みのむし、ミノムシ、、、

おかげさまで、淡路での展示会は先日無事に終了いたしました。

サンシャインホールでの展示の様子(2016)
サンシャインホールでの展示の様子(2016)

今回もたくさんのお客様にご来場いただき、充実した時間を過ごすことができました。

ありがとうございました。

さて、展示会の準備や片付けなどに追われていた間に、工房の庭のブルーベリーが今年もたくさんの実を付けてくれました。

毛虫なんかが葉っぱを食い散らかしていないだろうか、と毎日チェックをするのですが、先日、枝にミノムシを見付けました。

ブルーベリーの枯れ枝で作られた、丈夫そうな蓑をまとっています。

ブルーベリーのミノムシ(晴れた日)
ブルーベリーのミノムシ(晴れた日)

ミノムシも葉っぱを食べる害虫のようですが、面白いので放置して様子をみることにしました(1匹くらいは養えそうですし… )。

ブルーベリーのミノムシ(雨の日)
ブルーベリーのミノムシ(雨の日)

翌々日の雨の日、ミノムシの様子を見てみると、雨の当たりにくい葉の陰にしっかり移動していました。移動するところを見てみたかったのですが、その後いなくなってしまいました。

ところが一昨日、思いがけず、ミノムシが移動する様子を見ることができました。

地を這うミノムシ
地を這うミノムシ

朝、工房へ出掛けるため家を出ると、1匹のミノムシが 地面を ” 這って ” いたのです!!

このミノムシは、「よしず」か、「すだれ」の破片を材料にしたようで、なかなか趣のある様子です。

近くでよく見てみると、”蓑” の上部から頭を出し、前方にある脚でまず上半身(?)を前に進め、次に蓑を頭まで引きずり上げ、また上半身を前に進めて、蓑を引きずりあげ・・・、といった方法で前進していることが分かりました。

その後、車にぶら下がりそうだったので、優しく保護して移動しておきました。無事に目的地に行けたかな? (Ku)

 

 

 

新たなる脅威

変だなあ、とは思っていたのです。

しばらく前から、雑木の茂る山林に続いている工房の裏庭に、黒胡椒のような黒い粒々がたくさん落ちていることに気が付いてはいたのです。

こんな時期に種を落とす樹があるのかなあって…。

一昨年は ”アメリカシロヒトリの幼虫” が庭全体に、昨年は”モンクロシャチホコ” がサクランボの木に大発生した工房の庭。

いずれも片っ端から捕殺したのが功を奏したようで、この春は何年かぶりに虫食いの跡のないカタクリやスズランが花を咲かせ、やっと毛虫の脅威から解放されたかのように見えていたのです。

ところが!

工房の西側に植えてあるサクランボの木の下を通りかかった火曜日の午後、目の前の枝が丸坊主になっていることに気が付きました。

下を見ると、裏庭と同じ黒い粒々がたくさん落ちているではありませんか!

改めて木を見上げてよーく観察してみると、

いました!!

長さ10cmほど、太さは2cm位あるでしょうか

緑色の、毛がフサフサした大きな大きな毛虫が!!!

数は多くはありませんが、大きな毛虫があちこちの葉っぱに取り付いていました。

裏庭に行って山を見上げてみると、丸裸になった1本の木。そしてその枝には案の定…。

あの粒々は毛虫のフンだったようです。

育てている草花や樹木、野菜を食べられては大変と、はしごも使って手の届く限り捕獲しました。

何の幼虫なのか、家に帰って調べたところ、”クスサン” という蛾の幼虫であることが分かりました。毒は無いようですが、食欲旺盛で、栗や桜などの葉を好み、大発生時には農林業に大きな被害が出るようです。

よほどの虫でないと怖じ気づかない私でさえも写真を撮る気にはなれなかったクスサン。興味のある方は『幼虫図鑑』(外部リンク)などで調べてみてください。

新たなる毛虫の脅威にさらされた工房の庭。

見逃してしまった幼虫達の次の世代が孵化する来年の春が要注意です。忘れないで対処しなければ。

杏のジャムづくり-1
杏のジャムづくり-1

知り合いの方に、庭で成ったという杏をたくさん頂きました。

そのまま食べるよりもジャムにした方がおいしいとのことで、早速ジャムに。

皮は薄くてむく必要がないし、種はポロッと取れるので、とても簡単にジャムにすることができました。

杏のジャムづくり-2
杏のジャムづくり-2

レモン汁と砂糖を加えて、ヨーグルトにぴったりの、甘酸っぱいおいしいジャムになりました。

現在、ホームセンターで ”杏の苗” を物色中の私達です。(Ku)

「猛暑」の上は?

これでもか!というように、むやみに暑い日が続いています。

先日発表された気象庁の3ヶ月予報では、「猛暑と見込まれる8月」 が 「さらに暑くなる」 と上方修正されたとか。 「猛暑」 の上ってなんていうのでしょう…。

こんなに暑いのは勘弁して欲しいのですが、夏に楽しみにしていることのひとつに、あるラジオ番組があります。

NHK第1放送の 『夏休み子ども科学電話相談』 という番組で、生き物や植物、宇宙など、科学に対する子供達の質問に、それぞれの分野の専門家が回答するというものです。

「果物や野菜にはなぜ ”ヘタ” があるの?」、「シマウマは白と黒とどっちが地の色?」などという、大人には思いつかないような質問がたくさん飛び出します。(ちなみにシマウマの地の色は黒なのだそうです。あ、シロクマも地肌は黒いそうです。)

それに対して先生方は、相手が子供だからといって誤魔化したりせずに、時には難しい専門用語も使ってきちんと、しかも噛み砕くように分かりやすく説明をしてくれます。

私が一番好きなのは、植物について、「”アントシアニン” って知ってる~?ちょっと難しい言葉やけど大切なんで覚えといてくれる~」なんていう柔らか~い調子の関西弁で説明してくれる先生です。説明がとても分かりやすく、私達も昨年の放送で ”アントシアニン” という言葉を覚えました。

初めて知ることも多く、また、子供ならではの目の付け所に感心したり、質問した小さな子供が先生の答えに「へェ~!!!」と大きな声で驚いたりといった電話ならではのやりとりも面白く、なかなか聞き応えのある番組です。

普段は作業中、FMを流していることが多いのですが、この時期はAMに替えて番組を楽しんでいます。

さて、もう一度だけアゲハチョウのお話しを。

7月22日の朝、幼虫君2号(ボブ)は無事にチョウになって旅立ちました。

21日夜に羽化の兆候を見せたボブ、幼虫君1号の時は羽化の瞬間を観察できなかったので、今度こそはと思い、22日は朝5時を過ぎた頃から、ボブの容器を置いた台所と布団を行ったり来たりしてうたた寝を交えながら何回となく様子を確認しました。

そして5時45分、ついにその時が訪れました。

羽化した直後のボブ(7月22日5:46)
羽化した直後のボブ(7月22日5:46)

サナギがピクピクしだしたな、と思った次の瞬間、まるでクシャクシャに丸めた服を担いで慌てて部屋から出掛けるかのように、あっという間に羽化が終わってしまいました。

もっとゴソゴソと時間がかかるものと思っていたので、あまりの簡単さにびっくりでした。

しわくちゃだった羽根は10分ほどでピンと伸び、その後もう20分ほどして旅立っていきました。

同じボブです
同じボブです

きっとこのアゲハの幼虫の観察でも、子供だったらもっといろいろ不思議に感じたり、気が付いたりすることがあるんだろうなあ、と『子供科学電話相談』を聞きながら、大人の目で見てしまっている自分に気付き、ちょっと寂しくなりました。(Ku)

アゲハチョウの幼虫-旅立ち

19日(金曜日)の朝、幼虫君1号は無事に立派な ”アゲハチョウ” になって旅立ちました。

9日夕方にサナギの姿になってから、ほとんど変化の無かった幼虫君1号でしたが、18日(木曜日)の夕方になって、それまでよりも明らかに色が黒っぽくなっていることに気が付きました。

帰宅後、寝る前にもう一度様子を確認すると、色,形などがさらに大きく変化しているではありませんか!

大きな変化が始まった幼虫君1号(7月18日22:04)
大きな変化が始まった幼虫君1号(7月18日22:04)

上半身(?)が黒くなり、お腹の部分もなんだかスジのような模様がはっきりして、全体的に表面が乾燥したような感じです。

きっと羽化は明日の朝だろうと思い、就寝。

翌朝5:30頃に一度目が覚めたので様子を確認すると、寝る前とは特に変わっていないように見えました(寝ぼけていて細かい変化を見つけられなかったかもしれません)。

そして6:30の目覚まし時計で改めて様子を見に行くと、容器の中には立派なチョウが!!

チョウになった幼虫君1号(7月19日6:25)
チョウになっていた幼虫君1号(7月19日6:35)

私が2度寝してしまった1時間弱の間に幼虫君1号はさっさと羽化してしまったのでした。

旅立つ前の幼虫君1号(7月19日6:46)
旅立つ前の幼虫君1号(7月19日6:46)

容器から出して開けた窓のそばに置いてやると、しばらく体を休めたのち、私達が朝食を食べている間に旅立って行きました。

この変化にはビックリ
この変化にはビックリ

約10日間で、「いもむし」が「チョウ」になって飛んでいきました。

知識としては知っていたものの、その大きな変化を目の当たりにして驚異の眼を見張るばかりでした。自然の力の偉大さを改めて感じました。

見逃した”羽化”の様子の観察については、その後順調に1号君と同様の経過をたどっている”ボブ(幼虫君2号)”に託したいと思います。

今回、アゲハチョウの幼虫を観察してみて、1匹であれば思ったほどエサは必要無いということ(最後の緑色のイモムシの形態で1日葉っぱ数枚程度)、つっつきさえしなければ嫌なニオイを出すことはなく、ニオイらしいニオイといえばエサの柑橘系の葉っぱのよい香りがするくらい。フンも最後の1回以外はドライなので、容器のそうじも簡単で、非常に飼いやすいということが分かりました。

身近に柑橘系の木があって、エサの補充にさえ困らなければ、”イモムシ” だからと毛嫌いせずに是非飼ってみてください(詳しい飼い方はインターネットで検索するとたくさんでてきます)。

さて、やっと虫の話題から離れて(虫嫌いの方、すみませんでした)…

これは?
これは?

工房の庭のプランターで葉を拡げたこの3本の野菜はなんでしょう?

”こんにゃく芋”の1年生
”こんにゃく芋”の1年生

”こんにゃく芋” の1年生です。

知り合いに頂いて プランターに植えた”こんにゃく芋” の1年生の種芋が芽を出し、葉を拡げました。

こんにゃく芋は、収穫するまでに2~3年かかるそうです。

最初の小さな種芋を ”1年生”、秋まで育てて掘り出したものを ”2年生”、これをまた翌春に植えて秋に掘り出すものを ”3年生” と呼び、”3年生” または ”4年生” が ”こんにゃく芋” として使用できるのだそうです。

”こんにゃく” になるまで先は長いですが、姿形も面白いので、ちょっと育ててみようと思っています。(Ku)

アゲハチョウの幼虫-2

さて、1週間がたちました。

あの幼虫君はどうなったかといいますと…

”サナギ” になった幼虫君1号 (7月10日9:23)
”サナギ” になった幼虫君1号 (7月10日9:23)

今、こんな状態です(今日はもう少し茶色っぽくなっています)。

7月9日(火曜日)の夕方に、無事に ”サナギ” になりました。

結局7日から9日の午後まではほとんど変わらない勢いで「ボジボジ、ボジボジ、」と葉っぱを食べていたのですが、8日の16時を過ぎた頃に様子が急変しました。

先週ネットで調べたところ、サナギになるまでに、

「体内の水分を排出するために水っぽいフンをする」

「サナギになる場所を探すため、行動範囲を拡げてウロウロ歩き回る」

「場所が決まったら糸を吐いて体を固定する」

「最後の脱皮をしてサナギになる」

という経過をたどるらしいのですが、まさにその、「水っぽいフン」をしたのです。

サナギになる前の「水っぽいフン」
サナギになる前の「水っぽいフン」

容器の端の方に転がっているお団子のようなものはそれまでにしていた ”フン” です。本当にカラカラに乾いていて、落ちた時に ”コツンッ” と音がするほどです。

よく見ると水っぽいフンには、幼虫君が小さな口で1口1口囓ったままの形の葉っぱが点々とたくさん含まれています。乾いたフンも水っぽいフンもニオイは全くといっていいほどありません(強いていえば、柑橘系の葉っぱのよい香りがほんのり)。

そして ”ウロウロ” が始まりました。

サナギになる場所を探して動き回る幼虫君1号(8日17:09)
サナギになる場所を探して動き回る幼虫君1号(8日17:09)

サナギになるにはきっと棒状のものがいいだろうと、容器に木っ端やら枝やらを入れてみたのですがどうも気に入らないらしく、今までの様子とはうって変わったような勢いで歩き回ります。

ためしに長い棒を入れてみると写真のようにあっという間にてっぺんまで登り、さらに行き先を探します。

しばらく歩き回った末に結局落ち着いた所は、なんのことはありません。容器の壁でした。

落ち着いた幼虫君1号(8日21:55)
落ち着いた幼虫君1号(8日21:55)

ツルツルのプラスチックの壁に細かい糸できちんと足場を作って落ち着いていることが分かります。

この後、自分の体を糸で固定する作業をするはずですが、夜も遅くなり、この日の観察はここまでで断念。

で、翌朝になると、

しっかりと体を固定した幼虫君1号(9日8:20)
しっかりと体を固定した幼虫君1号(9日8:20)

しっかり体を糸で固定していました(まだ ”いもむし” の姿のままです)。

あとは、いつ最後の脱皮をしてサナギになるかです。この大きな変化は見逃したくありません。

工房へ連れて行き、作業の合間に、今か今かと様子をチェックしたのですが、結局帰宅する18:00前までほぼ変化なし。工房を出る直前、なんだかモゾモゾ体を動かしているなあ、とは感じたものの、きりがないので一緒に帰宅。

ただこの日は、途中で亀を助けたり (時々、亀がのそのそと道路を歩いています。車にひかれたりカラスの餌食になったりするので、そんな亀を見つけると、捕まえて近くのため池などの安全そうな場所に放してやることにしています。ひょっとしたら亀にとっては迷惑かもしれませんが…)、ホームセンターで ”よしず” を買って帰ったりしたため、家に帰るまで1時間ほどかかりました。

帰宅して幼虫君の様子を確認してビックリ!!

「変わってる~!!!」

いつの間にかサナギになった幼虫君1号(9日19:04)
いつの間にかサナギになった幼虫君1号(9日19:04)

なんと、亀を助けたりしていた1時間ほどの間にサナギに変わってしまっていたのです。

大切なところを見逃してしまったのが残念で、その部分は翌朝、今度はユズの木で捕獲した幼虫君2号(通称 ”ボブ”)に託すことにしました。

”ボブ”(幼虫君2号)(10日9:33)
”ボブ”(幼虫君2号)(10日9:33)

ボブはその後順調に成長し、変化のタイミングが幼虫君1号よりも2,3時間早かったため、体をくねらせて繰り返し体を支える糸を吐く様子や、”いもむし” から ”サナギ” への劇的な変化もしっかり観察することができました。

上体を支える糸を吐くボブ
上体を支える糸を吐くボブ

体を固定した後は、逃げることのできない全くの無防備な状態になります。羽化するまでに鳥に食べられたり、虫に襲われたりすることも多いはずです。そんなことに一切構わず(多分)、誰に教わったでもない一生に一度の作業を淡々とこなす様子は感動的でした。

10日程度で羽化するようですから、順調にいけば幼虫君1号は来週の後半、ボブはその翌週にチョウチョになるはずです。

夜中に羽化しませんように!

アゲハの話が続き、「随分とヒマな奴らだ」と思われているかもしれませんが、仕事もしっかりしています。どうかご安心を。(Ku)

アゲハチョウの幼虫-1

工房の庭に、”キンカン” と ”ユズ” の木があります。

毎年夏が近づいた頃、いつの間に卵が産み付けられるのか、アゲハチョウの幼虫に葉っぱを食い荒らされます。

それはそれはすごい食欲で、せっせせっせと葉っぱをかじり、うっかりしていると木が枝だけの丸坊主になってしまうので、気が付いたときに退治することにしています(ピンセットでつまんだ時の、あのニオイは強烈です)。

ところが、どうしても見逃してしまうらしく、金曜日、キンカンの木に大きく成長した立派な幼虫を見つけました。

葉っぱを食べるでもなく、しばらく見ていてもじっと動かないままなので、きっともう ”サナギ” になるのだろうと思い込み、せっかくなので羽化を観察してみることにしました。

鳥に食べられてしまうこともあるので、葉っぱの付いた枝ごと切り取って保護。

アゲハの幼虫(7月5日17:23)
アゲハの幼虫(7月5日17:23)

あのニオイにひるんであまりじっくり観察したことがなかったのですが、よく見るとなんとも綺麗なことにびっくりしました。

きれいな緑色、コントラストも鮮やかな脚もとの白い模様、愛嬌のある目玉とその間をつなぐような複雑な模様などなど…。

アゲハの幼虫(7月5日17:24)
アゲハの幼虫(7月5日17:24)

お腹の側から見るとこんな感じ。

短い脚で細い枝にキュッとしがみついている様子なんて、カワイイじゃあありませんか!!

枝ごとプラスチックの容器に入れて自宅に持ち帰りました。

ところが…

葉っぱを食べるアゲハの幼虫(7月6日20:52)
葉っぱを食べるアゲハの幼虫(7月6日20:52)

翌日土曜日になると、サナギになるどころか、バリバリ葉っぱを食べ始めたではありませんか(静かな所だと、「ボジッ、ボジッ」というような音が聞こえます)。

「えっ、もうサナギになるんじゃなかったの!」とは私の勝手な思い込み。

インターネットで調べてみると、たしかにこの緑色の姿になるのは、幼虫最後の脱皮の後で、サナギになるのは時間の問題らしいのですが、「すぐ」と判断したのは少々早合点だったようです。

今日日曜日になってもまだ動き回って葉っぱを食べています。葉をたくさん付けたまま枝を切り取ったのでよかったのですが、明日はまた工房へ連れて行って新鮮な枝葉を補充してあげようと思っています。

さて、この幼虫君の運命や、いかに…。(Ku)