三田『手仕事展』(2012年)

この週末、今回で5回目となる、三田ほんまち交流館”縁”を会場とする『手仕事展』に参加してきました。

『手仕事展』の会場 古民家”縁”
『手仕事展』の会場 古民家”縁”

土曜日の朝、会場へ向かう途中、六甲山を越えるあたりで雪がちらつき、日曜日の朝は会場の庭のつくばいに氷が張るという、4月とは思えない冷え込みでしたが、おかげさまでお天気に恵まれ、大盛況のにぎわいになりました。

日曜日の朝、”つくばい”に張った氷
日曜日の朝、”つくばい”に張った氷

昨年までは春と秋の年2回、各1日のみの開催でしたが、今年から春のみ、2日間の会期へと変更になりました。会期が2日間となったためこれまでより落ち着いて展示やお客様への対応ができ、内容もより充実した会になったと思います。また、お客様もご来場しやすくなったようです。

今回は、染織,縫い物,焼き物,皮革,ガラス,お菓子,木工など総勢14名の手仕事作家が参加し、こだわりの作品が築100年をこえる古民家にところせましと並びました。

会場の様子
会場の様子

私達はワークショップを行う関係でいつもと同じ、入り口横の土間に展示スペースをいただきました。

展示の様子
展示の様子

スツールや小さめの長椅子,額,鏡,トレイ,ストラップ,木のボタンなどの定番の作品に加え、写真正面に見える、新作の小さな机と厨子を展示させていただきました。

マンションなどの居間に置いても違和感なくお使いいただけるよう、小さめでシンプルにデザインした厨子はご好評をいただきました。後日改めてホームページで詳細をご紹介させていただく予定です。

写真手前の踏み台のような椅子が今回のワークショップの作品です。接着剤を付けて座板に脚を差し込み、上からくさびを打ち込んで完成という内容でしたが、みなさん楽しんで頂けたようです。次回は何を作っていただくか、また1年かけて案を練っていきたいと思いますので、ご期待ください。

毎回楽しみにして下さっているお客様も増え、以前ご購入いただいた木のボタンを付けた服を着てご来場くださった方、良い具合にツヤが出てきたストラップを見せて下さる方など、とても楽しく充実した2日間でした。寒い中お出掛けくださったみなさま、本当にありがとうございました。

”日な菓子”さんのお菓子と・・・
”日な菓子”さんのお菓子と・・・

そしてこの会での私のもうひとつの楽しみが”日な菓子”さんの焼き菓子です。吟味された材料でしっかりと作られた様々なお菓子はどれもおいしそうで毎回選ぶのが大変です。

今回は、”れもんケイク”(ユニークなラッピングに一目で惹かれました),”チョコケーキ”(金柑の甘煮が入っているそうです。私はチョコレートケーキに目がありません。),”きなことピーカンナッツのクッキー”(きなことナッツも大好きです。),おすすめの”いちじくのシフォン”(もう食べてしまって写真にはありません。プチプチした食感とふわふわの生地の組み合わせが絶品でした。)を購入しました。もうひとつ、写真右側の”coffeeくるみ”は、やはり”日な菓子”さんのファンであるお客様がプレゼントして下さいました。コーヒータイムにいただくのがとても楽しみです。

そして、お菓子の手前にある”豆大福”。これは、ちりめん細工の作家さんの作品です。やわらかなお餅に薄く覆われた黒豆の感じがもう本物そっくり。下に付いている”経木”も布でできています。お皿にのせて”にらみ鯛”ならぬ”にらみ豆大福”にしたいと思います。

さて、次回の『手仕事展』は、来年4月の第1土・日曜日の予定です。元気な顔をまたたくさんのお客様にお見せできるよう、1年間がんばっていきたいと思いますので是非ご来場ください。(Ku)

シイタケのはなし

4月に入りました。

日に日に陽差しも柔らかくなってくるとともに、ようやく桜のつぼみも目に見えてふくらみ始め、甲子園では高校野球が大詰めを迎えています。

特に高校野球ファンという訳ではないのですが、この季節になると、ついつい作業場のラジオのダイヤルをNHKに合わせ、聴くとはなしに聴いています。

ラジオの実況中継では、アナウンサーの言葉や球場の歓声などから状況を想像することになるのですが、少し大げさで過熱気味のアナウンサーと、常に冷静で落ち着いた解説者のやりとりが何ともうまくかみ合っていて、聴き心地のよいものになっています。特に、試合終了後、その試合を振り返る解説者のコメントには、勝者敗者を問わず、球児達の良かったところに光を当てようとする暖かい姿勢が強く感じられ、とても気持ちの良いものです。

ただ、状況が緊迫してくると、アナウンサーの絶叫などにより状況が上手く伝わらず、ついつい作業している手も止まりがちになり、やきもき、ドキドキしながら聴き耳を立てる、ということになってしまいます。

ラジオの迫力ある中継から、火の出るような強烈な打球を想像したり、はたまた、すごいクロスプレーを想像したりするのですが、夜のニュース映像では思ったほどではなくてちょっと拍子抜けすることもままあるのですが、それはご愛敬と言うことで、何にしても高校生が一生懸命白球を追いかけている姿はすがすがしくて、気持ちのいいものです。

今年は“21世紀枠”というので淡路島から洲本高校が出場しました。淡路島からの出場は、ものごごろ付いて以来、春夏を通じて初めてのことなのでやはり注目して応援していたのですが、残念ながら接戦の末、1回戦で鳴門高校に惜しくも負けてしまいました。

ただ、いくら抽選の結果とはいえ、甲子園までいって、よりによって1回戦から鳴門海峡を挟んで目と鼻の先にある“お隣同士”で対戦しなくてもいいのに…と少々複雑な気持ちになってしまいました。

シイタケの種(バーゲンセール!!)
シイタケの種(セール品)

植えもしないのにシイタケがどんどん生えてくることに気をよくした私達は、自分たちでもシイタケを植えてみようということになりました。

植え付けに使う木は、本来は薪にする予定だったもののなかから適当な太さ(直径30センチ前後)のもの(カシの木)を選び、70センチほどに玉切りして使うことにして、菌は近くのホームセンターで都合良く“売り尽くしセール”になっていたものを買い求めました。

カシの木に穴を開けて…
カシの木に穴を開けて…
シイタケの菌
シイタケの菌

手引書を片手に、まずドリルで穴を開け、ダボに植え付けられた状態の菌をひとつひとつ、丁寧に打ち込んでいきます。

このあと金槌で菌を打ち込みます
このあと金槌で菌を打ち込みます
あとはたわわに実るのを待つばかり…
あとはたわわに実るのを待つばかり?

菌を植え付けた木を“ほだ木”と呼ぶのですが、それを井形に組んで適切に管理すると、来年の秋から収穫出来るということです。“ほだ木”を置いておく場所についてはいろいろと条件があるようなのですが、あまり難しいことは考えずに、今まで勝手にポコポコ生えていた所に置いておくことにしました。“ほだ木”にうまくシイタケが生え始めると、そのまま放っておいても4~5年は収穫出来るということなので、ずぼらな私達には何ともぴったりの、とても有り難い“恵み”です。

たわわに実りますように…
たわわに実りますように…

願わくば、うまく生え始め、私達の家計の救世主になりますように…

さて、今週末(4/7,8)は三田にてグループ展の予定です。今回は、シンプルで懐かしい形のスツール、新たに製作した小さな厨子、小机、など比較的小さな家具と、家内のつくるカトラリー、ストラップ、ボタンなどのコモノを展示、販売する予定です。是非お越し頂きお手にとってご覧下さい。心よりお待ちしております。(Hi)

鉄人28号

所用で神戸市の新長田駅の近くに出掛けてきました。”新長田”といえばそう、『鉄人28号』のモニュメントです。

高さ約16mにもなる巨大なモニュメントは迫力満点。躍動感あふれるポーズの”鉄人”は今にも動き出しそうです。”鉄人”の名の通り鋼鉄製で、なんと50tもの重さがあるのだとか。

”鉄人28号”のモニュメント
”鉄人28号”のモニュメント

神戸市長田区は、阪神・淡路大震災では大規模な火災が発生し、特に被害の大きかった地域のひとつです。このモニュメントは、震災からの復興のシンボルとして2009年に完成したものです。

長田は、『鉄人28号』,『三国志』,『バビル2世』,『魔法使いサリー』などの作者である漫画家”横山光輝”の出身地ということで、『鉄人28号』と『三国志』を街おこしの柱にしており、登場人物の石像や看板、のぼりなどをいたる所で見ることができます。

『三国志』”関羽”の石像
『三国志』”関羽”の石像

これは、『三国志』の”関羽”の石像です。このほか、”孫権”,”孔明”などの石像があるそうです。

動かせる”鉄人”
動かせる”鉄人”

これは、腕を動かすことの出来る”鉄人”。大きさは人の身長くらいですが、手前にあるコントローラーで、腕の上げ下げなどの”操縦”をすることができます。

そして、長田といえば”ぼっかけ”(牛すじを甘辛く煮込んだもの)。

揚げたての、名物”ぼっかけコロッケ”をホゴホゴいいながらほおばりましたが、またもや写真を撮ることを忘れて平らげてしまいました。ホクホクのじゃがいもと、甘辛く、こってりコクのあるお肉のハーモニー。また機会があれば是非食べたいと思うおいしさでした。(Ku)

春が来た~2012~

暖かくなったと思えば急に冷え込んだり。週の初めには雪が舞ったりもしましたが、工房の庭はどんどん春の装いに変わりつつあります。

”おきな草”の新芽
”おきな草”の新芽

”おきな草”の新芽はふわふわの綿毛をまとっていてとても柔らかそうです。

つぼみの付いた”アマナ”
つぼみの付いた”アマナ”

チューリップに似た花を咲かせる”アマナ”は、もう根元から花芽が顔を出しています。

”ブルーベリー”の新芽
”ブルーベリー”の新芽

”ブルーベリー”は新芽を膨らませ、準備万端といったところです。昨年までは1本しか植えておらず、あまり実をつけなかったので、秋にもう1本若木を近くに植えました。実がたくさん成るとよいのですが…。

このほかにも、あじさい,桔梗,ホタルブクロ,ヤマブキ,ヒメウツギ,フジバカマ,一才桜などなど、いろいろな植物が芽を出し始めています。

”春”といえば、信州で迎えた春を思い出します。

私たちが4年ほど住んだ長野県小諸市は、雪は比較的少ない地域ですが、冬は-15℃くらいまで冷え込みます。雪で真っ白になった浅間連山と氷に覆われた千曲川。道ばたや木々の根元には雪が溶けずに残り、洗濯物を干せば凍ってしまうような寒い日が3月いっぱいは続きます。

そして、春。

待ち焦がれていたように、梅,桃,桜がいっせいに花を咲かせます。それと同時に、心の底からわき上がるような喜びを感じるのです。理屈ではなく、とにかく嬉しいのです。踊り出したいくらいに…。あんな気持ちになったのは初めてのことでした。

信州から離れ、あのときのような”春の喜び”を感じることはなくなってしまいましたが、春が来る度にあの感覚を懐かしく思い出すのです。

薪に生えたシイタケ
薪に生えたシイタケ

そして、いつもの”薪に生えるシイタケ”。今年はなんだかたくさん生えてきています。ナメクジやダンゴムシに食べられないうちに収穫せねば…。(Ku)

薪づくり

春の雨の合間の木曜日、薪ストーブ用の薪づくりをしました。

工房の手作業場の暖房は薪ストーブなのですが、朝から晩まで部屋を暖かく保とうとすると、結構たくさんの薪を使います。

家具製作で出る端材のうち、ボタンやマグネットなどの小物にも使えないような部分ももちろん薪として使いますがそれらは量も少なく、焚き付けくらいにしかなりません。そこで近くで出た廃材や伐採された雑木などを頂いて薪をつくります。

まず、チェーンソーでストーブに入る長さに玉切りし、太いものは斧で割っていきます。

薪割り
薪割り

伐採された雑木にはいろいろな種類があります。芯が鮮やかな黄色のもの(これは”山ハゼ”のようです)、樹皮がさつまいもの皮のようなもの(私は勝手に”サツマイモの木”と呼んでいます)、象の足のような樹皮のもの(これは、”ゾウの木”)などなど。木の名前は分からないのですが、近くの山にこんなにたくさんの種類の木があるのかと驚くばかりです。

作った薪は、工房の壁際に積み上げます。

枝分かれして叉のあるもの、ねじ曲がったもの、そして比較的真っ直ぐなもの。うまく組み合わせて崩れないように積み上げていきます。

積み上げた薪
積み上げた薪

上の写真で黒っぽくなっているのは、一昨年作った薪です。今回の薪は手前の一番白っぽいものです。きれいに積み終わったら、トタン板で雨よけをする予定です。

一気にするとなかなか大変な作業ではありますが、欲しい時に廃材や伐木が手に入るとは限らないので、頂けたときに薪にしてストックしておかないと、いつか寒い冬を過ごすことになってしまいます。

私は薪割りは苦手なのでもっぱら、薪を運んで積み上げる作業をします。薪の一本一本はそんなに重くはないのですが量が多いので、翌日の金曜日は体中が筋肉痛でした。

さて、淡路の春の風物詩、イカナゴ漁も最盛期。魚も私たちがクギ煮にしやすい大きさになったので、この週末、自宅はクギ煮工場と化しました。

できあがった「クギ煮」と「釜揚げ」
できあがった「クギ煮」と「釜揚げ」

毎日のお弁当用と、知人へのちょっとしたおすそ分けに自分たちで作るようになって3年目になります。”できるだけ新鮮な魚を使った方が上手にできる”などのコツも少しずつつかめてきたこともあってか、今年は手前味噌ながらなかなか上出来だと思います。

家の中は、甘辛い佃煮の香りが充満し、おかずがなくてもご飯が食べられそうです。

クギ煮の他、一部はこの時期しか食べられない”釜揚げ”にしていただきます。(Ku)

風車のお話し~その2~

風力発電の風車の建設は順調に進んでいるようで、4基目もそろそろ完成です。

下の写真は工房の戸口を出たところから撮ったものです。左側、木の向こうに見えるのが3基目で、これは木の葉が茂ると見えなくなりそうですが、右側の4基目は遮る物がなく、工房から完全に見通すことができます。

建設中の4基目
建設中の4基目

工房は北淡路丘陵の尾根すじを通る県道から脇に100メートルほど離れています。1,2基目はその県道まで出ないと見ることができないので、工房へ行き来する朝と夕方しか作業の進み具合を見ることができませんでした。

あんなに大きな部品をどうやって組み立てていくのかとても興味があったのですが、そのために県道まで出てボーッと見ているわけにもいきません。

その点4基目は、作業の合間に戸口からちょっと首を出せば見ることができます。

支柱の吊り下げ
支柱の吊り下げ

これは、支柱を継ぎ足しているところです。写真ではよく分かりませんが、下の設置済みの支柱との間にまだすき間があり、継ぎ足す直前といったところです。

羽根の取り付け
羽根の取り付け

これは、1枚目の羽根を取り付けた直後のようです。支持具で水平に吊り上げて取り付けるようです。回転軸のモーター部分に、人影も小さく動いていました。

本当は、吊り上げていく途中も見たかったのですが、残念ながら見逃してしまいました。

この作業を見た前日、たまたま用事があって夜中に国道を走っていると、警備員さんに車を止められました。”今から50mのトレーラーが通るのでちょっと待つように”とのこと。

風車の部品は船で運ばれてきて、”大磯”にある、もとはフェリー乗り場だった広大な空き地に仮置きされているのですが、どうも今から何か長いものを建設現場へ搬入するようです。

しばらく待っていると、長い羽根を1本積んだトレーラーがゆっくりとやって来ました。すれ違うときは、あまりの大きさに2人とも”オ~ッ”と声が出るばかり。しかもこの”オ~”の長かったこと!!

いかなごのクギ煮
いかなごのクギ煮

さて、瀬戸内の春の風物詩、いかなご漁が解禁になり、あちこちからおいしそうなクギ煮を炊く香りが漂うようになりました。

早速、お隣のおばさんが初物を炊いておすそ分けしてくださいました。ホカホカの炊きたてご飯にのせれば、もうそれだけで春のご馳走です。

まだ魚が小さく、大きさも揃っていないので、上手にクギ煮にするには熟練の技が必要です。私たちは、もう少し魚が大きくなって炊きやすくなってから作る予定です。(Ku)