とうとう…

金曜日、工房で流しているラジオからただならぬニュースが耳に飛び込んできました。

「ニホンウナギ、絶滅危惧種に指定される!!」

私の生まれ故郷は、ウナギの産地、静岡県の遠州地方です。「うなぎ屋」 が別段珍しくない環境で、袋に詰まった 『うなぎパイ』 の割れせんをおやつに育った私にとって、ウナギは大好物でもあり、ふるさとの味なのです。

当地で主流の、蒸してから焼いたふっくらした蒲焼きも、蒸さずに焼いたしっかりした食感の関西風の蒲焼きも、わさび醤油でいただく白焼きも大好きです。

それでも近年の価格高騰のせいで、ここ数年は1年に1度口にするかどうかという状態が続いていました。

お恥ずかしいことながら、野生の稚魚を捕獲して育てたものが 「養殖うなぎ」 であることはごく最近になるまで知りませんでした。「養殖」 という言葉から、卵から育てるいわゆる 「完全養殖」 と勝手に思い込んでいたので、私達がおいしい、おいしいと言って食べ続けることで、こんな風に絶滅の危機に陥るなんて夢にも思っていませんでした。

いくら大好物といっても、1つの種を絶滅させてまで食べようとは思いません。

実は昨年、『夏が来た!展』 用に製作した 「かつらのなべしき 夏バージョン」 の中に、私のウナギへの思いを秘めたものが2点ありました。

「うなぎ ~また会う日まで~」
「うなぎ ~また会う日まで~」

なべしきにはそれぞれ副題が付いているのですが、これは「うなぎ ~また会う日まで~」。

ウナギが完全養殖され、私達の食欲による絶滅の危機を脱する日までウナギを食べるのは我慢しようという私の決意を表した作品です。

「風鈴 ~う○○~」
「風鈴 ~う○○~」

”○” の中には、” な ” と ” ぎ ” が入ります。「うなじ」でも「うかい」でもありません。

今回ニホンウナギが指定された「絶滅危惧ⅠB類」を調べてみると、よく知っている動物では、イヌワシ,オジロワシ,ライチョウ,ヤンバルクイナ,アマミノクロウサギなどがありました。絶滅の危機にあるイヌワシやヤンバルクイナを食べようなどとは思いません。ウナギがこれらの動物と同類であることを心に留め、私のウナギへの決意を守っていきたいと思います。

きっと私は平均的な日本人より、ウナギをたくさん食べてきたと思います。その反省も込めて…。

さて、この日曜日の夜から月曜日の朝にかけて、淡路では珍しく雪が積もりました。ひどい雷も鳴っていたのですが、朝、車に積もっている雪を見てびっくり!!

あられ、ひょう混じりの雪
あられ、ひょう混じりの雪

直径が1cm以上もある ” ひょう ” や、” あられ” がたくさん混じった雪だったのです。

スノードロップの花が咲きました
スノードロップの花が咲きました

でもやっぱり春はやってきます。

今年も春を知らせる ”スノードロップ” が花を咲かせました。左の奥に頭を出しているのもスノードロップです。この1本だけちょっと早めみたいです。(Ku)

納品に行ったのですが・・・

25,26日は昨年の玉野と倉敷での個展でご注文いただいた作品の納品に出掛けてきました。

まずは別注でお作りした大きなタモのテーブルの納品です。

寒波で急に冷え込んだ25日、岡山の総社に10時のお約束で、淡路を7時前に出掛けました。普段は明石海峡大橋のみ高速道路を使い、あとはバイパスと一般道路で岡山まで走るのですが、この日は途中で事故渋滞につかまり、やむなく山陽道を利用しました。

そして、山陽道を降りる直前に立ち寄った「吉備サービスエリア」でちょっとした失態をしでかしてしまいました。

カバンにしまったと思い込んでいた免許証入れを、膝の上に不用意に置いていたらしく、車を降りる際に落としてしまったのです。それに気づかずにサービスエリアを出、直後の総社インターを出るときに免許証入れが無いことに気が付きました。

慌てて料金所の事務所に駆け込んで相談したところ、事務所やサービスエリアの方々が親切に対応して下さり、事なきを得ました。

そんなバタバタもあってちょっと浮き足だっていたのかもしれません。

その後、無事に テーブルを納めさせていただき、楽しいお話しの後お客様のお宅をあとにしたのです。ところが…

テーブルの写真を撮らせていただくのをコロッと忘れてしまったのです。

木をふんだんに使った、とても落ち着いた広々したお部屋で、シンプルなテーブルがグッと引き立ち、写真写りもよかったと思うのですが…。なんとも残念です。

またいつか伺って、写真を撮らせて頂こうと思います。

その後倉敷へ。

寒さのせいか観光客のほとんどいない美観地区を歩きました。

人通りの少なかった美観地区
人通りの少なかった美観地区

いつもお世話になっているギャラリーにご挨拶に立ち寄ったところ、この日の朝は倉敷川に薄氷が張っていたそうです。

有隣荘
有隣荘

澄み切った冬の青空を背景に、1つ1つの建物がいつもよりきれいに見えました。

大原美術館
大原美術館

いつもは人通りが多く、建物のみを写真に撮ることはなかなか難しいのですが、この日は人通りを気にせずに落ち着いて写真を撮ることができました。

こんなことを言うと叱られそうですが、こんな静かな日もいいな、と思いました。

その他の納品や予定していた打合せなども無事に済ませ、昨晩淡路に戻ってきました。落とし物に親切に対応して下さった総社料金所と吉備サービスエリアの皆様、本当にありがとうございました。(Ku)

寒い日が続いています

よく冷え込んだ18日朝の工房の庭の風景です。

氷が張ったメダカの火鉢
氷が張ったメダカの火鉢

メダカを飼っている火鉢の水はカチンコチン。

でも氷の下でメダカはちゃんと生きてます(この後氷は割っておきました)。

火鉢の横に頭を出しているのはスイセンです。まだまだ春は遠いようです。

寒さに耐えるソラマメ
寒さに耐えるソラマメ

ソラマメは畑で寒さに耐えています。

朝はこんなふうにちょっとしおれたような感じなのですが、陽が当たり始めると見違えるようにスクッと元気になります。

ソラマメは冬の霜に当てないとうまく育たないそうで、”ああ、ソラマメでなくてよかった~” と私は思うのです。

カラカラになっていた植木鉢に水をやろうとしたのですが、蛇口は回らないし、蛇口につないでいるホースの中に残っていた水も凍ってしまったらしく、ホースを持っても ”バリバリッ” と氷の砕ける音がするばかり。朝の水やりはあきらめました。

そんな寒さの中で見つけたのが、”シイタケ” です。

丸太に生えたシイタケ
丸太に生えたシイタケ

以前薪用にもらった伐木の中にあった太い丸太をベンチ代わりに庭に転がしてあるのですが、この寒さの中、その丸太の凹みにシイタケがポコポコと生えているではありませんか。

小さくてちょっと分かりにくいのですが、上の写真で赤丸で囲んだ所にシイタケが生えています。

こんな寒い冬になぜ…。と思い調べてみると、シイタケは寒さに強く、冬のシイタケは特に ”茹(どんこ)” と呼ばれ、ゆっくり育つので味がギュッと凝縮されて美味しいのだとか。お鍋に入れて食べるのが今から楽しみです(Ku)。

干し芋に魅せられて

年が明け、底冷えのするような毎日が続いています。

私達の作業場は淡路島を南北に分断する丘陵の上にあり、冬になると西風がまともに吹き付け、気温以上に寒さを感じるのですが、今年の冬は例年に比べて西風の勢いが弱いように感じています。その分だけ肌身に感じる寒さは少しはましなように思うのですが、それでもやはり寒さは身にしみます。

作業場の庭はまだまだ休眠状態なのですが、水仙の芽だけは元気にスクスクと育っています。そういえば、今日(1/13)の朝日新聞の朝刊に、淡路島南部の灘黒岩水仙郷の記事が写真入りで掲載されていました。『約500万本の水仙が咲き始め、見頃を迎えている』とのことです。

水仙郷から紀伊水道をのぞむ
水仙郷から紀伊水道をのぞむ

私達も4年ほど前に一度訪れたことがあるのですが、紀伊水道を望む南側の斜面一帯に、青い空と青い海に包まれて咲き誇る水仙の花はとても美しく、今でも心に焼き付いています。

水仙を下から見上げると…
水仙を下から見上げると…

もし近くに来られるご予定のある方は、是非、訪ねてみて下さい。

昨年末の弘法市で『干し芋』を買って来て作業場の薪ストーブで焼いて食べたらえらく美味しかった、という話を以前にご紹介いたしましたが、そのあまりのおいしさにすっかり虜になってしまった私達は、ならばいっそのこと自分たちで干し芋を作ってみよう、ということになりました。

ただただサツマイモを蒸して、切って、干せばいいのだろう、と想像しつつも、とりあえずインターネットで調べてみると、基本的にはそれでOKなのですが、干し芋に適した品種があることと、なるべくゆっくりふかした方が良い、ということがわかりました。

サツマイモの品種について、干し芋には“玉豊(たまゆたか)”や“玉乙女”という品種が適しているとのこと。どちらも私達には耳なじみのない品種なのですが、ふかしたときに“ベットリ”とした食感がでて、干し芋になってからでもほどよい柔らかさが保たれるのだそうです。

ところが、近所のスーパーに並んでいるのはどれも“鳴門金時”ばかり。

“鳴門金時”は“ホクホク”とした食感が特徴で、普通に食べるには美味しいのですが、干し芋にすると固く仕上がってしまうので、あまり適していないとのこと。それでも、まあとりあえずやってみようということになり、“鳴門金時”で早速取りかかりました。

いも、蒸してます
いも、蒸してます

まず、セイロはないので、厚手の鍋に金ざるを敷き、サツマイモを蒸し上げます。

なるべくゆっくり蒸した方が良いということなので、ふかし芋の香りに包まれながら1時間半ほど、じっくりと蒸し上げました。

いも、干してます
いも、干してます

蒸し上がったサツマイモの皮をむき、薄くスライスして天日に干すこと1週間。説明にあったとおり、確かにカチカチの、丁度干からびたチーズのような干し芋が出来上がりました。

干し芋のできあがり
干し芋のできあがり

ストーブの上にのせ、ほどよく焦げ目が付いたところをみはからって食べてみたのですが、やはり、弘法市で買ってきたものよりも堅めで甘さも少し物足りないような感じです。

家内は思ったよりも上手く出来たと上機嫌なのですが、私は、弘法市のものを口にしたときの、あの感動を期待していたので、少しがっかりしてしまいました。それでも、新しい冬の愉しみを発見できただけで、“よし”とすることにしましょう。

次は、芋の種類を変えて再挑戦です。(Hi)

あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。

2013年賀状
2013年賀状

なにかと厳しい時代ではありますが、2人で力を合わせ、これからも辛抱強く、じっくりと、ていねいなものづくりに取り組んでいこうと思っております。

どうぞ、本年もよろしくお願いいたします。

太田 秀世
久美子

今年もお世話になりました。

ついこの間まで 「暑い!暑い!!」 と言っていたような気がするのですが、秋が来てあっという間にクリスマスソングが流れ出し、いつの間にか今日は大晦日。

新しい年を迎える時には、また1年、滞りなく製作活動を続けられるだろうかと不安になり、 「がんばらなきゃ!」 と自分を奮い立たせるのですが、1年が終わる今頃には、展示会などでバタバタしたことはあったものの、なんとか無事に過ごせたことをなんだか夢の中の出来事だったように思うのです。

とはいうものの、年末はやることが目白押し。

先週の後半は年賀状づくりでした。

年賀状、製作中。
年賀状、製作中。

数年前から版画で年賀状を作るようになりました。2人でなんやかやと図案を考えて今年は初めての2色刷。ただし、図案はいたってシンプルです。

ストーブで干し芋をあぶって…
ストーブで干し芋をあぶって…

年賀状づくりのおやつは、先日弘法市で買ってきた ”干し芋” 。薪ストーブであぶって頂きます。

ちょっと濃いめの焦げ目が付く位の香ばしさが好きです。部屋中に ”おいも” のよい香りが漂います。

28日を仕事納めとし、29日は家の大(小?)掃除。昨日30日はお餅つきと、お正月の間に食べる料理の準備をしました。

お正月の準備
お正月の準備

たたきゴボウ,大根のゆずこしょうあえ,肉巻きゴボウ,親芋の煮物,カズノコ少々,れんこんのきんぴら,そしてカレーライスが我が家の定番のお正月料理。

今年はこれ以外にハヤトウリのポタージュ(写真右奥)も。

2人で手分けして無事終了。積み重なったタッパーを前に冬ごもりの前のリスのような幸せな気分の大晦日です。お菓子もたっぷり買い込みました。

これから年越しそばなどの買い物に出掛ければ準備完了です。お正月はゆっくり過ごし、新たな1年への鋭気を養いたいと思います。

今年もたくさんの出会いに恵まれ、多くの方々にお世話になりました。ほんとうにありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします。

それではみなさま、よいお年を。(Ku)