暑さ寒さも彼岸まで

今週になってすっかり涼しくなり、朝晩は肌寒いくらいです。つい先日までのあの暑苦しかった日々がなんだか夢のようです。

まさに、”暑さ寒さも彼岸まで” です。

”秋の日はつるべ落とし” も文字どおり。日もすっかり短くなり、ちょっとグズグズしているとすぐに真っ暗になってしまいます。

昔の人の知恵や知識には敬服するばかりです。理屈ではなく、日々の生活の中で肌で感じ、実際に経験して得た知識を分かりやすい言葉でたくさん伝えてもらっていることに感謝し、もっと大事にしなければ、と思うのです。

ところで、工房には何匹かのヤモリが住み着いています。時々思わぬ所に潜んでいてびっくりさせられます。

昨日も、昼の間に組み立てた戸棚にかけていたクランプを外そうとするとその陰に…。

こんなところにヤモリが…
こんなところにヤモリが…

体長7cmほどのまだ小さいヤモリですが、あるときは床の上を木くずまみれになりながら走り抜け、またあるときは小物を入れた箱の隅に、としばしば姿を見せています。

”ヤモリ” は「家守」に通じ、家を守る縁起のよい生き物とされています。これも昔からの言い伝えですから、あながちでたらめでもないのでしょう。

つぶらな瞳と丸っこい優しそうな手、ちょっとずんぐり系の親近感のわく体。よく見るととてもかわいらしい、愛嬌のある姿です。私達は”やもっちゃん” と呼んで仲良く共生しています。

アート・クラフトフェスティバルinたんば2012
アート・クラフトフェスティバルinたんば2012

さて、来週末は『アート・クラフトフェスティバルinたんば2012』です。昨年に引き続いて2回目の参加になります。

広い芝生広場と、それを囲むたくさんの木々。自然いっぱいのとても素敵な会場です。会場でキャンプ泊できることもあり、昨年の参加で2人ともとても気に入ってしまいました。

太田秀世,太田久美子の2名でテントを2つ並べて展示します。是非お気軽に声をかけてください。この会場では、あらかじめ展示場所が決まっていませんので、会場に掲示される簡単な位置図などを手がかりにおいでください。お待ちしています。

よいお天気になりますように!!(Ku)

『夏が来た!!』展、始まりました。

8月11日土曜日、岡山県玉野市のギャラリー”サンコア”さんにて、今年も ”夏祭り企画展” が始まりました。今年は『夏が来た!!』がテーマです。

初日11日の夕方にはオープニングレセプションが開かれました。サンコアさんが用意してくださったり、各々が持ち寄ったりした料理に舌鼓を打ちながら、普段あまり交流することの無い分野の作家さん達と、とても楽しく刺激的な時間を過ごさせていただきました。

膨大な数の作品を展示してすばらしい空間をつくりあげてくださった実行委員の方々や、ギャラリーのオーナー、スタッフのみなさんにとても感謝しています。ありがとうございました。

「夏が来た!!」というお題は、日常的な道具としての家具を製作している私達にとってはかなり漠然としており、何をつくろうか2人とも相当悩みました(とても楽しくですが…)。

で、できあがったのがこちらです。

『夏器』(太田秀世)
『夏器』(太田秀世)

『夏器』(製作:太田秀世)。
”花器” をもじった題のとおり、お花を活けていただくための器です。叩いて凹ませた銅板を内側に沿わせてありますのでお水を張って頂けます。今回の展示では、中に小石やちりめん細工の金魚を入れて金魚鉢に見立てています。

材料は”楠”です。実は以前に薪用として頂いた伐木の中に、燃やしてしまうのはあまりにもったいないような立派な楠が何本か紛れ込んでいました。これらは薪にしてしまうのはやめて、コモノなどの材料にすることにしたのですが、その一部を使用しています。

先週のブログ”古いナタのお話し”に出てきたナタは、この鉢の外側を削り出すのに使ったのです。

外側や内側の荒削りにはチェーンソーも使っていましたが、部屋中に木くずが飛び回り、横で別の作業をしていた私も木くずまみれになりました。楠は樟脳を含んでいるので、工房に樟脳の香りが充満し、しばらくの間2人とも衣替え直後の服のようなにおいをプンプン漂わせておりました。

『桂のなべしき 夏バージョン』(太田久美子)
『桂のなべしき 夏バージョン』(太田久美子)

こちらは私の『なべしき (夏バージョン)』(製作:太田久美子)。
普段から桂材でなべしきを作っているのですが、今回は私が”夏”から連想することを図案にしてみました。”夏”といえば、太陽,入道雲,海,ひまわり,ゴーヤ,うなぎなどなど…。全12種類になりました。

全部並べるとこうなります。

全12種類のなべしき
全12種類のなべしき

展示スペースの関係で、一部を壁に掛けて展示していただいています。

岡山周辺をはじめNY在住のアーティストさんまで、計82人の作品が展示された空間は圧巻です。1人で2,3点出品されている方もいらっしゃるので、作品数は優に100点を超えていると思います。

昨年は”モビール”ということで、ある程度の形の制限があったのですが、今年はそれが無いためか、実にさまざまな”夏”がギャラリーいっぱいにはじけている、という印象です。絵,写真,焼き物,彫刻,映像など、そんなくくり方が無意味に思えるような”夏”の空間を是非ご堪能いただければと思います。

2012年サンコア夏祭り企画『夏が来た!!展』は、8月11日(土)~27日(月)です(14日と24日は定休日)。詳細はホームページよりご確認ください。

さて、話は変わりますが、倉敷市の児島という所に、私達が学生の頃からよく買いに行っていた、”甘月堂”という、いちご大福で有名な和菓子やさんがあります。

ほどよい量のあんをまとった大きくて甘酸っぱい苺が薄く柔らかいおもちに包まれたそのいちご大福は、”大福”というよりも、フルーティーな洋菓子に近い感覚で、2人とも大好きなのです。今でも、倉敷や玉野方面に出掛けて時間に余裕のあるときは必ず買いに行くのですが、今回も、もちろん行ってきました。

大好きな”甘月堂のいちご大福”
大好きな”甘月堂のいちご大福”

餡は基本の”赤あん(小豆の普通の餡)”や”白あん”のほか、”トマトあん”、”チョコあん”などがあり、中のフルーツも、いちごだけではなく、キウイ、バナナや季節限定のマスカットなど種類もいろいろです。

今回は、赤あん、トマトあんのほか、季節限定のマスカット入りを購入してきました。売り切れ御免、支店も通販もホームページも無いという小さなお店ですが、そんなところも気に入っている私達です。これからも機会を見付けてはあの”いちご大福”を買いに行くことでしょう。(Ku)

古いナタのおはなし

―夏の陽の、熱気からだにためて生く―

「夏の陽」は「夏のひ」と読みます。

先日作業場で何となくラジオに耳を傾けていたところ、先のような句が紹介されました。

夏の暑さを忌み嫌うばかりではなく、その熱気を体にため込んで力強く生きていこう、という意味の句だそうです。ああ、いい句だなぁと思い、慌ててノートの端っこに書き込みました。

我が家では夏のオリンピックで盛り上がっています。

月並みな表現ですが、若い人達のひたむきな姿勢と飾らない言葉に、勝ち負けやメダルの色に関係なく、毎日、感動と勇気、生きていることの素晴らしさを分けてもらっています。「いきものがかり」のテーマ曲を聴くたびに感動の場面が蘇ってきて、泣かされてしまいます。

ゴーヤのおすそわけ
ゴーヤのおすそわけ

我が家の周りでは、今年も緑のカーテン「ゴーヤ」を育てている方が大勢おられます。

先日の夕暮れ時、仕事を終えて帰宅したところ、お隣のおばさんが庭の水やりをしていました。(おばさんは新潟の出身なのですが、「水やりしてたのよ」という意味で「庭に水をくれてやってたのよぉ~」といいます)

このおばさんには、宅急便の荷物を預かってもらったり、お総菜を分けてもらったりと、いつもとてもよくしてもらっています。「お帰りぃ~」「ただいまぁ~」と挨拶をかわし、「今日も暑かったですねぇ」などと世間話をしていたところ、急に、

「ところであんた、ゴーヤ、食べるかね?」

「あんまり得意じゃないけど大丈夫です」

「じゃあひとつ、持っていきねぇ。穫れたばっかだけど、ほんとにひとつだぜぇ」

で、頂いたのが写真の右端の長い一本のゴーヤー。

それを聴いていた向かいの奥さんが、「うちのも食べてみてぇ~」。

で、いただいたのが左の短い五本のゴーヤー。

夏の野菜はキュウリ、茄子、オクラなど、ついつい庭で収穫されたものに偏りがちになってしまいます。我が家ではゴーヤーは育てていないので、大変有り難く、定番の「ゴーヤーチャンプル」にしておいしくいただきました。

懐かしのナタ
懐かしのナタ

随分前に家内の実家の納屋を整理していたところ、古い古いナタが出てきました。

家内がものごころ付いた頃にはもうかなり使い込まれた状態で家にあったというのですから、かなり古いものです。鞘には桜の樹の皮が巻いてあり、何とも雰囲気がいいのですが、鞘を抜いてみると“身”のほうは刃こぼれがひどく、使えるようにするにはかなり手間がかかりそうで、そのままにして置いていました。

このたびサンコアさんでの企画展“夏が来た!”に何を出展しようか悩んでいたところ、あのナタを使って何か普段やったことの無いようなものを作ってみよう、と思いつき、早速研ぎ直して使ってみることにしました。

思ったよりも使い勝手が悪く(単に慣れていないだけなのですが…)、苦労したのですが、何とか形にはなりました。作品の写真は後日ご紹介いたしますのでお楽しみに。

今週末から、サンコアさんでの企画展が始まります。オープニングセレモニーに参加して、他の作家の方々との交流を深め、いろいろな作品を見てこようと思っています。来週のブログでご報告するつもりですので、ご期待?ください。

それから、「愛車のレガシー」が昨日(日曜日)、無事200,000㎞を突破しました。まだまだ現役!!(Hi)

今年も参加します。「サンコア夏祭り企画」

九州ではたいへんな大雨が続いており、テレビに映る状況にためいきをつきながら、早く収まってくれることを祈るばかりです。

もう梅雨明けかと思った週明けからうって変わり、水曜日からは淡路でも大雨続きでした。特に木曜日は台風なみの強風も吹き、畑のキュウリが支柱ごと倒れて茎が何本か折れてしまいました。

あんな強い風雨を、庭の虫たちはどうやり過ごすのでしょうか?

しばらく前から、体長15cmほどのナナフシが庭の ”ホップ(その名はなんと、「スーパードライ」!)” に住み着いているのですが、無事に風雨を乗り切ったようで、金曜日にはじっと茎になりきっている姿を見付けました。キリギリスやバッタたちも何事もなかったかのように跳びまわっており、結局、自然そのままの力にかなうものはないのだなあ、と思うのです。

ホップに住み着いているナナフシ
ホップに住み着いているナナフシ(どこにいるか分かりますか?)

さて、昨年の”モビール展”で初めて参加させていただいた岡山県玉野市のギャラリー『サンコア』さんの「夏祭り企画展」に今年も出品させていただくことになりました。

今年のお題は「夏が来た!!」です。

この言葉からイメージして制作した作品を展示・販売して頂くのですが、昨年の”モビール”とは異なり、作品の範囲は無限大ともいえ、いわゆる”クラフト作家”の私達にとっては、妄想こそふくらむものの、なかなか実際の形に現すのが難しいお題でした(でも普段と違う思考はとても楽しいものです)。

どうにか構想をまとめ、現在2人とも鋭意制作中です。詳細は展示会まで秘密ですが、商売柄やはり実用的なものとなりました。

ただ、ふだんの製作では使わないような道具も登場しています。何ができるか、お楽しみに!

「夏が来た!!展」
「夏が来た!!展」

参加者は、岡山県内外はもとより、ニューヨーク在住のアーティストさんまで、総勢82名とのこと。どんな展示空間ができあがるのか、とても楽しみです。

2012年サンコア夏祭り企画『夏が来た!!展』は、8月11日(土)~27日(月)です(14日と24日は定休日)。ギャラリーの場所や時間等の詳細はホームページよりご確認ください。

私達はオープニングレセプションがある初日11日の午後のみの在廊になりますが、是非 ”” を満喫しにお気軽にお立ち寄りください。(Ku)

初めて地元で展示会を行います

このたび、初めて地元の淡路で展示会を行います。

会場は淡路市の文化施設 ”サンシャインホール”2階のギャラリー、会期はこの金曜日(25日)から翌週月曜日(28日)までの4日間です。
(詳細はホームページの『展示会案内』でご確認ください)

展示会のご案内-1
展示会のご案内-1
展示会のご案内-2
展示会のご案内-2

淡路に工房を構え、9年目に入りました。地元で認めて頂くにはまず、淡路島外である程度の実績を積まないと、という思いで、これまで岡山や神戸、三田などで個展の開催やグループ展への参加などを行ってきました。

”ていねいに,シンプルに”という信念もかたまり、そろそろ地元の方々に作品をお見せできるかな、ということで、このたびの展示会を行うことにいたしました。

広報活動が苦手なこともあり、地元で”太田秀世家具工房”のことをご存じの方はほとんどいらっしゃらないと思います。

工房と自宅が離れていることもあって、隣近所でも「家具を作っているというけれど、どんな物を作っているのだろう」とか、ひょっとしたら、「家の前に時々大きなトラックが駐まっていたり不規則に留守になったりするけれども、あの2人は何をして生活しているのだろう」と思われているかもしれません。

”地元にこんな家具を作っている者がいる”ということをたくさんの方に知って頂くとともに、ご近所のみなさんにも私達の仕事をご覧頂ければ、と考えています。

地元ということで、これまでの展示会とは違った緊張感があります。来て下さる方々の期待を裏切らないよう、精一杯の準備をしたいと思います。

会期中は2人で会場でお待ちしております。お気軽にお立ち寄りください。
(サンシャインホールへのアクセスはこちらをご覧ください。周辺の駐車場は2時間まで無料です。)

”ちょっとスツール”ご案内
画像をクリックしてください

5月は季節もよく、イベントも目白押しです。先日少しご紹介した『木工家ウイークNAGOYA・2012』の企画イベント「ちょっとスツール 和みタイムvol.2」も5月24日に始まります。先日、出品するスツールとカトラリーを発送しました。

こちらは6月10日まで、東急ハンズ名古屋店9階のイベントスペースで開催されます。私達は在廊いたしませんが、お近くにお出掛けの機会がございましたら、是非お立ち寄りください。

たくさん穫れています”スナップえんどう”
たくさん穫れています”スナップえんどう”

私が”早く実になれ~早く実になれ~”と唱えていたスナップえんどうはその後せっせと実を付けだし、今は毎日小さな鍋に半分ほどの収穫があります。上の写真は、前の日に穫らなかったのでお鍋にいっぱいになりました。

しっかり食べて、元気な姿で展示会でお会いしたいと思います。(Ku)

第12回ひめじクラフト・アートフェア

この週末は「ひめじクラフト・アートフェア」に出展してきました。

ちょっと冷え込んだもののお天気には恵まれ、とてもたくさんのお客様が来場してくださいました。

今年のテントの様子
今年のテントの様子

カトラリーやストラップなどのコモノはテントの前に出した机の上に、日射しを嫌う漆塗りの家具や額などはテントの中に展示しました。昨年よりも展示スペースが広くなり、ちょっとゆったり展示することができました。

野外での展示は雨や風への対策が必須です。今回は日除け,雨よけになる、テントのサイドに取り付けるシートを用意しました。太陽の動きにあわせて拡げたりたたんだりして日影を簡単に作ることができたのでとても重宝しました。

奥の展示台の様子
奥の展示台の様子

昨年から使用している壁面のある展示台には、小さな厨子,小棚,トレイ,箸箱,額,花入などを展示しました。

展示した椅子
展示した椅子

大きなものとしては、椅子,玄関用の長椅子,スツールを展示しました。もっと大きな家具も展示できるとよいのですが、屋外という環境と、限られたスペースの関係でなかなか難しいです。

コモノの展示
コモノの展示

コモノは定番の木のボタン,マグネット,ストラップ,カトラリーなどなど。

昨年の出展を覚えていて下さったお客様も多く、とてもうれしい再会も。

昨年お風呂のおもちゃを赤ちゃん用に購入してくださった方が「あの子がこんなに大きくなったの」と今年はその子供さんと手をつないで来られたり、昨年娘さんが購入されたストラップを気に入って下さったお母様が今年はご自分用にと来て下さったりなどなど。

そのほかにも本当にたくさんの楽しい出会いがありました。とにかく2日間、食事時間を除いてほとんど楽しいおしゃべりのし通しだったような気がします。

そして、お天気に恵まれた代償(?)として、2人とも見事に顔の左側だけが真っ赤という“妙ちきりん”な日焼けをしてしまいました(座っていた場所の関係で)。私は左の耳ばかりヒリヒリしています。ちょっと後がコワイです…。

ご来場頂いたみなさま、楽しい時間をありがとうございました。また、そのような場を用意してくださった実行委員の方々には本当に感謝しております。ありがとうございました。

来年もまたお会いできますように。(Ku)