一気に秋に

8月のうだるような暑さがウソのようです。

覚悟していた残暑もほとんどなく、例年ならまだ今頃は半袖Tシャツで、「暑い、暑い…」 と唸っていたように思うのですが、朝晩の肌寒さに慌てて長袖や毛布をひっぱり出したりしています。

一気に秋が深まる気配で、栗、ぶどう、柿、いちじくなど、店先に山積みになった秋の実りが、ただでさえ旺盛な私たちの食欲をさらにくすぐり、日々自制心との戦いです。

温かな食べ物もいっそうおいしく感じるようになったところで、今回は私の製作している? 『なべしき』? を紹介させて頂きます。

『なべしき』「熱っ」,「おっ鍋」
『なべしき』「熱っ」,「おっ鍋」

文字や絵柄を切り出した鍋敷きをつくるようになったきっかけは、何年か前に玉野の ”サンコア” さんで参加させて頂いたイベントでした。

『夏』 というタイトルで、作品を自由に製作するというイベントだったのですが、いろいろ悩んだ末に、私は ”夏” から連想するモノや文字をデザインした鍋敷きを製作しました。

それがとても楽しかったことと、たいへんご好評を頂いたことから、少しずつデザインを変えながら、いつの間にか定番の作品のひとつとなりました。

上の写真の2点は、鍋敷きの気持ちを文字に表した、ちょっと楽しい鍋敷きです。

「熱っ」は文字通り、熱っつ~いお鍋を上に載せられる鍋敷きの気持ちですが、もちろん冷たいお鍋を載せていただいても構いません。

「おっ鍋」は、「おっ鍋が載るんだナ」という鍋敷きの気持ちを表してみました。もちろんフライパンにもどうぞ。

この他、「春」・「夏」・「秋」・「冬」、「暑っ」 などの文字や、「鯛」、「かめ」、「エビ」 などの絵柄のものもあり、使わないときは壁に掛けて飾って頂くことができます。

是非展示会でいろいろなデザインの鍋敷きを手にとってご覧ください。

さて、先日またまたサクランボの木に発生した毛虫を退治していたところ、脱皮直後のカマキリを見付けました。

脱皮直後のカマキリ
脱皮直後のカマキリ

ちょっと分かりにくいのですが、写真中央少し上のうす黄色の部分が脱いだ皮です。

大きくて立派な躰でしたが、まだ羽が無かったので、成虫の一歩手前の状態だと思います。

無事に成虫になった姿をまた見たいものです。(Ku)

初めてホテイアオイに花が咲きました

工房の庭では、古い火鉢を睡蓮鉢代わりにしてメダカを飼っています。

もう7,8年になるでしょうか。(もちろんメダカは、繁殖させたり買い足したりで何度も代替わりしています。)

メダカ達の隠れ場所として、毎年春先にホテイアオイを買ってきて鉢に浮かべるのですが、今年初めて花が咲きました。

ホテイアオイの花
ホテイアオイの花

陽当たりが悪いと花が咲かないとのことですが、今年はたまたま周りの植物の茂り方の具合でよく陽が当たったのでしょうか…。

ホテイアオイ というと、爆発的な繁殖力をもつ外来種で、自然界では ”迷惑な水草” という印象が強いのですが、こんなにきれいな花を咲かせるのですね。

ホテイアオイの花(アップ)
ホテイアオイの花(アップ)

よく見ると、花びらの一枚一枚に特徴があることが分かります。

ホテイアオイの蕾
ホテイアオイの蕾

隣の株には蕾も。

1日で終わる、はかない命の花だそうです。

花言葉は、恋の悲しみ、恋の楽しみ、揺れる想い…。

その一方で、「世界の侵略的外来種ワースト100」なんて顔も…。
(余談ですが、あのおいしい ”わかめ” も、この 「ワースト100」の1つと知ってびっくりしました。日本近海から拡がったそうですが、日本と朝鮮半島以外では食べないので、ただのはた迷惑な ”害藻” なのだそうです。)

庭の片隅でひっそり楽しむに限ります。

ハラビロカマキリに睨まれました
ハラビロカマキリに睨まれました

柚の木で、羽化の観察にほどよい成長段階のアゲハの幼虫を捕獲していたら、ハラビロカマキリに睨まれました。

さてさて、ようやく朝晩は少し涼しくなり、工房の周りでは赤とんぼが飛び始め、秋の虫の声も大きくなってきました。

秋の声が聞こえ始めたら、ご注文品の製作に加え、秋の展示会の準備も本格的にスタートです。

今年も充実した展示会になるよう、これから “もりもり” とがんばっていきたいと思います。(Ku)

「積み木」のおはなし -その2-

前回に引き続き、「積み木」のおはなしをさせていただきます。

今年4月のサンコアさんでの展示会で、”ちょっといびつな積み木” をご覧になったお客様から、「昔、息子が使っていた古い積み木を、もうじき誕生する孫にプレゼントしたいので、削りなおしてきれいにならないだろうか」 というご相談をいただきました。

積み木を見せていただくと、キズや黒ずみはあったものの、元の木がしっかりしていたので、表面を削り直せば十分きれいになりそうでした。

積み木の修理
積み木の修理

お預かりし、表面をカンナでひと削りした上でサンドペーパーで磨き、オイルを塗装し直すと、きれいな積み木に蘇りました。

木箱にきれいに収まる積み木セットだったのですが、不足していたピースが2,3個あったので、それらは新たに作り足しました。

木箱も削りなおして積み木を収めると、立派な積み木セットにリニューアルできました。

きれいに蘇った積み木セット
きれいに蘇った積み木セット

深いキズや落書きもありましたが、それはそれで歴史を感じさせてくれる味わいとして残すことにしました。

世代を越えた、素敵な贈り物のお手伝いができたことをとても嬉しく思いました。

さて、工房の庭のユズの木で見付けた ” クロアゲハ” の幼虫が、先日羽化し、旅立っていきました。

キアゲハの羽化は以前観察したことがあるのですが、クロアゲハは初めてです。

是非、羽化の瞬間を見たかったのですが、サナギになってちょうど2週間目の朝、ちょっと目を離したスキにサナギから出てしまっていました。

サナギから出た直後のクロアゲハ
サナギから出た直後のクロアゲハ

サナギの色が変わり、今日明日中には羽化しそうだったので、できるだけ目に付く場所に置いて ”その時” を待ち構えていたのですが、ほんの数分間家の外で作業をして戻ってみると、羽化したばかりでまだ羽がヨレヨレの蝶がケースの蓋にしがみついていたのです。

羽化直後のクロアゲハ-2
羽化直後のクロアゲハ-2

先の写真から約8分後の写真です。

みるみるうちに羽がしっかり開いて、あっという間に一人前の蝶の姿になりました。

きれいな曲線を描く触角、うまく巻き上げられた口、それはそれは深い色合いの青みがかった眼など、そのひとつひとつの美しさが驚きです。

羽化から約30分後
羽化から約30分後

羽化から約30分後、羽を大きく拡げたり閉じたりしはじめました。飛び立つ準備なのでしょう。

開いた羽の、細かい点で描いたような紋様にもまた魅せられました。

機能と美しさを兼ね備えた姿を創り出す、自然の力の偉大さに感服するばかりです。

この日はあいにく風が強く、飛び立つのがちょっと難しそうでしたが、羽化から2時間ほどしてなんとか無事に飛び立って行きました。

その後、さらにお隣の家の網戸にとまってしばらく羽を休ませたのち、どこかへふいに飛び立って行ったそうです。

羽化直後の一番きれいな姿を、間近でじっくりと観察させてもらいました。

ありがとう!!(Ku)

ご無沙汰しておりました

じめじめした梅雨らしいお天気が続いており、そこらじゅうベトベトです。

先月の地元淡路での展示会も無事終了し、おかげさまで今年前半の展示会をすべて予定通り終えることができました。

その後、展示会のためにお待ち頂いていた納品やご注文品の製作などでバタバタしており、しばらくブログの更新をサボってしまっていました。スミマセン。

巣立ち直前のツバメ
巣立ち直前のツバメ

先日、納品で岡山のギャラリー “サンコア” さんに伺うと、軒下のツバメの巣では2羽のヒナが元気に育っていました。

数日前から親鳥が盛んに巣立ちを誘っているとのこと。

きっと今頃はもう大空を自由に飛び回っていることでしょう。

ヒラズゲンセイ
ヒラズゲンセイ

工房の近くでは珍しい虫を発見!

真っ赤で、カミキリムシによく似ているのですが、触角が短く、頭の形もなんだかちょっと違っています。

何よりもニオイが!!

なんと、ピーマンの臭いがするのです。

調べてみると「ヒラズゲンセイ」という昆虫の、メスであるらしいことが分かりました。

クマバチに寄生するちょっと珍しい甲虫とのこと。

いろいろな虫がいるものです。

さて、この土曜日(7月18日)から、南あわじ市の 「そらみどう」 さんで開催される夏のイベント 『ひまわり展』 に、私の製作したコモノを参加させていただきます。

「そらみどう」さんは、ストラップなど、私のコモノを普段販売して頂いている手作り雑貨のお店なのですが、オープン記念として、毎年この時期にテーマを決め、それに沿った作品を集めたイベントを行っているそうです。

今年のテーマは 『ひまわり』 とのことで、ひまわりをモチーフにしたブックマークやモビール、夏バージョンの鍋敷きなどを製作させていただきました。

様々な分野の作家さん達が夏を心地よく過ごせるように手作りしたいろいろな作品が、お店いっぱいに展示されるそうです。

おいしいコーヒーやケーキなどが頂ける喫茶コーナーもおすすめです。
(お店の場所や、イベントの詳細は、そらみどうさんのホームページ(外部リンク)をご覧ください。)

暑い夏を思いっきり楽しめるよう、是非脚をお運びください。(Ku)

秋の展示会の準備

11月に、今年で10回目となる倉敷での展示会を控え、工房近くの公園でDM用の写真撮影をしてきました。

秋晴れの公園
秋晴れの公園

秋晴れの、雲ひとつ無い青空の下、きれいに拡がった芝生と、紅葉が始まりかけた木々… 。

ごろんと昼寝をしたくなるような心地よい昼下がりのひととき、作品をかかえ、あっちだ、こっちだ、と撮影場所を探してウロウロするちょっと怪しげな私達2人組でしたが、なんとか満足する写真を撮ることができました。

DMが出来上がりましたら、またご報告させていただきます。

その公園の一角で、久しぶりに実の付いたイヌマキの生け垣を見つけました。

イヌマキの実
イヌマキの実

関西ではあまり見かけませんが、私の出身地である静岡県の遠州地方では、イヌマキのことを、”細葉(ほそば)”? といい、多くの家で生け垣にしています。

雌株にだけ実が付き、遠州弁ではこの実のことをなぜか ” やんぞうこんぞう ” といいます。

赤く熟した方は食べられるのですが、青い方はずっと青いままで、こちらは食べられません。

実家の生け垣にも実が付いていたなあ、と懐かしく思い出しました。

ハラビロカマキリの威嚇
ハラビロカマキリの威嚇

工房の庭のハヤトウリの葉の上に立派なハラビロカマキリが。

カメラを向けると威嚇されました。(Ku)

<追伸> このブログを書いている最中に、近くの温室でボヤがありました。
なんだかバチバチ大きな音がするなあと思っていたら、焦げ臭いニオイが…
そのうち外を黒い燃えかすがいっぱい飛び回りはじめました。
これはただ事ではない!と、外へ出てみると、住宅地から離れた向こうの丘の途中からモクモクと煙がわき上がっていました。
花などを育てている温室の一角でボヤがあったようで、その後消防車が到着し、無事に鎮火したようです。

今年もやって来た!

毎年この頃になると、きれいなきれいなヤマトタマムシが1~2匹、工房の庭にやってきます。

庭に来た ” ヤマトタマムシ ”
庭に来た ” ヤマトタマムシ ”

背中の羽がきれいなことはよく知られていますが、近くでよく観察してみると、眼と、触角や脚の先以外は全て、金属光沢のあるとても美しい色をしていることが分かります。

眼は周りとは対照的にツヤ消しの漆黒で、これまたきれいです。

飛び立つ瞬間
飛び立つ瞬間

しばらく観察させてくれた後、どこかへ飛び立って行きましたが、羽の中の胴体もきれいな色をしていることにびっくりしました。

タマムシって、体をほぼ鉛直に立て、外側のきれいな羽を左右に水平に拡げ、中の薄い羽だけを羽ばたかせて飛ぶのです。(飛んでいる姿はまるで、『スター・ウォーズ』 に出てくる、”ボバ・フェット” の宇宙船 ”スレイブⅠ” です。)

しかも、羽音はかなり大きく、きれいな躰からは想像しにくい、 ”ブゥ ~ン ” というかなり荒っぽい音がします。

独特の飛行姿勢とその羽音から、かなり遠くまで、タマムシが飛んでいくのを見送ることができました。

また来てね!!(Ku)