学習机の納品

先日、この春小学校にご入学される子供さん用の学習机を納品させていただきました。入学式に間に合うようにとのご要望でしたが、無事に間に合わせることができ、ホッとしているところです。

学習机
学習机

大人になってもお使いいただけるよう、シンプルで飽きの来ないデザインを提案させていただきました。上の書棚は机にのせてあるだけですので、ご成長に合わせて外して別の用途にお使い頂くことができます。

学習机ということで、A4サイズの書類の収まる引出し、ランドセルなどを掛けるフック、辞書に合わせた棚板のセットなど、いろいろなご要望をお聞きしながら製作させていただきましたが、これらの機能は大人になって仕事机としてお使い頂く際にもお役に立つものと思います。

引出の取っ手
引出の取っ手

引出しには犬釘をモチーフとした取っ手を製作し、取り付けました。アクセントになるようウォールナット材を使用しています。使い込むほどにツヤが出て、よい具合に仕上がってくれることと思います。

子供さんのご成長と共に、キズや汚れも付いていくとは思いますが、同時に木の色具合やツヤも深みを増し、全体として落ち着きのある味わい深い雰囲気を醸し出していくと思います。

満開の桜
満開の桜

淡路では今、桜が満開です。公園やため池の土手、神社、牧草地の傍などいろいろな場所できれいな桜が咲いています。山桜も、芽吹き始めた新緑に混じってここかしこに咲いており、改めて「春が来たなあ」と感じている今日この頃です。震災のことを思うと、自然の恐ろしさと優しさの両面を見せつけられているような複雑な気持ちにもなります。

我が家でも、今、桜が満開です。先日の三田手仕事展で、「一才桜」という種類の桜の盆栽を購入しました。そのときはまだほとんどつぼみだったのですが、2日ほど前から満開の状態になりました。隙間が無いほどにたくさんの花が開き、毎晩食卓へ運んでちょっとしたお花見気分を味わっています。来春もまた満開のご報告ができるよう、ちゃんと手入れをしなければ…。(Ku)

薪のしいたけ

このたびの震災では、人知を越えた自然の猛威におののき、被災地の惨状に言葉を失うばかりです。

こんなときにブログどころではない、と先週は投稿を取りやめましたが、遠く離れた淡路島で、今、私たちに何ができるのだろうと考えた末、日々の生活を落ち着いてしっかりと営んでいくことこそが支援につながるのではないか、という思いに至り、ブログの更新を再開することにしました。

被災者の方々が1日も早く、落ち着いた生活を送れるようになることを心よりお祈りしております。

薪に生えたシイタケ
薪に生えたシイタケ

工房の薪ストーブ用の薪に、”しいたけ”が生えました。

実は昨年の夏、ストックしてある薪を整理していたところ、どう見ても”干し椎茸”と思われる物体がくっついている薪を何本か見つけました。

それまでも庭の朽ち木や湿った木屑から怪しげなキノコが生えているのを見たことはあるのですが、薪に付いていたのはどこからどう見ても”しいたけ”。ただ、しいたけなんて降ってわいたようにいきなり生えるとも思えず放置していたところ、秋ぐちになって同じ薪からやはり”しいたけらしきキノコ”が生えているではありませんか。

キノコには素人の私たちですが、どうしても”しいたけ”としか思えず、お味噌汁に入れて食べてみました。味も香りもやっぱり”しいたけ”で、笑いが止まらなくなることも、体がしびれることもありませんでした。

収穫したシイタケ
収穫したシイタケ

後日、薪にした木の近くで椎茸の菌付けが行われていたことが分かり、正真正銘の”しいたけ”であることが明らかになりました。

”しいたけ”の生えた痕跡のある薪をより分けて裏庭にまとめておいたところ、3月に入ってぽこぽこと小さなしいたけが生え始めました。大きくなるのを待って収穫したところ、2人で食べるには十分な量になり、お味噌汁や炒め物にしておいしく頂きました。まだ小さなものが生えかけているので、もう2回ほど収穫できるのではないかと楽しみにしています。

今、工房では学習机の製作に追われています。入学式までには納品できるように一生懸命がんばっています。また完成しましたら、このブログでも紹介させて頂きたいと思っています。(Ku)

春がきた!

一昨日、工房へ出掛ける際にふと隣の空き地の土手に目をやると、いつのまにかたくさんのつくしが顔を出していました。

このところの激しい冷え込みに、「まだ春は遠いなあ」と思っていたので、びっしりと生えている土筆坊達にびっくり。春がついにやってきました。

土手のつくし
土手のつくし

そういえば、工房の周辺ではウグイスがさえずりの練習を始めました。なんだかまだ頼りない鳴き方ですが、もう少し暖かくなる頃には上手になって里へおりていくのでしょう。

ところで、淡路島の春の風物詩といえば、なんといっても”いかなご”です。今年は3月3日に漁が解禁となり、海にはいかなご漁の船がたくさん出ています。早速ご近所からは「クギ煮」を炊く、甘辛い何ともいえない良い香りが漂って来ています。この香りだけでご飯がおかわりできそうです。

我が家でも昨年、「いかなごのクギ煮」に初めて挑戦しました。

この時期、スーパーマーケットへ行くと、パック詰めされたいかなごの周りに、醤油,ザラメなどの材料や、おすそ分け用パックなどの必要な物がまとめて陳列されています。印刷されたレシピも配布されているので、それにならって作ってみたところ、初めてにしてはなかなかの出来、と自画自賛。知り合いにもおすそ分けしたところご好評をいただいたので、調子に乗って今年も挑戦する予定です。

宅急便やさんや郵便局には、「クギ煮送れます」の”のぼり”が立ち並ぶのも淡路ならではの風景ではないでしょうか。

完成したトレイの山
完成したトレイの山

先週、製作過程をご紹介した”トレイ”も無事完成し、納品させていただきました。

梱包前のトレイを積み上げて写真を撮ってみました。キズ防止のため、緩衝材を挟んであります。今回はご注文頂いてから納期までの期間が限られていたため、久しぶりの夜なべ仕事になりました。無事にお約束の期日に納品することができ、ほっとしました。

もうひとつ、春といえば”確定申告”です。先日、今年の申告手続きも無事に終わり、肩の荷が下りたところです。帳簿付けは1年を通じての仕事ですが、決算の作業は1年に1度のことなので、どうしてもやり方を忘れてしまうことがあり、毎年あたふたとしてしまいます。(Ku)

トレイの製作

「ヒバ」の復活
「ヒバ」の復活

日中はずいぶん暖かくなってきました。

先週の雨で、休眠中だった「ひば」も無事に葉を拡げてくれました。あんなにカラカラだったのに、あんなに雪に埋もれてしまったのに、自然の生命力はたいしたものです。

2月14日の積雪で再び雪の下に
2月14日の積雪で再び雪の下に

2月11日の積雪の後、再び14日に雪に埋もれてしまってちょっと心配していましたが、生育している自然環境の厳しさとは比べものにはならないのかもしれませんね。逆に大事にし過ぎて枯らしてしまわないように気を付けなければ…。

桟積みされたトレイの縁
桟積みされたトレイの縁

現在工房では、飲食店用のトレイを製作中です。上の写真は”水引き”後の乾燥のために桟積みされた縁の部材です。

これだけの数になると圧巻です。

組立終了
組立終了

底板と縁を組立てて積み上げました。今回はお客様のご要望で黒く仕上げることになり、塗装の都合で底板のみ先に着色してあります。

外側の形を整える作業などをした後、仕上げの塗装を行います。

寒暖の差が激しい今日このごろ、みなさん、体調の管理に気を付けてください。(Ku)

春の足音と漆塗り

スノードロップの花
スノードロップの花

工房の庭で、スノードロップの花が咲きました。3年前に植えてほとんどほったらかしにしてあるだけなのですが、毎年真っ白いきれいな花を咲かせてくれます。

「春を知らせる花」だとか。なにか心惹かれる、清楚な力強さを感じさせる花です。

春の足音ですね。

休眠中のひば
休眠中のひば

昨年の10月3日のブログに書いた「秋の三田手仕事展」で購入した「ヒバ」のその後です。枯れているように見えますが、現在冬の休眠中(のはず…)。

購入したときに教えてもらったとおり、霜が降りるようになってからは水やりをせず、枯れたのでは!?と思う心を抑えてじっと見守っているところです。春になって雨にあたると葉を拡げるとのこと。春が待ち遠しいです。

漆室
漆室

製作中の四方棚は、現在漆塗り作業の最中です。

木目がきれいに引き立つ「拭き漆」という手法をとるのですが、しっかりした塗膜を作るとともにツヤをあげるため「生うるしを塗って、拭き取って、乾かす」という作業を最低でも5,6回繰り返します。

漆は、絵の具やペンキなどのように溶剤が蒸発して乾燥するのではなく、漆に含まれる酵素が水分と化学反応を起こし、時間をかけて硬化することによって「乾く」ので、適度な温度と湿度を与える必要があります。

そのため、漆室(むろ)を用意して温度・湿度の管理をしながら作業を進めます。

手間と時間はかかりますが、それだけの甲斐のある美しい仕上がりになります。

漆は、化学系塗料にも負けない強い塗膜を形成する一方で、木の呼吸を妨げないという特徴を持ち、高温多湿な日本の環境にとても適した塗料です。もちろん、自然素材ですので、安心してご使用いただけます。

時間の経過とともに色つやが深まっていくので、使い込んでいく愉しみを感じて頂けるのも拭漆仕上げの特徴です。

また、よく、「かぶれ」を心配される方がいらっしゃいますが、いったん乾いてしまえば、かぶれることはありませんのでご安心ください。(塗っているときは、かぶれます。)

少しずつではありますが、日も長くなり、確実に春の足音が近づいているようです。四方棚の完成も間近。出来上がりましたらまたご報告させていただきます。(Ku)

【追伸】昨日(2月5日)、「タグ」および「カテゴリー」を整理しました。

はやとうり

小さなハヤトウリ
小さなハヤトウリ

工房で育てているハヤトウリの実がつき始めました。まだ3cmほどですが、じわじわと育っています。

まだ岡山に住んでいた頃に、友人に分けてもらって初めて食べたのですが、豚肉やベーコンなどと炒めるととてもおいしく、2人の好物になりました。

工房を構えてから栽培に挑戦しましたが、台風で潮風にやられたり、植えた場所が悪かったり、支えをしっかりしてやらなかったりして、なかなかうまく育てることができませんでした(育て方は特に難しいわけではないのですが…)。昨年は私の実家の畑に植えてもらって立派に育ったのですが、ハヤトウリの花はなぜかスズメバチに好かれるらしく、そのせいで今年は畑に植えるのを断られてしまいました。

そんなこともあって、今年は、近くのホームセンターで売っている、海苔の養殖で使えなくなった網を工房の壁に張りめぐらせて、他の蔓性の植物(ホップやブラックベリー)といっしょに、ちょっと気合いを入れて育てました。

その甲斐あってか順調に育ち、最近になって実をつけ始めました。大人のコブシよりも大きくなるので、収穫にはもうしばらくかかりそうです。ただ、今年は暑さが長びき、しかも急に寒くなったためか、実のつくのが遅く、数も期待していたよりもやや少ないようです。

でも、2人で食べるには十分な数の実がプラプラとぶら下がっています。収穫するのがとても楽しみです。朝、実の育ち方をチェックするのが最近の私の日課です。

ハヤトウリの花
ハヤトウリの花

はやとうりの花は小さくて目立たない地味な花ですが、よく見ると真っ白できれいです。やはりスズメバチに好かれているようで、日中は蜜を吸いに来ているので、注意して近づかないといけません。

作業中
作業中

さて、いよいよ23日からは、倉敷「スペースみき」さんでの個展です。今年で6回目になります。回を重ねるごとにお馴染みのお客様も増え、貴重なご意見などを直接うかがえるたいへん楽しみな1週間です。

現在、この展示会に向けて収納棚を製作中です。本棚、食器棚などいろいろな用途にお使い頂けるシンプルな収納棚です。ギャラリーの場所など、詳細は工房のホームページに掲載しておりますので、是非お気軽にお立ち寄りください。(Ku)