春がきた!

一昨日、工房へ出掛ける際にふと隣の空き地の土手に目をやると、いつのまにかたくさんのつくしが顔を出していました。

このところの激しい冷え込みに、「まだ春は遠いなあ」と思っていたので、びっしりと生えている土筆坊達にびっくり。春がついにやってきました。

土手のつくし
土手のつくし

そういえば、工房の周辺ではウグイスがさえずりの練習を始めました。なんだかまだ頼りない鳴き方ですが、もう少し暖かくなる頃には上手になって里へおりていくのでしょう。

ところで、淡路島の春の風物詩といえば、なんといっても”いかなご”です。今年は3月3日に漁が解禁となり、海にはいかなご漁の船がたくさん出ています。早速ご近所からは「クギ煮」を炊く、甘辛い何ともいえない良い香りが漂って来ています。この香りだけでご飯がおかわりできそうです。

我が家でも昨年、「いかなごのクギ煮」に初めて挑戦しました。

この時期、スーパーマーケットへ行くと、パック詰めされたいかなごの周りに、醤油,ザラメなどの材料や、おすそ分け用パックなどの必要な物がまとめて陳列されています。印刷されたレシピも配布されているので、それにならって作ってみたところ、初めてにしてはなかなかの出来、と自画自賛。知り合いにもおすそ分けしたところご好評をいただいたので、調子に乗って今年も挑戦する予定です。

宅急便やさんや郵便局には、「クギ煮送れます」の”のぼり”が立ち並ぶのも淡路ならではの風景ではないでしょうか。

完成したトレイの山
完成したトレイの山

先週、製作過程をご紹介した”トレイ”も無事完成し、納品させていただきました。

梱包前のトレイを積み上げて写真を撮ってみました。キズ防止のため、緩衝材を挟んであります。今回はご注文頂いてから納期までの期間が限られていたため、久しぶりの夜なべ仕事になりました。無事にお約束の期日に納品することができ、ほっとしました。

もうひとつ、春といえば”確定申告”です。先日、今年の申告手続きも無事に終わり、肩の荷が下りたところです。帳簿付けは1年を通じての仕事ですが、決算の作業は1年に1度のことなので、どうしてもやり方を忘れてしまうことがあり、毎年あたふたとしてしまいます。(Ku)

トレイの製作

「ヒバ」の復活
「ヒバ」の復活

日中はずいぶん暖かくなってきました。

先週の雨で、休眠中だった「ひば」も無事に葉を拡げてくれました。あんなにカラカラだったのに、あんなに雪に埋もれてしまったのに、自然の生命力はたいしたものです。

2月14日の積雪で再び雪の下に
2月14日の積雪で再び雪の下に

2月11日の積雪の後、再び14日に雪に埋もれてしまってちょっと心配していましたが、生育している自然環境の厳しさとは比べものにはならないのかもしれませんね。逆に大事にし過ぎて枯らしてしまわないように気を付けなければ…。

桟積みされたトレイの縁
桟積みされたトレイの縁

現在工房では、飲食店用のトレイを製作中です。上の写真は”水引き”後の乾燥のために桟積みされた縁の部材です。

これだけの数になると圧巻です。

組立終了
組立終了

底板と縁を組立てて積み上げました。今回はお客様のご要望で黒く仕上げることになり、塗装の都合で底板のみ先に着色してあります。

外側の形を整える作業などをした後、仕上げの塗装を行います。

寒暖の差が激しい今日このごろ、みなさん、体調の管理に気を付けてください。(Ku)

四方棚の完成、そして気球!!

昨日、岡山の知り合いの方に誘っていただき、なんと、気球に乗ってきました。

この日は、平成21度の開催が最後になった「邑久町バルーンフェスティバル」を記念する集会で、岡山や関西周辺の色とりどりの気球が11機集まりました。

私たちは、知り合いの方が所属するチームの気球に「おもり」としてゲスト乗船させて頂いたのです。

先週までとはうって変わった非常に穏やかな晴天に恵まれ、「初めて乗るにはもってこいの気球日より」とのこと。きっと、他に来られていた方々の日頃の行いのたまものでしょう。

吉井川と気球
吉井川と気球

朝7時に瀬戸内市内の吉井川河川敷に集合、8時くらいに組立てなどの準備が始まり、9時頃から続々と空中へ。

気球は、大きく分けて、気球の膨らむ部分(「球皮」”きゅうひ”というそうです),籐編みのかご(人が乗るところ),バーナー,燃料ボンベ(プロパンガスだそうです)の4つに分かれます。収納された状態は非常にコンパクトで、かごのサイズによっては、軽トラックの荷台に全て乗ってしまうほど。

”かご”は畳めないので、収納状態では一番大きいのですが、これがドンッと乗った軽トラックを見ると、「これは何?」「むちゃくちゃ大きな背負いカゴ?」いえいえ、今回乗せて頂いたカゴは1.2×1.4mほどの大きさなので、”背負いカゴ”であるはずはないのですが、でもそんな感じです。

気球のカゴ
気球のカゴ

組立てとバーナーの試運転が終わると、いよいよ”球皮”を膨らませます。「強力扇風機」で、河川敷に拡げた球皮に風を送り、おおかた膨らませてからバーナーで熱い空気を送り込みます。

途端に球皮が立ち上がり始め見慣れた「気球」の形に。みんなで押さえ込まなければ浮いてしまいそうになる熱風の浮力にびっくりでした。

邑久町上空のたくさんの気球
邑久町上空に色とりどりの気球

そして、空中へ。

何の衝撃もなく、いつの間にか「浮いている!!」という不思議な感覚。見る間に河川敷の人や車が豆粒のように…。

操作にはパイロットの資格が必要ですから、私たちは邪魔にならないように目と口を持った”おもり”としてゆっくりと空中散歩を楽しませていただきました。

パイロットの方の説明を聞きながら、川面に映った自分たちの気球の姿,地元の方が気球のために描いてくださったというウサギとクマの”地上絵”,邑久平野に拡がる田んぼや家々,邑久丘陵の地形やその向こうの瀬戸内海などなど、静かでゆっくりとした気球ならではの景色を堪能しました。

太陽に向かって
太陽に向かって

約30分のフライトの後、田んぼの一角に着陸。気球は地元の方々のご理解とご協力があってこその競技で、見物に来られる近くの方々の、あたたかく、興味深そうに見守って下さる様子と、気球を楽しむみなさんの、「出来る限り迷惑にならないようにしよう」とする姿勢が印象的でした。

次に乗る方と交代して、今度は「地上班」へ。気球は基本的に元の場所へ戻ることは困難とのことで、最終的には車で撤収することになります。飛んでいる気球を目で追いながらドライバー役の方が田んぼを縫うように走る細い道に車を走らせます。

後片付け
後片付け

全てのフライトが終了すると、着陸地点で撤収作業です。球皮の空気を抜き、畳んでいきます。少しでも風があると球皮が煽られたり、雨の後では足下がぬかるんで片付けも大変とのことですが、この日は幸いなことに風もなく、足下もよく、私たちはたいへんな幸運に恵まれたようです。

こんなにコンパクトに
球皮、こんなにコンパクトに…

畳んだ状態で長さ30mほどもあった球皮も、専用の袋に収納すると軽自動車の後部に積んでしまえる大きさに。

当日の夜、たまたまテレビを付けるとNHKの「ワンダー×ワンダー」で『アルプス熱気球おやじ』という番組をやっていました。その日に実際に体験してきたことを再び映像として見ることで、よりいっそう感動が深まりました。

地図の上では決して長距離を飛んだわけではないのですが、私たちにとっては大冒険でした。今も私の頭の中では、「気球に乗って、ど~こ~まで行こ~」と中学の時に習った気球の歌が繰り返し流れています。「そ~こ~に何かが~待っているから~」。

当日お世話になりましたみなさま、本当にありがとうございました。

四方棚(大・中・小)
四方棚(大・中・小)

さて、製作過程をご報告していた『四方棚』も完成し、無事に納品させていただきました。今回納品させて頂いたのは、写真手前の背の高いタイプです。

お客様のご要望により、昨年の「スペースみき」で展示したものと異なり、柱と棚板の色具合を合わせて製作しました。

1月にオープンしたばかりの、まだ真新しいギャラリーに納品させて頂いたのですが、白を基調とした落ち着いた雰囲気の空間にうまく溶け込むように設置することができました。(Ku)

銀世界の淡路

淡路島にも雪が積もりました。

金曜日(2月11日)、朝起きて外を見ると、車の上にうっすらと雪が積もっていました。自宅の裏の方にある山々は真っ白。ここまで真っ白になったのを見るのは、淡路に住むようになって初めてです。

雪景色を見ながら、さあ、仕事に出掛けようとしたそのとき、「工房へ行く道路には雪が積もっていて車が走れない」という一報が…。

工房と自宅との標高差は約300m、気温も2度は違います。予報では1日中雪とのことでしたので、無理をせず臨時休業としました。

自宅から見た雪景色
自宅から見た雪景色(2月11日)

翌土曜日は道路の雪もほとんど溶けており、無事に仕事場へ。

工房へ行く途中、「あわじ花さじき」に寄ってみました。駐車場などの一部では雪は溶けていましたが、公園内は一面の銀世界です。

まだ早い時間だったので、降り積もったままのきれいな雪景色を見ることができました。

銀世界の花さじき-2
銀世界の花さじき-1

こんな本格的な雪景色は小諸に住んでいたとき以来です。

雪の積もった花さじきの階段
銀世界の花さじき-2

階段にも雪が積もっており、滑って転ばないように用心して上がりました(小諸に住んでいた時はよく派手に転んでいました)。

雪に埋もれた鉢植え達
雪に埋もれた鉢植達

工房の周りももちろん真っ白です。裏庭にいくつか置いてある鉢植えも雪に埋もれてしまいました。先週の「ひば」の鉢もこの雪の中です。運命やいかに…。

待ち遠しい春ですが、こんな冬らしい景色もときにはよいものです。

ルーシー・リー展
ルーシー・リー展

今日は、午後から大阪で仕事の打合せがありました。午前中は空いていたので、東洋陶磁美術館で開かれていた「ルーシー・リー展」を見に行ってきました。最終日ということもあり、たくさんの見学者が訪れていました。

色鮮やかな釉薬、繊細な造りの器が数多く展示されていました。様々な形の「ボウル」が特に興味深く、深い味わいの白色には心を惹かれるものがありました。(Ku)

春の足音と漆塗り

スノードロップの花
スノードロップの花

工房の庭で、スノードロップの花が咲きました。3年前に植えてほとんどほったらかしにしてあるだけなのですが、毎年真っ白いきれいな花を咲かせてくれます。

「春を知らせる花」だとか。なにか心惹かれる、清楚な力強さを感じさせる花です。

春の足音ですね。

休眠中のひば
休眠中のひば

昨年の10月3日のブログに書いた「秋の三田手仕事展」で購入した「ヒバ」のその後です。枯れているように見えますが、現在冬の休眠中(のはず…)。

購入したときに教えてもらったとおり、霜が降りるようになってからは水やりをせず、枯れたのでは!?と思う心を抑えてじっと見守っているところです。春になって雨にあたると葉を拡げるとのこと。春が待ち遠しいです。

漆室
漆室

製作中の四方棚は、現在漆塗り作業の最中です。

木目がきれいに引き立つ「拭き漆」という手法をとるのですが、しっかりした塗膜を作るとともにツヤをあげるため「生うるしを塗って、拭き取って、乾かす」という作業を最低でも5,6回繰り返します。

漆は、絵の具やペンキなどのように溶剤が蒸発して乾燥するのではなく、漆に含まれる酵素が水分と化学反応を起こし、時間をかけて硬化することによって「乾く」ので、適度な温度と湿度を与える必要があります。

そのため、漆室(むろ)を用意して温度・湿度の管理をしながら作業を進めます。

手間と時間はかかりますが、それだけの甲斐のある美しい仕上がりになります。

漆は、化学系塗料にも負けない強い塗膜を形成する一方で、木の呼吸を妨げないという特徴を持ち、高温多湿な日本の環境にとても適した塗料です。もちろん、自然素材ですので、安心してご使用いただけます。

時間の経過とともに色つやが深まっていくので、使い込んでいく愉しみを感じて頂けるのも拭漆仕上げの特徴です。

また、よく、「かぶれ」を心配される方がいらっしゃいますが、いったん乾いてしまえば、かぶれることはありませんのでご安心ください。(塗っているときは、かぶれます。)

少しずつではありますが、日も長くなり、確実に春の足音が近づいているようです。四方棚の完成も間近。出来上がりましたらまたご報告させていただきます。(Ku)

【追伸】昨日(2月5日)、「タグ」および「カテゴリー」を整理しました。

鬼の霍乱?

何年ぶりになるでしょうか。珍しく風邪で熱を出して寝込んでしまいました。まさしく「鬼の霍乱」といったところでしょうか。

咳が出始め、風邪を引いたかな、と思ったのが先週の金曜日。翌日、なんだかボーッとするので、熱を測ってみたところ、38度5分。ただ、食欲は普段どおりで他の症状は無かったのでおとなしく布団に入っていたところ、翌朝には37度前半の微熱にまで下がり、週明け月曜日には平熱に。病院にかかる間もなく、まあ治ったかな、と思う状態に回復しました。

これが、前半戦。続いて見事に夫に同じ症状が出始めました。私よりちょっと熱が長びきましたが、今日でなんとか治まったようです。2人とも病院に行っていないのでなんともいえませんが、軽いインフルエンザだったのかナ、と思います。

普段の生活では流行に疎い私たちですが、インフルエンザの流行にはあらがえなかったようです。昨シーズンにはかからなかった世代に今年は流行しているとのこと。みなさん、くれぐれも気を付けてくださいね。

ため池の鴨
ため池の鴨

いつもの散歩道の途中にあるため池に、鴨が来ています。小ガモが3羽いて、私たちが近づくと池の向こう側へ泳いで逃げて行きます。冬の初めにはかなり小さなヒナだったのですが、だいぶ大きくなりました。

この池の先からはいのししの出没する里山に入り、林につながるけもの道や、いのししの足跡がたくさん見られます。秋にはたくさん道端に落ちていたドングリも、いつの間にかきれいに無くなっていました。茂みからはときどきキジが飛び立ち、びっくりさせられます。

住んでいるのは住宅地なのですが、ちょっと歩くだけで、山の上の工房にもまけない自然のど真ん中に入り込めます。

皿立て
皿立て

昨年末に開催された「平成22年度 日本民藝館展」への出品作品の返却がありました。

今回、準入選として頂いた拭漆仕上げの皿立て2点がおかげさまで即売会にて販売していただけました。お買い上げ下さったお客様、ありがとうございました。

これを励みに、また来年、よりよい作品を出品できるようがんばりたいと思います。(Ku)