新舞子の海

先日、『新舞子』に行ってきました。

『新舞子』は姫路の南西に位置する潮干狩りや海水浴で有名な海辺の集落で、父の故郷です。

浜に出てみると、夕暮れの中、丁度潮が引きかけているときで、思いがけずとてもきれいな干潟を見ることが出来ました。干潟が現れる時間や潮の引き具合は暦によって大きく違うので、いつ行っても大きな干潟が見られる訳ではありません。この日はたまたまよい潮の日と時間に当たったというわけです。家内は大きな干潟を見るのは初めてだったので、とても喜んでくれました。

干潟の夕暮れ
干潟の夕暮れ

幼かった頃、夏は決まってお盆の時期に家族みんなで帰省し、兄や従兄弟たちと海水浴をして遊びました。遠浅の海なので、沖へ沖へと歩いていき、泳ぎの苦手だった私でも安心して浜遊びが出来ました。ゴムくさい水中めがねをして海の中をのぞき込むと、砂の上に波が作り出す不思議な『紋様』が見え、小魚が泳ぎ回っていたのをついこの間の出来事のように思い出します。

潮が引くのにあわせ、カモメたちがエサを求めて新しく現れる干潟を散策していました。

干潟の足跡
カモメの足跡

お隣のおばさんから水仙の花を頂きました。散歩の途中、陽当たりの良いあぜ道に咲いていたのを摘んできたとのこと、寒い寒い毎日ですが、季節は少しづつ春に向かって進んでいるのだと思うと、なんだか暖かい気持ちになります。早速、試作で作った『竹花筒』に活けて楽しんでいます。部屋一杯に水仙の香りが立ちこめています。(Hi)

水仙と竹花筒
水仙と竹花筒

十日戎と四方棚

十日戎 遠景
仮屋のえべっさん 遠景

今日は十日戎の宵戎です。

私たちの地域の十日戎は、事代主神社(通称『仮屋のえべっさん』)で行われます。

『えべっさん』は私が通っていた小学校のすぐ近所にあって、図工の授業で校外での写生大会などがあると、みんなでさぼって鬼ごっこなどをした思い出の場所です。参道は真っ直ぐに仮屋港に向かって伸びていて、毎年秋には豊漁とまちの繁栄を願い、練り歩く御輿に水をかける勇壮な「水かけ祭り」が執り行われます。

今年一年、健康で、よい出逢いと商売繁盛に恵まれますようにと、家内と二人でお参りしてきました。

仮屋のえべっさん
仮屋のえべっさん

年が明けてから、倉敷の展示会でご注文頂いた「四方棚」の製作にとりかかっています。

四方棚 製作中
四方棚 製作中

李朝家具のシンプルさが好きで長野の谷進一郎さんの元に弟子入りさせて頂き、その修行中に作らせて頂いたものをもとに、自分なりに寸法や細部を変えて製作しました。倉敷の展示会でお客様に見ていただいたところ、『色合いを変えたものが欲しい』というご注文をいただき、今回の製作となりました。

四方棚
倉敷で展示した四方棚

修行中に教わったことをもとに、お客様お一人お一人のご要望をお聞きしながら新たなものを作っていくという作業は、毎度の事ながら、楽しさと不安が入り交じったような不思議な気持ちで緊張します。(Hi)

テーブルの納品

昨日は、倉敷のお客様宅にテーブルの納品をさせていただきました。

テーブル
テーブル

先日のサンコアさんでの個展の際に、トールペイントやステンドグラスの製作などをされるお客様から作業用テーブルのご相談をいただきました。

概ねの寸法のほか、シンプルで丈夫であること、立ち作業・椅子に座っての作業の両方に使用できること、天板の下に物を収納できること(引出しまたは棚板)、大きなひとつのテーブルではなく、正方形に近いものを2つ並べて使いたいことなどのご希望をお聞きしました。

その後、図面を作成して打合せを行ったうえでご自宅にうかがい、実際のご使用場所を見せていただいて最終的な寸法の調整とデザインの決定を行いました。

設置場所が、ロフト状の2階であることから、搬入時や将来の移動の際に取り回ししやすいよう、天板と脚部は取り外し可能な構造としました。

テーブル天板
テーブル天板

110cm×110cmのテーブルを2つ並べると、十分な広さになります。

天板、脚材などすべて栗材を使用し、オイルを塗って仕上げました。使い込んで頂いてツヤが深まっていくのが楽しみです。床も栗材なので、お部屋に溶け込んでとても落ち着いた雰囲気になりました。

テーブル棚板
テーブル棚板

天板の下には、道具や材料等が収納できるように、棚板を設置しました。どの方向からも物が取り出せるので、いろいろな方向から使用する作業テーブルの収納としては、引出しよりも使い勝手がよいと思います。

搬入作業中には雪がちらつく寒い1日でしたが、無事に納品ができ、お客様にも喜んでいただけて、とてもよいクリスマスになりました。(Ku)

木のボタン

昨年の倉敷の展示会で、バッグなどの袋物を作られる方から木のボタン製作のご相談を頂きました。その後試作を行い、それをもとにご提案やアドバイスを頂いて、平ボタンと山高タイプのボタンを何種類か製作させていただきました。

先日の倉敷での展示会の際に、そのボタンを使用した作品を見せて頂くことができました。

手提げバッグ
手提げバッグ

スエード生地の手提げバッグです。ループの留めボタンとして、ウォールナットの平ボタンをご使用頂いています。

手提げバッグのボタン
手提げバッグのボタン

バッグの開閉の際に必ず手に触れる留めボタンとしてご使用頂いていますので、使い込んでいただくほどにツヤがでて、バッグとともに味わいが深まっていくと思います。

ショルダーバッグ
ショルダーバッグ

こちらは、ショルダーバッグです。こちらも、ループの留めボタンとして、ウォールナットの平ボタンをご使用頂きました。

ショルダーバッグのボタン
ショルダーバッグのボタン

どちらも、とてもしっかりとしたつくりの、落ち着いた雰囲気のバッグで、ボタンを引き立てていただいています。

実際に自分の作ったボタンが作品の中で使われているのを見るのは、とても嬉しいものです。お納めした他のボタンを使った作品も追い追い見せて頂くのが楽しみです。

恥ずかしながら、私は縫い物や編み物が大の苦手で、試作の際には自分の持っている服のボタンを参考にしたのですが、サイズや厚さはもとより、糸穴の大きさや間隔,裏側は平らでよいのか、凸状になっていた方がよいのかなど、作り手ならではのご助言をいろいろと頂き、とても勉強になりました。

ボタンをご覧頂いた他のお客様からも、いろいろなアイデアを教えて頂きました。

ヘアゴムに付ける(これは髪を伸ばしたことの無い私には思いもつかなかったことです),既製品の服のボタンを取り替える(なるほど!),服やバッグのアクセントに、などなど。

サイズなど、ご要望に応じて1つから製作いたしますので、お気軽にお問い合わせください。(Ku)

木の壁掛け時計

時計
壁掛け時計

皮革工芸をされるお客様から、以前製作された壁掛け時計の、金属の文字盤部分が壊れてしまったので、木で作ることはできないか、とのご相談を受けて製作させていただいたものです。

全体は腕時計型のデザインです。

ベルト部分は革でできていて、繊細な模様が丁寧に刻まれています。

文字盤とバックル部は栗材で、針はウォールナットでお作りしました。

革を縫うことは私たちには出来ないので、最終的な形に縫い合わせる工程はお客様にお任せすることにして、ベルトに合うようにお作りした文字盤とバックル部品をお納めしたところ、先日、出来上がった写真をお送りいただきました。

ご依頼の際にお話しをうかがったところ、思い出が詰まったとても大切な時計であることがひしひしと感じられました。

作品をお届けにあがり、出来上がったものを見ていただくまではとてもドキドキしましたが、とても気に入っていただけたご様子に、私たちもひと安心でとても嬉しかったです。

黄色い彼岸花
黄色い彼岸花

近くの公園で、黄色い彼岸花が咲いているのを見つけました。

赤やオレンジのものは見たことがあるのですが、黄色は初めてです。

調べてみると、彼岸花の親戚の「ショウキズイセン」という植物のようです。

間近で観ると、めしべが長く伸びていて、怪獣の顔のようにも見えるおもしろい形をしていました。(Ku)

もりのこのつぶやき

もりのこマグネット
もりのこマグネット

展示会でおなじみの、『もりのこマグネット』が今年もたくさんできました。

白い木、黒い木、黒い目、青い目、大きさも形もいろいろです。

強力磁石でバチッと気持ちよくくっつきます。

木目も様々で、木目を見ながらひとつひとつ目の位置を決めていくのが一番楽しい作業です。

家具を作る際に出る端材を使って、ペーパーウエイトや、カトラリーなどの小物を作るのですが、それらにも不十分な小さなカケラから生まれるのが、このマグネットたちです。

毎年、秋の展示会シーズンを前にしたこの時期に、それまでの1年間で集まったカケラでつくるので、木の種類はその1年間に作った家具の内容によって変わります。

今年は「クリ」の割合が多いのですが、これはクリのスツールをいくつか製作したためです。なぜかひとつだけある「ひのき」は、展示用の台の端材です。

よく言われるのは、「せめて木が育ってきたのと同じ年数は使えるものを作る」ということですが、それと同時に、出来るだけ無駄にしないということも大切です。

ヒビだらけなど、どうしても木工に使えない部分は冬の薪ストーブの薪に、かんなくずは焚き付けに使い、機械で出た細かい木くずは堆肥にして土に返します。りくがめの寝床にもなります。

いざなぎ神宮ライトアップ
いざなぎ神宮ライトアップ

毎月22日は、国生みの神様、『イザナギ』『イザナミ』がお祀りされている伊弉諾神宮が夜間ライトアップされているとのことで、水曜日に仕事を少しだけ早く切り上げて出かけてきました。

中秋の名月とも重なり、観月祭も予定されていたようですが、あいにくの雨でそちらは中止になってしまったようです。

雨のためか、参拝客もほとんどいない、静かな境内でした。本来ならば、参道には300個のろうそくが灯されているそうですが、雨でろうそくの火は消えてしまっていました。

静寂につつまれて、濡れた石畳とうっそうとした暗闇のなかに浮かび上がった本殿や拝殿がとても幻想的でした。

樹齢800年以上といわれる大楠も、明るい中で見るよりもいっそう神秘的でした。

さて、いよいよ来週の土曜日(10月2日)は、三田での『手仕事展』です。1日だけの開催ですが、染織や焼き物など、10人ほどの作家さんが集まる楽しい展示会です。

詳しい場所等は工房ホームページの「展示会案内」でご案内させていただいておりますので、ご覧のうえ、是非お出掛けください。

もりのこマグネットともども、心よりお待ちしております。(Ku)