三日月と金星とほろふき大根

木曜日、仕事を終えて工房を出ると、目の前の空にきれいな三日月と明るい金星が並んで輝いていました。

並んだ三日月と金星
並んだ三日月と金星

工房の出入り口はちょうど西を向いているので、三日月の時期はいつも帰るときに月と向き合うことになります。

工房の周りは明かりもすくなく、星がとてもきれいなのですが、つい寒さに負けてバタバタと車に乗り込んで家路を急いでしまいます。

ここ数日は淡路も寒さが厳しく、暖かいおかずがなによりのごちそうです。冬といえば、おでん,おなべ,なべやきうどん,それに”ほろふき大根”。

ほろふき大根
ほろふき大根

知り合いにいただいた手づくりの柚子がたっぷり入った”柚子みそ”でハフハフ言いながらいただきます。(Ku)

風車のお話し

東日本大震災における原子力発電所の事故の影響もあり、太陽光や風力などによる持続可能なクリーンエネルギーに注目が集まっています。

実はこのたび、私たちの工房のすぐ近くでも大型の風車の設置工事が始まりました。

計画はずいぶん前から進行していたようなのですが、騒音や健康被害、環境への影響などに配慮し、計画当初は12基の建設予定だったものを6基へ縮小しての建設となりました。

建設途中の風車-その1-
建設途中の風車-その1-

建設が始まってまず驚いたのは、その圧倒的な大きさです。

ひとつひとつのパーツがトレーラーで運ばれてくるのですが、その大きいこと大きいこと。羽根の長さが約40メートル、支柱の高さが80メートルだそうなのですが、それが道のすぐ脇に止められたトレーラーの上に載っている姿にとにかく驚きました。

建設途中の風車-その2-
建設途中の風車-その2-

次に驚いたのは、作業の迅速さです。

下準備は以前から進んでいたのですが、さすがに大きなプロジェクトだけあって作業はとても段取りのよいもので、ある朝大きな支柱が運ばれてきたかと思えば、夕方にはそれが自立しており、次の朝に本体(扇風機のモーター部分のようなもの)が運ばれてきたかと思えば、夕方にはそれが支柱の上に取り付けられ、また次の朝には羽根の部分が運ばれてきて夕方には組み上がっており…といった具合で何も無かったところにみるみる“巨大”な風車が姿を現したのであります。

すでに震災以前からここ淡路島では、鳴門海峡に面した阿那賀地区というところで14基の大型風車が稼働していたのですが、今回は、京阪神からもよく見える島北部の丘陵地での建設です。

出来上がると、6基で12,000KWの発電量になるということです。もちろん、1基で百数十万KWという原子力発電所の規模には遠く及びません。しかし、未来へ向けて自然と共存できる持続可能なエネルギーの開発や普及とともに、私たち一人一人の意識を少し変えて、バランスのとれた生活を心掛けることも必要だなあと、改めて感じた今日この頃です。ただ、作業場にとても近いので、音などがちょっと心配ではありますが…。(Hi)

倉敷~高松

この土曜、日曜日は、昨年の倉敷での展示会でご注文いただいた作品の納品に出掛けてきました。

岡山や倉敷は十分日帰りできる距離なのですが、倉敷でいつも利用しているホテルのポイントがたまり、3月末まで有効の1泊無料券をいただいていたので、それを利用してちょっとゆっくり出掛けてきました。

というのも、納品のほかにもうひとつ大事な用事があったのです。

昨年10月に、京都東寺の弘法市で”酒袋”を購入してきたことをこのブログでご報告しましたが、そのままの形では利用しにくいので、普段使えるよう、夫は小物入れに、私は手帳カバーにしたいと考えました。

以前、醤油袋でバックをつくって頂いた倉敷の方に製作をお願いしていたものが出来上がり、それを受け取りに行ったのです。

酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバー
酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバー
酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバーを開いたところ
酒袋で作っていただいた小物入れと手帳カバーを開いたところ

私は毎年決まった手帳を使うことにしていて、いっしょにバスの時刻表や薄い住所録、メモ用紙などをまとめて持ち歩きます。今までは使い古したビニールのカバーやクリップ、輪ゴムなどを使って一束にしていたのですが、見苦しいわ使いにくいわで…。使い勝手がよく、しかも持っていて心地の良い手帳カバーをずっと探していたのですが、コレといったものに巡り会えず、今回お願いをして作っていただいたのです。

小物入れは、もともとの繕いを活かし、木のボタンをループで留めるかたちにしていただきました。筆記具や手帳などを入れて使うつもりだそうです。

裏地や隅々の縫製に到るまでとても丁寧なお仕事で、手触りといい、革の縁取りの雰囲気といい、2人とももう大満足!!

酒袋は丈夫で、しかも使い込むほど柔らかくなり次第に革のような風合いになっていくということで、これからとても楽しみです。

フェリーで四国へ
フェリーで一路、高松へ

日曜日は倉敷から玉野へまわり、以前から展示会などでお世話になっているサンコアさんにご挨拶に寄らせていただいたのち、宇野港から四国フェリーで高松へ。

高松で用事を済ませた後、鳴門大橋を渡って淡路に帰ってきました。

淡路~明石海峡大橋~倉敷~玉野~鳴門大橋~淡路 という1周コース。納品させていただいたお客様にもたいへん喜んでいただけて、とても充実した2日間でした。あ、もちろんおいしい”讃岐うどん”も昼食に頂いてきました。(Ku)

額、3点

最近納めさせていただいた額3点を紹介させていただきます。

染め絵の額
染め絵の額

まず1点目はお客様お持ちの型染めの絵を飾るための額です。松ぼっくりのような愛らしいふくろうが寄り添っている、何ともいえないほのぼのとした絵柄の邪魔にならないよう、また、お客様のご希望をお聞きした結果、シンプルな額になりました。材料は”キハダ”、オイルステインで着色後、ワックスを塗って仕上げています。

色紙用の額
色紙用の額

2点目は書家の方から、その方のお師匠さまの作品の色紙を飾るための額としてご依頼を受けて製作したものです。飾ったときの存在感、繊細ながら力強い書に負けないことなど、お客様とご相談した結果、木目のきれいなニレケヤキの1枚板をくり抜き、拭き漆で仕上げました。

社訓用の額
書の額

最後は、また別の書家の先生からのご注文で、先生が揮毫を依頼された作品のための額です。”斑”の入ったナラ材を使い、拭き漆仕上げとしました。長さが約80cmと大きいため、重くならないようガラスの代わりにアクリル板を使用しています。寸法や雰囲気の確認のため、習作中の1枚をお借りして製作させていただきました。

今回偶然、3件の別注の額の製作が重なりました。定番としての額の製作もしていますが、このように、中に飾る作品が決まっていてそれに合う額を製作させていただくことはとても緊張するのですが、やはりやりがいのある仕事です。

幸い3点ともにお客様にとっても満足していただき、ほっとひと安心です。(Hi)

今年もよろしくお願いいたします

倉敷で毎年展示会を開いているギャラリーは美観地区から少しだけ離れたところにあり、宿泊先とギャラリーの行き来ではその美観地区を横切ります。

秋の展示会の時期は、そろそろ「来年の年賀状は…」と思案を始める頃でもあります。ある朝、ちょうど大原美術館の前を通りかかったとき、立派な龍の彫刻が目に入りました。

美観地区を流れる倉敷川にはいくつかの立派な石橋が架けられているのですが、そのうち、大原美術館の前の”今橋”には見事な龍の彫刻が施されています。観光 パンフレットを見ると、大正15年に架けられた橋で、龍の彫刻は児島虎次郎のデザインとのこと。是非年賀状で版画にしたい、と考えて写真を撮って帰りまし た。

迫力のある彫刻が再現出来たでしょうか?

年賀状<2012>
年賀状<2012>

今年は平穏な一年になって欲しいものです。

今年も2人で力を合わせてがんばっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

太田秀世 ・ 久美子