工房の庭に、”キンカン” と ”ユズ” の木があります。
毎年夏が近づいた頃、いつの間に卵が産み付けられるのか、アゲハチョウの幼虫に葉っぱを食い荒らされます。
それはそれはすごい食欲で、せっせせっせと葉っぱをかじり、うっかりしていると木が枝だけの丸坊主になってしまうので、気が付いたときに退治することにしています(ピンセットでつまんだ時の、あのニオイは強烈です)。
ところが、どうしても見逃してしまうらしく、金曜日、キンカンの木に大きく成長した立派な幼虫を見つけました。
葉っぱを食べるでもなく、しばらく見ていてもじっと動かないままなので、きっともう ”サナギ” になるのだろうと思い込み、せっかくなので羽化を観察してみることにしました。
鳥に食べられてしまうこともあるので、葉っぱの付いた枝ごと切り取って保護。
あのニオイにひるんであまりじっくり観察したことがなかったのですが、よく見るとなんとも綺麗なことにびっくりしました。
きれいな緑色、コントラストも鮮やかな脚もとの白い模様、愛嬌のある目玉とその間をつなぐような複雑な模様などなど…。
お腹の側から見るとこんな感じ。
短い脚で細い枝にキュッとしがみついている様子なんて、カワイイじゃあありませんか!!
枝ごとプラスチックの容器に入れて自宅に持ち帰りました。
ところが…
翌日土曜日になると、サナギになるどころか、バリバリ葉っぱを食べ始めたではありませんか(静かな所だと、「ボジッ、ボジッ」というような音が聞こえます)。
「えっ、もうサナギになるんじゃなかったの!」とは私の勝手な思い込み。
インターネットで調べてみると、たしかにこの緑色の姿になるのは、幼虫最後の脱皮の後で、サナギになるのは時間の問題らしいのですが、「すぐ」と判断したのは少々早合点だったようです。
今日日曜日になってもまだ動き回って葉っぱを食べています。葉をたくさん付けたまま枝を切り取ったのでよかったのですが、明日はまた工房へ連れて行って新鮮な枝葉を補充してあげようと思っています。
さて、この幼虫君の運命や、いかに…。(Ku)