。

今回、楷の木の下に実が落ちていたのでいくつか拾わせて頂きました。芽が出るとよいのですが…。

講堂
講堂

国宝にも指定されている大きな『講堂』は、磨き抜かれた床に大きな窓(”花頭窓”というそうです)から入る外の光が見事に反射しています。立派な柱や精巧に細工された窓枠、目立っているわけではないのに存在感のある釘隠などの金具類…。作った人達やここで学問にいそしんだ人々の真摯な気持ちが伝わってくるような空間です。

この講堂は普段は入室禁止ですが、月に1回論語の講座が開かれているとのこと。機会があったらいつか参加してみたいです。

石塀と紅葉
石塀と紅葉

閑谷学校は、柔らかな丸みを帯びた外形をもつ石の塀で囲まれています(全長765mもあるそうです)。ピッタリと組まれた石が形作る独特の曲線は決して威圧的ではなく、神聖な”学問の場”として敷地を外界と区切っているような印象を受けます。

写真は、現在は資料館などとなっている寄宿舎跡に続く小道です。モミジの紅葉は見頃は少々過ぎていましたが、まだまだ十分にきれいでした。

自然の中に溶け込むような空間なので、季節によって印象も大きく変わると思います。また違う季節にも何度でも訪れてみたい場所です。

食器棚(展示会)
食器棚(展示会)

先日、ご注文頂いていた”食器棚”を納品させていただきました。1ヶ月ほど前に完成していたのですが、無理をお願いして先月の個展で展示させていただいたものです。

納品した食器棚
納品した食器棚

普段使い用の食器を収納する小さめの食器棚です。上に現在ご使用の調味料入れを置きたいとのご要望で、身長に合わせて上の物を取りやすい高さにしました。長く使っていただけますよう。(Ku)