鉄人28号

所用で神戸市の新長田駅の近くに出掛けてきました。”新長田”といえばそう、『鉄人28号』のモニュメントです。

高さ約16mにもなる巨大なモニュメントは迫力満点。躍動感あふれるポーズの”鉄人”は今にも動き出しそうです。”鉄人”の名の通り鋼鉄製で、なんと50tもの重さがあるのだとか。

”鉄人28号”のモニュメント
”鉄人28号”のモニュメント

神戸市長田区は、阪神・淡路大震災では大規模な火災が発生し、特に被害の大きかった地域のひとつです。このモニュメントは、震災からの復興のシンボルとして2009年に完成したものです。

長田は、『鉄人28号』,『三国志』,『バビル2世』,『魔法使いサリー』などの作者である漫画家”横山光輝”の出身地ということで、『鉄人28号』と『三国志』を街おこしの柱にしており、登場人物の石像や看板、のぼりなどをいたる所で見ることができます。

『三国志』”関羽”の石像
『三国志』”関羽”の石像

これは、『三国志』の”関羽”の石像です。このほか、”孫権”,”孔明”などの石像があるそうです。

動かせる”鉄人”
動かせる”鉄人”

これは、腕を動かすことの出来る”鉄人”。大きさは人の身長くらいですが、手前にあるコントローラーで、腕の上げ下げなどの”操縦”をすることができます。

そして、長田といえば”ぼっかけ”(牛すじを甘辛く煮込んだもの)。

揚げたての、名物”ぼっかけコロッケ”をホゴホゴいいながらほおばりましたが、またもや写真を撮ることを忘れて平らげてしまいました。ホクホクのじゃがいもと、甘辛く、こってりコクのあるお肉のハーモニー。また機会があれば是非食べたいと思うおいしさでした。(Ku)

風車のお話し~その2~

風力発電の風車の建設は順調に進んでいるようで、4基目もそろそろ完成です。

下の写真は工房の戸口を出たところから撮ったものです。左側、木の向こうに見えるのが3基目で、これは木の葉が茂ると見えなくなりそうですが、右側の4基目は遮る物がなく、工房から完全に見通すことができます。

建設中の4基目
建設中の4基目

工房は北淡路丘陵の尾根すじを通る県道から脇に100メートルほど離れています。1,2基目はその県道まで出ないと見ることができないので、工房へ行き来する朝と夕方しか作業の進み具合を見ることができませんでした。

あんなに大きな部品をどうやって組み立てていくのかとても興味があったのですが、そのために県道まで出てボーッと見ているわけにもいきません。

その点4基目は、作業の合間に戸口からちょっと首を出せば見ることができます。

支柱の吊り下げ
支柱の吊り下げ

これは、支柱を継ぎ足しているところです。写真ではよく分かりませんが、下の設置済みの支柱との間にまだすき間があり、継ぎ足す直前といったところです。

羽根の取り付け
羽根の取り付け

これは、1枚目の羽根を取り付けた直後のようです。支持具で水平に吊り上げて取り付けるようです。回転軸のモーター部分に、人影も小さく動いていました。

本当は、吊り上げていく途中も見たかったのですが、残念ながら見逃してしまいました。

この作業を見た前日、たまたま用事があって夜中に国道を走っていると、警備員さんに車を止められました。”今から50mのトレーラーが通るのでちょっと待つように”とのこと。

風車の部品は船で運ばれてきて、”大磯”にある、もとはフェリー乗り場だった広大な空き地に仮置きされているのですが、どうも今から何か長いものを建設現場へ搬入するようです。

しばらく待っていると、長い羽根を1本積んだトレーラーがゆっくりとやって来ました。すれ違うときは、あまりの大きさに2人とも”オ~ッ”と声が出るばかり。しかもこの”オ~”の長かったこと!!

いかなごのクギ煮
いかなごのクギ煮

さて、瀬戸内の春の風物詩、いかなご漁が解禁になり、あちこちからおいしそうなクギ煮を炊く香りが漂うようになりました。

早速、お隣のおばさんが初物を炊いておすそ分けしてくださいました。ホカホカの炊きたてご飯にのせれば、もうそれだけで春のご馳走です。

まだ魚が小さく、大きさも揃っていないので、上手にクギ煮にするには熟練の技が必要です。私たちは、もう少し魚が大きくなって炊きやすくなってから作る予定です。(Ku)

春を告げる花

寒い日が続いています。

工房内では薪ストーブが燃えさかり、庭のメダカの火鉢はこのとおりカチンコチンです(氷の下でメダカはじ~っと春を待っています)。

氷の張ったメダカの火鉢
氷の張ったメダカの火鉢

あまりの寒さに私たちもあまり庭に出ない日が続いていましたが、火鉢の向こう側の水仙の陰で、今年もスノードロップが元気につぼみを膨らませているのに昨日気が付きました。

つぼみをつけた"スノードロップ"
つぼみをつけた”スノードロップ”

夏の間は地上部が全く無くなってしまうため、ついそこに植えてあるのを忘れてしまうのですが、冬の終わりが近づくとしっかり芽を出してきれいな花を咲かせてくれます。

”春を告げる花”だとか。

これから少しずついろいろな春の足音が聞こえてくるのでしょう。

2基目が完成した風車
2基目が完成した風車

さて、工房の近くで始まった風車の建設は、先日2基目が出来上がり、3基目の工事が始まりました。クレーンが立っているのが3基目の場所です。

夕焼けの中に立つ風車
夕焼けの中に立つ風車

昨日の夕方、きれいな夕焼けに風車のシルエットが浮かび上がっていました。

とても大きいのに、細く長い羽根とそれを支える一本の柱だけという非常にシンプルなデザインの風車は建造物としてはとてもきれいです。風景の邪魔になることもなく、これで音や影などの影響が無ければ言うことないのですが…(まだ稼働されていないので、風が吹いても羽根は回っていません)。

『民藝』2月号
『民藝』2月号

12月11日のブログで「平成23年度民藝館展」での入選をご報告させて頂いた”拭漆戸棚”を、日本民藝協会の機関誌である『民藝』2月号で紹介していただきました。

掲載された”戸棚”
掲載された”戸棚”

”シンプルに、ていねいに”を心掛けている私たちにとって、「さっぱりとしていて良い。」という内容の、とても嬉しい講評もいただきました。これを励みに今後もしっかりと仕事に取り組んでいきたいと思います。

一般の書店では扱われておりませんが、各地の民藝館,工藝館、民芸店などでお手に取っていただけますので、機会がありましたら是非ご覧になってください。(Ku)

風車のお話し

東日本大震災における原子力発電所の事故の影響もあり、太陽光や風力などによる持続可能なクリーンエネルギーに注目が集まっています。

実はこのたび、私たちの工房のすぐ近くでも大型の風車の設置工事が始まりました。

計画はずいぶん前から進行していたようなのですが、騒音や健康被害、環境への影響などに配慮し、計画当初は12基の建設予定だったものを6基へ縮小しての建設となりました。

建設途中の風車-その1-
建設途中の風車-その1-

建設が始まってまず驚いたのは、その圧倒的な大きさです。

ひとつひとつのパーツがトレーラーで運ばれてくるのですが、その大きいこと大きいこと。羽根の長さが約40メートル、支柱の高さが80メートルだそうなのですが、それが道のすぐ脇に止められたトレーラーの上に載っている姿にとにかく驚きました。

建設途中の風車-その2-
建設途中の風車-その2-

次に驚いたのは、作業の迅速さです。

下準備は以前から進んでいたのですが、さすがに大きなプロジェクトだけあって作業はとても段取りのよいもので、ある朝大きな支柱が運ばれてきたかと思えば、夕方にはそれが自立しており、次の朝に本体(扇風機のモーター部分のようなもの)が運ばれてきたかと思えば、夕方にはそれが支柱の上に取り付けられ、また次の朝には羽根の部分が運ばれてきて夕方には組み上がっており…といった具合で何も無かったところにみるみる“巨大”な風車が姿を現したのであります。

すでに震災以前からここ淡路島では、鳴門海峡に面した阿那賀地区というところで14基の大型風車が稼働していたのですが、今回は、京阪神からもよく見える島北部の丘陵地での建設です。

出来上がると、6基で12,000KWの発電量になるということです。もちろん、1基で百数十万KWという原子力発電所の規模には遠く及びません。しかし、未来へ向けて自然と共存できる持続可能なエネルギーの開発や普及とともに、私たち一人一人の意識を少し変えて、バランスのとれた生活を心掛けることも必要だなあと、改めて感じた今日この頃です。ただ、作業場にとても近いので、音などがちょっと心配ではありますが…。(Hi)

閑谷学校

今週は、先月の倉敷での個展の帰りに立ち寄った『閑谷学校』の写真を何枚かご紹介します。

『閑谷学校』校門
『閑谷学校』校門

『閑谷学校』は岡山県備前市にある史跡で、岡山藩主池田光政によって建てられた庶民のための学校です。当時のままの立派な木造建築がいくつも残っており、私たちにとってとても興味深い場所です。

楷の木
楷の木

『聖廟』の前の大きな2本の”楷の木”は、中国の孔子廟の楷の木に由来しており、秋には見事な紅葉が見られるそうです。閑谷学校に立寄るのはいつも秋の個展が終わってからなので、楷の木の紅葉の見頃は過ぎてしまっています。その分、観光客が少なくて落ち着いてはいます。

今回、楷の木の下に実が落ちていたのでいくつか拾わせて頂きました。芽が出るとよいのですが…。

講堂
講堂

国宝にも指定されている大きな『講堂』は、磨き抜かれた床に大きな窓(”花頭窓”というそうです)から入る外の光が見事に反射しています。立派な柱や精巧に細工された窓枠、目立っているわけではないのに存在感のある釘隠などの金具類…。作った人達やここで学問にいそしんだ人々の真摯な気持ちが伝わってくるような空間です。

この講堂は普段は入室禁止ですが、月に1回論語の講座が開かれているとのこと。機会があったらいつか参加してみたいです。

石塀と紅葉
石塀と紅葉

閑谷学校は、柔らかな丸みを帯びた外形をもつ石の塀で囲まれています(全長765mもあるそうです)。ピッタリと組まれた石が形作る独特の曲線は決して威圧的ではなく、神聖な”学問の場”として敷地を外界と区切っているような印象を受けます。

写真は、現在は資料館などとなっている寄宿舎跡に続く小道です。モミジの紅葉は見頃は少々過ぎていましたが、まだまだ十分にきれいでした。

自然の中に溶け込むような空間なので、季節によって印象も大きく変わると思います。また違う季節にも何度でも訪れてみたい場所です。

食器棚(展示会)
食器棚(展示会)

先日、ご注文頂いていた”食器棚”を納品させていただきました。1ヶ月ほど前に完成していたのですが、無理をお願いして先月の個展で展示させていただいたものです。

納品した食器棚
納品した食器棚

普段使い用の食器を収納する小さめの食器棚です。上に現在ご使用の調味料入れを置きたいとのご要望で、身長に合わせて上の物を取りやすい高さにしました。長く使っていただけますよう。(Ku)

倉敷の風景~2011~

今年も、倉敷に滞在中に撮ってきた倉敷の風景をご紹介します。

倉敷民藝館
倉敷民藝館

滞在中に必ず行くのが、『倉敷民藝館』です。”普段使いの道具”として昔の人がしっかりした技術で丁寧につくった数々の展示品は、派手さはないのに存在感があり、シンプルで穏やかな色・形をもち、しかも使いやすく工夫されたものばかりです。私たちの目指すものづくりに通じることでもあり、とてもよい勉強になります。

軒の通り
軒の通り

民藝館からギャラリーへ向かうのに通る路地です。心地よい狭さの路地に沿って長い軒がず~っとつながっており、2人とも大好きな路地です。白壁と黒っぽい柱や窓枠,軒の垂木のコントラストが絶妙です。

グラデーションのきれいなツタ
グラデーションのきれいなツタ

路地の先で、紅葉しかけてきれいなグラデーションになったツタが軒から1本たれ下がっているのを見付けました。ギャラリーのオーナーさんのお話しでは、今年は秋になっても暑い日が続いたため、美観地区周辺の紅葉はいまひとつとのことでした。この時期にまだ緑の部分が残ったこんなきれいなツタが見られたのもその気候の影響かもしれません。

倉敷からの帰路、『閑谷学校』に立ち寄りましたが、ここではモミジがきれいに紅葉していました。閑谷学校についてはまた日を改めてご紹介します。

薪に生えた大きなシイタケ
薪に生えた大きなシイタケ

倉敷に出掛けている間に、工房の薪に大きなシイタケが生えていました。直径15cmほどもあってびっくり!!晩ご飯のお鍋に入れていただきました。(Ku)