遅ればせながら、
新年あけましておめでとうございます。

この ” ごきげんなひょうろくだま ” のように、ニコニコ愉快に、そして健康に1年を過ごせるよう2人でがんばってまいりますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年は新たに、芦屋での展示会を5月に予定しております。
今年の展示会の予定は、近日中にホームページ上でご案内させていただきますので、いましばらくお待ち下さい。
(Ku)
岡山の古民家で暮らす木工家の日常
ここ数日、ジメジメとした暑さが続き、あわてて扇風機やタオルケットを引っ張り出しました。
比較的雨の少ない今年の梅雨ですが、このまま夏本番に突入していくのでしょうか…
さて、今年前半の展示会シーズンが一段落したところで、これまで紹介しきれていなかった新しい作品を順次とりあげていきたいと思います。
まずは「隅切りの棚」です。
これは、今年5月の淡路での展示会用に製作したものです。
材料はタモ。 軽やかな雰囲気を出すため、オイル仕上げとしました。
和室にも洋室にも合うシンプルな棚です。
寸法は、幅800mm×奥行420mm×高さ1,055mmです。
隅を切った台形のためか、サイズの割にコンパクトに見える、すっきりとした棚に仕上がりました。お部屋のコーナーにもすっきり収まります。
もうひとつ、コモノを。
「ごきげんなひょうろくだま」モビールです。
知り合いから頂いた柘植の枝を使ってモビールにしました。
これまで、手で触ったときに心地よいコロッとした形のマグネットやストラップを作ってきたのですが、それらをちょっと変形させてみたのが「ごきげんなひょうろくだま」の原型になりました。
”ひょうろくだま ”という言葉は、本来は「ちょっとのろまでマヌケ」などと、あまり良い意味では使われないのですが、その音感からか、私にはどちらかというと、憎めない楽しげな印象が強く、この手のひらサイズのごきげんな表情の ” シッポのはえた玉 ” に、「ごきげんなひょうろくだま」と名付けました。
「ごきげんなひょうろくだま」シリーズには、モビールの他、” 置くタイプ ”、” 卓上モビール型 ” などいくつかのタイプがあります。
これらは、手仕事品の販売サイト「iichi」(https://www.iichi.com/shop/G9406342)からもご購入いただけますので是非ごらんください。
(Ku)
連日のオリンピックの、熱戦につぐ熱戦。
高校野球も大詰めを迎え、暑いうえに熱~い、今年の夏です。
工房では、作業中はラジオを流しているのですが、朝から昼前にかけてのオリンピック中継が終わるやいなや高校野球中継に切り替わり、もう耳が大忙しです。
さて、今回もコモノですが、作品の紹介をさせていただきます。
5月の淡路での展示会で、お寿司やさんで使う、「板うに」用のスプーンのご相談をいただきました。
実は淡路島は、知る人ぞ知るウニの名産地で(私たちもしばらく前にテレビ番組で初めて知りました)、「板うに」を看板メニューとしているお店も多いようです。
「” うに ” がすくいやすく、また、口当たりもよいように、先端は直線的で、できるだけ薄くすること。」「主役の ” うに ” を引き立てるよう、シンプルなデザインで、木目も目立たない方がよい。」 などのご希望をお聞きし、まずは試作をすることになりました。
ここで大きな問題が…。
そう、「板うに」 を食べたことがない!!
それでも、” うに ” がちょこんと乗っかっている軍艦巻きは食べたことがありますから、” うに ” の食感は分かりますし、魚屋さんの店頭などで「板うに」を見た事はあります。
あとは想像力でカバーです。
アイスクリームや、そぎ切りにして並べた、柔らかい桃や熟れたアボガドがうまく食べられるようなスプーンになるよう、指で触ったり、口に含んだりしながら試作を行いました。
柄の部分については、持ち心地がよく、でも、シャープなデザインとなるように工夫しました。
試行錯誤の末に製作した何本かの試作品をもとにお客様と再度打合せを行い、最終的なデザインを決定しました。
材料は、木目が目立たず、緻密で丈夫な「ハードメープル」(” メープルシロップ ” がとれる木です)です。
柄は、微妙に非対称な曲線的なデザインとしましたが、重いものを掬うわけではないので、右利きでも左利きでも支障なくお使い頂けると思います。
今回は ” うに用 ” としてお納めしましたが、アイスクリームやプリンなどにも使える新しいスプーンになりましたので、お客様のご了解をいただき、今後も定番のスプーンの1つとして製作していく予定です。
是非展示会などでお手にとってご覧ください。 (Ku)
今日から8月。
日中は毎日蒸し暑く、しなびたキュウリみたいになっている私たちですが、今年は夜は過ごしやすく、ありがたいことに ”寝苦しさ” からはほぼ解放されています(今のところは…)。
さて、ここしばらくご注文品の製作に励んでおりましたが、それらの作品について順次紹介させていただきます。
今回はコモノです。
私の定番の作品に、「熱っ」、「風」などの文字や、カメ、エビなどの絵柄の鍋敷きがあるのですが、それらをご覧になったお客様から、「ヨット」と「イカリ」というお題で、鍋敷きのご注文をいただきました。
デザイン画での打合せを経て、先日納品させていただきました。
海を進むヨットの躍動感が出るように、曲線を使って船体と波を表現しました。
「イカリ」については、「ロープまたは鎖付きで」というご要望でしたので、ロープがイカリに巻き付く角度と、質感の違いを出すことに工夫をしました。
私の製作している鍋敷きは、円の中に文字や絵柄を残すデザインなので、強度を保つために、きちんと周囲と接する部分を作る必要があります。
自然とデザインに制約が生じ、その中で、形や、部分的な質感の違いをしっかり出していくのが工夫のしどころです。
名前や家紋、お好きな花や物など、ご要望に応じたデザインで製作いたしますので、お気軽にご相談ください。
さて、この夏も、南あわじ市の「そらみどう」さんで開催されている夏のイベントに参加させて頂いております。
今年のテーマは「ソライロ」。
「ソライロ」は、そらみどうさんのロゴにも使われているテーマカラーで、今年で10周年を迎える記念のイベントでもあります。
空の青、海の碧…。
できるだけ色を使わずに「ソライロ」を表す工夫をして製作したモビールや鍋敷きなどを出品させて頂いています。
先日会場に伺ったところ、お店全体が「ソライロ」に染まり、とても素敵な雰囲気でした。
「ソライロ」展は、8月16日(火)までです。
お休みや場所など、そらみどうさんのホームページ(外部リンク)をご覧のうえ、是非脚をお運びください。
喫茶コーナーのコーヒーやケーキもオススメです。(Ku)
昨年の玉野での展示会で知り合ったお客様から、お寺の御手洗いの 『タオル掛け』 のご相談を頂きました。
数年前に新築された、たいへん立派な寺院建築の客殿の御手洗いに樹脂製のタオル掛けが設置されており、せっかくの木造建築の空間にそぐわないので、木製のものに取り替えたいとのお話しでした。
設置状況を確認しながらお聞きしたご希望は、「タオルを掛ける棒も含めて木製とし、拭き漆仕上げとすること」、「元のタオル掛けを取り付けてあったビス穴が隠れるようにすること」 、「タオルを縦半分に折って掛ける巾で」 という内容でした。
壁のビス穴が隠れるように ”座板” のあるデザインとし、座板と側板は ”セン”、棒は ”ウォールナット” を使いました。
今回使用したセンには ”縮み杢” という珍しい模様が見られ、拭き漆仕上げにすることでその模様が浮き立ち、たいへんきれいに仕上がりました。
ウォールナットはもともと焦げ茶色の木なのですが、きめが細かいので、漆を塗ると、とてもツヤのある滑らかな仕上がりになります。
タオルを掛ける棒は八角形としましたが、見た目がシャープになることに加え、タオルを掛けた際に滑りにくくなる効果もあります。
手前の ”フック” は 『荷物掛け』 です。
元のタオル掛けの巾が広く、今回お作りしたものでは一方のビス穴しか隠れないため、もう片方のビス穴隠しとして、タオル掛けと同様の台座の付いたフックをご提案し、タオル掛けとセットで製作させていただきました。
漆喰の白い壁や板壁の明るい空間に漆の色合いが引き立ち、よい空間になったとたいへん喜んで頂けました。
ありがとうございました。(Ku)
8月のうだるような暑さがウソのようです。
覚悟していた残暑もほとんどなく、例年ならまだ今頃は半袖Tシャツで、「暑い、暑い…」 と唸っていたように思うのですが、朝晩の肌寒さに慌てて長袖や毛布をひっぱり出したりしています。
一気に秋が深まる気配で、栗、ぶどう、柿、いちじくなど、店先に山積みになった秋の実りが、ただでさえ旺盛な私たちの食欲をさらにくすぐり、日々自制心との戦いです。
温かな食べ物もいっそうおいしく感じるようになったところで、今回は私の製作している? 『なべしき』? を紹介させて頂きます。
文字や絵柄を切り出した鍋敷きをつくるようになったきっかけは、何年か前に玉野の ”サンコア” さんで参加させて頂いたイベントでした。
『夏』 というタイトルで、作品を自由に製作するというイベントだったのですが、いろいろ悩んだ末に、私は ”夏” から連想するモノや文字をデザインした鍋敷きを製作しました。
それがとても楽しかったことと、たいへんご好評を頂いたことから、少しずつデザインを変えながら、いつの間にか定番の作品のひとつとなりました。
上の写真の2点は、鍋敷きの気持ちを文字に表した、ちょっと楽しい鍋敷きです。
「熱っ」は文字通り、熱っつ~いお鍋を上に載せられる鍋敷きの気持ちですが、もちろん冷たいお鍋を載せていただいても構いません。
「おっ鍋」は、「おっ鍋が載るんだナ」という鍋敷きの気持ちを表してみました。もちろんフライパンにもどうぞ。
この他、「春」・「夏」・「秋」・「冬」、「暑っ」 などの文字や、「鯛」、「かめ」、「エビ」 などの絵柄のものもあり、使わないときは壁に掛けて飾って頂くことができます。
是非展示会でいろいろなデザインの鍋敷きを手にとってご覧ください。
さて、先日またまたサクランボの木に発生した毛虫を退治していたところ、脱皮直後のカマキリを見付けました。
ちょっと分かりにくいのですが、写真中央少し上のうす黄色の部分が脱いだ皮です。
大きくて立派な躰でしたが、まだ羽が無かったので、成虫の一歩手前の状態だと思います。
無事に成虫になった姿をまた見たいものです。(Ku)