来週末は「三田手仕事展」です。

工房へ向かう山道では、ところどころで山桜の花がほころび始めているのが目にとまるようになりました。

辿々しかったウグイスの鳴き声もやっとなめらかになって、今年も春がきました。

工房の庭では、「トサコバ」 が花を咲かせています。

ほとんど放置状態なのに、春になると毎年律儀に1本だけ芽を出し、花を咲かせてくれます(花が終わると、いつの間にか地上部分は消えています)。

これ以上ないような地味~な花なのですが、なんともいえない風情と存在感を感じます。

「トサコバ」の花が咲きました
「トサコバ」の花が咲きました

展示会シーズンの幕開も目前です。

次の週末 (4月4日,5日) は、今回で8回目を迎える 『三田手仕事展』 に参加します。

染め、織り、皮、焼き物、自然酵母のパン屋さんなど14名が三田の古民家に集まり、自分の作品を展示・販売する楽しいグループ展です (詳細およびご案内の大きな画像は、ホームページ「展示会案内」をご覧ください)。

『第8回三田手仕事展』のご案内-1
『第8回三田手仕事展』のご案内-1
『第8回三田手仕事展』のご案内-2
『第8回三田手仕事展』のご案内-2

歴史の街、三田の散策も兼ねて是非脚をお運び下さい。(Ku)

『コート掛』が完成しました

年明けから製作に取りかかった 『コート掛』 が完成しました。

「事務所で使用する ”コート掛” を」 とのご相談を最初に頂いたのが昨年6月の淡路での展示会のときですから、あしかけ9ヶ月目での完成ということになります。

最大5人分のコートが掛けられること、他の調度品と調和がとれるよう仕上は拭き漆で、などのご希望をお聞きし、デザインなどのアイデアをじっくりと練り上げていくことになりました。

ご相談や打合せを重ねた結果、設置場所の関係から自立式ではなく、壁に固定する壁掛式とし、四角に整形した板にフック金具を取り付ける、という方向で、いったん計画はまとまりました。

ところがその後、別の目的で材木を整理していた際に、「今回のコート掛にピッタリでは?」 と思われるケヤキの一枚板が目に留まりました。

自然のままの形のバランスがよく、シンプル過ぎず、それでいてうるさ過ぎもせず、この形を活かせば、ありきたりではない、独特のコート掛 になるのでは、と感じました。

また木目も、よく詰まった、全体的には素直な木目なのですが、端の方や節周りには複雑で面白い木目も見られ、漆を塗って仕上げたらとてもきれいになりそうだと思いました。

念のため、お客様に材木の確認をお願いし、OKを頂いたうえで製作に取りかかりました。

その後、折に触れてこのブログでご報告させて頂いていたように順調に作業は進み、先日金具を取り付けて無事完成に至りました。

完成した”コート掛”
完成した”コート掛”

金具は千鳥に配置し、メインの上の3つは大きめの金具、サブの下の2つは小さめの金具としました。

節周りの状態
節周りの状態

自然のままの形を活かすため、刃物でざっくりと仕上げた端部もきれいに仕上がりました。

複雑できれいな木目
複雑できれいな木目

拭き漆仕上は木目が引き立つのが特徴ですが、複雑な木目の部分では、特にその美しさが際立ちました。

完成した”コート掛”の裏面
完成した”コート掛”の裏面(金具取付前)

コートが掛かることを考え、少しでも重量を軽くするために、裏面は大きくはつりました(これで3kgほど軽くすることができました)。

漆がしっかりと乾くのを待って先週お納めしたところ、早速取り付けて写真を送って下さいました(取り付けはお客様にお任せしました)。

設置された”コート掛”
設置された”コート掛”

白い壁に漆の色がよく映え、書棚などとの調和もとれ、とてもよい感じで納まっている写真を拝見して安心しました。

お客様もたいへ ん気に入って下さり、「ぴったりで素敵な空間になりました」 との、たいへん嬉しいお言葉を頂きました。 ありがとうございました。

設置された”コート掛”
設置された”コート掛”

春は確実に近づいているようですが、もうしばらくはコートが必要なようです。たいへんお待たせしましたが、なんとか 『コート掛』 を活用して頂ける時期にお納めすることが出来てホッとしています。(Ku)

新舞子へのドライブ、そして…

先週の写真の長~く伸びた影。

日の出直後の新舞子の干潟で撮った私たちの影です。

兵庫県たつの市御津町の「新舞子海岸」は、干潮の際には500mほども潮が引き、広大な干潟が拡がることで知られています。

特に冬の大潮の時期にはちょうど干潮と日の出の時間が重なり、幻想的な風景が見られるとのことで、2月の初めにその風景の写真が新聞に掲載されていました。

以前にもこのブログに書きましたが、新舞子海岸から歩いて1分ほど(1分もかからないかも…)のところに叔父夫婦が住んでおりますので、久しぶりの挨拶も兼ねて ”見に行こう!!” ということになりました。

大潮に近く、干潮と日の出時刻が重なった2月21日、がんばって早起きをして出掛けました。

干潟全体が見渡せる海際の高台に到着したのが、ほぼ日の出時刻の6時40分。

そこはシャッタースポットにもなっており、すでに最前列にはズラ~~っと三脚とカメラマンが並び、入り込む余地はありませんでした。(見た事もないような背の高い三脚や、ごっつい望遠レンズを付けたカメラが並んでいる様は、それはそれで見ものではありました。)

人の頭越しにはなりましたが、砂の部分と水面が織りなす不思議な模様を朝日が照らし出す風景は、まさに幻想的でした。

高台から見た干潟
高台から見た干潟

その後、高台から降りて干潟の中へ。

干潟の砂紋
干潟の砂紋

干潟には一面、さざ波を型に取ったような、細かくきれいな ”砂紋” が拡がっており、歩いて足跡を付けるのが申し訳ないような気持ちになりました。

魚やタコなんかが取り残されていないかな、とか、この海藻は食べられるのかな、なんて欲張りな気持ちで干潟を散策していると、ふと自分たちの影がビックリするほど長く伸びていることに気が付きました。

脚ばっかり異様に長く、まるで異星人か何かみたい。

面白かったので撮ったのが前回のブログの写真です。

この他にも、不思議な砂の模様が…。

砂に残っていた不思議な模様
砂に残っていた不思議な模様

水の流れた跡でしょうか? 自然の不思議です。

その後、叔父宅で楽しいおしゃべりをした後、帰途につきました。

私たちのレガシィ、とてもいい車でした
私たちのレガシィ、とてもいい車でした

実はこのドライブにはもうひとつ大きな意味がありました。

まだ岡山でサラリーマンをしていた時に乗り始めた私たちの ”レガシィ”。

エンジンの調子はまだまだ良いのですが、ここ数年は足まわりや細かい部分の故障が多くなり、修理して乗り続けていくことが困難になってきました。

愛着もあり、修理すればまだ使える車を処分することはとても心苦しかったのですが、今回の車検切れを期にやむなく手放すことにしました。

レガシイでの最後の遠出ということで、丸19年目になる2月26日を前に、今回のドライブに出掛けたのです。

積算走行距離222,773km
積算走行距離222,773km(平成27年2月26日)

スキーやカヤック、キャンプ、車中泊での貧乏旅行、工房を開いてからは、配達や展示会への搬入などなど、私たちのこれまでの生活は、この ”レガシィ” 無しには考えられません。

まだ買いたての頃に岡山の本屋さんの駐車場で当て逃げをされた以外、事故らしい事故もなく、雨の日も、雪の日も、私たちを力強く運んでくれました。

初度登録平成8年2月27日の私たちの ”レガシィツーリングワゴン” は、丸々19年、私達を乗せて222,773kmを走ってくれました。

ありがとう。

ご苦労さまでした。 (Ku)