イカナゴのくぎ煮

”淡路島の春”といえば、「イカナゴのクギ煮」です。

親になると7cmくらいになるいかなごの新子を、釘のようにツンツンした佃煮にするので”クギ煮”といいます。

我が家でも昨年に続き今年も挑戦しました。

パックに入ったイカナゴ
パックに入ったイカナゴ

漁が解禁になると、パック詰めにされた生のイカナゴが店頭に並び、それを購入して各家庭でクギ煮にします。甘い良い香りがそこかしこから漂ってくると、「春が来た!!」と実感します。

上手に作るポイントは、①新鮮であること、②魚の大きさが揃っていること です。

解禁直後は、まだ小さいのやらちょっと大きいのやらが混じっており、どんなに慣れた方が作っても団子状になってしまうそうです。今年はお隣のおばさんの、「そろそろ買い時だよ」の声で近所のスーパーに買いにいきました。

鍋に投入直後
鍋に投入直後

柚子を入れたり、甘露飴を使ったりと、各家庭でいろいろな工夫があるそうですが、まだまだ初心者の私たちは、スーパーでもらったレシピに沿って、千切りショウガ入りのクギ煮を作ります。

ザラメ,醤油,酒,みりん,しょうがを煮立たせた煮汁にイカナゴを投入!

煮詰め中
煮詰め中

煮汁がほとんど無くなるまで、じっくりと煮詰めます。

かき混ぜたくなる気持ちはグッとおさえて静かに静かに焦がさないように煮詰めます。

『イカナゴのくぎ煮』出来上がり
『イカナゴのくぎ煮』出来上がり

十分煮詰まったら、大きなお皿やパットに取り出し、2人でうちわであおいで冷まして出来上がりです。

温かい白いご飯の上にクギ煮をたくさんのせて食べるのがこの季節の一番のたのしみです。お弁当にも欠かせません。

少々失敗しても、新鮮な魚を甘辛く炊いているのでおいしいことにかわりありません。今年もまずまずの出来、ということにしておきましょう。

古代ギリシャ展
古代ギリシャ展

今週は、神戸で開かれている「大英博物館 古代ギリシャ展」を観に出掛けてきました。完成された美しさや息をのむほどの写実性にただただ感動。ギリシャ神話の世界をもう少し知っていればもっと楽しめたのに、と思いました。(Ku)

薪のしいたけ

このたびの震災では、人知を越えた自然の猛威におののき、被災地の惨状に言葉を失うばかりです。

こんなときにブログどころではない、と先週は投稿を取りやめましたが、遠く離れた淡路島で、今、私たちに何ができるのだろうと考えた末、日々の生活を落ち着いてしっかりと営んでいくことこそが支援につながるのではないか、という思いに至り、ブログの更新を再開することにしました。

被災者の方々が1日も早く、落ち着いた生活を送れるようになることを心よりお祈りしております。

薪に生えたシイタケ
薪に生えたシイタケ

工房の薪ストーブ用の薪に、”しいたけ”が生えました。

実は昨年の夏、ストックしてある薪を整理していたところ、どう見ても”干し椎茸”と思われる物体がくっついている薪を何本か見つけました。

それまでも庭の朽ち木や湿った木屑から怪しげなキノコが生えているのを見たことはあるのですが、薪に付いていたのはどこからどう見ても”しいたけ”。ただ、しいたけなんて降ってわいたようにいきなり生えるとも思えず放置していたところ、秋ぐちになって同じ薪からやはり”しいたけらしきキノコ”が生えているではありませんか。

キノコには素人の私たちですが、どうしても”しいたけ”としか思えず、お味噌汁に入れて食べてみました。味も香りもやっぱり”しいたけ”で、笑いが止まらなくなることも、体がしびれることもありませんでした。

収穫したシイタケ
収穫したシイタケ

後日、薪にした木の近くで椎茸の菌付けが行われていたことが分かり、正真正銘の”しいたけ”であることが明らかになりました。

”しいたけ”の生えた痕跡のある薪をより分けて裏庭にまとめておいたところ、3月に入ってぽこぽこと小さなしいたけが生え始めました。大きくなるのを待って収穫したところ、2人で食べるには十分な量になり、お味噌汁や炒め物にしておいしく頂きました。まだ小さなものが生えかけているので、もう2回ほど収穫できるのではないかと楽しみにしています。

今、工房では学習机の製作に追われています。入学式までには納品できるように一生懸命がんばっています。また完成しましたら、このブログでも紹介させて頂きたいと思っています。(Ku)

春がきた!

一昨日、工房へ出掛ける際にふと隣の空き地の土手に目をやると、いつのまにかたくさんのつくしが顔を出していました。

このところの激しい冷え込みに、「まだ春は遠いなあ」と思っていたので、びっしりと生えている土筆坊達にびっくり。春がついにやってきました。

土手のつくし
土手のつくし

そういえば、工房の周辺ではウグイスがさえずりの練習を始めました。なんだかまだ頼りない鳴き方ですが、もう少し暖かくなる頃には上手になって里へおりていくのでしょう。

ところで、淡路島の春の風物詩といえば、なんといっても”いかなご”です。今年は3月3日に漁が解禁となり、海にはいかなご漁の船がたくさん出ています。早速ご近所からは「クギ煮」を炊く、甘辛い何ともいえない良い香りが漂って来ています。この香りだけでご飯がおかわりできそうです。

我が家でも昨年、「いかなごのクギ煮」に初めて挑戦しました。

この時期、スーパーマーケットへ行くと、パック詰めされたいかなごの周りに、醤油,ザラメなどの材料や、おすそ分け用パックなどの必要な物がまとめて陳列されています。印刷されたレシピも配布されているので、それにならって作ってみたところ、初めてにしてはなかなかの出来、と自画自賛。知り合いにもおすそ分けしたところご好評をいただいたので、調子に乗って今年も挑戦する予定です。

宅急便やさんや郵便局には、「クギ煮送れます」の”のぼり”が立ち並ぶのも淡路ならではの風景ではないでしょうか。

完成したトレイの山
完成したトレイの山

先週、製作過程をご紹介した”トレイ”も無事完成し、納品させていただきました。

梱包前のトレイを積み上げて写真を撮ってみました。キズ防止のため、緩衝材を挟んであります。今回はご注文頂いてから納期までの期間が限られていたため、久しぶりの夜なべ仕事になりました。無事にお約束の期日に納品することができ、ほっとしました。

もうひとつ、春といえば”確定申告”です。先日、今年の申告手続きも無事に終わり、肩の荷が下りたところです。帳簿付けは1年を通じての仕事ですが、決算の作業は1年に1度のことなので、どうしてもやり方を忘れてしまうことがあり、毎年あたふたとしてしまいます。(Ku)

トレイの製作

「ヒバ」の復活
「ヒバ」の復活

日中はずいぶん暖かくなってきました。

先週の雨で、休眠中だった「ひば」も無事に葉を拡げてくれました。あんなにカラカラだったのに、あんなに雪に埋もれてしまったのに、自然の生命力はたいしたものです。

2月14日の積雪で再び雪の下に
2月14日の積雪で再び雪の下に

2月11日の積雪の後、再び14日に雪に埋もれてしまってちょっと心配していましたが、生育している自然環境の厳しさとは比べものにはならないのかもしれませんね。逆に大事にし過ぎて枯らしてしまわないように気を付けなければ…。

桟積みされたトレイの縁
桟積みされたトレイの縁

現在工房では、飲食店用のトレイを製作中です。上の写真は”水引き”後の乾燥のために桟積みされた縁の部材です。

これだけの数になると圧巻です。

組立終了
組立終了

底板と縁を組立てて積み上げました。今回はお客様のご要望で黒く仕上げることになり、塗装の都合で底板のみ先に着色してあります。

外側の形を整える作業などをした後、仕上げの塗装を行います。

寒暖の差が激しい今日このごろ、みなさん、体調の管理に気を付けてください。(Ku)

四方棚の完成、そして気球!!

昨日、岡山の知り合いの方に誘っていただき、なんと、気球に乗ってきました。

この日は、平成21度の開催が最後になった「邑久町バルーンフェスティバル」を記念する集会で、岡山や関西周辺の色とりどりの気球が11機集まりました。

私たちは、知り合いの方が所属するチームの気球に「おもり」としてゲスト乗船させて頂いたのです。

先週までとはうって変わった非常に穏やかな晴天に恵まれ、「初めて乗るにはもってこいの気球日より」とのこと。きっと、他に来られていた方々の日頃の行いのたまものでしょう。

吉井川と気球
吉井川と気球

朝7時に瀬戸内市内の吉井川河川敷に集合、8時くらいに組立てなどの準備が始まり、9時頃から続々と空中へ。

気球は、大きく分けて、気球の膨らむ部分(「球皮」”きゅうひ”というそうです),籐編みのかご(人が乗るところ),バーナー,燃料ボンベ(プロパンガスだそうです)の4つに分かれます。収納された状態は非常にコンパクトで、かごのサイズによっては、軽トラックの荷台に全て乗ってしまうほど。

”かご”は畳めないので、収納状態では一番大きいのですが、これがドンッと乗った軽トラックを見ると、「これは何?」「むちゃくちゃ大きな背負いカゴ?」いえいえ、今回乗せて頂いたカゴは1.2×1.4mほどの大きさなので、”背負いカゴ”であるはずはないのですが、でもそんな感じです。

気球のカゴ
気球のカゴ

組立てとバーナーの試運転が終わると、いよいよ”球皮”を膨らませます。「強力扇風機」で、河川敷に拡げた球皮に風を送り、おおかた膨らませてからバーナーで熱い空気を送り込みます。

途端に球皮が立ち上がり始め見慣れた「気球」の形に。みんなで押さえ込まなければ浮いてしまいそうになる熱風の浮力にびっくりでした。

邑久町上空のたくさんの気球
邑久町上空に色とりどりの気球

そして、空中へ。

何の衝撃もなく、いつの間にか「浮いている!!」という不思議な感覚。見る間に河川敷の人や車が豆粒のように…。

操作にはパイロットの資格が必要ですから、私たちは邪魔にならないように目と口を持った”おもり”としてゆっくりと空中散歩を楽しませていただきました。

パイロットの方の説明を聞きながら、川面に映った自分たちの気球の姿,地元の方が気球のために描いてくださったというウサギとクマの”地上絵”,邑久平野に拡がる田んぼや家々,邑久丘陵の地形やその向こうの瀬戸内海などなど、静かでゆっくりとした気球ならではの景色を堪能しました。

太陽に向かって
太陽に向かって

約30分のフライトの後、田んぼの一角に着陸。気球は地元の方々のご理解とご協力があってこその競技で、見物に来られる近くの方々の、あたたかく、興味深そうに見守って下さる様子と、気球を楽しむみなさんの、「出来る限り迷惑にならないようにしよう」とする姿勢が印象的でした。

次に乗る方と交代して、今度は「地上班」へ。気球は基本的に元の場所へ戻ることは困難とのことで、最終的には車で撤収することになります。飛んでいる気球を目で追いながらドライバー役の方が田んぼを縫うように走る細い道に車を走らせます。

後片付け
後片付け

全てのフライトが終了すると、着陸地点で撤収作業です。球皮の空気を抜き、畳んでいきます。少しでも風があると球皮が煽られたり、雨の後では足下がぬかるんで片付けも大変とのことですが、この日は幸いなことに風もなく、足下もよく、私たちはたいへんな幸運に恵まれたようです。

こんなにコンパクトに
球皮、こんなにコンパクトに…

畳んだ状態で長さ30mほどもあった球皮も、専用の袋に収納すると軽自動車の後部に積んでしまえる大きさに。

当日の夜、たまたまテレビを付けるとNHKの「ワンダー×ワンダー」で『アルプス熱気球おやじ』という番組をやっていました。その日に実際に体験してきたことを再び映像として見ることで、よりいっそう感動が深まりました。

地図の上では決して長距離を飛んだわけではないのですが、私たちにとっては大冒険でした。今も私の頭の中では、「気球に乗って、ど~こ~まで行こ~」と中学の時に習った気球の歌が繰り返し流れています。「そ~こ~に何かが~待っているから~」。

当日お世話になりましたみなさま、本当にありがとうございました。

四方棚(大・中・小)
四方棚(大・中・小)

さて、製作過程をご報告していた『四方棚』も完成し、無事に納品させていただきました。今回納品させて頂いたのは、写真手前の背の高いタイプです。

お客様のご要望により、昨年の「スペースみき」で展示したものと異なり、柱と棚板の色具合を合わせて製作しました。

1月にオープンしたばかりの、まだ真新しいギャラリーに納品させて頂いたのですが、白を基調とした落ち着いた雰囲気の空間にうまく溶け込むように設置することができました。(Ku)

銀世界の淡路

淡路島にも雪が積もりました。

金曜日(2月11日)、朝起きて外を見ると、車の上にうっすらと雪が積もっていました。自宅の裏の方にある山々は真っ白。ここまで真っ白になったのを見るのは、淡路に住むようになって初めてです。

雪景色を見ながら、さあ、仕事に出掛けようとしたそのとき、「工房へ行く道路には雪が積もっていて車が走れない」という一報が…。

工房と自宅との標高差は約300m、気温も2度は違います。予報では1日中雪とのことでしたので、無理をせず臨時休業としました。

自宅から見た雪景色
自宅から見た雪景色(2月11日)

翌土曜日は道路の雪もほとんど溶けており、無事に仕事場へ。

工房へ行く途中、「あわじ花さじき」に寄ってみました。駐車場などの一部では雪は溶けていましたが、公園内は一面の銀世界です。

まだ早い時間だったので、降り積もったままのきれいな雪景色を見ることができました。

銀世界の花さじき-2
銀世界の花さじき-1

こんな本格的な雪景色は小諸に住んでいたとき以来です。

雪の積もった花さじきの階段
銀世界の花さじき-2

階段にも雪が積もっており、滑って転ばないように用心して上がりました(小諸に住んでいた時はよく派手に転んでいました)。

雪に埋もれた鉢植え達
雪に埋もれた鉢植達

工房の周りももちろん真っ白です。裏庭にいくつか置いてある鉢植えも雪に埋もれてしまいました。先週の「ひば」の鉢もこの雪の中です。運命やいかに…。

待ち遠しい春ですが、こんな冬らしい景色もときにはよいものです。

ルーシー・リー展
ルーシー・リー展

今日は、午後から大阪で仕事の打合せがありました。午前中は空いていたので、東洋陶磁美術館で開かれていた「ルーシー・リー展」を見に行ってきました。最終日ということもあり、たくさんの見学者が訪れていました。

色鮮やかな釉薬、繊細な造りの器が数多く展示されていました。様々な形の「ボウル」が特に興味深く、深い味わいの白色には心を惹かれるものがありました。(Ku)