閑谷学校

今週は、先月の倉敷での個展の帰りに立ち寄った『閑谷学校』の写真を何枚かご紹介します。

『閑谷学校』校門
『閑谷学校』校門

『閑谷学校』は岡山県備前市にある史跡で、岡山藩主池田光政によって建てられた庶民のための学校です。当時のままの立派な木造建築がいくつも残っており、私たちにとってとても興味深い場所です。

楷の木
楷の木

『聖廟』の前の大きな2本の”楷の木”は、中国の孔子廟の楷の木に由来しており、秋には見事な紅葉が見られるそうです。閑谷学校に立寄るのはいつも秋の個展が終わってからなので、楷の木の紅葉の見頃は過ぎてしまっています。その分、観光客が少なくて落ち着いてはいます。

今回、楷の木の下に実が落ちていたのでいくつか拾わせて頂きました。芽が出るとよいのですが…。

講堂
講堂

国宝にも指定されている大きな『講堂』は、磨き抜かれた床に大きな窓(”花頭窓”というそうです)から入る外の光が見事に反射しています。立派な柱や精巧に細工された窓枠、目立っているわけではないのに存在感のある釘隠などの金具類…。作った人達やここで学問にいそしんだ人々の真摯な気持ちが伝わってくるような空間です。

この講堂は普段は入室禁止ですが、月に1回論語の講座が開かれているとのこと。機会があったらいつか参加してみたいです。

石塀と紅葉
石塀と紅葉

閑谷学校は、柔らかな丸みを帯びた外形をもつ石の塀で囲まれています(全長765mもあるそうです)。ピッタリと組まれた石が形作る独特の曲線は決して威圧的ではなく、神聖な”学問の場”として敷地を外界と区切っているような印象を受けます。

写真は、現在は資料館などとなっている寄宿舎跡に続く小道です。モミジの紅葉は見頃は少々過ぎていましたが、まだまだ十分にきれいでした。

自然の中に溶け込むような空間なので、季節によって印象も大きく変わると思います。また違う季節にも何度でも訪れてみたい場所です。

食器棚(展示会)
食器棚(展示会)

先日、ご注文頂いていた”食器棚”を納品させていただきました。1ヶ月ほど前に完成していたのですが、無理をお願いして先月の個展で展示させていただいたものです。

納品した食器棚
納品した食器棚

普段使い用の食器を収納する小さめの食器棚です。上に現在ご使用の調味料入れを置きたいとのご要望で、身長に合わせて上の物を取りやすい高さにしました。長く使っていただけますよう。(Ku)

皆既月食

昨夜は皆既月食でした。今回のように初めから終わりまで全てを観ることができるのは珍しく、”密かに”楽しみにしていました。

”密かに”というのは、私が月食や日食などをしっかり観ようと周到に準備をすると、必ずと言って良いほど天気が悪くなるのです。今回は”月食”という言葉すら口に出さないよう我慢してきました。そのかいあってか、天気予報でも概ね晴天の予報のままその日に近づいていました。

でも、できれば簡単に写真を撮りたいと思っていたので、金曜日の夜にコンパクトデジカメでの撮影方法を調べてしまいました。

そして当日の朝、まず天気予報をチェック。午前中は若干雲が出るものの以後は晴れの予報でひと安心。ところが、家の掃除などをしているうちに雲が拡がってきて空が真っ暗になっていくではありませんか…。でもまあ天気予報のこともあるし、と安心しているとザァーッと雨の音が…。なんということでしょう!!

その後、雨は止み、ときおり晴れ間はのぞくものの曇りがちな空。このまま終わってしまうのか…。「こんな天気になってしまったのは私のせい?ごめんなさい!」などと思いながら食の始まるまでの時間を過ごしました。

部分食が始まった頃、恐る恐る外を覗いてみると、一部に雲がかかっているものの、月は明るく顔を見せてくれていて大喜び!!バタバタと服を着重ね、カメラなどの準備をして外へ。

部分食
部分食

私の使っているコンパクトデジカメの限られた機能ではなかなか思うような写真は撮れませんでしたが、観れたことに満足です。

そして皆既食へ…。

今回は皆既食が50分以上続いたので、フィルムカメラも出して写真を撮ったり、ボーっと眺めたりして堪能しました。

ちょうどおうし座のツノの間にポッカリと浮いた赤銅色の月。なんとも幻想的で、眺めているうちに日々の雑多なことも頭の中から抜け出ていくようでした。

次の、大きな天文現象は来年5月の金環日食です。天気に恵まれるよう、忘れたことにしておきます。

戸棚
戸棚

さて、先日、今年度の新作工芸公募展『日本民藝館展』の発表がありました。今回は拭き漆仕上げの戸棚と長椅子を出品し、戸棚を入選,長椅子を準入選としていただきました。

現在、東京の日本民藝館で開催されている「平成23年度 日本民藝館展」にて展示していただいております。機会がございましたら、是非ごらんください。(Ku)

収納棚の納品

本日、かねてより製作過程をご紹介していた”収納棚”を納品させていただきました。

お茶室に隣接する縁側に置き、水瓶や掛け軸などのお茶のお道具を収納する棚として製作させていただいたものです。設置後早速、お道具の一部を収納していただきました。

”収納棚”正面
”収納棚”正面

茶筅や茶杓などの小さなお道具類を収納される引き出しの上には、茶釜や水瓶を飾ってくださいました。

棚と後ろの壁の間には、衝立や、夏の間取り外した襖を収納したいとのご希望があり、襖が十分に隠れるよう高さは180cmあります。幅は縁側の幅とカーテンの関係から120cmとしました。

一番下のスペースは、お客様のお宅に昔からあった小さめの座卓を収納するためのものです。

収納棚に収めた座卓
収納棚に収めた座卓

座卓も上手く収まりほっとしました。使い込まれたお道具を収納していただくことで、棚も一気にお部屋に溶け込んだような感じがしました。

”収納棚”斜めから
”収納棚”斜めから

お客様がたいへん喜んでくださり、また、心配していたお天気にも恵まれ、とても幸せな納品でした。(Ku)

夏真っ盛り

梅雨が明けたとたん、夏真っ盛りといった暑い日が続いています。月曜日(11日)の工房からの帰り道、大阪湾上空にかなり大きな入道雲が見えました。

あまりの立派さに「花さじき」の近くに車を駐めて写真撮影。

まるで「天空の城ラピュタ」に出てくる”竜の巣”のようです。

かなとこ雲(2011.7.11)
かなとこ雲(2011.7.11)

調べてみると、”かなとこ雲”というそうで、積乱雲が成長しきると上部が平らになるとのこと。平らな面がちょうど対流圏と成層圏の境目になるらしく、高度はおよそ11kmだとか。壮大なスケールですね。

積乱雲の前を飛ぶ飛行機
積乱雲の前を飛ぶ飛行機

よく見ると、雲を避けるように飛行機が飛んでいました。神戸空港行きでしょうか?

収納棚の部材
収納棚の部材

さて、現在製作中の収納棚は、外枠についての主な部材の加工が終わりました。

写真手前の長い部材は棚の四隅の柱となるものです。棚ダボ孔の加工も済みました。真ん中あたりに立ててある板は、左右の側板になる部材です。ペーパーがけ前の「水引き」を済ませて乾燥中。これから引き出し,棚板などの製作にとりかかります。

熟睡中のカメ
熟睡中のカメ

こんなに暑い中でも、”ほじほじ君”はしっかり熟睡です。朝、ケージの置いてある部屋のカーテンを開けに行くと、完全に脱力して首の伸びた姿で熟睡しています。まるで行き倒れたかのようなこの姿。カメも夢を見るのでしょうか…(Ku)

原寸図作成中

姫路のお客様から収納棚製作のご相談をいただきました。先々週、実際に設置される場所を見せて頂き、寸法や使い方、収納される物の大きさなど具体的なご希望をうかがってきました。その後、作製した1/10縮尺の図面をもとにFAXと電話でやりとりをさせて頂き、先日デザイン等が決定しました。

現在原寸図を作成中です。

原寸図製作中
原寸図製作中

今回は直線的なデザインで形としてはシンプルなのですが、引き出しもあり、木組みの部分については正確な製作のために1/1の原寸大の図面が欠かせません。

図面にはなんとかめどがつき、製作に取りかかれそうです。まずは材木選びからですが、今回は天気のよい日を見計らって久しぶりに材木の仕入れに行く予定です。

桔梗のつぼみ(6月21日)
桔梗のつぼみ(6月21日)

 

工房の庭ではいま、桔梗の花盛りです。先週くらいからつぼみがふくらみ初め、今週に入って少しずつ花が開き始めました。あざやかな紫がきれいです。

咲き始めた桔梗(6月28日)
咲き始めた桔梗(6月28日)

まるで”ポンッ”と音を立てて開きそうな桔梗のつぼみ。

開ききる直前の桔梗の花(7月1日)
開ききる直前の桔梗の花(7月1日)

あとちょっとで開ききる花は、ついつい開くのを手伝ってあげたくなります。

庭で見付けた玉虫
庭で見付けた玉虫

昨年掘り残した根から芽が出て茂り始めたハヤトウリの葉の上に玉虫を見付けました。毎年庭で1,2匹見かけるのですが、何度見てもきれいです。昔は「玉虫厨子」と聞いてもピンとこなかったのですが、実際にきれいな玉虫を見ると、装飾に使われるのがよく分かります。(Ku)

小棚の完成

思いもしなかった早い梅雨入りに加え、台風の通過など、ぐずついた天気が続いた1週間でした。昨日は久しぶりに晴れ、遅れていた衣類の入れ替えなどをやっと済ませることができました。

台風2号は、淡路島では雨で川の水位が上昇した所があったほかは特に被害も無かったようですが、台風の通過に引き続いた強風が予想以上に激しく、普段は朝まで熟睡する私でさえ風の音で夜中に何回か目が覚めたくらいです。

台風接近を前に、飛びそうな物を片付けたりといったひと通りの準備はしてあったのですが、予想以上の強風に、思いも寄らぬ被害を恐れつつ工房へ向かいました。一見したところ特に被害は無いようでほっとしたのも束の間、コンポストにゴミを入れに行ってビックリ!!工房の裏に植えてある2本のサクランボの木が思いっきり傾いていたのです。

台風2号で傾いたサクランボの木
台風2号で傾いたサクランボの木

他に物が飛ぶでもなく、特に強風による変化は見あたらなかったのに、なぜかサクランボの木だけが根元から傾いていました。近日中に杭で支えをする予定です。

さて、昨年秋の展示会や先日のひめじクラフトアートフェアで『小棚』という収納棚を展示させていただきました。幅約80cm,高さ17cm,奥行き19cmの枠形の棚と、箱状の引出しを自由に組み合わせて使って頂けるものです(詳細はホームページの『作品紹介』 http://ohtahkobo.a.la9.jp/WorkCab.html をご参照ください)。

3本の棚と6個の引出しの組み合わせで展示をし、コンパクトなサイズとアレンジ性からご好評を頂きました。その際何人かのお客様から、「全部に引出しがあってもいいね。」というご意見をうかがい、なるほど、ということでこのたび3本の棚全てに引出しを入れたものを製作しました。

『小棚』の完成
全体に引出しを入れた『小棚』の完成

いかがでしょうか?これだけ引出しがあるといろいろな使用目的にかなうと思います。もちろん、棚や引出しは1本,1個単位で製作・販売いたしますので、いろいろな組み合わせも可能です。手づくりの真鍮の引き手を付けた引出しは、抜き出して収納箱として単独でもお使い頂けるように裏側も表と同様の材を使用して仕上げてあります。今後、展示会などでご覧いただく予定です。

シメジに似た謎のキノコ
シメジに似た謎のキノコ

またまた謎のキノコです。こんどはシメジ似。ポコポコと顔を出しました。食べていません。(Ku)