はやとうり

小さなハヤトウリ
小さなハヤトウリ

工房で育てているハヤトウリの実がつき始めました。まだ3cmほどですが、じわじわと育っています。

まだ岡山に住んでいた頃に、友人に分けてもらって初めて食べたのですが、豚肉やベーコンなどと炒めるととてもおいしく、2人の好物になりました。

工房を構えてから栽培に挑戦しましたが、台風で潮風にやられたり、植えた場所が悪かったり、支えをしっかりしてやらなかったりして、なかなかうまく育てることができませんでした(育て方は特に難しいわけではないのですが…)。昨年は私の実家の畑に植えてもらって立派に育ったのですが、ハヤトウリの花はなぜかスズメバチに好かれるらしく、そのせいで今年は畑に植えるのを断られてしまいました。

そんなこともあって、今年は、近くのホームセンターで売っている、海苔の養殖で使えなくなった網を工房の壁に張りめぐらせて、他の蔓性の植物(ホップやブラックベリー)といっしょに、ちょっと気合いを入れて育てました。

その甲斐あってか順調に育ち、最近になって実をつけ始めました。大人のコブシよりも大きくなるので、収穫にはもうしばらくかかりそうです。ただ、今年は暑さが長びき、しかも急に寒くなったためか、実のつくのが遅く、数も期待していたよりもやや少ないようです。

でも、2人で食べるには十分な数の実がプラプラとぶら下がっています。収穫するのがとても楽しみです。朝、実の育ち方をチェックするのが最近の私の日課です。

ハヤトウリの花
ハヤトウリの花

はやとうりの花は小さくて目立たない地味な花ですが、よく見ると真っ白できれいです。やはりスズメバチに好かれているようで、日中は蜜を吸いに来ているので、注意して近づかないといけません。

作業中
作業中

さて、いよいよ23日からは、倉敷「スペースみき」さんでの個展です。今年で6回目になります。回を重ねるごとにお馴染みのお客様も増え、貴重なご意見などを直接うかがえるたいへん楽しみな1週間です。

現在、この展示会に向けて収納棚を製作中です。本棚、食器棚などいろいろな用途にお使い頂けるシンプルな収納棚です。ギャラリーの場所など、詳細は工房のホームページに掲載しておりますので、是非お気軽にお立ち寄りください。(Ku)

たこフェリー

玉野での個展も無事に終わり、ちょっと一息ついた一週間でした。

さて、存続が危ぶまれていた、淡路島と明石を結ぶ「たこフェリー」が、11月15日をもって運行を休止することになりました。

他の航路が次々と廃止される中、便数を減らしたり、船を売却したりとさまざまな経営努力がなされ、淡路島で最後に残ったフェリーだったのですが、やはりこれ以上の存続は困難なのだそうです。

私たちも、時間や料金の関係で、どうしても高速道路を使うことが多くなっていましたので、あまり強いことを言えた立場ではないのですが、明石海峡大橋が出来るまでは、欠かせない重要な交通手段だったわけですし(昭和29年にカーフェリーが初就航したそうです)、今まで普通にそこにあったものが無くなってしまうのですから、とても寂しいです。

また、島を出る手段が橋のみになる、ということには不安も感じます。橋が通行止めになるような強風の中でも、たこフェリーは堂々と運行できていることが多いのです。

一応、「廃止」ではなく、「休止」ということですので、いつの日か、また航路が復活することを願っています。

そんなこともあり、3日の文化の日、たこフェリーに乗って、明石に「明石焼き」を食べに行ってきました。

岩屋入港
岩屋入港

岩屋港へ着くと、フェリーは出た直後でした。切符を買って次の便を待つこと約1時間、シゴセンジャーやたこのイラストが描かれた「あさかぜ丸」が入港してきました。

岩屋港出港
岩屋港出港

私たち同様、最後のお別れに乗船しようという人たちや車がたくさん乗り込み、出港です。

明石海峡大橋をこえて
明石海峡大橋をこえて

当日はたいへんおだやかな良い天気で、行き、帰りともデッキに出て、海の景色を楽しみました。船跡がとてもきれいに見えました。

明石港到着
明石港到着

明石に着くと、やはり大勢の乗客と車が乗船を待っていました。いつもこうだとよいのですが…。

明石では、魚の棚の「たこ磯」へ。

口の中をやけどしそうになりながら、おいしい明石焼きをハフハフとほおばりました。

本屋さんへ寄った後、帰路につきました。乗客が普段より多いためか、フェリーの発着は時刻表どおりではなく、「随時発着」となっていましたので、港近くの堤防に座って船が来るのを待ちました。

明石港入港
明石港入港

この便にも、デッキに人がぎっしり乗っていました。このあさかぜ丸は、運行休止に伴って、売却されることが決まっているそうなので、この姿を見ることができるのもあとわずかです。

岩屋到着
岩屋到着

約20分で岩屋港へ到着です。

次の、倉敷での展示会に向けて、よい気分転換にはなったのですが、これでこのフェリーの乗るのも最後だと思うと、ちょっと寂しい船旅でした。(Ku)

淡路で育った私にとって、たこフェリー(昔は明石フェリーと呼んでいました)はとても思い出深いものです。父の故郷が姫路ですので、子供の頃には正月とお盆の季節には必ず船に乗って島から出掛けていました。

時代の流れと共に、古い町並みが姿を消して、人の流れが変わってしまうのはしょうがないことなのかもしれませんが、思い出深い大切なものが一つ一つ幻のように消えいくのには、何か言いようのない寂しさを感じます。(Hi)

木工展~ギャラリーサンコア~

ギャラリー外観
ギャラリー外観

23日土曜日から、岡山県玉野市のギャラリーサンコアさんでの個展『太田秀世木工展-木の美、木のまま』が始まりました。

初日、2日目の土・日曜日はギャラリーで、おいで下さったお客様と直接お話しをさせていただきました。

展示会は、お客様から直接、作品へのご感想、ご要望などがうかがえるのに加え、私たちが思いもつかなかった使い方や、ご提案をいただくことも多く、とても貴重な場です。

ギャラリー内の様子-1
ギャラリー内の様子-1

ギャラリーは、道路に面したガラス張りの大きな部屋と、通路状のスペースがあり、道路側の部屋には、ベンチ、ビュロー、椅子、チェストなどの大きな家具を、通路状のスペースには、展示棚を活用して、厨子、小さめの飾り棚、花入れなどの小物を展示しています。

今回は、小さな椅子の脚を削る、という手作業をご覧いただいています。

ギャラリーは、宇野港のすぐ近くにあります。

31日まで、直島、犬島、豊島などの瀬戸内の島々を会場とする、『瀬戸内国際芸術祭2010』が開催されており、その帰りに立ち寄って下さるお客様もいらっしゃいました。

玉野市は、漫画家、いしいひさいち氏の出身地で、新聞に連載中の4コマ漫画「ののちゃん」は、玉野市をモデルとした、「たまのの市」という街が舞台になっています。

私は「タブチくん」以来のファンなのですが、今回、ギャラリーのすぐ近くで開かれている、「いしいひさいち展覧会」を観に行きました。

壁にはよりぬかれた4コマ漫画が展示されており、とても楽しい朝のひとときを過ごすことができました。また、街を歩くと、漫画に出てくる大きな煙突や建物を実際に見ることができ、興味津々です。

ギャラリー内の様子-2
ギャラリー内の様子-2

展示会は、31日(日)が最終日です。30日、31日の土・日曜日は、またギャラリーにてお待ちしておりますので、是非お出掛けください。(Ku)

搬入前日

明日は、岡山県玉野市にあるギャラリーサンコアさんでの個展の搬入です。

今日は朝から、額に絵を入れたり、小物の梱包をしたりといろいろな準備に追われました。

積み込み前
積み込み前

夕方、トラックを借りて(レンタカーです)、いよいよ積み込み開始。

1tトラックに、ベンチ、ビュローなどの大きな家具から積みこんでいきます。

力仕事なのでたいへんです。

積み込み完了
積み込み完了

後ろの段ボールには額やトレイなどの小物などがぎっしりと詰まっています。

毎回思うのですが、ちょっとした引っ越しのようです。

今回は、展示会場で正座椅子の製作実演を行うので、小さな作業台やバイスも積み込んでいます。

準備完了
準備完了

シートを念入りに掛け、準備完了。

明日は11時頃からギャラリーに搬入し、展示準備の予定です。

たくさんのお客様にお会いするのがとても楽しみです。お近くにお越しの際には是非お気軽にのぞいてみてください。(Ku)

そばの白い花

そば畑
そば畑と『わらの家』

今日も一日、秋晴れの穏やかな日和でした。

午前中は展示会用の小物製作の追い込みで、額と小引出の金具取り付けを行い、午後は工房から車で30分ほど南へ下ったところにあるそば畑を見に行ってきました。

昨日、『そばの花祭り』というイベントが行われていたのですが、時間がとれずに行くことが出来ませんでした。そばの花が見頃ということでしたので今日、行ってきました。

海際の道をはずれて山の方へと進み、いくつかの峠を越えると、ぽっかりと山あいの集落が現れます。そこには、時間の流れが止まってしまったような、本当にのどかな田園風景が拡がっています。

あちらこちらの畑では、かわいらしいそばの白い花が緩やかな風に吹かれてゆれていました。

収穫を終えたばかりの田んぼには、今ではあまり見かけなくなった『わらの家』が点在していました。まだ小さかった頃は、家の周りは田んぼばっかりで、秋のこの時期になると『わらの家』が出現し、よく友達とよじのぼって鬼ごっこをしたものです。

写真奥の建物は、廃校になった小学校です。

そばの花
そばの白い花

今週末から岡山・玉野市のギャラリー・サンコアさんで展示会をさせていただきます。詳細は工房ホームぺージに掲載しておりますので是非ご覧ください。

今回は、『正座椅子』の製作を実演させて頂く予定です。

お近くの方は是非、足をお運び下さい。

心よりお待ちしております。(Hi)

木の壁掛け時計

時計
壁掛け時計

皮革工芸をされるお客様から、以前製作された壁掛け時計の、金属の文字盤部分が壊れてしまったので、木で作ることはできないか、とのご相談を受けて製作させていただいたものです。

全体は腕時計型のデザインです。

ベルト部分は革でできていて、繊細な模様が丁寧に刻まれています。

文字盤とバックル部は栗材で、針はウォールナットでお作りしました。

革を縫うことは私たちには出来ないので、最終的な形に縫い合わせる工程はお客様にお任せすることにして、ベルトに合うようにお作りした文字盤とバックル部品をお納めしたところ、先日、出来上がった写真をお送りいただきました。

ご依頼の際にお話しをうかがったところ、思い出が詰まったとても大切な時計であることがひしひしと感じられました。

作品をお届けにあがり、出来上がったものを見ていただくまではとてもドキドキしましたが、とても気に入っていただけたご様子に、私たちもひと安心でとても嬉しかったです。

黄色い彼岸花
黄色い彼岸花

近くの公園で、黄色い彼岸花が咲いているのを見つけました。

赤やオレンジのものは見たことがあるのですが、黄色は初めてです。

調べてみると、彼岸花の親戚の「ショウキズイセン」という植物のようです。

間近で観ると、めしべが長く伸びていて、怪獣の顔のようにも見えるおもしろい形をしていました。(Ku)