【岡山移住顛末】-番外編①-

おかげさまで、先月末の倉敷での展示会は無事終了いたしました。

その後、工房の改築などでお世話になっている景山建設さんのイベントに参加させていただいたり、工房の薪ストーブの設置などをしているうちに、いつの間にか師走がもう目前です。

朝晩はかなり冷え込むようになり、先日は氷点下まで気温が下がったようです(まだ氷が張るほどではありませんが … )。あんなに暑かった夏がウソのようです。

十数年ぶりに準備した ” おこた ”(居間に、ず~っと憧れていた「掘り炬燵」があるのです)から離れられなくなりそうです。

さて、しばらくぶりの【岡山移住顛末】、移住先を決めるまでのお話で少し長引いてしまっておりますので、ここで番外編として、岡山へ引っ越してきて今日までに体験したことを少しご報告したいと思います。

まず、なんといっても7月の豪雨です。

おかげさまで私たちの家の周辺は被害を受けることはなかったのですが(たくさんの方にご心配をいただきました。ありがとうございました。)、今回の岡山での水害はかなり大きな出来事でした。

ニュースにはなならなかった土砂崩れや浸水地域も数多く、痛々しく崩れた山肌や、通行止めの道路、仮復旧の堤防などがまだそこかしこにみられます。「晴れの国、岡山」でこんな光景を目にするとは思ってもみませんでした。

雨が一段落した7月7日夕方の旭川
雨が一段落した7月7日夕方の旭川

自宅から、道路とお向かいの敷地をはさんで、目の前が旭川の堤防です。

上の写真は、雨が一段落した7月7日夕方の旭川の様子です(6日深夜が水位のピークで、その時よりかなり水量が減った状態です)。

当時、引越し作業の都合で建部に滞在しており、川の増水や大雨特別警報など、経験したことのない事態にやや緊張しましたが、ご近所の方が何かと気にかけてくださり、落ち着いて過ごすことができました。

9月初めから建部での生活を本格的にスタートさせたのですが、ご近所をはじめ、周りの方々がみなさん親切に、たいへんあたたかく私たちを迎え入れてくださいました。

通りがかりの方が気さくに話しかけてくださったり、穫れたてのおいしい野菜をおすそわけして下さったり、新聞屋さんや郵便屋さんなどが地域の情報を教えてくださったりと、とても楽しく毎日を過ごしています。

9月後半、桜並木のある堤防の土手は彼岸花が咲き乱れて真っ赤になりました。

彼岸花が咲き乱れる土手
彼岸花が咲き乱れる土手

10月には秋祭り。

私たちの住む地区では、10月の第2週の週末に「建部まつり」が行われます。地区内にある7つの神社から御神輿が集まり、神楽(獅子舞)も奉納される盛大なお祭りです。

建部まつり(2018)で集まった御神輿
建部まつり(2018)で集まった御神輿

家内安全を願って御神輿と神楽は地区を廻り、家々の前で神楽が舞われます。

秋祭りの神楽(獅子舞)
秋祭りの神楽(獅子舞)

家の前に立って神楽を迎えるのですが、なにぶん私たちにとっては初めてのことなので、 見ているだけなのにとても緊張してしまいました。

秋晴れの秋祭り
秋晴れの秋祭り

偶然、宵祭りの朝に立ち寄られた前のご当主さんが、「この家にもまだお祭り用の提灯があるのよ」と、倉庫から出してくださった提灯。

玄関前に提げて初めての秋祭りを楽しみました。

敷地内に建てていた両親の家も先日完成し、来月初めには両親も岡山に引っ越して来ます。

もう少し作業場関連の工事が残っていますが、「岡山へ行こう!」と決意した当初は、1年半でここまでこぎつけることができるとは思ってもいませんでした。

たくさんの方々のお力添え、応援に感謝の気持ちでいっぱいです。(Ku)

木曜日から、倉敷での展示会です。

今週の木曜日、10月18日より、倉敷での展示会が始まります。

2018年倉敷での展示会のお知らせ
2018年倉敷での展示会のお知らせ

DMの写真は、新居の縁側で撮影したものです。

写真の作品は、倉敷では初めての展示となるコンパクトなバタフライテーブルとスツールです。

このスツールは、脚を旋盤加工で製作しており、見た目が軽やかなだけでなく、重さも抑えた持ち運びやすい椅子になっています。

このほか、積み重ね式の棚、ダイニングチェアなどの家具や、額、トレイなどのコモノの展示販売をいたします。

注文製作や家具のリフォーム、修理なども承りますのでお気軽にご相談ください。

2018年倉敷での展示会のご案内
2018年倉敷での展示会のご案内

昨年まで展示会を行っていた『スペースみき』はリニューアルし、『滔々ギャラリー』になりました。

展示室は大原美術館寄りの鉄筋コンクリート造の方へ変わりますが、ギャラリーの場所は変わりません。岡山市民になった以外は何も変わらない私たち2人がお待ちしておりますので、安心してお越しください。(Ku)

【岡山移住顛末】-その3-「偶然が重なって …」

本格的な移転作業の開始から早3ヶ月が過ぎました。

まだまだ工房の整備は未完了ですが、なんとか作業ができる状態になったところで、中断していた【岡山移住顛末】の再開です。

昨年6月に始動した岡山移住計画。

引っ越し先を探すうえで分からないことがいろいろと出てきたため、「とにかくいちど現地へ行こう!」と、岡山へ出掛けたのは7月終わりのことでした。

まずは、岡山市の ” 移住・定住支援室 ” を訪ね、「都市計画」や「市街化調整区域」、「農地法」など、私たちが引っ越し先を決めるのに関係がありそうな事項について教えていただきました。

たいへん親切に分かりやすく説明してくださいましたが、結論としては、私たちが土地や建物を購入して家具工房を立ち上げるには、「市街化区域」および「市街化調整区域」を避ける必要があることが分かりました(新築・増改築や、建物の用途、営業できる業種などに制限があるそうです)。また、私たちが「農地」を入手することは原則不可能であることも分かりました。

都市機能を集約させる方針の岡山県の都市計画では、県南部では「市街化区域」および「市街化調整区域」がかなり広く設定されています。

私たちがおおまかに決めた『吉井川より西、高梁川より東で、国道2号バイパスより北、津山までは北にあがらない』範囲で、「市街化区域」でもなく「市街化調整区域」でもない地域となると非常に限られます。

淡路で地図などを眺めながら「このあたりがいいね」と考えていた地域が岡山市北部の『建部町』だったのですが、偶然、この『建部町』は、「市街化区域」や「市街化調整区域」の区分がされていない地域であることが分かりました。

そして、移住・定住支援室の方がもうひとつアドバイスを下さいました。「住みたい地域が決まったら、具体的な物件探しには現地の不動産屋さんを訪ねるのがいちばんです。」

善は急げ、『たけべ』へ Go!!

まずは岡山市役所の建部支所へ。

岡山への移住を考えており、建部町周辺で物件を探したい旨を伝えたところ、なんと …

「建部町には不動産屋は一軒もありません。」

「この先に商工会があるので、そちらで相談すれば何か情報がつかめるかもしれません。」とのアドバイスを頼りに ” 建部町商工会館 ” へ。

「確かに建部町には不動産屋はありません。」

!!

「でも、このあたりの不動産物件に詳しい建設業者さんがいらっしゃいますから、そちらに相談してみたらいかがですか? 連絡をとってみましょうか?」

お願いします!!!

そこで紹介していただいたのが、地元で木造注文住宅を手がける『景山建設』さんでした。

事務所にお邪魔し、家具工房を併設できる家・土地を探していることをお伝えしたところ、「ここはどう?」と案内していただいたのが、こちらのお家。

家の外観
家の外観

これぞ古民家、というような堂々とした構えに圧倒されつつ中を案内していただきましたが、詳しいことはこの次に。

実は、景山建設さんの事務所で出していただいたお茶のガラスのコップが、偶然、私たちも知っている作家さんのもので、そのお話をきっかけにさらに偶然、私たちが倉敷でたいへんお世話になっている民芸店さんが共通の知り合いであることが分かりました。

この件、何かと偶然が重なり、なんだか不思議なご縁を感じたのでした。(Ku)

【岡山移住顛末】-その2-「さあ、物件を探そう!」

昨年6月に始動した私たちの岡山移住計画。

「広~い岡山、どこに住むか」を決めるためには、現状の問題点や将来の希望を考え、「どのようなことが必要なのか」をきちんと整理することが大切だということに気がつきました。

まず、仕事に関して。

・仕事で発生する音などが周囲に迷惑にならないこと
機械を使って木材を加工しますので、それなりの騒音や若干のホコリが発生します。薪ストーブも使いたいので、ちょっと煙も出るかもしれません。これらがご近所のご迷惑にならないようにしなければなりません。したがいまして、市街地などの住宅密集地は避ける必要があります。

・地理的な位置
展示会の開催や、お客様への配達、材料や消耗品の調達などを考えれば、幹線道路やインターチェンジなどへのアクセスが良いにこしたことはありません。

・職住一体にする
現在は住居と工房が離れており、毎日車で15分ほどかけて通勤している状態です。事務的な仕事は自宅で、製作は工房で、と分けて作業するのはたいへん効率が悪く、これまでの悩みどころでした。職住一体にすれば、通勤時間がなくなるだけでなく、生活と仕事がうまく融合して両方の効率がかなり良くなりそうです(お弁当の支度もいらなくなりますし … )。

そして、日々の生活に関して。

・一生住み続けられること
買い物や病院など、日々の生活に最低限必要な用事にはあまりストレスを感じたくはありません。また、公共交通機関が利用できる場所であれば、年を重ね、将来車を運転できなくなった場合にも、体が動く限りはなんとか生活できると思います。

・自然災害に対して強いこと
土砂災害、河川の氾濫などの自然災害に対する安全性にも配慮する必要があります。
(これについては、地形図やハザードマップを活用しました。)

こうやって文字にしてみると、かなり贅沢で、無理のある条件のようにも見えますが、さいわい(?) 2人とも、神戸などの街中に出掛けると1日でヘトヘトになってしまうような田舎育ちなので、私たちにとっての ” 便利さ ” にはかなりの許容範囲があります。スーパーがあればコンビニは不要とか、自転車で無理なく行ける距離であれば  ” 近い ” とか 、公共交通機関だって1時間に1本あれば十分とか …  。

とりあえず、上記の「地理的な位置」の条件から、おおまかに候補地の範囲を決めました。

「吉井川よりも西、高梁川よりも東で、国道2号バイパスよりも北、津山までは北にあがらない」

なんともざっくりですが、まあこの範囲なら、岡山県内の主な市街地および近畿圏へのアクセスに特に不便は感じないかな、というところです。

また、ずっとそこに住み続けたいということと、予算に限りがあることから、「土地付きの中古物件を購入する」という方針を決めました。

それに加えて今回、私の両親も一緒に岡山に移住することになり、できれば同じ敷地内に、ということで、それも条件に含めることになりました。

そして、7月に入り、いよいよ具体的な家・土地探しに取りかかりました。

今回私たちは、淡路に住みながら岡山の土地や家を探すために、まずはインターネットの情報を利用しました(なんて便利な世の中!)。

不動産サイトなんてこれまであまり見た事がなかったので、掲載されているいろいろな物件に興味がわき、ついつい、絶対に候補になり得ないような物件(ビルとか、豪邸とか…)にも見入ってしまうという道草をしながらも、価格、広さなどの条件が合うものをピックアップするという作業を進めました(自然環境などの細かい点についてはその後で絞り込むことにしました)。

ちょっと郊外へ出れば、山林何万m2付きとか、田んぼ何ヘクタール付きとか、ぶどう園付き(岡山ならではですね)などという広大な土地が、家付きで数百万円で売り出されていたりして、「おお、なんとかなりそう?!」とちょっと楽観的になったのですが、掲載データを見慣れてくると、「市街化調整区域」とか、「都市計画区域」とか、「農地法」などという言葉が気になってきました。

少し調べてみると、それらは、購入したり、事業をしたり、家を建てたり改築したりすることにいろいろと制限があり、地縁のない私たちにとってはかなり大きな障壁になりそうだということが分かりました。

ただ、私たちのような小さな工房もその対象になるのか、などというような具体的なことが分からず、「これはしっかり確認しなければ」ということになりました。

淡路でも近年、移住促進のためにいろいろな工夫をしているようですが、岡山の各市町にも、移住のための支援をして下さる窓口があるとのことで、とりあえずそちらに出掛けて相談にのっていただくことにしました。

この、具体的に岡山へ出掛けて行ったのを機に、私たちの移住計画は、予想外の急展開をみせることになるですが、それはまたこの次に。

 

さて、来月、5月22日から、今回初めてとなる、芦屋での展示会を予定しております。

詳細は、ホームページの「展示会案内」をご覧ください。

先日、DM用の写真を、移転先の岡山の家で撮影してきました。

建部の家の土間で撮影したDM用写真です。
建部の家の土間で撮影したDM用写真です。

こんな感じのちょっと広い土間があるので、移転後は展示スペースにしたいと考えています。

作品は小さめのバタフライテーブルです。

木目のきれいなタモ材を用い、拭漆で仕上げてあります。

用途に応じて天板を拡げたりたたんだりすることができますので、いろいろな使い方をして頂けると思います。

是非展示会にて実物をご覧ください。

(Ku)

 

 

 

倉敷での展示会が終わりました

倉敷での展示会が無事終わりました。

脚をお運びくださった皆様、ありがとうございました。

 

今回は、台風の襲来に右往左往した展示会となりました。

まず、搬入直前の21号。

10月23日(月曜日)がギャラリーへの搬入予定日だったのですが、当初の予報では近畿地方への最接近がまさにその23日となっており、どうなることかとかと … 。

とりあえずギャラリーにたどり着けることを前提に、カッパやら着替えやらタオルやら …  風雨の中での搬入を覚悟してその日を待ちました。

その後、台風の速度が若干早まり、23日の出発時(朝7時頃)には台風は通り過ぎて雨もやみ、倉敷に着いた時には汗ばむような陽気に。

グズグズとした雨天続きだったそれまでとは打って変わり、展示会が始まると「これぞ秋晴れ!」といった晴天に恵まれました。

秋空の倉敷
秋空の倉敷

会期中、こんな秋空が続くかと思われた週半ば、また怪しげな天気予報が … 。

そう、台風22号が発生したのです。

しかも、21号と似たような進路をたどり、中国近畿地方への最接近はまさに最終日(=搬出日)の可能性が高いとのこと。台風の中での最終日や搬出は、あまり嬉しくはありません。

展示会終盤の土日は朝から雨となりましたが、さいわいこちらの台風も、進路がやや南にずれたことと、速度が速まったことで、風はほとんど吹かず、日曜日の展示会終了時刻を迎える頃には雨もやみ、またもや雨に濡れることなく搬出作業を行うことができました。

搬入・搬出ともに台風の接近に見舞われるという状況でしたが、おかげさまで紙一重の差で台風の影響から逃れることができました。

以下、お天気の良かった前半に撮影した写真を何枚か。

2017年「みき」での展示の様子
2017年「みき」での展示の様子

今回の展示の様子です。

土間にはゲートレッグテーブル、大きな櫃などを、座敷にはDMでご紹介した隅切りの棚や、定番の椅子、積み重ねの棚などを展示しました。

青々とした「チョウマメ」
青々とした「チョウマメ」

今年は会期を例年よりも少し早めたため、ギャラリーのオーナーさんが育てている「蝶豆」が青々と茂っていました。

ライトアップされた大原美術館
ライトアップされた大原美術館

会期を早めたとはいえ、展示を終える夕方6時になれば、すでにあたりは夕暮れを迎えています。

ライトアップされた「大原美術館」。

夕暮れの倉敷川
夕暮れの倉敷川

「今夜は何を食べようか」、などと相談しながら歩く、人気の少なくなった夕方の倉敷川沿いも好きな風景のひとつです。

今月25,26日、アイビースクエアで開催される「アイビーバザール」に出店するため、再び倉敷へ出掛けます(ご案内はまた改めて)。

「さすがにもう台風は来ないよね」などと他の出展予定の作家さんと笑って話したものの、そこは油断大敵。

観測記録上最も遅く発生した台風は、12月30日(2000年)だそうです(早くは1月2日だとか)。

こんどは台風が来ませんように!!

(Ku)

 

 

 

 

 

 

 

三田手仕事展が終了しました

今年最初の展示会となりました 『第9回 三田手仕事展』 が無事終了いたしました。

今回は、家具とコモノに分けて展示をし、積み重ね式の本棚や椅子などの大きな家具も、ゆったりとご覧いただくことができました。

ご来場くださいました皆様、ありがとうございました。

2016年三田手仕事展の展示の様子
2016年三田手仕事展の展示の様子

5月には、今年で5回目となります、地元淡路での展示会を予定しております。

ご案内はがきの段取りなど、少しずつ準備に取りかかっています。詳細につきましては、また後日改めてお知らせいたします(日程、会場等はホームページをご覧ください)。

さて、あっという間に桜の花も散り際を迎え、工房へ行き来する道路も所々ピンクの絨毯のようになっています。

自宅の玄関先で育てている盆栽の 「一才桜」 にも、今年はたくさんの花が咲きました。

三田へ出掛ける前日(4月1日)はまだ蕾だったのですが、…

一才桜のつぼみ(4月1日)
一才桜のつぼみ(4月1日)

展示会を終えて帰宅すると満開の花盛り!!

満開の一才桜(4月5日)
満開の一才桜(4月5日)

小さな小さなお花見スポットになって、ご近所の方も楽しんでくださったようです。

次の楽しみは、今、順調に蕾をふくらませている 「一才藤」 。

昨年、花が終わった直後の鉢植えを購入したものなので、花が咲くのは初めてで、とっても楽しみです。(Ku)