薪づくり

春の雨の合間の木曜日、薪ストーブ用の薪づくりをしました。

工房の手作業場の暖房は薪ストーブなのですが、朝から晩まで部屋を暖かく保とうとすると、結構たくさんの薪を使います。

家具製作で出る端材のうち、ボタンやマグネットなどの小物にも使えないような部分ももちろん薪として使いますがそれらは量も少なく、焚き付けくらいにしかなりません。そこで近くで出た廃材や伐採された雑木などを頂いて薪をつくります。

まず、チェーンソーでストーブに入る長さに玉切りし、太いものは斧で割っていきます。

薪割り
薪割り

伐採された雑木にはいろいろな種類があります。芯が鮮やかな黄色のもの(これは”山ハゼ”のようです)、樹皮がさつまいもの皮のようなもの(私は勝手に”サツマイモの木”と呼んでいます)、象の足のような樹皮のもの(これは、”ゾウの木”)などなど。木の名前は分からないのですが、近くの山にこんなにたくさんの種類の木があるのかと驚くばかりです。

作った薪は、工房の壁際に積み上げます。

枝分かれして叉のあるもの、ねじ曲がったもの、そして比較的真っ直ぐなもの。うまく組み合わせて崩れないように積み上げていきます。

積み上げた薪
積み上げた薪

上の写真で黒っぽくなっているのは、一昨年作った薪です。今回の薪は手前の一番白っぽいものです。きれいに積み終わったら、トタン板で雨よけをする予定です。

一気にするとなかなか大変な作業ではありますが、欲しい時に廃材や伐木が手に入るとは限らないので、頂けたときに薪にしてストックしておかないと、いつか寒い冬を過ごすことになってしまいます。

私は薪割りは苦手なのでもっぱら、薪を運んで積み上げる作業をします。薪の一本一本はそんなに重くはないのですが量が多いので、翌日の金曜日は体中が筋肉痛でした。

さて、淡路の春の風物詩、イカナゴ漁も最盛期。魚も私たちがクギ煮にしやすい大きさになったので、この週末、自宅はクギ煮工場と化しました。

できあがった「クギ煮」と「釜揚げ」
できあがった「クギ煮」と「釜揚げ」

毎日のお弁当用と、知人へのちょっとしたおすそ分けに自分たちで作るようになって3年目になります。”できるだけ新鮮な魚を使った方が上手にできる”などのコツも少しずつつかめてきたこともあってか、今年は手前味噌ながらなかなか上出来だと思います。

家の中は、甘辛い佃煮の香りが充満し、おかずがなくてもご飯が食べられそうです。

クギ煮の他、一部はこの時期しか食べられない”釜揚げ”にしていただきます。(Ku)

冬のごちそう

”ひと雨ごとの暖かさ”の言葉どおり、春は駆け足で近づいて来ているようです。瀬戸内の春の風物詩である”いかなご漁”も、大阪湾では2月27日に始まるようです。

でも、まだまだ冬。寒い日は温かい物がなによりのご馳走。

おいしそうな物を目の前にすると食い気が先に立って、写真を撮ることなどすっかり忘れてしまい、食べ終わってしまってから、”ああ、写真撮ってブログに載せればよかった!!”と後悔する私たちですが、今回はめずらしく食べ物特集です。

我が家の冬のメニュー、まずは『石焼きビビンバ』から。

湯気の立つ『石焼きビビンバ』
湯気の立つ『石焼きビビンバ』

もう十数年も前になりますが、初めて焼き肉店で『石焼きビビンバ』なるものを食べたとき、そのおいしさにそれはそれは感動したものです。その後、ホームセンターのチラシでこの”石鍋”を発見し、迷わず購入。それ以来の我が家のちょっとしたご馳走メニューです。ごはんの上にのせるものさえいくつか用意しておけばあとは簡単です。

アツアツの石鍋の中で、ご飯と具材、生卵、豆板醤をまぜこぜにし、底の方にできたごま油の効いたパリパリお焦げとあわせて食べればもう、”しあわせ~”な私たちです。もちろん、暑い中で汗を流しながら食べるのもおいしいです。

『なべやきうどん』
『なべやきうどん』

そして、冬はなんといっても『なべやきうどん』。何か青菜と、卵さえあれば、あとはある物を適当にのせてグツグツ煮込めば出来上がりです。この日は大きな角天が特売だったので、ドンッとのってます。

冷やご飯があれば、残ったダシで雑炊風にして食べるのも好きです。

薪ストーブで焼き芋
薪ストーブで焼き芋

作業場でのおやつには、薪ストーブで焼いた『焼き芋』。濡らした新聞紙で包んだお芋をさらにアルミホイルで巻き、薪ストーブに入れて焼きます。

『焼き芋』
『焼き芋』

熱いのは分かっているのですが、ついつい慌ててやけどしそうになりながらほおばります。ちょっと焦げ目が付いたくらいがおいしいですね。

このほか、我が家の冬の食卓に頻繁にあがるのはやっぱり”鍋”です。水炊き、味噌仕立て、中華風などなど。

なんて書くと立派そうですが、味付けがちょっと違うだけで、その日家にある食材を入れるだけの簡単メニューです。野菜もたくさん摂れるし、準備も後片付けも簡単です。シメは雑炊にして出汁の最後の一滴までおいしくいただきます。(Ku)

薪ストーブと思い出

節分も過ぎ、立春を迎えたというのに寒さは一向に緩まる気配がありません。

淡路島は瀬戸内に位置しているので“暖かい”というイメージがあるのですが、冬場は西からの風がとにかく強くて、気温以上に厳しい寒さを感じます。さらに、作業場は小高い丘陵の尾根づたいにあるため、朝などは毎日氷点下の冷え込みとなります。

そこで、作業場での朝の仕事はまず薪ストーブに火を入れることから始まります。

一年間貯めておいた“かんなくず”や新聞紙などでまず火をおこし、次に小さな“木っ端”で火を大きくしていきます。火がある程度の大きさになったところで、ようやく薪の投入です。しばらくすると火の勢いが強くなり、そのうちに『ゴーゴー』と音を立てながら暖まってきます。寒いのを少し我慢すれば、私のとても大好きな作業の一つです。

作業場の薪ストーブ
作業場の薪ストーブ

まだ幼かった頃、我が家のお風呂は薪で沸かしていました。天日でお湯が沸く“ソーラーパネル”が屋根の上にあったので、夏場はお湯を沸かす必要がほとんどなく、小さな土間にしゃがみ込んで薪をくべながらユラユラと揺れる炎を見つめつつ、ほっぺを火照らせ、あれやこれやと妄想にふけっていた光景は、もっぱら寒い冬の夕暮れ時の思い出です。

祖父の死をきっかけに、“死”というものを身近に感じ始めたのも丁度その頃で、死んだらあの炎に焼かれて無くなってしまうのかと思うと、『熱いのはイヤだなあ~』とか『もし焼き場の中で生き返ったらどうなるのかな』などなど…。

で、あれやこれやと考えた末、炎の恐怖から逃れるために、今度生まれ変わるとしたら『水』がいいなぁという結論になりました。『水』だと炎に焼かれる心配も無いし、何せ、気体、液体、固体と姿は変われども『水』は『水』ですから…。今思うとなんとも変な妄想にとりつかれていたものです。

オーロラをおもわせる炎の揺らめき
オーロラをおもわせる炎の揺らめき

薪ストーブのオーロラにも似た炎の美しい揺らめきに見とれながら、そんな昔のことを何となく思い出している今日この頃であります。(Hi)