初めてホテイアオイに花が咲きました

工房の庭では、古い火鉢を睡蓮鉢代わりにしてメダカを飼っています。

もう7,8年になるでしょうか。(もちろんメダカは、繁殖させたり買い足したりで何度も代替わりしています。)

メダカ達の隠れ場所として、毎年春先にホテイアオイを買ってきて鉢に浮かべるのですが、今年初めて花が咲きました。

ホテイアオイの花
ホテイアオイの花

陽当たりが悪いと花が咲かないとのことですが、今年はたまたま周りの植物の茂り方の具合でよく陽が当たったのでしょうか…。

ホテイアオイ というと、爆発的な繁殖力をもつ外来種で、自然界では ”迷惑な水草” という印象が強いのですが、こんなにきれいな花を咲かせるのですね。

ホテイアオイの花(アップ)
ホテイアオイの花(アップ)

よく見ると、花びらの一枚一枚に特徴があることが分かります。

ホテイアオイの蕾
ホテイアオイの蕾

隣の株には蕾も。

1日で終わる、はかない命の花だそうです。

花言葉は、恋の悲しみ、恋の楽しみ、揺れる想い…。

その一方で、「世界の侵略的外来種ワースト100」なんて顔も…。
(余談ですが、あのおいしい ”わかめ” も、この 「ワースト100」の1つと知ってびっくりしました。日本近海から拡がったそうですが、日本と朝鮮半島以外では食べないので、ただのはた迷惑な ”害藻” なのだそうです。)

庭の片隅でひっそり楽しむに限ります。

ハラビロカマキリに睨まれました
ハラビロカマキリに睨まれました

柚の木で、羽化の観察にほどよい成長段階のアゲハの幼虫を捕獲していたら、ハラビロカマキリに睨まれました。

さてさて、ようやく朝晩は少し涼しくなり、工房の周りでは赤とんぼが飛び始め、秋の虫の声も大きくなってきました。

秋の声が聞こえ始めたら、ご注文品の製作に加え、秋の展示会の準備も本格的にスタートです。

今年も充実した展示会になるよう、これから “もりもり” とがんばっていきたいと思います。(Ku)

「積み木」のおはなし -その2-

前回に引き続き、「積み木」のおはなしをさせていただきます。

今年4月のサンコアさんでの展示会で、”ちょっといびつな積み木” をご覧になったお客様から、「昔、息子が使っていた古い積み木を、もうじき誕生する孫にプレゼントしたいので、削りなおしてきれいにならないだろうか」 というご相談をいただきました。

積み木を見せていただくと、キズや黒ずみはあったものの、元の木がしっかりしていたので、表面を削り直せば十分きれいになりそうでした。

積み木の修理
積み木の修理

お預かりし、表面をカンナでひと削りした上でサンドペーパーで磨き、オイルを塗装し直すと、きれいな積み木に蘇りました。

木箱にきれいに収まる積み木セットだったのですが、不足していたピースが2,3個あったので、それらは新たに作り足しました。

木箱も削りなおして積み木を収めると、立派な積み木セットにリニューアルできました。

きれいに蘇った積み木セット
きれいに蘇った積み木セット

深いキズや落書きもありましたが、それはそれで歴史を感じさせてくれる味わいとして残すことにしました。

世代を越えた、素敵な贈り物のお手伝いができたことをとても嬉しく思いました。

さて、工房の庭のユズの木で見付けた ” クロアゲハ” の幼虫が、先日羽化し、旅立っていきました。

キアゲハの羽化は以前観察したことがあるのですが、クロアゲハは初めてです。

是非、羽化の瞬間を見たかったのですが、サナギになってちょうど2週間目の朝、ちょっと目を離したスキにサナギから出てしまっていました。

サナギから出た直後のクロアゲハ
サナギから出た直後のクロアゲハ

サナギの色が変わり、今日明日中には羽化しそうだったので、できるだけ目に付く場所に置いて ”その時” を待ち構えていたのですが、ほんの数分間家の外で作業をして戻ってみると、羽化したばかりでまだ羽がヨレヨレの蝶がケースの蓋にしがみついていたのです。

羽化直後のクロアゲハ-2
羽化直後のクロアゲハ-2

先の写真から約8分後の写真です。

みるみるうちに羽がしっかり開いて、あっという間に一人前の蝶の姿になりました。

きれいな曲線を描く触角、うまく巻き上げられた口、それはそれは深い色合いの青みがかった眼など、そのひとつひとつの美しさが驚きです。

羽化から約30分後
羽化から約30分後

羽化から約30分後、羽を大きく拡げたり閉じたりしはじめました。飛び立つ準備なのでしょう。

開いた羽の、細かい点で描いたような紋様にもまた魅せられました。

機能と美しさを兼ね備えた姿を創り出す、自然の力の偉大さに感服するばかりです。

この日はあいにく風が強く、飛び立つのがちょっと難しそうでしたが、羽化から2時間ほどしてなんとか無事に飛び立って行きました。

その後、さらにお隣の家の網戸にとまってしばらく羽を休ませたのち、どこかへふいに飛び立って行ったそうです。

羽化直後の一番きれいな姿を、間近でじっくりと観察させてもらいました。

ありがとう!!(Ku)