木のボタン

昨年の倉敷の展示会で、バッグなどの袋物を作られる方から木のボタン製作のご相談を頂きました。その後試作を行い、それをもとにご提案やアドバイスを頂いて、平ボタンと山高タイプのボタンを何種類か製作させていただきました。

先日の倉敷での展示会の際に、そのボタンを使用した作品を見せて頂くことができました。

手提げバッグ
手提げバッグ

スエード生地の手提げバッグです。ループの留めボタンとして、ウォールナットの平ボタンをご使用頂いています。

手提げバッグのボタン
手提げバッグのボタン

バッグの開閉の際に必ず手に触れる留めボタンとしてご使用頂いていますので、使い込んでいただくほどにツヤがでて、バッグとともに味わいが深まっていくと思います。

ショルダーバッグ
ショルダーバッグ

こちらは、ショルダーバッグです。こちらも、ループの留めボタンとして、ウォールナットの平ボタンをご使用頂きました。

ショルダーバッグのボタン
ショルダーバッグのボタン

どちらも、とてもしっかりとしたつくりの、落ち着いた雰囲気のバッグで、ボタンを引き立てていただいています。

実際に自分の作ったボタンが作品の中で使われているのを見るのは、とても嬉しいものです。お納めした他のボタンを使った作品も追い追い見せて頂くのが楽しみです。

恥ずかしながら、私は縫い物や編み物が大の苦手で、試作の際には自分の持っている服のボタンを参考にしたのですが、サイズや厚さはもとより、糸穴の大きさや間隔,裏側は平らでよいのか、凸状になっていた方がよいのかなど、作り手ならではのご助言をいろいろと頂き、とても勉強になりました。

ボタンをご覧頂いた他のお客様からも、いろいろなアイデアを教えて頂きました。

ヘアゴムに付ける(これは髪を伸ばしたことの無い私には思いもつかなかったことです),既製品の服のボタンを取り替える(なるほど!),服やバッグのアクセントに、などなど。

サイズなど、ご要望に応じて1つから製作いたしますので、お気軽にお問い合わせください。(Ku)

4,000t海上起重機船の見学

起重機船
起重機船

昨日、神戸ポートターミナルで行われた大型起重機船の一般公開に行ってきました。先月半ばに参加者の募集があり、応募していたイベントです。

神戸の港湾土木会社の新造起重機船で、4,000t吊りなのだそうです。この規模は世界有数とのことで、こんな船に乗ることが出来る機会はそうそう無いと、興味津々で出掛けました。

最寄りのポートライナーの駅に着いた時点であまりの大きさにまずびっくり。資料によると、船体の長さ120m,幅44mで、吊り上げ高さは最大で約128mとのこと。写真を撮ろうにも、近くでは船全体が収まりません。隣接するポートターミナルのデッキの端まで歩いてなんとか全体の写真を撮ることができました。

船体
船体

周囲の見学者と比較すると、クレーンの大きさがよく分かります。

ジブ
ジブ

船上からジブ(前方の、物を吊り上げる部分)を見上げると、たくさんのワイヤーにつながったフックが4つ見えます。1つあたり1,000tで、4つで4,000tということになるそうです。なんと、3tクレーンを扱う免許があれば、資格上はこのクレーンを操作できるのだそうです。

ジブを起伏させる装置や、船体の位置を保持するためのアンカーなどから、とにかくたくさんのワイヤーが出いることも印象的でした。

このような大型起重機船が2台,3台と並んで、大きな橋桁やケーソンなどを吊って作業している写真が掲示されていましたが、実際の迫力は想像すらできません。

晴天にもめぐまれ、貴重な体験をした1日でした。(Ku)

『木工展』~スペースみき~

外観
外観

28日に、今年の倉敷での個展も無事に終わりました。会期中は比較的暖かで、天候にも恵まれました。

たくさんのお客様から、いろいろと貴重なご意見やご感想をうかがうことができ、とても充実した1週間でした。ありがとうございました。

会場の様子-1
会場の様子-1

今年の新作としては、大きな物では四方棚,収納棚,丸スツール,長椅子,胡座椅子など、小さな物では小引出,額,鏡,トレイなどを展示させて頂きました。

会場の様子-2
会場の様子-2

来年も、『スペースみき』さんで11月22日~27日の会期で個展を行います。またみなさんにお会いできるのを楽しみに1年間創作活動に励みたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

搬出の翌日(29日)は玉野へ向かい、先月のサンコアさんでの個展でご注文頂いた棚などを納品させて頂きました。そして材木の仕入れをするために宇野港からフェリーに乗って四国へ。

宇高フェリーに乗ったのは10年ぶりくらいです。とても懐かしい思いで、うどんを食べながら約1時間の船旅を楽しみました。(Ku)

はやとうり

小さなハヤトウリ
小さなハヤトウリ

工房で育てているハヤトウリの実がつき始めました。まだ3cmほどですが、じわじわと育っています。

まだ岡山に住んでいた頃に、友人に分けてもらって初めて食べたのですが、豚肉やベーコンなどと炒めるととてもおいしく、2人の好物になりました。

工房を構えてから栽培に挑戦しましたが、台風で潮風にやられたり、植えた場所が悪かったり、支えをしっかりしてやらなかったりして、なかなかうまく育てることができませんでした(育て方は特に難しいわけではないのですが…)。昨年は私の実家の畑に植えてもらって立派に育ったのですが、ハヤトウリの花はなぜかスズメバチに好かれるらしく、そのせいで今年は畑に植えるのを断られてしまいました。

そんなこともあって、今年は、近くのホームセンターで売っている、海苔の養殖で使えなくなった網を工房の壁に張りめぐらせて、他の蔓性の植物(ホップやブラックベリー)といっしょに、ちょっと気合いを入れて育てました。

その甲斐あってか順調に育ち、最近になって実をつけ始めました。大人のコブシよりも大きくなるので、収穫にはもうしばらくかかりそうです。ただ、今年は暑さが長びき、しかも急に寒くなったためか、実のつくのが遅く、数も期待していたよりもやや少ないようです。

でも、2人で食べるには十分な数の実がプラプラとぶら下がっています。収穫するのがとても楽しみです。朝、実の育ち方をチェックするのが最近の私の日課です。

ハヤトウリの花
ハヤトウリの花

はやとうりの花は小さくて目立たない地味な花ですが、よく見ると真っ白できれいです。やはりスズメバチに好かれているようで、日中は蜜を吸いに来ているので、注意して近づかないといけません。

作業中
作業中

さて、いよいよ23日からは、倉敷「スペースみき」さんでの個展です。今年で6回目になります。回を重ねるごとにお馴染みのお客様も増え、貴重なご意見などを直接うかがえるたいへん楽しみな1週間です。

現在、この展示会に向けて収納棚を製作中です。本棚、食器棚などいろいろな用途にお使い頂けるシンプルな収納棚です。ギャラリーの場所など、詳細は工房のホームページに掲載しておりますので、是非お気軽にお立ち寄りください。(Ku)

たこフェリー

玉野での個展も無事に終わり、ちょっと一息ついた一週間でした。

さて、存続が危ぶまれていた、淡路島と明石を結ぶ「たこフェリー」が、11月15日をもって運行を休止することになりました。

他の航路が次々と廃止される中、便数を減らしたり、船を売却したりとさまざまな経営努力がなされ、淡路島で最後に残ったフェリーだったのですが、やはりこれ以上の存続は困難なのだそうです。

私たちも、時間や料金の関係で、どうしても高速道路を使うことが多くなっていましたので、あまり強いことを言えた立場ではないのですが、明石海峡大橋が出来るまでは、欠かせない重要な交通手段だったわけですし(昭和29年にカーフェリーが初就航したそうです)、今まで普通にそこにあったものが無くなってしまうのですから、とても寂しいです。

また、島を出る手段が橋のみになる、ということには不安も感じます。橋が通行止めになるような強風の中でも、たこフェリーは堂々と運行できていることが多いのです。

一応、「廃止」ではなく、「休止」ということですので、いつの日か、また航路が復活することを願っています。

そんなこともあり、3日の文化の日、たこフェリーに乗って、明石に「明石焼き」を食べに行ってきました。

岩屋入港
岩屋入港

岩屋港へ着くと、フェリーは出た直後でした。切符を買って次の便を待つこと約1時間、シゴセンジャーやたこのイラストが描かれた「あさかぜ丸」が入港してきました。

岩屋港出港
岩屋港出港

私たち同様、最後のお別れに乗船しようという人たちや車がたくさん乗り込み、出港です。

明石海峡大橋をこえて
明石海峡大橋をこえて

当日はたいへんおだやかな良い天気で、行き、帰りともデッキに出て、海の景色を楽しみました。船跡がとてもきれいに見えました。

明石港到着
明石港到着

明石に着くと、やはり大勢の乗客と車が乗船を待っていました。いつもこうだとよいのですが…。

明石では、魚の棚の「たこ磯」へ。

口の中をやけどしそうになりながら、おいしい明石焼きをハフハフとほおばりました。

本屋さんへ寄った後、帰路につきました。乗客が普段より多いためか、フェリーの発着は時刻表どおりではなく、「随時発着」となっていましたので、港近くの堤防に座って船が来るのを待ちました。

明石港入港
明石港入港

この便にも、デッキに人がぎっしり乗っていました。このあさかぜ丸は、運行休止に伴って、売却されることが決まっているそうなので、この姿を見ることができるのもあとわずかです。

岩屋到着
岩屋到着

約20分で岩屋港へ到着です。

次の、倉敷での展示会に向けて、よい気分転換にはなったのですが、これでこのフェリーの乗るのも最後だと思うと、ちょっと寂しい船旅でした。(Ku)

淡路で育った私にとって、たこフェリー(昔は明石フェリーと呼んでいました)はとても思い出深いものです。父の故郷が姫路ですので、子供の頃には正月とお盆の季節には必ず船に乗って島から出掛けていました。

時代の流れと共に、古い町並みが姿を消して、人の流れが変わってしまうのはしょうがないことなのかもしれませんが、思い出深い大切なものが一つ一つ幻のように消えいくのには、何か言いようのない寂しさを感じます。(Hi)

そばの白い花

そば畑
そば畑と『わらの家』

今日も一日、秋晴れの穏やかな日和でした。

午前中は展示会用の小物製作の追い込みで、額と小引出の金具取り付けを行い、午後は工房から車で30分ほど南へ下ったところにあるそば畑を見に行ってきました。

昨日、『そばの花祭り』というイベントが行われていたのですが、時間がとれずに行くことが出来ませんでした。そばの花が見頃ということでしたので今日、行ってきました。

海際の道をはずれて山の方へと進み、いくつかの峠を越えると、ぽっかりと山あいの集落が現れます。そこには、時間の流れが止まってしまったような、本当にのどかな田園風景が拡がっています。

あちらこちらの畑では、かわいらしいそばの白い花が緩やかな風に吹かれてゆれていました。

収穫を終えたばかりの田んぼには、今ではあまり見かけなくなった『わらの家』が点在していました。まだ小さかった頃は、家の周りは田んぼばっかりで、秋のこの時期になると『わらの家』が出現し、よく友達とよじのぼって鬼ごっこをしたものです。

写真奥の建物は、廃校になった小学校です。

そばの花
そばの白い花

今週末から岡山・玉野市のギャラリー・サンコアさんで展示会をさせていただきます。詳細は工房ホームぺージに掲載しておりますので是非ご覧ください。

今回は、『正座椅子』の製作を実演させて頂く予定です。

お近くの方は是非、足をお運び下さい。

心よりお待ちしております。(Hi)