拭漆仕上げのタオル掛け

昨年の玉野での展示会で知り合ったお客様から、お寺の御手洗いの 『タオル掛け』 のご相談を頂きました。

数年前に新築された、たいへん立派な寺院建築の客殿の御手洗いに樹脂製のタオル掛けが設置されており、せっかくの木造建築の空間にそぐわないので、木製のものに取り替えたいとのお話しでした。

設置状況を確認しながらお聞きしたご希望は、「タオルを掛ける棒も含めて木製とし、拭き漆仕上げとすること」、「元のタオル掛けを取り付けてあったビス穴が隠れるようにすること」 、「タオルを縦半分に折って掛ける巾で」 という内容でした。

拭漆仕上げのタオル掛け
拭漆仕上げのタオル掛け

壁のビス穴が隠れるように ”座板” のあるデザインとし、座板と側板は ”セン”、棒は ”ウォールナット” を使いました。

今回使用したセンには ”縮み杢” という珍しい模様が見られ、拭き漆仕上げにすることでその模様が浮き立ち、たいへんきれいに仕上がりました。

ウォールナットはもともと焦げ茶色の木なのですが、きめが細かいので、漆を塗ると、とてもツヤのある滑らかな仕上がりになります。

拭き漆仕上げのタオル掛け
拭き漆仕上げのタオル掛け

タオルを掛ける棒は八角形としましたが、見た目がシャープになることに加え、タオルを掛けた際に滑りにくくなる効果もあります。

壁に取り付けたタオル掛け
壁に取り付けたタオル掛け

 

タオル掛けのご使用状況
タオル掛けのご使用状況

手前の ”フック” は 『荷物掛け』 です。

元のタオル掛けの巾が広く、今回お作りしたものでは一方のビス穴しか隠れないため、もう片方のビス穴隠しとして、タオル掛けと同様の台座の付いたフックをご提案し、タオル掛けとセットで製作させていただきました。

漆喰の白い壁や板壁の明るい空間に漆の色合いが引き立ち、よい空間になったとたいへん喜んで頂けました。

ありがとうございました。(Ku)