さて、1週間がたちました。
あの幼虫君はどうなったかといいますと…
今、こんな状態です(今日はもう少し茶色っぽくなっています)。
7月9日(火曜日)の夕方に、無事に ”サナギ” になりました。
結局7日から9日の午後まではほとんど変わらない勢いで「ボジボジ、ボジボジ、」と葉っぱを食べていたのですが、8日の16時を過ぎた頃に様子が急変しました。
先週ネットで調べたところ、サナギになるまでに、
「体内の水分を排出するために水っぽいフンをする」
↓
「サナギになる場所を探すため、行動範囲を拡げてウロウロ歩き回る」
↓
「場所が決まったら糸を吐いて体を固定する」
↓
「最後の脱皮をしてサナギになる」
という経過をたどるらしいのですが、まさにその、「水っぽいフン」をしたのです。
容器の端の方に転がっているお団子のようなものはそれまでにしていた ”フン” です。本当にカラカラに乾いていて、落ちた時に ”コツンッ” と音がするほどです。
よく見ると水っぽいフンには、幼虫君が小さな口で1口1口囓ったままの形の葉っぱが点々とたくさん含まれています。乾いたフンも水っぽいフンもニオイは全くといっていいほどありません(強いていえば、柑橘系の葉っぱのよい香りがほんのり)。
そして ”ウロウロ” が始まりました。
サナギになるにはきっと棒状のものがいいだろうと、容器に木っ端やら枝やらを入れてみたのですがどうも気に入らないらしく、今までの様子とはうって変わったような勢いで歩き回ります。
ためしに長い棒を入れてみると写真のようにあっという間にてっぺんまで登り、さらに行き先を探します。
しばらく歩き回った末に結局落ち着いた所は、なんのことはありません。容器の壁でした。
ツルツルのプラスチックの壁に細かい糸できちんと足場を作って落ち着いていることが分かります。
この後、自分の体を糸で固定する作業をするはずですが、夜も遅くなり、この日の観察はここまでで断念。
で、翌朝になると、
しっかり体を糸で固定していました(まだ ”いもむし” の姿のままです)。
あとは、いつ最後の脱皮をしてサナギになるかです。この大きな変化は見逃したくありません。
工房へ連れて行き、作業の合間に、今か今かと様子をチェックしたのですが、結局帰宅する18:00前までほぼ変化なし。工房を出る直前、なんだかモゾモゾ体を動かしているなあ、とは感じたものの、きりがないので一緒に帰宅。
ただこの日は、途中で亀を助けたり (時々、亀がのそのそと道路を歩いています。車にひかれたりカラスの餌食になったりするので、そんな亀を見つけると、捕まえて近くのため池などの安全そうな場所に放してやることにしています。ひょっとしたら亀にとっては迷惑かもしれませんが…)、ホームセンターで ”よしず” を買って帰ったりしたため、家に帰るまで1時間ほどかかりました。
帰宅して幼虫君の様子を確認してビックリ!!
「変わってる~!!!」
なんと、亀を助けたりしていた1時間ほどの間にサナギに変わってしまっていたのです。
大切なところを見逃してしまったのが残念で、その部分は翌朝、今度はユズの木で捕獲した幼虫君2号(通称 ”ボブ”)に託すことにしました。
ボブはその後順調に成長し、変化のタイミングが幼虫君1号よりも2,3時間早かったため、体をくねらせて繰り返し体を支える糸を吐く様子や、”いもむし” から ”サナギ” への劇的な変化もしっかり観察することができました。
体を固定した後は、逃げることのできない全くの無防備な状態になります。羽化するまでに鳥に食べられたり、虫に襲われたりすることも多いはずです。そんなことに一切構わず(多分)、誰に教わったでもない一生に一度の作業を淡々とこなす様子は感動的でした。
10日程度で羽化するようですから、順調にいけば幼虫君1号は来週の後半、ボブはその翌週にチョウチョになるはずです。
夜中に羽化しませんように!
アゲハの話が続き、「随分とヒマな奴らだ」と思われているかもしれませんが、仕事もしっかりしています。どうかご安心を。(Ku)