新舞子の海

先日、『新舞子』に行ってきました。

『新舞子』は姫路の南西に位置する潮干狩りや海水浴で有名な海辺の集落で、父の故郷です。

浜に出てみると、夕暮れの中、丁度潮が引きかけているときで、思いがけずとてもきれいな干潟を見ることが出来ました。干潟が現れる時間や潮の引き具合は暦によって大きく違うので、いつ行っても大きな干潟が見られる訳ではありません。この日はたまたまよい潮の日と時間に当たったというわけです。家内は大きな干潟を見るのは初めてだったので、とても喜んでくれました。

干潟の夕暮れ
干潟の夕暮れ

幼かった頃、夏は決まってお盆の時期に家族みんなで帰省し、兄や従兄弟たちと海水浴をして遊びました。遠浅の海なので、沖へ沖へと歩いていき、泳ぎの苦手だった私でも安心して浜遊びが出来ました。ゴムくさい水中めがねをして海の中をのぞき込むと、砂の上に波が作り出す不思議な『紋様』が見え、小魚が泳ぎ回っていたのをついこの間の出来事のように思い出します。

潮が引くのにあわせ、カモメたちがエサを求めて新しく現れる干潟を散策していました。

干潟の足跡
カモメの足跡

お隣のおばさんから水仙の花を頂きました。散歩の途中、陽当たりの良いあぜ道に咲いていたのを摘んできたとのこと、寒い寒い毎日ですが、季節は少しづつ春に向かって進んでいるのだと思うと、なんだか暖かい気持ちになります。早速、試作で作った『竹花筒』に活けて楽しんでいます。部屋一杯に水仙の香りが立ちこめています。(Hi)

水仙と竹花筒
水仙と竹花筒

たこフェリー

玉野での個展も無事に終わり、ちょっと一息ついた一週間でした。

さて、存続が危ぶまれていた、淡路島と明石を結ぶ「たこフェリー」が、11月15日をもって運行を休止することになりました。

他の航路が次々と廃止される中、便数を減らしたり、船を売却したりとさまざまな経営努力がなされ、淡路島で最後に残ったフェリーだったのですが、やはりこれ以上の存続は困難なのだそうです。

私たちも、時間や料金の関係で、どうしても高速道路を使うことが多くなっていましたので、あまり強いことを言えた立場ではないのですが、明石海峡大橋が出来るまでは、欠かせない重要な交通手段だったわけですし(昭和29年にカーフェリーが初就航したそうです)、今まで普通にそこにあったものが無くなってしまうのですから、とても寂しいです。

また、島を出る手段が橋のみになる、ということには不安も感じます。橋が通行止めになるような強風の中でも、たこフェリーは堂々と運行できていることが多いのです。

一応、「廃止」ではなく、「休止」ということですので、いつの日か、また航路が復活することを願っています。

そんなこともあり、3日の文化の日、たこフェリーに乗って、明石に「明石焼き」を食べに行ってきました。

岩屋入港
岩屋入港

岩屋港へ着くと、フェリーは出た直後でした。切符を買って次の便を待つこと約1時間、シゴセンジャーやたこのイラストが描かれた「あさかぜ丸」が入港してきました。

岩屋港出港
岩屋港出港

私たち同様、最後のお別れに乗船しようという人たちや車がたくさん乗り込み、出港です。

明石海峡大橋をこえて
明石海峡大橋をこえて

当日はたいへんおだやかな良い天気で、行き、帰りともデッキに出て、海の景色を楽しみました。船跡がとてもきれいに見えました。

明石港到着
明石港到着

明石に着くと、やはり大勢の乗客と車が乗船を待っていました。いつもこうだとよいのですが…。

明石では、魚の棚の「たこ磯」へ。

口の中をやけどしそうになりながら、おいしい明石焼きをハフハフとほおばりました。

本屋さんへ寄った後、帰路につきました。乗客が普段より多いためか、フェリーの発着は時刻表どおりではなく、「随時発着」となっていましたので、港近くの堤防に座って船が来るのを待ちました。

明石港入港
明石港入港

この便にも、デッキに人がぎっしり乗っていました。このあさかぜ丸は、運行休止に伴って、売却されることが決まっているそうなので、この姿を見ることができるのもあとわずかです。

岩屋到着
岩屋到着

約20分で岩屋港へ到着です。

次の、倉敷での展示会に向けて、よい気分転換にはなったのですが、これでこのフェリーの乗るのも最後だと思うと、ちょっと寂しい船旅でした。(Ku)

淡路で育った私にとって、たこフェリー(昔は明石フェリーと呼んでいました)はとても思い出深いものです。父の故郷が姫路ですので、子供の頃には正月とお盆の季節には必ず船に乗って島から出掛けていました。

時代の流れと共に、古い町並みが姿を消して、人の流れが変わってしまうのはしょうがないことなのかもしれませんが、思い出深い大切なものが一つ一つ幻のように消えいくのには、何か言いようのない寂しさを感じます。(Hi)

レタスの花が咲いている

レタスの花
レタスの花

レタスの花が咲いている~

この春に、レタスの種をまきました。

もちろん、自分たちで食べるためにまき、毎日食卓にのぼる予定でとても楽しみにしていました。

ところが、この夏の猛暑と害虫のために、ひょろひょろと数枚の力ない葉っぱがついただけで食べられるようになるまでは育ちませんでした。

抜いてしまうのもかわいそうだったのでそのままにしておいたところ、素朴な黄色い花がつきました。

レタスはとても身近な野菜なのに、レタスの花を見たのは生まれて初めてだったので、少し感動しました。

小豆島と夕日
小豆島と夕日

『秋の日はつるべ落とし』

夏の猛暑も一段落し、気が付けば秋の気配がそこここに感じられるようになりました。

工房からの帰り道、西の空を眺めると今にも夕日が海に沈みそうだったので、車を道ばたに駐め、慌てて写真を撮りました。

まるで海に吸い込まれていくように、みるみる沈んでいく太陽、ほんの5分ほどで音もなく日没を迎えました。

左手に移っている島影は、小豆島です。

工房では、秋の展示会シーズンを前に、額やペン立てなどの小物の製作に追われています。『ゲゲゲの女房』も、いよいよ今週で終わり。少し寂しい今日このごろです。(Hi)