古いナタのおはなし

―夏の陽の、熱気からだにためて生く―

「夏の陽」は「夏のひ」と読みます。

先日作業場で何となくラジオに耳を傾けていたところ、先のような句が紹介されました。

夏の暑さを忌み嫌うばかりではなく、その熱気を体にため込んで力強く生きていこう、という意味の句だそうです。ああ、いい句だなぁと思い、慌ててノートの端っこに書き込みました。

我が家では夏のオリンピックで盛り上がっています。

月並みな表現ですが、若い人達のひたむきな姿勢と飾らない言葉に、勝ち負けやメダルの色に関係なく、毎日、感動と勇気、生きていることの素晴らしさを分けてもらっています。「いきものがかり」のテーマ曲を聴くたびに感動の場面が蘇ってきて、泣かされてしまいます。

ゴーヤのおすそわけ
ゴーヤのおすそわけ

我が家の周りでは、今年も緑のカーテン「ゴーヤ」を育てている方が大勢おられます。

先日の夕暮れ時、仕事を終えて帰宅したところ、お隣のおばさんが庭の水やりをしていました。(おばさんは新潟の出身なのですが、「水やりしてたのよ」という意味で「庭に水をくれてやってたのよぉ~」といいます)

このおばさんには、宅急便の荷物を預かってもらったり、お総菜を分けてもらったりと、いつもとてもよくしてもらっています。「お帰りぃ~」「ただいまぁ~」と挨拶をかわし、「今日も暑かったですねぇ」などと世間話をしていたところ、急に、

「ところであんた、ゴーヤ、食べるかね?」

「あんまり得意じゃないけど大丈夫です」

「じゃあひとつ、持っていきねぇ。穫れたばっかだけど、ほんとにひとつだぜぇ」

で、頂いたのが写真の右端の長い一本のゴーヤー。

それを聴いていた向かいの奥さんが、「うちのも食べてみてぇ~」。

で、いただいたのが左の短い五本のゴーヤー。

夏の野菜はキュウリ、茄子、オクラなど、ついつい庭で収穫されたものに偏りがちになってしまいます。我が家ではゴーヤーは育てていないので、大変有り難く、定番の「ゴーヤーチャンプル」にしておいしくいただきました。

懐かしのナタ
懐かしのナタ

随分前に家内の実家の納屋を整理していたところ、古い古いナタが出てきました。

家内がものごころ付いた頃にはもうかなり使い込まれた状態で家にあったというのですから、かなり古いものです。鞘には桜の樹の皮が巻いてあり、何とも雰囲気がいいのですが、鞘を抜いてみると“身”のほうは刃こぼれがひどく、使えるようにするにはかなり手間がかかりそうで、そのままにして置いていました。

このたびサンコアさんでの企画展“夏が来た!”に何を出展しようか悩んでいたところ、あのナタを使って何か普段やったことの無いようなものを作ってみよう、と思いつき、早速研ぎ直して使ってみることにしました。

思ったよりも使い勝手が悪く(単に慣れていないだけなのですが…)、苦労したのですが、何とか形にはなりました。作品の写真は後日ご紹介いたしますのでお楽しみに。

今週末から、サンコアさんでの企画展が始まります。オープニングセレモニーに参加して、他の作家の方々との交流を深め、いろいろな作品を見てこようと思っています。来週のブログでご報告するつもりですので、ご期待?ください。

それから、「愛車のレガシー」が昨日(日曜日)、無事200,000㎞を突破しました。まだまだ現役!!(Hi)

暑~い毎日!!

この夏も暑い日が続いています。

天気予報であのビカビカした”晴れマーク”がずらっと並んでいるのを見るだけでげっそりしてしまいます。せめてあの元気いっぱいの”晴れマーク”をちょっと涼しげにしてもらえると気分も変わるのでは、と思っているのは私だけでしょうか?

「夕立でも来てくれないかな~」なんて思うのですが、最近の雨は降り出すと半端ではないことも多いので、どうにも困ったものです。

ところで、我が家にはエアコンがありません(数年前に故障して取り外して以来、使わずに過ごしています)。”暑いときは汗をかくもの”、と少々ヘロヘロしながらも扇風機に頼ってなんとか夏を乗り越えています。

汗を流しながらヘロヘロしている私達を横目に、リクガメの”ほじほじくん”は、上手に暑さ避けをしているようです。

先日、おがくずを山のように足してやったところ、上に登ったり、中に潜り込んだりして喜んでいるように見えました。

おがくずの山を登る”ほじほじくん”
おがくずの山を登る”ほじほじくん”

そしてそれ以降、日中の暑い盛りは、そのおがくずの奥の方へ潜り込んで姿を隠すようになりました。もともと砂漠などに生息するカメなのですが、野生の状態で日中はじっと砂にもぐって暑さを避けるのと同じなのでしょう。狭いケージの中で、おがくずの奥が涼しいのかどうかは分かりませんが…。

おがくずの山から顔を出す”ほじほじくん”
おがくずの山から顔を出す”ほじほじくん”

日が暮れて少し涼しくなると、じわじわとおがくずの奥から出てきます。朝もこんな状態で2度寝(3度寝?)しているのをよく見かけます。ちょっとうらやましくなる姿です。

さて、毎年夏になると工房の中に毎日のようにトンボが入り込んで来ます。

風が通るように開けっ放しにした裏口から入って来るのですが、入った所から出て行けばいいのに、どうしても出口を見付けられず、窓や蛍光灯にぶつかりながらパニック状態で飛び回るトンボが必ず何匹かいます。

工房に入り込んだ”オオシオカラトンボ”
工房に入り込んだ”オオシオカラトンボ”

金曜日にもそんなトンボが2匹ほどいました。上の写真はそのうちの1匹なのですが、胴体全体が青い、こんなトンボを見るのは初めてでした。インターネットで調べてみたところ、”オオシオカラトンボ”という、丘陵地に住むトンボとのことでした。

写真を撮った後でつかまえて窓から出してやったのですが、「ありがとう」と出て行ったのか、「覚えてやがれ!!」と飛んで行ったのかは分かりません。

工房の周りでは最近、夕方にヒグラシの声を聞くようになりました。「ヒグラシの声は秋の足音」と思っていたので、”おやっ”と思い調べてみると、どうもそういうわけではなさそうです。実は6月終わり頃から鳴き始めているのだそうで、暑過ぎると鳴かないけれども、明るさに敏感で、秋の到来に関わらず薄暗くなれば鳴くのだとか。

ちょっともの寂しい、あの「カナカナカナ…」という鳴き声に、少しは涼しくなるのかな、なんて抱いた希望は、はかなく消えたのでした。(Ku)

今年も参加します。「サンコア夏祭り企画」

九州ではたいへんな大雨が続いており、テレビに映る状況にためいきをつきながら、早く収まってくれることを祈るばかりです。

もう梅雨明けかと思った週明けからうって変わり、水曜日からは淡路でも大雨続きでした。特に木曜日は台風なみの強風も吹き、畑のキュウリが支柱ごと倒れて茎が何本か折れてしまいました。

あんな強い風雨を、庭の虫たちはどうやり過ごすのでしょうか?

しばらく前から、体長15cmほどのナナフシが庭の ”ホップ(その名はなんと、「スーパードライ」!)” に住み着いているのですが、無事に風雨を乗り切ったようで、金曜日にはじっと茎になりきっている姿を見付けました。キリギリスやバッタたちも何事もなかったかのように跳びまわっており、結局、自然そのままの力にかなうものはないのだなあ、と思うのです。

ホップに住み着いているナナフシ
ホップに住み着いているナナフシ(どこにいるか分かりますか?)

さて、昨年の”モビール展”で初めて参加させていただいた岡山県玉野市のギャラリー『サンコア』さんの「夏祭り企画展」に今年も出品させていただくことになりました。

今年のお題は「夏が来た!!」です。

この言葉からイメージして制作した作品を展示・販売して頂くのですが、昨年の”モビール”とは異なり、作品の範囲は無限大ともいえ、いわゆる”クラフト作家”の私達にとっては、妄想こそふくらむものの、なかなか実際の形に現すのが難しいお題でした(でも普段と違う思考はとても楽しいものです)。

どうにか構想をまとめ、現在2人とも鋭意制作中です。詳細は展示会まで秘密ですが、商売柄やはり実用的なものとなりました。

ただ、ふだんの製作では使わないような道具も登場しています。何ができるか、お楽しみに!

「夏が来た!!展」
「夏が来た!!展」

参加者は、岡山県内外はもとより、ニューヨーク在住のアーティストさんまで、総勢82名とのこと。どんな展示空間ができあがるのか、とても楽しみです。

2012年サンコア夏祭り企画『夏が来た!!展』は、8月11日(土)~27日(月)です(14日と24日は定休日)。ギャラリーの場所や時間等の詳細はホームページよりご確認ください。

私達はオープニングレセプションがある初日11日の午後のみの在廊になりますが、是非 ”” を満喫しにお気軽にお立ち寄りください。(Ku)

夏野菜の収穫

たいへん暑い日が続いています。山の上にある工房は下界の街なかよりも気温で2~3℃ほど低いのですが、それでも風がピタッと止む昼下がりは焼けたスレート葺きの屋根からの熱気がもろに伝わってきます。まるで粘りけのある熱い空気の中にいるようで、動きも緩慢になってしまいます。

そんな暑い中での楽しみは野菜の収穫。この夏はエダマメとズッキーニ,オクラ,坊ちゃんかぼちゃ,はやとうりなどを育てています。夏の野菜は実が大きいので収穫の実感もひとしおです。

収穫したかぼちゃとエダマメ
収穫したかぼちゃとエダマメ

金曜日にはかぼちゃ2個とエダマメを収穫しました。

20本ほど育てたエダマメは実の入ったものから2,3回収穫しました。もうそろそろ終わりのようです。坊ちゃんかぼちゃは3本に合わせて1ダースほどの実をつけました。今回が今年の初収穫です。まだかまだかとヘタや実の様子をチェックするのが毎朝の楽しみです。

今野菜を作っているのは、工房の脇の庭の一部を区切ったごく狭い畑です。食料自給率を高めるべく、もう少し畑の部分を拡げる予定です。涼しくなってからの話ですが…。

キンカンの花
キンカンの花
ギボウシのつぼみ
ギボウシのつぼみ

白い花は涼しげな感じがします。キンカンの花が咲き始め、ギボウシにはつぼみがつきました。(Ku)

夏真っ盛り

梅雨が明けたとたん、夏真っ盛りといった暑い日が続いています。月曜日(11日)の工房からの帰り道、大阪湾上空にかなり大きな入道雲が見えました。

あまりの立派さに「花さじき」の近くに車を駐めて写真撮影。

まるで「天空の城ラピュタ」に出てくる”竜の巣”のようです。

かなとこ雲(2011.7.11)
かなとこ雲(2011.7.11)

調べてみると、”かなとこ雲”というそうで、積乱雲が成長しきると上部が平らになるとのこと。平らな面がちょうど対流圏と成層圏の境目になるらしく、高度はおよそ11kmだとか。壮大なスケールですね。

積乱雲の前を飛ぶ飛行機
積乱雲の前を飛ぶ飛行機

よく見ると、雲を避けるように飛行機が飛んでいました。神戸空港行きでしょうか?

収納棚の部材
収納棚の部材

さて、現在製作中の収納棚は、外枠についての主な部材の加工が終わりました。

写真手前の長い部材は棚の四隅の柱となるものです。棚ダボ孔の加工も済みました。真ん中あたりに立ててある板は、左右の側板になる部材です。ペーパーがけ前の「水引き」を済ませて乾燥中。これから引き出し,棚板などの製作にとりかかります。

熟睡中のカメ
熟睡中のカメ

こんなに暑い中でも、”ほじほじ君”はしっかり熟睡です。朝、ケージの置いてある部屋のカーテンを開けに行くと、完全に脱力して首の伸びた姿で熟睡しています。まるで行き倒れたかのようなこの姿。カメも夢を見るのでしょうか…(Ku)

はじめまして

花さじきから大阪湾を望む
花さじきから大阪湾を望む

今日も暑い1日でした。

どこまでも青い空に、青い海、入道雲。

工房近くの「あわじ花さじき」という公園からは眼下に大阪湾が一望できるのですが、今日は関西新空港までくっきりと見えました。

はじめまして。

私たちは、淡路で注文家具などの木工品を製作して暮らしています。

これから、木工のことや普段の生活の中で気が付いたささやかな出来事などを少しずつ、皆さんにお伝えできればと思っています。

どうぞ、よろしくお願いいたします。(Hi)