春なのに~

ここ数日は冬が逆戻りしたかのような冷え込みが続いていますが、標高の関係でちょっとだけ春の訪れが遅い工房の庭でも、着実に春の足音が聞こえています。

新芽を伸ばした「スズラン」
新芽を伸ばした「スズラン」

落ち葉の下から「スズラン」が芽を出し、

「ヒメコブシ」のつぼみがふくらみました
「ヒメコブシ」のつぼみがふくらみました

「ヒメコブシ」のつぼみも日ごとにふくらみ、

ちょっと遅い「しだれ梅」の花
ちょっと遅い「しだれ梅」の花

遅ればせながら、鉢植えにしている「しだれ梅」にも花が咲きました。

春です!!

淡路で春といえば、そう、「いかなごのくぎ煮」です!

ところが…

いつもなら、ご近所だけでなく、仕事の行き帰りの道沿いからも、どこからともなく、くぎ煮を炊く醬油の甘塩っぱいおいしそうな匂いが漂ってくるのですが、今年はそれが全くありません。

朝は海から、漁船のエンジン音や、スピーカーからの漁師さんの威勢のいい声がうるさいほど聞こえてくるはずなのに、静かなまま…。

この春は、例年にない不漁だとか。

早々に漁も打ち切られ、「いかなご」を入手することがほぼ不可能な状況です。

スーパーの店頭でも、材料のザラメや醤油などは山積みなのに、肝心の「いかなご」の姿は一匹も…。

当然価格も高騰し、この春は「くぎ煮」を断念せざるを得ませんでした。

” におい ” にも ” 魚の姿 ” にも全く触れることのできない、なんだか物足りない淡路の春を迎えています。

来年はどうなるのか、このまま「いかなご」が高級食材になってしまわないよう願うばかりです。

 

さて、気を取り直して、

春といえば、展示会シーズンの幕開けです。

今年は4月13日からの、サンコアさん(岡山県玉野市)での展示会からのスタートです。ホームページの「展示会情報」も更新しましたので、ご参照ください。

また後日改めて、このブログでもご案内させていただく予定です。

「いかなごのくぎ煮」がのっかったお弁当が食べられなくて寂しい春ですが、充実した展示会になるよう、あと少し、準備に励んでいきます。

(Ku)

 

いつのまにか、もう7月

今年は、梅雨らしい梅雨となり、じめじめと雨空が続いています。

ここしばらく、5月の展示会の際に頂いたご注文の打合せや、展示会のためにお待ちいただいていたテーブルなどの製作に追われ、ついついブログの更新を後回しにしていたら、いつの間にか7月に入ってしまいました。

そして今日、5月8日にこのブログで紹介しました、洲本沖の巨大風車の曳航が開始されたというニュースを目にしました。

今日(7月2日)午前中に出発し、8日夜には福島沖に到着する予定なのだそうです。

あの後、6月半ばに洲本方面へ出向く機会があり、風車の付いたほぼ完成形の姿を見ることができました。

洲本沖の巨大風車(6月13日)
洲本沖の巨大風車(6月13日)

高さが約150メートルということで、たしかに大きいです。

大きいのですが、実は5月に土台部分だけを見て勝手に想像していた姿が相当な巨大さだったので、「予想よりもこぢんまりしてる…」 というのが正直な感想でした(それはそれは大きな風車が、天にそびえ立っているという、ありえない姿を思い描いていたのですが…)。

あとは、無事に福島に到着することを願うばかりです。

さて、先日、1人用の小さめのテーブルを納品させていただきました。

「一人で食事をしたり、書き物などの作業をするためのテーブルで、できるだけシンプルなものを」、というご相談でしたので、以前製作しました、『児童発達支援施設の小学生用の机(ブログ掲載:2016年3月6日)』 や、『シンプルな学習机(ブログ掲載:2016年2月28日)』 と同様の構造のテーブルを提案させていただきました。

1人用のシンプルなテーブル
1人用のシンプルなテーブル

天板、脚ともにタモ材で製作し、オイルで仕上げました。

木をふんだんに使って新築されたお部屋にしっくりと馴染み、「部屋の雰囲気がとてもよくなった」 とたいへん喜んでいただけました。

ありがとうございました。(Ku)

 

 

 

淡路での展示会まであと約3週間となりました。

今年で5回目となる、地元淡路での展示会が着々と近づいています。

今日は、先日出来上がった展示会ご案内のハガキを、島内の図書館や公民館などに置いて頂くようお願いに行ってまいりました。

洲本方面に向かって車を走らせていると、洲本市街地にほど近い海上に、大きな大きな起重機船が、これまた巨大な黄色い物体を吊っている様子が見えてきました。

橋を架けるような場所でもないし、わざわざ海上に建物を建てるような所でもありません。なんだろう…???

しかも、こんな時に限ってカメラを持っておらず、やむなくガラケーのカメラで写真に収めておきました。

大きな起重機船が…
大きな起重機船が…

家に帰ってインターネットで調べてみると、なんと、福島県沖に設置される「浮体式の洋上風力発電設備」ということです。

堺市でいくつかに分けて製作された装置が、大阪湾対岸の洲本沖まで運ばれてきて、ここで組み立てられてから福島まで曳航されていくとのこと。

今はまだ土台となる部分だけですが、これからこの上に直径100mを越える風車が取り付けられ、最高点の高さは水面から150mにも及ぶのだそうです。

背の高い風車の形にしてからはるばる福島沖まで運ぶなんてびっくりです。

7月1日に福島に向けて出発予定ということなので、是非そのころにもう一度見てみたいものです。

展示会のお話しから大きくそれてしまいましたが、本日、ホームページの展示会案内に、詳しいご案内を掲載いたしましたので、是非ご覧下さい。

展示会まであと約3週間。

充実した空間を楽しんでいただけるよう、じっくりがんばっていきたいと思います。

サンシャインホールでの展示会のご案内
サンシャインホールでの展示会のご案内

工房の庭で、小さな小さなナナフシのこどもを見付けました。

小さな小さなナナフシのこども
小さな小さなナナフシのこども

体長1cmくらいでしょうか。

脚なんて、剛毛の私の髪の毛よりよっぽど細くて、なんとも頼りない限りですが、ユラユラ揺れながら移動する姿はやっぱりナナフシ。

無事に大きく育ってくれるよう願いながらそっと庭に返しました。(Ku)

新舞子へのドライブ、そして…

先週の写真の長~く伸びた影。

日の出直後の新舞子の干潟で撮った私たちの影です。

兵庫県たつの市御津町の「新舞子海岸」は、干潮の際には500mほども潮が引き、広大な干潟が拡がることで知られています。

特に冬の大潮の時期にはちょうど干潮と日の出の時間が重なり、幻想的な風景が見られるとのことで、2月の初めにその風景の写真が新聞に掲載されていました。

以前にもこのブログに書きましたが、新舞子海岸から歩いて1分ほど(1分もかからないかも…)のところに叔父夫婦が住んでおりますので、久しぶりの挨拶も兼ねて ”見に行こう!!” ということになりました。

大潮に近く、干潮と日の出時刻が重なった2月21日、がんばって早起きをして出掛けました。

干潟全体が見渡せる海際の高台に到着したのが、ほぼ日の出時刻の6時40分。

そこはシャッタースポットにもなっており、すでに最前列にはズラ~~っと三脚とカメラマンが並び、入り込む余地はありませんでした。(見た事もないような背の高い三脚や、ごっつい望遠レンズを付けたカメラが並んでいる様は、それはそれで見ものではありました。)

人の頭越しにはなりましたが、砂の部分と水面が織りなす不思議な模様を朝日が照らし出す風景は、まさに幻想的でした。

高台から見た干潟
高台から見た干潟

その後、高台から降りて干潟の中へ。

干潟の砂紋
干潟の砂紋

干潟には一面、さざ波を型に取ったような、細かくきれいな ”砂紋” が拡がっており、歩いて足跡を付けるのが申し訳ないような気持ちになりました。

魚やタコなんかが取り残されていないかな、とか、この海藻は食べられるのかな、なんて欲張りな気持ちで干潟を散策していると、ふと自分たちの影がビックリするほど長く伸びていることに気が付きました。

脚ばっかり異様に長く、まるで異星人か何かみたい。

面白かったので撮ったのが前回のブログの写真です。

この他にも、不思議な砂の模様が…。

砂に残っていた不思議な模様
砂に残っていた不思議な模様

水の流れた跡でしょうか? 自然の不思議です。

その後、叔父宅で楽しいおしゃべりをした後、帰途につきました。

私たちのレガシィ、とてもいい車でした
私たちのレガシィ、とてもいい車でした

実はこのドライブにはもうひとつ大きな意味がありました。

まだ岡山でサラリーマンをしていた時に乗り始めた私たちの ”レガシィ”。

エンジンの調子はまだまだ良いのですが、ここ数年は足まわりや細かい部分の故障が多くなり、修理して乗り続けていくことが困難になってきました。

愛着もあり、修理すればまだ使える車を処分することはとても心苦しかったのですが、今回の車検切れを期にやむなく手放すことにしました。

レガシイでの最後の遠出ということで、丸19年目になる2月26日を前に、今回のドライブに出掛けたのです。

積算走行距離222,773km
積算走行距離222,773km(平成27年2月26日)

スキーやカヤック、キャンプ、車中泊での貧乏旅行、工房を開いてからは、配達や展示会への搬入などなど、私たちのこれまでの生活は、この ”レガシィ” 無しには考えられません。

まだ買いたての頃に岡山の本屋さんの駐車場で当て逃げをされた以外、事故らしい事故もなく、雨の日も、雪の日も、私たちを力強く運んでくれました。

初度登録平成8年2月27日の私たちの ”レガシィツーリングワゴン” は、丸々19年、私達を乗せて222,773kmを走ってくれました。

ありがとう。

ご苦労さまでした。 (Ku)

未知との遭遇?

謎の影
謎の影

長~く伸びる2つの影。

これはいったい……?

詳しくは、また来週。

漆塗り作業
「コート掛け」の漆塗り作業

製作中の 「コート掛け」 は、2週間ほど前に漆塗り作業が終了し、現在 ” 室(むろ)” の中でじっくり乾燥中です。

” 漆はかぶれるのでは?” と思われる方も多いと思いますが、しっかり乾燥した漆製品でかぶれることはありません。

塗る前の ”生漆(きうるし)” は、ベージュ色をした、とんかつソース 位の粘り気のドロッとした液状で、これを木地に塗るのですが、この 乾燥前の ”生漆” が素肌に付くと大変な目にあいます(希にかぶれない体質の人もいるそうです)。

体も慣れてきたのか、最近はひどくかぶれることはなくなりましたが、私は以前、腕がパンパンに腫れて皮膚科にかかったことがあります。

思わず「それを注射するんですか?」と聞いてしまったほどの、針が中心より端に寄った位置から出ている、それはそれは太い注射器が目の前に…。

さすがにすっきり治りましたが、テレビで見たことのある、獣医さんが牛にしていた注射にそっくりで、かなりおっかなびっくりの治療でした。

お客様をそんな目にあわせては大変と、拭き漆仕上の場合は、充分に漆が乾いてから納めさせて頂くことにしています。

そんなこともあって手間暇のかかる拭き漆仕上げですが、その分出来上がりの美しさは格別です。

近日中に金具を取り付けて、完成した「コート掛」をご紹介させて頂く予定です。ご期待ください。(Ku)

渦潮観光

西の空に日が沈み、夕焼けが次第に薄い紺色に変わると、急な坂道を転げ落ちるように一気に夜の闇が訪れます。

その闇の訪れを待っていたかのように、虫の音が一段と大きくなります。

私達の暮らしているまわりでは、先週あたりから稲刈りが始まっていて、吹き抜ける風が稲わらの香ばしい香りを運んできます。「夏の終わり」というよりも、「秋の訪れ」と呼んだ方が何となくしっくり来るような、そんな感じです。

今日(9月16日)、家内の高校時代の友達が静岡から遊びにやって来ました。

1日をかけて淡路島を案内することになり、いろいろと思案した結果、鳴門の渦潮を見に行くことにしました。せっかくなので、船の上から見ようこということになり、島の最南端の「福良」というところから観潮船に乗り込みました。

淡路で生まれ育った私なのですが、観潮船に乗るのは初めてのことです。

帆船の「日本丸」を模した観潮船は福良港から出港し、狭い湾内をすり抜けて一路鳴門海峡を目指します。港を出ると遙か彼方に鳴門海峡大橋が見えてくるのですが、遠目にも白い水しぶきが上がっているのを見ることが出来ます。

まるで川の流れのような…
まるで川の流れのような…

15分ほどで鳴門海峡大橋の真下に到着すると、西から東へ、瀬戸内海から太平洋へと潮が流れている真っ最中でした。

昨日がたまたま大潮だったこともあり、大きな落差を伴った潮の「流れ」は、まるで「川の流れ」そのもので、びっくりするほど力強く、圧倒されました(潮の落差は春の大潮の時が最大となり、4メートルにもなるそうです)。

渦が出来ては消えて…
渦が出来ては消えて…

流れのあちこちに、大小さまざまの「渦」が出来ては消え、また出来ては消え…。そのたびに船内では大きな歓声が上がります。

鳴門海峡を後にして…
鳴門海峡を後にして…

船は、潮の流れの中を何度も行ったり来たりして私達を楽しませてくれた後、30分ほどでその場を後にして福良港へ戻りました。あっという間の1時間。自然の雄大さを体感した1時間でした。

工房では、秋の展示会に向けて、戸棚やコモノなどの製作が追い込みに入っています。

モグラでモコモコ
モグラでモコモコ

庭では“モグラ君”の活動が再び活発になってきています。

どうしたものか、トホホッ…です。(Hi)