淡路島の雲海

よく晴れてぐ~んと冷え込んだ月曜日の朝、工房へ向かう道すがら、雲海が拡がっているのが見えました。

2人とも淡路でこんな風景を見るのは初めてで、景色の良い場所に車を駐めて写真を撮りました。

拡がる雲海
拡がる雲海

冷え込んではいるものの、この季節にしては珍しく風の無い穏やかな天候で、凹んだ地形に霧が留まり、このような景色になったようです。

毎朝通る県道157号はちょうど尾根筋を通る格好になるので、高い所からの景色が楽しめます。

この写真は県道を北に向かって「中持」を過ぎたあたりから、南南西の方向を見ています。

雲海の上にはお月様が
雲海の上にはお月様が

向こうの空の雲がなんだか雪を頂いた山脈のようで、淡路島とは思えないような風景でした。空にはお月様がぽっかり浮いていました。

霜が降りてすっかり冬景色
霜が降りてすっかり冬景色

その朝の気温は約2℃。

外に置いてある丸太に霜が降り、すっかり冬景色になっていました(Ku)。

倉敷での展示会が無事終了しました

今年で8回目となった倉敷の ”スペースみき” さんでの展示会が終了し、昨日無事に淡路に帰ってきました。

おおむねお天気にも恵まれ(汗ばむような暑い日もありました)、おかげさまでよい展示会になりました。ご来場くださった皆様、ほんとうにありがとうございました。

展示の様子-1
展示の様子-1

今回は、土間にダイニングチェア,長椅子,ローテーブルなど、畳の間に四方棚やおこた,衣桁,スツールなど、床の間に厨子などを展示しました。

展示の様子-2
展示の様子-2

卓に見立てたタモの一枚板の上にはトレイや、お箸箱にもお使い頂ける小箱などの小物を展示しました。

今回の反省点は、作品点数やサイズの割に展示がスッキリし過ぎてしまったことです。せっかくおいで頂いたお客様により満足していただくためにも、作品の配置や演出など、展示の仕方をもっと工夫する必要があると強く感じました。物の並べ方、ディスプレイの仕方などについて普段からもっと気に留めて勉強していきたいと思っています。

雨上がり、雲の切れ目からのぞく青空
雨上がり、雲の切れ目からのぞく青空

お天気にはおおむね恵まれた1週間でしたが、最終日(28日)の15時半頃だったでしょうか、遠くから雷の音が聞こえてきたと思ったら急に空が真っ暗になり、ザーッと大粒の雨が…。

16時から搬出を控えていたので、 ”これは困った!!” とジリジリしながら空を見上げていたのですが、さいわいにして20分ほどで雨はあがり、雲間から青空がのぞき始めました。その後はお天気は回復し、順調に搬出作業を終えることができました。

魅力ある作品づくりに励むことはもちろんですが、展示のしかたを工夫して、次回はより見応えのある展示会にしたいと考えています。来年の倉敷での展示会は 11月12日~を予定しております。毎年楽しみにして下さっている皆様のご期待にお応えできるよう、また1年、2人でがんばっていきますのでよろしくお願いいたします。(Ku)

梅雨空の下

ここしばらくは梅雨らしい天気が続くようです。

そんな梅雨空の下、工房の庭では紫陽花が花盛りを迎えています。

西洋アジサイの花
西洋アジサイの花

この西洋アジサイは、工房を立ち上げた頃に鉢植えで買って来たものです。もう1本工房の壁側にも植えてありますが、毎年大きな青い花を咲かせてくれます。

ヤマアジサイの花
ガクアジサイの花

こちらはガクアジサイ。額縁のように周りの花びらだけが開くのがこの名の由来だそうです。昨年の秋、よく陽の当たる場所に植え換えたところ元気に茂り始め、控えめながらきれいな花を今年はたくさん咲かせてくれています。

横から見ると3枚の花びらが同一平面上に揃い、まるでヘリコプターの羽根のようでとても美しいです。自然の神秘ですね。

そして足もとでは…。

小さなアカガエルがいっぱい
小さなアカガエルがいっぱい

庭で草むしりをしていると、なにやら小さなものがピョコピョコしているのに気が付きました。よく見ると小指の爪ほどの小さなカエルが何匹も…。”蛙ピョコピョコ3ピョコピョコ”どころではありません。

周囲を探してみると、どうも工房脇の側溝にカエルが卵を産んでいたらしく、そこで育ったオタマジャクシ達がカエルの姿になって上陸を始めたようです。

以前から赤っぽい小さめのカエルが数匹、庭に住み着いているのは知っていましたが、あのカエル達の卵でしょうか…。

調べてみると、”ニホンアカガエル”という森林や丘陵地で生活するカエルのようです。昔から日本にいるカエルなのですが、水路の整備などの影響を受けて減少しつつある種類とのこと。ヘビなどの天敵もいる庭ですが、無事に成長していって欲しいものです。

5月21日の金環日食(フィルムカメラ)
5月21日の金環日食(フィルムカメラ)

望遠レンズを使ってフィルムカメラで撮影した金環日食の写真の現像ができてきました。これは”金環”になる直前で、月のクレーターのでこぼこによる”ベイリービーズ”が写っています。望遠レンズを通して観たこの瞬間はとても感動的でした。

さて仕事の方は、先日の淡路での展示会でご注文頂いた小さめのお仏壇の製作中です。また折を見て製作過程を紹介させていただきます。(Ku)

空を見上げて

子供の頃から空を眺めるのが好きです。空を見上げては『この視線の先、空を抜け、雲を抜け、太陽系を越えてそのまたずーっと先はどうなっているのだろう。ひょっとして誰か(宇宙人?)の視線とぶつかってたりして…』なんて空想するちょっと変わった女の子でした。

自然、星や宇宙に興味をもつようになり、最近でいう『宙ガール』に。ただし、私が天文ファンになった30数年前は、かなり地味~な趣味で、小学校で入った”天文クラブ”では初めは女の子は1人だけ。顧問の先生が「他のクラブに変える?」なんて気を遣って下さいましたがなんのその。男の子たちと星の本を眺めながら、ますますどっぷりと宇宙の不思議さにはまっていったのです。

ちょうどその頃、父にねだって小さな望遠鏡を買ってもらいました。土星を観たかったのですが、まだ星図などの見方をよく知らず、仕方なく1つ1つ星をしらみつぶしに見て、やっと土星を探り当てたときの感動は今でも忘れません。

大学を選ぶときはサークル活動に”天文部”があることもしっかりチェックしていました(実は私達2人は大学の天文部で知り合いました)。”天文部”といっても、昼間はソフトボールやボウリング、夜はボックス(部室のこと)で宴会に精をだし、合間に太陽観測やら流星観測などを楽しんでいた部類で、小難しいことが好きなわけではありません。

きれいな星空をただただ眺めたり、宇宙開発のニュースにワクワクしたり、大きな天文現象があればちょっと写真を撮ってみたり、そんなお気楽な天文ファンのまま今に至っています。

そんな私にとって、”金環日食”、”部分月食”、”金星の太陽面通過”が続いたこの2週間ほどは居ても立ってもいられないような日々でした(しかも展示会もあって)。残念ながら6月4日の部分月食はベタ曇りで全く観ることはできませんでしたが、金環日食と金星の太陽面通過は直前に天気が良くなるという奇跡に恵まれ、存分に楽しむことができました。

金環日食は前日が私の誕生日だったので、すごいプレゼントをもらったような気持ちになりました。

金環日食(2012.5.21)淡路市
金環日食(2012.5.21)淡路市

これは私の父がコンパクトデジカメで撮影した写真です。私はフィルムカメラを使い、”金星の太陽面通過”と一緒に昨日現像に出したところです。きれいに撮れているとよいのですが…。

金星の太陽面通過(第2接触直後)
金星の太陽面通過(第2接触直後)

これは私がコンパクトデジカメで撮影しました。太陽の左端に近い所にある黒い点が金星です。

金環日食が派手だっただけに、金星の太陽面通過は時間も長く、かなり地味に感じました。ただ、普段空で光っている金星は、一見他の恒星と同じように感じてしまいますが、今回、地球と太陽の間を通過していることを目の当たりにし、金星への親近感が増したように感じます。

祖母がよく、”ちんぷんかんぷん”なことを「犬が星を見るようだ」と言っていましたが、そんな犬のような心境で、難しいこと抜きに空を見上げることをずっと楽しんでいきたいな、と思っています。

ある朝の”ほじほじ”くん
ある朝の”ほじほじ”くん

ある朝の熟睡中の”ほじほじ”君。生まれ故郷で見上げた星空の夢を見ているのかも…。(Ku)

三日月と金星とほろふき大根

木曜日、仕事を終えて工房を出ると、目の前の空にきれいな三日月と明るい金星が並んで輝いていました。

並んだ三日月と金星
並んだ三日月と金星

工房の出入り口はちょうど西を向いているので、三日月の時期はいつも帰るときに月と向き合うことになります。

工房の周りは明かりもすくなく、星がとてもきれいなのですが、つい寒さに負けてバタバタと車に乗り込んで家路を急いでしまいます。

ここ数日は淡路も寒さが厳しく、暖かいおかずがなによりのごちそうです。冬といえば、おでん,おなべ,なべやきうどん,それに”ほろふき大根”。

ほろふき大根
ほろふき大根

知り合いにいただいた手づくりの柚子がたっぷり入った”柚子みそ”でハフハフ言いながらいただきます。(Ku)

皆既月食

昨夜は皆既月食でした。今回のように初めから終わりまで全てを観ることができるのは珍しく、”密かに”楽しみにしていました。

”密かに”というのは、私が月食や日食などをしっかり観ようと周到に準備をすると、必ずと言って良いほど天気が悪くなるのです。今回は”月食”という言葉すら口に出さないよう我慢してきました。そのかいあってか、天気予報でも概ね晴天の予報のままその日に近づいていました。

でも、できれば簡単に写真を撮りたいと思っていたので、金曜日の夜にコンパクトデジカメでの撮影方法を調べてしまいました。

そして当日の朝、まず天気予報をチェック。午前中は若干雲が出るものの以後は晴れの予報でひと安心。ところが、家の掃除などをしているうちに雲が拡がってきて空が真っ暗になっていくではありませんか…。でもまあ天気予報のこともあるし、と安心しているとザァーッと雨の音が…。なんということでしょう!!

その後、雨は止み、ときおり晴れ間はのぞくものの曇りがちな空。このまま終わってしまうのか…。「こんな天気になってしまったのは私のせい?ごめんなさい!」などと思いながら食の始まるまでの時間を過ごしました。

部分食が始まった頃、恐る恐る外を覗いてみると、一部に雲がかかっているものの、月は明るく顔を見せてくれていて大喜び!!バタバタと服を着重ね、カメラなどの準備をして外へ。

部分食
部分食

私の使っているコンパクトデジカメの限られた機能ではなかなか思うような写真は撮れませんでしたが、観れたことに満足です。

そして皆既食へ…。

今回は皆既食が50分以上続いたので、フィルムカメラも出して写真を撮ったり、ボーっと眺めたりして堪能しました。

ちょうどおうし座のツノの間にポッカリと浮いた赤銅色の月。なんとも幻想的で、眺めているうちに日々の雑多なことも頭の中から抜け出ていくようでした。

次の、大きな天文現象は来年5月の金環日食です。天気に恵まれるよう、忘れたことにしておきます。

戸棚
戸棚

さて、先日、今年度の新作工芸公募展『日本民藝館展』の発表がありました。今回は拭き漆仕上げの戸棚と長椅子を出品し、戸棚を入選,長椅子を準入選としていただきました。

現在、東京の日本民藝館で開催されている「平成23年度 日本民藝館展」にて展示していただいております。機会がございましたら、是非ごらんください。(Ku)