連日のオリンピックの、熱戦につぐ熱戦。
高校野球も大詰めを迎え、暑いうえに熱~い、今年の夏です。
工房では、作業中はラジオを流しているのですが、朝から昼前にかけてのオリンピック中継が終わるやいなや高校野球中継に切り替わり、もう耳が大忙しです。
さて、今回もコモノですが、作品の紹介をさせていただきます。
5月の淡路での展示会で、お寿司やさんで使う、「板うに」用のスプーンのご相談をいただきました。
実は淡路島は、知る人ぞ知るウニの名産地で(私たちもしばらく前にテレビ番組で初めて知りました)、「板うに」を看板メニューとしているお店も多いようです。
「” うに ” がすくいやすく、また、口当たりもよいように、先端は直線的で、できるだけ薄くすること。」「主役の ” うに ” を引き立てるよう、シンプルなデザインで、木目も目立たない方がよい。」 などのご希望をお聞きし、まずは試作をすることになりました。
ここで大きな問題が…。
そう、「板うに」 を食べたことがない!!
それでも、” うに ” がちょこんと乗っかっている軍艦巻きは食べたことがありますから、” うに ” の食感は分かりますし、魚屋さんの店頭などで「板うに」を見た事はあります。
あとは想像力でカバーです。
アイスクリームや、そぎ切りにして並べた、柔らかい桃や熟れたアボガドがうまく食べられるようなスプーンになるよう、指で触ったり、口に含んだりしながら試作を行いました。
柄の部分については、持ち心地がよく、でも、シャープなデザインとなるように工夫しました。
試行錯誤の末に製作した何本かの試作品をもとにお客様と再度打合せを行い、最終的なデザインを決定しました。

材料は、木目が目立たず、緻密で丈夫な「ハードメープル」(” メープルシロップ ” がとれる木です)です。

柄は、微妙に非対称な曲線的なデザインとしましたが、重いものを掬うわけではないので、右利きでも左利きでも支障なくお使い頂けると思います。
今回は ” うに用 ” としてお納めしましたが、アイスクリームやプリンなどにも使える新しいスプーンになりましたので、お客様のご了解をいただき、今後も定番のスプーンの1つとして製作していく予定です。
是非展示会などでお手にとってご覧ください。 (Ku)