倉敷~高松

この土曜、日曜日は、昨年の倉敷での展示会でご注文いただいた作品の納品に出掛けてきました。

岡山や倉敷は十分日帰りできる距離なのですが、倉敷でいつも利用しているホテルのポイントがたまり、3月末まで有効の1泊無料券をいただいていたので、それを利用してちょっとゆっくり出掛けてきました。

というのも、納品のほかにもうひとつ大事な用事があったのです。

昨年10月に、京都東寺の弘法市で”酒袋”を購入してきたことをこのブログでご報告しましたが、そのままの形では利用しにくいので、普段使えるよう、夫は小物入れに、私は手帳カバーにしたいと考えました。

以前、醤油袋でバックをつくって頂いた倉敷の方に製作をお願いしていたものが出来上がり、それを受け取りに行ったのです。

酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバー
酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバー
酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバーを開いたところ
酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバーを開いたところ

私は毎年決まった手帳を使うことにしていて、いっしょにバスの時刻表や薄い住所録、メモ用紙などをまとめて持ち歩きます。今までは使い古したビニールのカバーやクリップ、輪ゴムなどを使って一束にしていたのですが、見苦しいわ使いにくいわで…。使い勝手がよく、しかも持っていて心地の良い手帳カバーをずっと探していたのですが、コレといったものに巡り会えず、今回お願いをして作っていただいたのです。

小物入れは、もともとの繕いを活かし、木のボタンをループで留めるかたちにしていただきました。筆記具や手帳などを入れて使うつもりだそうです。

裏地や隅々の縫製に到るまでとても丁寧なお仕事で、手触りといい、革の縁取りの雰囲気といい、2人とももう大満足!!

酒袋は丈夫で、しかも使い込むほど柔らかくなり次第に革のような風合いになっていくということで、これからとても楽しみです。

フェリーで四国へ
フェリーで一路、高松へ

日曜日は倉敷から玉野へまわり、以前から展示会などでお世話になっているサンコアさんにご挨拶に寄らせていただいたのち、宇野港から四国フェリーで高松へ。

高松で用事を済ませた後、鳴門大橋を渡って淡路に帰ってきました。

淡路~明石海峡大橋~倉敷~玉野~鳴門大橋~淡路 という1周コース。納品させていただいたお客様にもたいへん喜んでいただけて、とても充実した2日間でした。あ、もちろんおいしい”讃岐うどん”も昼食に頂いてきました。(Ku)

額、3点

最近納めさせていただいた額3点を紹介させていただきます。

染め絵の額
染め絵の額

まず1点目はお客様お持ちの型染めの絵を飾るための額です。松ぼっくりのような愛らしいふくろうが寄り添っている、何ともいえないほのぼのとした絵柄の邪魔にならないよう、また、お客様のご希望をお聞きした結果、シンプルな額になりました。材料は”キハダ”、オイルステインで着色後、ワックスを塗って仕上げています。

色紙用の額
色紙用の額

2点目は書家の方から、その方のお師匠さまの作品の色紙を飾るための額としてご依頼を受けて製作したものです。飾ったときの存在感、繊細ながら力強い書に負けないことなど、お客様とご相談した結果、木目のきれいなニレケヤキの1枚板をくり抜き、拭き漆で仕上げました。

社訓用の額
書の額

最後は、また別の書家の先生からのご注文で、先生が揮毫を依頼された作品のための額です。”斑”の入ったナラ材を使い、拭き漆仕上げとしました。長さが約80cmと大きいため、重くならないようガラスの代わりにアクリル板を使用しています。寸法や雰囲気の確認のため、習作中の1枚をお借りして製作させていただきました。

今回偶然、3件の別注の額の製作が重なりました。定番としての額の製作もしていますが、このように、中に飾る作品が決まっていてそれに合う額を製作させていただくことはとても緊張するのですが、やはりやりがいのある仕事です。

幸い3点ともにお客様にとっても満足していただき、ほっとひと安心です。(Hi)

今年もよろしくお願いいたします

倉敷で毎年展示会を開いているギャラリーは美観地区から少しだけ離れたところにあり、宿泊先とギャラリーの行き来ではその美観地区を横切ります。

秋の展示会の時期は、そろそろ「来年の年賀状は…」と思案を始める頃でもあります。ある朝、ちょうど大原美術館の前を通りかかったとき、立派な龍の彫刻が目に入りました。

美観地区を流れる倉敷川にはいくつかの立派な石橋が架けられているのですが、そのうち、大原美術館の前の”今橋”には見事な龍の彫刻が施されています。観光 パンフレットを見ると、大正15年に架けられた橋で、龍の彫刻は児島虎次郎のデザインとのこと。是非年賀状で版画にしたい、と考えて写真を撮って帰りまし た。

迫力のある彫刻が再現出来たでしょうか?

年賀状<2012>
年賀状<2012>

今年は平穏な一年になって欲しいものです。

今年も2人で力を合わせてがんばっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

太田秀世 ・ 久美子

子犬のレオくん

以前お納めした棚の引き出しの調整や、新しい文机の納品など、いくつかの用事を兼ねて先日姫路へ行ってきました。その際、少し時間に余裕を持たせて姫路に住んでいる叔父夫婦のところへ寄ってきました。

叔父夫婦には、今年の5月の姫路クラフトのときに泊めてもらったりしていつも何かとお世話になっているのですが、今回訪ねてみると何ともかわいらしい小さな白い犬がいるではありませんか。

実は叔父夫婦は以前から”キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル”という種類の小型犬(名前はキューちゃん)を飼っていたのですが、そのキューちゃんが老衰で急に死んでしまったので、最近新しく家族の仲間入りをしたというのです。

今度の新入りくんの名前は”レオ君”。あのジャングル大帝の小さい頃にとってもよく似ている(ような気がする)ということに由来しているのですが、生後2ヶ月のチワワとマルチーズのミックス犬です。

少し長めの真っ白な体毛に、くりくりっとしたつぶらな瞳が輝き、とにかく“やんちゃ”で片時もじっとしていません。おこたの布団の上を、まるで雪原を飛び跳ねるようにして走りまわったり、私たちの手や服の袖などにかじり付き、とても楽しそうにじゃれ回るのです。

歯の先がとがっているので小さな口でもかまれたあとはチクチクと痛みますが、でもとにかく元気で、体全体で『生きていることが楽しくてしょうがない!』というオーラを発散させています。小さな命の、その生命力の輝きに勇気づけられ、私たちももっともっと前を向いてがんばらねば、という思いを強く感じた出来事でした。このまますくすくと育っていってね。

それから、初めは真っ白だったのに、私たちとさんざん遊び回ったあとには少し黒っぽく汚れてしまいました。コレって、私たちの手が汚れていたってことですね…

ごめんなさいね…(Hi)

メリークリスマス
メリークリスマス!!

今日はクリスマスですね。”大荒れの天候”との予報でしたがここ淡路島では昨日少し雪が舞い、強風が吹き荒れてはいるものの晴れ間ものぞくお天気でした。

”もりのこ”に綿でひげを付け、赤い帽子をかぶせてみました。サンタクロースみたいでしょ。

メリークリスマス!!(Ku)

閑谷学校

今週は、先月の倉敷での個展の帰りに立ち寄った『閑谷学校』の写真を何枚かご紹介します。

『閑谷学校』校門
『閑谷学校』校門

『閑谷学校』は岡山県備前市にある史跡で、岡山藩主池田光政によって建てられた庶民のための学校です。当時のままの立派な木造建築がいくつも残っており、私たちにとってとても興味深い場所です。

楷の木
楷の木

『聖廟』の前の大きな2本の”楷の木”は、中国の孔子廟の楷の木に由来しており、秋には見事な紅葉が見られるそうです。閑谷学校に立寄るのはいつも秋の個展が終わってからなので、楷の木の紅葉の見頃は過ぎてしまっています。その分、観光客が少なくて落ち着いてはいます。

今回、楷の木の下に実が落ちていたのでいくつか拾わせて頂きました。芽が出るとよいのですが…。

講堂
講堂

国宝にも指定されている大きな『講堂』は、磨き抜かれた床に大きな窓(”花頭窓”というそうです)から入る外の光が見事に反射しています。立派な柱や精巧に細工された窓枠、目立っているわけではないのに存在感のある釘隠などの金具類…。作った人達やここで学問にいそしんだ人々の真摯な気持ちが伝わってくるような空間です。

この講堂は普段は入室禁止ですが、月に1回論語の講座が開かれているとのこと。機会があったらいつか参加してみたいです。

石塀と紅葉
石塀と紅葉

閑谷学校は、柔らかな丸みを帯びた外形をもつ石の塀で囲まれています(全長765mもあるそうです)。ピッタリと組まれた石が形作る独特の曲線は決して威圧的ではなく、神聖な”学問の場”として敷地を外界と区切っているような印象を受けます。

写真は、現在は資料館などとなっている寄宿舎跡に続く小道です。モミジの紅葉は見頃は少々過ぎていましたが、まだまだ十分にきれいでした。

自然の中に溶け込むような空間なので、季節によって印象も大きく変わると思います。また違う季節にも何度でも訪れてみたい場所です。

食器棚(展示会)
食器棚(展示会)

先日、ご注文頂いていた”食器棚”を納品させていただきました。1ヶ月ほど前に完成していたのですが、無理をお願いして先月の個展で展示させていただいたものです。

納品した食器棚
納品した食器棚

普段使い用の食器を収納する小さめの食器棚です。上に現在ご使用の調味料入れを置きたいとのご要望で、身長に合わせて上の物を取りやすい高さにしました。長く使っていただけますよう。(Ku)

皆既月食

昨夜は皆既月食でした。今回のように初めから終わりまで全てを観ることができるのは珍しく、”密かに”楽しみにしていました。

”密かに”というのは、私が月食や日食などをしっかり観ようと周到に準備をすると、必ずと言って良いほど天気が悪くなるのです。今回は”月食”という言葉すら口に出さないよう我慢してきました。そのかいあってか、天気予報でも概ね晴天の予報のままその日に近づいていました。

でも、できれば簡単に写真を撮りたいと思っていたので、金曜日の夜にコンパクトデジカメでの撮影方法を調べてしまいました。

そして当日の朝、まず天気予報をチェック。午前中は若干雲が出るものの以後は晴れの予報でひと安心。ところが、家の掃除などをしているうちに雲が拡がってきて空が真っ暗になっていくではありませんか…。でもまあ天気予報のこともあるし、と安心しているとザァーッと雨の音が…。なんということでしょう!!

その後、雨は止み、ときおり晴れ間はのぞくものの曇りがちな空。このまま終わってしまうのか…。「こんな天気になってしまったのは私のせい?ごめんなさい!」などと思いながら食の始まるまでの時間を過ごしました。

部分食が始まった頃、恐る恐る外を覗いてみると、一部に雲がかかっているものの、月は明るく顔を見せてくれていて大喜び!!バタバタと服を着重ね、カメラなどの準備をして外へ。

部分食
部分食

私の使っているコンパクトデジカメの限られた機能ではなかなか思うような写真は撮れませんでしたが、観れたことに満足です。

そして皆既食へ…。

今回は皆既食が50分以上続いたので、フィルムカメラも出して写真を撮ったり、ボーっと眺めたりして堪能しました。

ちょうどおうし座のツノの間にポッカリと浮いた赤銅色の月。なんとも幻想的で、眺めているうちに日々の雑多なことも頭の中から抜け出ていくようでした。

次の、大きな天文現象は来年5月の金環日食です。天気に恵まれるよう、忘れたことにしておきます。

戸棚
戸棚

さて、先日、今年度の新作工芸公募展『日本民藝館展』の発表がありました。今回は拭き漆仕上げの戸棚と長椅子を出品し、戸棚を入選,長椅子を準入選としていただきました。

現在、東京の日本民藝館で開催されている「平成23年度 日本民藝館展」にて展示していただいております。機会がございましたら、是非ごらんください。(Ku)