ガラス絵の額

けんちくお客様から「古いガラス絵の額が傷んでしまったので新しく作り直せませんか」とのご相談をいただき、額を製作することになりました。

ガラス絵の額
ガラス絵の額

絵の由来についてはお客様もよくご存じないとのことで、古い額から中の絵を取り外してみると、ガラスの裏側から黒抜きでオウムと花の輪郭が描かれており、その部分に色とりどりの蝶の羽を貼り付けてあることが分かりました。

外国の新聞紙が裏貼りされていたのですが、日付はなんと1933年。80年ほど昔に製作されたもののようです。新聞の文字は、英語やドイツ語、フランス語などの私たちの知っている言葉ではなく、どこの国のものかは分かりません。ただ、ブラジルのガラス絵で以前にも同じような蝶の羽を使ったものを見たことがありますので、南米のものではないかと思います。

長い歳月の間にどんな旅をして私たちの手元にたどり着いたのか…。そんなことを考えながら、シンプルで落ち着いた雰囲気の額を製作し、納品させていただきました。

修理中の姫路城
巨大な素屋根

金曜日に姫路に行く用事があったので修理中の姫路城に立ち寄り、見学してきました。大天守を覆う巨大な素屋根(作業建屋)は遠くから見ても迫力があります。今回の修理は約半世紀ぶりの大規模なもので、傷みの激しい屋根の葺き替えと漆喰の塗り替えが主な目的だそうです。

姫路城の大屋根
姫路城の大屋根

見学施設をエレベーターで8階まで上がると、天守閣最上層の大屋根の修理状況をガラス越しに見学することができます。普段では絶対に見ることが出来ないアングルからお城を見ることになり、なんだか不思議な気持ちになりました。

お城と反対側の大きな窓からは、周囲の景色や城内の様子が一望できます。城内の入り組んだ通路や門の配置について、ボランティアガイドさんの熱心な説明に耳を傾けながら、今しか見ることができない風景を堪能しました。

修理の予定は約5年間とのこと。また時期を変えて見学したいと思っています。(Ku)

醤油袋とカブトムシ

このブログで、昨年12月に「木のボタン」というタイトルでバッグを紹介させて頂きましたが、同じ方に製作をお願いしていたバッグが先日出来上がってきました。

展示会での会計用に、おつりの小銭などを入れて身につけておく小振りのバッグをずっと探していたのですが、なかなかコレというものにめぐりあえずにいました。

見せて頂いたバッグの落ち着いた雰囲気としっかりしたつくりに一目惚れし、”是非作って下さい!!”ということに。

醤油袋のバッグ
醤油袋のバッグ

常に身につけていても邪魔にならないサイズ,開け閉めが簡単なこと(口にファスナー等は付けない),内側に小銭の仕分け用のポケットが付いていることなど、いくつかの希望をお伝えし、醤油袋を使って作っていただくことになりました。

アクセントに私の作ったウォールナットの山高ボタンを使用してくださいました。これは希望としてはお伝えしていなかったことなのですが、「私たちが使うものに、私たちの作品を取り入れる」という心配りにとても感謝しています。

先日の三田手仕事展で初めて使わせていただきましたが、落ち着いた雰囲気は言うまでもなく、使い勝手も上々でした。使い込むほどに生地も柔らかく味わい深くなり、ボタンもツヤツヤになっていくのが楽しみです。

ところで先日、ストーブ用の薪にする雑木を積んであった所を片付けていると、土の中からまるまると太ったカブトムシの幼虫が、まさに”ゴロゴロ”と出てきました。薪を切った切りくずや落ち葉がちょうどよい具合に腐葉土になり、そこにカブトムシが産卵していったようです。

カブトムシの幼虫がゴロゴロ
カブトムシの幼虫がゴロゴロ

鳥が食べに来ていた形跡もあり、「成虫になるのを見たい!」という強い願望もあって、出てきた幼虫を腐葉土とともにコンテナに入れて庭の隅で飼ってみることにしました。

カブトムシの幼虫~アップ
カブトムシの幼虫~アップ

順調にいけば6月の終わりくらいには成虫になるようです。私は成虫はよく知っているのですが、幼虫をしげしげと観察したことはありませんでした。今回初めて手にとってみたところ、なんだかかわいらしい顔をしていることに気が付き、思わずアップで写真撮影。この時期になると、オスとメスの区別がつくらしいのですが、それは出てきたときのお楽しみ、ということで…(Ku)

春がきた!

一昨日、工房へ出掛ける際にふと隣の空き地の土手に目をやると、いつのまにかたくさんのつくしが顔を出していました。

このところの激しい冷え込みに、「まだ春は遠いなあ」と思っていたので、びっしりと生えている土筆坊達にびっくり。春がついにやってきました。

土手のつくし
土手のつくし

そういえば、工房の周辺ではウグイスがさえずりの練習を始めました。なんだかまだ頼りない鳴き方ですが、もう少し暖かくなる頃には上手になって里へおりていくのでしょう。

ところで、淡路島の春の風物詩といえば、なんといっても”いかなご”です。今年は3月3日に漁が解禁となり、海にはいかなご漁の船がたくさん出ています。早速ご近所からは「クギ煮」を炊く、甘辛い何ともいえない良い香りが漂って来ています。この香りだけでご飯がおかわりできそうです。

我が家でも昨年、「いかなごのクギ煮」に初めて挑戦しました。

この時期、スーパーマーケットへ行くと、パック詰めされたいかなごの周りに、醤油,ザラメなどの材料や、おすそ分け用パックなどの必要な物がまとめて陳列されています。印刷されたレシピも配布されているので、それにならって作ってみたところ、初めてにしてはなかなかの出来、と自画自賛。知り合いにもおすそ分けしたところご好評をいただいたので、調子に乗って今年も挑戦する予定です。

宅急便やさんや郵便局には、「クギ煮送れます」の”のぼり”が立ち並ぶのも淡路ならではの風景ではないでしょうか。

完成したトレイの山
完成したトレイの山

先週、製作過程をご紹介した”トレイ”も無事完成し、納品させていただきました。

梱包前のトレイを積み上げて写真を撮ってみました。キズ防止のため、緩衝材を挟んであります。今回はご注文頂いてから納期までの期間が限られていたため、久しぶりの夜なべ仕事になりました。無事にお約束の期日に納品することができ、ほっとしました。

もうひとつ、春といえば”確定申告”です。先日、今年の申告手続きも無事に終わり、肩の荷が下りたところです。帳簿付けは1年を通じての仕事ですが、決算の作業は1年に1度のことなので、どうしてもやり方を忘れてしまうことがあり、毎年あたふたとしてしまいます。(Ku)

鬼の霍乱?

何年ぶりになるでしょうか。珍しく風邪で熱を出して寝込んでしまいました。まさしく「鬼の霍乱」といったところでしょうか。

咳が出始め、風邪を引いたかな、と思ったのが先週の金曜日。翌日、なんだかボーッとするので、熱を測ってみたところ、38度5分。ただ、食欲は普段どおりで他の症状は無かったのでおとなしく布団に入っていたところ、翌朝には37度前半の微熱にまで下がり、週明け月曜日には平熱に。病院にかかる間もなく、まあ治ったかな、と思う状態に回復しました。

これが、前半戦。続いて見事に夫に同じ症状が出始めました。私よりちょっと熱が長びきましたが、今日でなんとか治まったようです。2人とも病院に行っていないのでなんともいえませんが、軽いインフルエンザだったのかナ、と思います。

普段の生活では流行に疎い私たちですが、インフルエンザの流行にはあらがえなかったようです。昨シーズンにはかからなかった世代に今年は流行しているとのこと。みなさん、くれぐれも気を付けてくださいね。

ため池の鴨
ため池の鴨

いつもの散歩道の途中にあるため池に、鴨が来ています。小ガモが3羽いて、私たちが近づくと池の向こう側へ泳いで逃げて行きます。冬の初めにはかなり小さなヒナだったのですが、だいぶ大きくなりました。

この池の先からはいのししの出没する里山に入り、林につながるけもの道や、いのししの足跡がたくさん見られます。秋にはたくさん道端に落ちていたドングリも、いつの間にかきれいに無くなっていました。茂みからはときどきキジが飛び立ち、びっくりさせられます。

住んでいるのは住宅地なのですが、ちょっと歩くだけで、山の上の工房にもまけない自然のど真ん中に入り込めます。

皿立て
皿立て

昨年末に開催された「平成22年度 日本民藝館展」への出品作品の返却がありました。

今回、準入選として頂いた拭漆仕上げの皿立て2点がおかげさまで即売会にて販売していただけました。お買い上げ下さったお客様、ありがとうございました。

これを励みに、また来年、よりよい作品を出品できるようがんばりたいと思います。(Ku)

新舞子の海

先日、『新舞子』に行ってきました。

『新舞子』は姫路の南西に位置する潮干狩りや海水浴で有名な海辺の集落で、父の故郷です。

浜に出てみると、夕暮れの中、丁度潮が引きかけているときで、思いがけずとてもきれいな干潟を見ることが出来ました。干潟が現れる時間や潮の引き具合は暦によって大きく違うので、いつ行っても大きな干潟が見られる訳ではありません。この日はたまたまよい潮の日と時間に当たったというわけです。家内は大きな干潟を見るのは初めてだったので、とても喜んでくれました。

干潟の夕暮れ
干潟の夕暮れ

幼かった頃、夏は決まってお盆の時期に家族みんなで帰省し、兄や従兄弟たちと海水浴をして遊びました。遠浅の海なので、沖へ沖へと歩いていき、泳ぎの苦手だった私でも安心して浜遊びが出来ました。ゴムくさい水中めがねをして海の中をのぞき込むと、砂の上に波が作り出す不思議な『紋様』が見え、小魚が泳ぎ回っていたのをついこの間の出来事のように思い出します。

潮が引くのにあわせ、カモメたちがエサを求めて新しく現れる干潟を散策していました。

干潟の足跡
カモメの足跡

お隣のおばさんから水仙の花を頂きました。散歩の途中、陽当たりの良いあぜ道に咲いていたのを摘んできたとのこと、寒い寒い毎日ですが、季節は少しづつ春に向かって進んでいるのだと思うと、なんだか暖かい気持ちになります。早速、試作で作った『竹花筒』に活けて楽しんでいます。部屋一杯に水仙の香りが立ちこめています。(Hi)

水仙と竹花筒
水仙と竹花筒

木のボタン

昨年の倉敷の展示会で、バッグなどの袋物を作られる方から木のボタン製作のご相談を頂きました。その後試作を行い、それをもとにご提案やアドバイスを頂いて、平ボタンと山高タイプのボタンを何種類か製作させていただきました。

先日の倉敷での展示会の際に、そのボタンを使用した作品を見せて頂くことができました。

手提げバッグ
手提げバッグ

スエード生地の手提げバッグです。ループの留めボタンとして、ウォールナットの平ボタンをご使用頂いています。

手提げバッグのボタン
手提げバッグのボタン

バッグの開閉の際に必ず手に触れる留めボタンとしてご使用頂いていますので、使い込んでいただくほどにツヤがでて、バッグとともに味わいが深まっていくと思います。

ショルダーバッグ
ショルダーバッグ

こちらは、ショルダーバッグです。こちらも、ループの留めボタンとして、ウォールナットの平ボタンをご使用頂きました。

ショルダーバッグのボタン
ショルダーバッグのボタン

どちらも、とてもしっかりとしたつくりの、落ち着いた雰囲気のバッグで、ボタンを引き立てていただいています。

実際に自分の作ったボタンが作品の中で使われているのを見るのは、とても嬉しいものです。お納めした他のボタンを使った作品も追い追い見せて頂くのが楽しみです。

恥ずかしながら、私は縫い物や編み物が大の苦手で、試作の際には自分の持っている服のボタンを参考にしたのですが、サイズや厚さはもとより、糸穴の大きさや間隔,裏側は平らでよいのか、凸状になっていた方がよいのかなど、作り手ならではのご助言をいろいろと頂き、とても勉強になりました。

ボタンをご覧頂いた他のお客様からも、いろいろなアイデアを教えて頂きました。

ヘアゴムに付ける(これは髪を伸ばしたことの無い私には思いもつかなかったことです),既製品の服のボタンを取り替える(なるほど!),服やバッグのアクセントに、などなど。

サイズなど、ご要望に応じて1つから製作いたしますので、お気軽にお問い合わせください。(Ku)