今年はベリー類が!

5月だというのに台風が来たり、真夏日があったりして、これから夏に向かってどうなっていくのかが少々不安な毎日です。

春先も、日照時間が短い割に暖かくなるのが随分早かったように記憶しています。

こんな、私たちにはちょっと困ったような気候ですが、それがよかったのかどうなのか、今年は工房の庭の ”ベリー類” が例年になくたわわに実を付けています。

たわわに実を付けたブルーベリー
たわわに実を付けたブルーベリー

工房に庭をつくって間もない頃に植えたブルーベリー。

自家受粉で1本でも実を付けるということだったので、1本だけ植えたのですが、ほとんど実を付けることがなく、それならばと、3年程前に同系異種の苗を近くに植えてみました。

新しい苗が若かったためか、昨年までは開花の時期がうまく合わず、実の付き方は全く変わらず、こんなものかな、と半ばあきらめていたところ、今年は2本が同時に花を咲かせ、気が付けば2本とも、それはそれはたくさんの実を付けているのです!!

まだまだ実が熟すには時間がかかりそうですが、今年はしっかり味わうことができそうです。

イチゴも実がたくさん!
イチゴも実がたくさん!

今年はイチゴも実をたくさん付けています。

こちらも、これまでせっかく実が付いても、アリやダンゴムシに先に食べられてしまうことがほとんどだったので、ついつい放置してしまい、半ば雑草と化してきていたものです。

ブラックベリーの下草のような状態になっているので、昨年ブラックベリー用に与えた肥料が効いたのかもしれません。

少しでもキズが付くとニオイにつられてアリやダンゴムシが寄ってきます。

いったん標的になると、あっという間に写真右上のイチゴようなひどい状態になってしまうので、できるだけ周りと擦れないように実の位置を調整するのがこのところの日課です。

ブラックベリーはもうしばらく
ブラックベリーはもうしばらく

ブラックベリーは、今年もたくさんの実を付けています。

収穫出来るようになるまでにはもうしばらく時間がかかりそうです。

以前、グループ展でご一緒した園芸家の方から、「西洋では、実のなるものをなんでもかんでも ” ベリー ” という名をつけてしまった」 というお話しをお聞きしたことがあります。

ストロベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、マルベリーなど、どう見ても同じ種類とは思えない植物に同じ ” ベリー ” という名前が付いていることは不思議に思っていたので、その説明でスッキリした覚えがあります。

とはいうものの、今年のようにいろいろな甘酸っぱい実がいっぺんに実を付けると、やっぱり ” ベリー類 ” とひとまとめにしてしまうのも分かるような気がします。

ある日の収穫と夏野菜の苗
ある日の収穫と夏野菜の苗

”そらまめ” の収穫も最盛期を過ぎ、次は夏野菜の出番です。

先日、ナス、キュウリ、オクラ、かぼちゃの苗を植えましたが、今のところ順調に育っているようです。

そろそろ ”そらまめ” を片付けて、サツマイモの植え付けです。(Ku)

”擬宝珠”付きの厨子

今回は、今年1月にお納めした「厨子」の紹介です。

昨年の夏に、ホームページで「厨子」の写真(ホームページの写真にリンク)をご覧になった方から、詳細についてのお問い合わせをいただきました。

内寸や、より細かい部分が分かる資料をお送りしてご検討いただいた結果、中に納める予定のご本尊の寸法に合わせ、ホームページのものよりも少し大きくして製作させて頂くことになりました。

寸法のほかに、
①材料は 『ケヤキ』を用い、木目は”柾目” のようなシンプルなものではなく、複雑で特徴的な部分を使用する
②”オイル仕上” とする
③屋根に ”擬宝珠” を付ける
といったご希望をうかがいました。

材料の木目を写真で確認して頂いたり、”擬宝珠” のデザインをご相談したりと、メールやお手紙での打合せを重ね、今年の初めに無事お納めすることができました。

擬宝珠付きの厨子
擬宝珠付きの厨子

扉は一枚の板から曲面に削り出すことで、木目の複雑さがより際立ちました。

”オイル仕上” ということで、ケヤキ独特の、明るいオレンジがかった美しい厨子に仕上がりました。

これから時が経つと共に、漆にも負けない深い色つやに変化し、さらに美しくなっていくと思います。

”擬宝珠” は初めての製作でしたが、擬宝珠を付けたことで全体がぐっと引き締まったような気がします。

扉を開いた状態
扉を開いた状態

ご本尊を安置する ”ひな壇” もあわせてお作りしました。

お客様には、最初にご相談を頂いてから納品まで、たいへんお待たせすることになりましたが、その分時間をしっかりとかけて納得のいく製作ができたと思っています。

現代の生活スタイルに合った、お厨子やお仏壇の製作もいたしております。

リビングルームに置いても違和感のない小さめのお仏壇など、どうぞお気軽にご相談ください。(Ku)

岡山での展示会も無事終了いたしました

おかげさまで、4月の岡山県玉野市での個展も無事終了いたしました。

遅くなりましたが、ギャラリーに脚をお運びくださいました皆様に厚く御礼申し上げます。

今回お世話になったギャラリー ”サンコア” さんでは、3年ぶり3回目の展示会でしたが、開催の間隔が長いだけに、サンコアさんでは初めて展示する作品が自然と多くなります。

展示した空間を眺めて、このブログでご紹介できていない作品が随分たくさんあることに気が付きました。

そんなわけで、そのような作品について、これから何回かに分けてご紹介させて頂きたいと思います。(納品済みのものや、既に展示会等でご覧頂いているような、ちょっと前の作品も含めてご紹介させていただきます。)

ペイシェントチェア
ペイシェントチェア

こちらは、『ペイシェントチェア』です。
(たも,拭漆仕上、幅320mm×奥行495mm×高さ1,055mm,座面高405mm
平成25年度日本民藝館展入選作品)

展示会では、「”ペイシェント” って?」と尋ねられることが多いのですが、”患者” ではなく、”忍耐” の意味での ”ペイシェント” です。

昔、ヨーロッパで ”糸繰り” 作業の際に使用されていた椅子がこのような形をしており、その ”糸繰り” がたいそう忍耐を要する作業だったために ”ペイシェントチェア” と呼ばれるようになったそうです。

糸繰り作業では腕を前後に大きく動かす必要があるために、背もたれが邪魔にならないよう狭い幅となっており、持ち運びも楽なように全体的に小ぶりなつくりが特徴です。

現在 “糸繰り” をされる方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、コンパクトなデザインの椅子は、ダイニングチェアなど、通常の椅子としてのご使用以外にも、玄関での来客用や、飾り台など臨機応変にご使用いただけると考え、製作するようになりました。

腕の動きを邪魔しないので、椅子に腰掛けての体操にもご利用いただけるのではないでしょうか。見た目よりもかなり軽いので、持ち運びも楽です。

積み重ね式本棚
積み重ね式本棚

こちらは、『積み重ね式本棚』です。
(たも,拭漆仕上、4段重ねた状態で幅890mm×奥行280mm×高さ1,400mm
平成26年度日本民藝館展入選作品)

同じ形の棚を4段積み重ねてありますので、1段ずつバラバラにしてもお使い頂けます。

また、前後を逆にしても同じ形に積み重ねることもできますので、お部屋の間仕切りにもなります。

上下が重なる部分では側板に溝を付けるなどして、前後・左右にきちんと組み合わさるよう工夫してありますので、簡単に積み重ねていただくことができます。

この2点は、6月に予定しております地元淡路での展示会にも展示する予定ですので、是非会場で実物をご覧ください。(Ku)