冬のごちそう

”ひと雨ごとの暖かさ”の言葉どおり、春は駆け足で近づいて来ているようです。瀬戸内の春の風物詩である”いかなご漁”も、大阪湾では2月27日に始まるようです。

でも、まだまだ冬。寒い日は温かい物がなによりのご馳走。

おいしそうな物を目の前にすると食い気が先に立って、写真を撮ることなどすっかり忘れてしまい、食べ終わってしまってから、”ああ、写真撮ってブログに載せればよかった!!”と後悔する私たちですが、今回はめずらしく食べ物特集です。

我が家の冬のメニュー、まずは『石焼きビビンバ』から。

湯気の立つ『石焼きビビンバ』
湯気の立つ『石焼きビビンバ』

もう十数年も前になりますが、初めて焼き肉店で『石焼きビビンバ』なるものを食べたとき、そのおいしさにそれはそれは感動したものです。その後、ホームセンターのチラシでこの”石鍋”を発見し、迷わず購入。それ以来の我が家のちょっとしたご馳走メニューです。ごはんの上にのせるものさえいくつか用意しておけばあとは簡単です。

アツアツの石鍋の中で、ご飯と具材、生卵、豆板醤をまぜこぜにし、底の方にできたごま油の効いたパリパリお焦げとあわせて食べればもう、”しあわせ~”な私たちです。もちろん、暑い中で汗を流しながら食べるのもおいしいです。

『なべやきうどん』
『なべやきうどん』

そして、冬はなんといっても『なべやきうどん』。何か青菜と、卵さえあれば、あとはある物を適当にのせてグツグツ煮込めば出来上がりです。この日は大きな角天が特売だったので、ドンッとのってます。

冷やご飯があれば、残ったダシで雑炊風にして食べるのも好きです。

薪ストーブで焼き芋
薪ストーブで焼き芋

作業場でのおやつには、薪ストーブで焼いた『焼き芋』。濡らした新聞紙で包んだお芋をさらにアルミホイルで巻き、薪ストーブに入れて焼きます。

『焼き芋』
『焼き芋』

熱いのは分かっているのですが、ついつい慌ててやけどしそうになりながらほおばります。ちょっと焦げ目が付いたくらいがおいしいですね。

このほか、我が家の冬の食卓に頻繁にあがるのはやっぱり”鍋”です。水炊き、味噌仕立て、中華風などなど。

なんて書くと立派そうですが、味付けがちょっと違うだけで、その日家にある食材を入れるだけの簡単メニューです。野菜もたくさん摂れるし、準備も後片付けも簡単です。シメは雑炊にして出汁の最後の一滴までおいしくいただきます。(Ku)

愛車はレガシィ

朝日新聞朝刊の天声人語から、今日は二十四節気のひとつ、『雨水』だそうです。『雪が雨に変わる候』とのことなのですが、淡路では昨日からの雪が日影にうっすらと残り、まだまだ冬の様相です。

寒さに負けぬ、“つくし”のこ
寒さに負けぬ、“つくし”のこ

いつまでこの寒さが続くのかしら…と心配していたところ、今朝、思いがけず、自宅の裏の陽だまりに“つくし”をみつけました。春はちゃんとすぐそこまで来ているようで、ほっとひと安心です。

先日愛車の点検通知が届きました。我が家の車は銀色の『レガシィ』です。まだ岡山で会社勤めをしているときに買ったもので、年式は平成8年、16年間のつきあいになります。走行距離ももうすぐ200,000㎞。車の運転が全く苦にならない私たち夫婦が、日本列島北から南、西から東へと車中泊を重ねながら旅をして回った思い出のいっぱい詰まった愛車です。

まだまだ走れます。
まだまだ走れます。

乗り始めたときにはこんなに長いつきあいになるとは思ってもみなかったのですが、走っていてもストレスを感じないし、荷物もたくさん積める。適度に丸みを帯びた形や特徴的なテールランプもとても気に入っていて…

テールランプも気に入ってます。
テールランプも気に入ってます。

それにまだまだ十分に走れるのに乗り換えるなんてもったいない。

幸いにして今までに大きな事故に巻き込まれたことは無いのですが、大小、さすがにあちらこちらと故障はありました。

大きなモノでは、ラジエータータンクの亀裂。走行中にボンネットの中から霧が吹き出したかと思うと水温計がみるみる振り切れてしまい、何が起こったのか全く分からず頭の中が真っ白に。いつもお世話になっている整備工場の方に連絡して引き取りに来て頂き、事なきを得たのですが、高速走行中だとエンジンが焼き付いて間違いなく廃車になっていたそうです。

さらに、燃料ポンプのモーターの故障(走行中に急に元気が無くなり、エンジンが止まってしまいました)、マフラーの亀裂(室内に何となく排気ガスの臭いが…今までに2度ありました)、コンピューターチップの不具合などなど…。幸い近所で腕が良くてとても親切な整備士さんと知り合えたので、いつも助けていただいてます。

私たちの懐事情もよく理解してくださっていて、交換部品はほとんど廃車からの“パーツ取り”で済ませてくれます。この前のエコカー減税の時にも、同じ型のレガシーで程度の良いものが廃車になるとのことで声をかけてくださり、部品の“パーツ取り”をしていただいたところです。

新車の時は小さなキズも気になったものですが、さすがに16年も乗っているとあちらこちらと愛嬌のように“えくぼ”が増え、塗装もところどころで薄くなってきましたが、エンジンと足回りはまだまだ元気です。

安易な買い換えをすすめる華やかな“エコ”ブーム。

“モノを大切に、長く使う” そんな形の貢献もあると思うのですが…(Hi)

春を告げる花

寒い日が続いています。

工房内では薪ストーブが燃えさかり、庭のメダカの火鉢はこのとおりカチンコチンです(氷の下でメダカはじ~っと春を待っています)。

氷の張ったメダカの火鉢
氷の張ったメダカの火鉢

あまりの寒さに私たちもあまり庭に出ない日が続いていましたが、火鉢の向こう側の水仙の陰で、今年もスノードロップが元気につぼみを膨らませているのに昨日気が付きました。

つぼみをつけた"スノードロップ"
つぼみをつけた”スノードロップ”

夏の間は地上部が全く無くなってしまうため、ついそこに植えてあるのを忘れてしまうのですが、冬の終わりが近づくとしっかり芽を出してきれいな花を咲かせてくれます。

”春を告げる花”だとか。

これから少しずついろいろな春の足音が聞こえてくるのでしょう。

2基目が完成した風車
2基目が完成した風車

さて、工房の近くで始まった風車の建設は、先日2基目が出来上がり、3基目の工事が始まりました。クレーンが立っているのが3基目の場所です。

夕焼けの中に立つ風車
夕焼けの中に立つ風車

昨日の夕方、きれいな夕焼けに風車のシルエットが浮かび上がっていました。

とても大きいのに、細く長い羽根とそれを支える一本の柱だけという非常にシンプルなデザインの風車は建造物としてはとてもきれいです。風景の邪魔になることもなく、これで音や影などの影響が無ければ言うことないのですが…(まだ稼働されていないので、風が吹いても羽根は回っていません)。

『民藝』2月号
『民藝』2月号

12月11日のブログで「平成23年度民藝館展」での入選をご報告させて頂いた”拭漆戸棚”を、日本民藝協会の機関誌である『民藝』2月号で紹介していただきました。

掲載された”戸棚”
掲載された”戸棚”

”シンプルに、ていねいに”を心掛けている私たちにとって、「さっぱりとしていて良い。」という内容の、とても嬉しい講評もいただきました。これを励みに今後もしっかりと仕事に取り組んでいきたいと思います。

一般の書店では扱われておりませんが、各地の民藝館,工藝館、民芸店などでお手に取っていただけますので、機会がありましたら是非ご覧になってください。(Ku)

薪ストーブと思い出

節分も過ぎ、立春を迎えたというのに寒さは一向に緩まる気配がありません。

淡路島は瀬戸内に位置しているので“暖かい”というイメージがあるのですが、冬場は西からの風がとにかく強くて、気温以上に厳しい寒さを感じます。さらに、作業場は小高い丘陵の尾根づたいにあるため、朝などは毎日氷点下の冷え込みとなります。

そこで、作業場での朝の仕事はまず薪ストーブに火を入れることから始まります。

一年間貯めておいた“かんなくず”や新聞紙などでまず火をおこし、次に小さな“木っ端”で火を大きくしていきます。火がある程度の大きさになったところで、ようやく薪の投入です。しばらくすると火の勢いが強くなり、そのうちに『ゴーゴー』と音を立てながら暖まってきます。寒いのを少し我慢すれば、私のとても大好きな作業の一つです。

作業場の薪ストーブ
作業場の薪ストーブ

まだ幼かった頃、我が家のお風呂は薪で沸かしていました。天日でお湯が沸く“ソーラーパネル”が屋根の上にあったので、夏場はお湯を沸かす必要がほとんどなく、小さな土間にしゃがみ込んで薪をくべながらユラユラと揺れる炎を見つめつつ、ほっぺを火照らせ、あれやこれやと妄想にふけっていた光景は、もっぱら寒い冬の夕暮れ時の思い出です。

祖父の死をきっかけに、“死”というものを身近に感じ始めたのも丁度その頃で、死んだらあの炎に焼かれて無くなってしまうのかと思うと、『熱いのはイヤだなあ~』とか『もし焼き場の中で生き返ったらどうなるのかな』などなど…。

で、あれやこれやと考えた末、炎の恐怖から逃れるために、今度生まれ変わるとしたら『水』がいいなぁという結論になりました。『水』だと炎に焼かれる心配も無いし、何せ、気体、液体、固体と姿は変われども『水』は『水』ですから…。今思うとなんとも変な妄想にとりつかれていたものです。

オーロラをおもわせる炎の揺らめき
オーロラをおもわせる炎の揺らめき

薪ストーブのオーロラにも似た炎の美しい揺らめきに見とれながら、そんな昔のことを何となく思い出している今日この頃であります。(Hi)