春を告げる花

寒い日が続いています。

工房内では薪ストーブが燃えさかり、庭のメダカの火鉢はこのとおりカチンコチンです(氷の下でメダカはじ~っと春を待っています)。

氷の張ったメダカの火鉢
氷の張ったメダカの火鉢

あまりの寒さに私たちもあまり庭に出ない日が続いていましたが、火鉢の向こう側の水仙の陰で、今年もスノードロップが元気につぼみを膨らませているのに昨日気が付きました。

つぼみをつけた"スノードロップ"
つぼみをつけた”スノードロップ”

夏の間は地上部が全く無くなってしまうため、ついそこに植えてあるのを忘れてしまうのですが、冬の終わりが近づくとしっかり芽を出してきれいな花を咲かせてくれます。

”春を告げる花”だとか。

これから少しずついろいろな春の足音が聞こえてくるのでしょう。

2基目が完成した風車
2基目が完成した風車

さて、工房の近くで始まった風車の建設は、先日2基目が出来上がり、3基目の工事が始まりました。クレーンが立っているのが3基目の場所です。

夕焼けの中に立つ風車
夕焼けの中に立つ風車

昨日の夕方、きれいな夕焼けに風車のシルエットが浮かび上がっていました。

とても大きいのに、細く長い羽根とそれを支える一本の柱だけという非常にシンプルなデザインの風車は建造物としてはとてもきれいです。風景の邪魔になることもなく、これで音や影などの影響が無ければ言うことないのですが…(まだ稼働されていないので、風が吹いても羽根は回っていません)。

『民藝』2月号
『民藝』2月号

12月11日のブログで「平成23年度民藝館展」での入選をご報告させて頂いた”拭漆戸棚”を、日本民藝協会の機関誌である『民藝』2月号で紹介していただきました。

掲載された”戸棚”
掲載された”戸棚”

”シンプルに、ていねいに”を心掛けている私たちにとって、「さっぱりとしていて良い。」という内容の、とても嬉しい講評もいただきました。これを励みに今後もしっかりと仕事に取り組んでいきたいと思います。

一般の書店では扱われておりませんが、各地の民藝館,工藝館、民芸店などでお手に取っていただけますので、機会がありましたら是非ご覧になってください。(Ku)

閑谷学校

今週は、先月の倉敷での個展の帰りに立ち寄った『閑谷学校』の写真を何枚かご紹介します。

『閑谷学校』校門
『閑谷学校』校門

『閑谷学校』は岡山県備前市にある史跡で、岡山藩主池田光政によって建てられた庶民のための学校です。当時のままの立派な木造建築がいくつも残っており、私たちにとってとても興味深い場所です。

楷の木
楷の木

『聖廟』の前の大きな2本の”楷の木”は、中国の孔子廟の楷の木に由来しており、秋には見事な紅葉が見られるそうです。閑谷学校に立寄るのはいつも秋の個展が終わってからなので、楷の木の紅葉の見頃は過ぎてしまっています。その分、観光客が少なくて落ち着いてはいます。

今回、楷の木の下に実が落ちていたのでいくつか拾わせて頂きました。芽が出るとよいのですが…。

講堂
講堂

国宝にも指定されている大きな『講堂』は、磨き抜かれた床に大きな窓(”花頭窓”というそうです)から入る外の光が見事に反射しています。立派な柱や精巧に細工された窓枠、目立っているわけではないのに存在感のある釘隠などの金具類…。作った人達やここで学問にいそしんだ人々の真摯な気持ちが伝わってくるような空間です。

この講堂は普段は入室禁止ですが、月に1回論語の講座が開かれているとのこと。機会があったらいつか参加してみたいです。

石塀と紅葉
石塀と紅葉

閑谷学校は、柔らかな丸みを帯びた外形をもつ石の塀で囲まれています(全長765mもあるそうです)。ピッタリと組まれた石が形作る独特の曲線は決して威圧的ではなく、神聖な”学問の場”として敷地を外界と区切っているような印象を受けます。

写真は、現在は資料館などとなっている寄宿舎跡に続く小道です。モミジの紅葉は見頃は少々過ぎていましたが、まだまだ十分にきれいでした。

自然の中に溶け込むような空間なので、季節によって印象も大きく変わると思います。また違う季節にも何度でも訪れてみたい場所です。

食器棚(展示会)
食器棚(展示会)

先日、ご注文頂いていた”食器棚”を納品させていただきました。1ヶ月ほど前に完成していたのですが、無理をお願いして先月の個展で展示させていただいたものです。

納品した食器棚
納品した食器棚

普段使い用の食器を収納する小さめの食器棚です。上に現在ご使用の調味料入れを置きたいとのご要望で、身長に合わせて上の物を取りやすい高さにしました。長く使っていただけますよう。(Ku)

ハヤトウリの収穫

ハヤトウリを初収穫しました。

まだかまだかと、実の成長具合は毎日チェックしていたつもりでしたが、屋根の狭い軒のような部分に隠れて見落としていた大きな実を2つ見付け、収穫しました。

初収穫したハヤトウリ
初収穫したハヤトウリ

大人のこぶしくらいの大きさで、もう少し大きくしてもよかったのですが、待ちきれなくて…。

早速ベーコンと炒めて頂きました(例によって調理後の写真はありません)。1年ぶりの味、おいしかったです。豚肉やベーコンなどといっしょに塩味で炒めるのが一番簡単で失敗もなくおいしいと思いますが、インターネットでレシピを調べると、ポタージュや酢漬け、サラダなどいろいろな調理方法が出てきます。今年はたくさん穫れそうなので、いろいろ挑戦してみたいと思います(食べてしまう前に写真を撮るよう努力します)。

工房の庭では”ツワブキ”の花が満開です。何度見ても豪快です。

ツワブキの花
ツワブキの花

あんなに暑かった夏もいつの間にか過ぎ去り、すっかり秋らしくなりました。お風呂や冬布団が心地よく、ついついどちらにも長居をしてしまいます。

秋晴れの昼間には、ツワブキの葉の上でカナヘビが日光浴をしていたり、大きくなったカマキリがハヤトウリの葉陰で獲物を待ち構えていたり…。なんとも平穏な時間があるかと思えば、工房周辺の森林はどうやらカラスの”集団ねぐら”になっているらしく、秋を迎えて集団化したカラスが騒々しく群れていたり。

そんなこんなでもう10月も終わりです。倉敷での個展まであと1ヶ月弱。現在、ご注文いただいた食器棚の製作が佳境をむかえています(お客様のご好意で、倉敷で展示させて頂けることになっています)。そのあと、小さめの文机の製作にかかる予定です。(Ku)

実りの秋

周りの田んぼでは稲刈りもほとんど終わり、工房へ通う道ばたには”栗ひろい”ののぼりが立ち並んでいます。実りの秋です。

工房の畑では、昨年の掘り残しの根っこから芽を出したハヤトウリにも実が着き始めました。今年はせっせと肥料をやったせいか、1株なのにこの茂りようです。

よく茂ったハヤトウリ
よく茂ったハヤトウリ

やはりハヤトウリの花にはスズメバチがやって来ます。ブーンブーンと音をたてて飛んで来ては小さな花の蜜を吸っていきます。刺激をしなければ襲ってくるこ とはありませんし、蔓の整理や草むしりなど、ハヤトウリの周りで作業をしているとあちらも遠慮しているのか近づいて来ないようです。お互いに(?)相手を尊重して安全にハヤトウリに近づ ことを心がけています。

ハヤトウリに来るスズメバチ
ハヤトウリに来るスズメバチ

先日の”アート・クラフトフェスティバルinたんば”に行く途中に立ち寄った道の駅で立派な”丹波栗”を買って来たのですが、大好きな栗ご飯だけでは食べきれず、”渋皮煮”にしました。

栗の渋皮煮
栗の渋皮煮

ネットいっぱい1.5kgほどあったうちの1kgを2人でせっせと皮むきし、湯がくこと数回。砂糖を入れて炊きあげ、仕上げにたっぷりのブランデーを。

皮をむくときに渋皮にもキズを付けてしまったためちょっと渋皮がむけてしまったものもありますが、おいしそうに炊きあがりました。瓶詰めにして保存食に。

”イワシャジン”の花
”イワシャジン”の花

秋の花も咲き始めました。”イワシャジン”の真っ白いきれいな花が見頃です。(Ku)

オクラとカメ

リクガメの”ほじほじ君”は、オクラが大好き。うっかり採り忘れて大きくなり過ぎてしまったオクラはほじ君のお腹に収まります。

オクラに夢中
オクラに夢中

ウトウトしていようが、寝床のおが屑の掘削に集中していようが、オクラを見せると目の色が変わるのが分かります。ドタバタと近づいてきて顔や口の周りをあの”オクラのヌルヌル”まみれにしながらあっという間に平らげます。

総じて青臭いものが好きなようですが、夏のオクラと冬のブロッコリーは特別のようです。青臭いものならと、先日ゴーヤの切れっ端をやってみましたが、2口ほどかじってからやっぱり苦かったのか、なんだかしばらくクシュクシュ口を鳴らしてました。

ん?
ん?

これは何?

オイルを塗って乾燥中の”もりのこストラップ”です。今回はご好評を頂いている自立するタイプを中心に補充しました。仕上げに、舐めても大丈夫な植物原料オイルを塗るのですが、きれいに乾くようにぶら下げて乾かすことにしました。乾いたらストラップ紐を付けて出来上がりです。使われて、触られて、テカテカにしてもらうのを一同楽しみにしております。

ニラの花
ニラの花

先週つぼみだったニラの花が咲きました。思いのほかきれいな花でびっくりしました。(Ku)

秋を見つけて

台風が過ぎ、やっと秋らしい涼しさになったなと思ったのも束の間、ここ2,3日は蒸し暑さがぶり返しています。

でも、雲の様子や空の高さはやっぱり秋を感じさせます。

夕暮れ時
夕暮れ時

自宅近くの小学校ももうすぐ運動会のようです。練習のためか、校庭に”大玉転がし”の玉などが出ていました。

セミの声もアブラゼミやクマゼミなどのちょっとやかましいような声から、ツクツクボウシの声に変わってきました。夕方になるとヒグラシと、スズムシなどの秋の虫の声が競い合うように聞こえてきます。工房は虫の出入り自由なので、ときどき建屋内に響くコオロギの声にびっくりさせられます。

ニラの花
ニラの花

プランターで育てている”ニラ”に花がつきました。雑草かと思い引き抜こうとしたのですが、雑草にしてはきれいなのでよくよく見たところニラの花だと気づきました。株を弱らせないためには切り取った方がよいようですが、きれいな花が咲きそうなので、そのままにしておきます。

工房では今、秋の展示会や公募展に向けてひたすら製作中です。新作については試作と試用をくり返し、納得のいくものにつくりあげていきます。そのせいで作業場はスツールだらけになってしまいました…

まずは、10月1,2日の『アート・クラフト・フェスティバルinたんば』です。クラフト展は基本的に個人参加なので、今回は太田秀世,太田久美子の2名各々で申し込んだところ、おかげさまで両名とも参加できることになりました。

あと約3週間。長いようであっという間に過ぎてしまうのでしょう。楽しんでいただける空間になるよう、がんばります。(Ku)

アート・クラフトフェスティバルinたんばのご案内
アート・クラフトフェスティバルinたんばのご案内