四方棚の完成、そして気球!!

昨日、岡山の知り合いの方に誘っていただき、なんと、気球に乗ってきました。

この日は、平成21度の開催が最後になった「邑久町バルーンフェスティバル」を記念する集会で、岡山や関西周辺の色とりどりの気球が11機集まりました。

私たちは、知り合いの方が所属するチームの気球に「おもり」としてゲスト乗船させて頂いたのです。

先週までとはうって変わった非常に穏やかな晴天に恵まれ、「初めて乗るにはもってこいの気球日より」とのこと。きっと、他に来られていた方々の日頃の行いのたまものでしょう。

吉井川と気球
吉井川と気球

朝7時に瀬戸内市内の吉井川河川敷に集合、8時くらいに組立てなどの準備が始まり、9時頃から続々と空中へ。

気球は、大きく分けて、気球の膨らむ部分(「球皮」”きゅうひ”というそうです),籐編みのかご(人が乗るところ),バーナー,燃料ボンベ(プロパンガスだそうです)の4つに分かれます。収納された状態は非常にコンパクトで、かごのサイズによっては、軽トラックの荷台に全て乗ってしまうほど。

”かご”は畳めないので、収納状態では一番大きいのですが、これがドンッと乗った軽トラックを見ると、「これは何?」「むちゃくちゃ大きな背負いカゴ?」いえいえ、今回乗せて頂いたカゴは1.2×1.4mほどの大きさなので、”背負いカゴ”であるはずはないのですが、でもそんな感じです。

気球のカゴ
気球のカゴ

組立てとバーナーの試運転が終わると、いよいよ”球皮”を膨らませます。「強力扇風機」で、河川敷に拡げた球皮に風を送り、おおかた膨らませてからバーナーで熱い空気を送り込みます。

途端に球皮が立ち上がり始め見慣れた「気球」の形に。みんなで押さえ込まなければ浮いてしまいそうになる熱風の浮力にびっくりでした。

邑久町上空のたくさんの気球
邑久町上空に色とりどりの気球

そして、空中へ。

何の衝撃もなく、いつの間にか「浮いている!!」という不思議な感覚。見る間に河川敷の人や車が豆粒のように…。

操作にはパイロットの資格が必要ですから、私たちは邪魔にならないように目と口を持った”おもり”としてゆっくりと空中散歩を楽しませていただきました。

パイロットの方の説明を聞きながら、川面に映った自分たちの気球の姿,地元の方が気球のために描いてくださったというウサギとクマの”地上絵”,邑久平野に拡がる田んぼや家々,邑久丘陵の地形やその向こうの瀬戸内海などなど、静かでゆっくりとした気球ならではの景色を堪能しました。

太陽に向かって
太陽に向かって

約30分のフライトの後、田んぼの一角に着陸。気球は地元の方々のご理解とご協力があってこその競技で、見物に来られる近くの方々の、あたたかく、興味深そうに見守って下さる様子と、気球を楽しむみなさんの、「出来る限り迷惑にならないようにしよう」とする姿勢が印象的でした。

次に乗る方と交代して、今度は「地上班」へ。気球は基本的に元の場所へ戻ることは困難とのことで、最終的には車で撤収することになります。飛んでいる気球を目で追いながらドライバー役の方が田んぼを縫うように走る細い道に車を走らせます。

後片付け
後片付け

全てのフライトが終了すると、着陸地点で撤収作業です。球皮の空気を抜き、畳んでいきます。少しでも風があると球皮が煽られたり、雨の後では足下がぬかるんで片付けも大変とのことですが、この日は幸いなことに風もなく、足下もよく、私たちはたいへんな幸運に恵まれたようです。

こんなにコンパクトに
球皮、こんなにコンパクトに…

畳んだ状態で長さ30mほどもあった球皮も、専用の袋に収納すると軽自動車の後部に積んでしまえる大きさに。

当日の夜、たまたまテレビを付けるとNHKの「ワンダー×ワンダー」で『アルプス熱気球おやじ』という番組をやっていました。その日に実際に体験してきたことを再び映像として見ることで、よりいっそう感動が深まりました。

地図の上では決して長距離を飛んだわけではないのですが、私たちにとっては大冒険でした。今も私の頭の中では、「気球に乗って、ど~こ~まで行こ~」と中学の時に習った気球の歌が繰り返し流れています。「そ~こ~に何かが~待っているから~」。

当日お世話になりましたみなさま、本当にありがとうございました。

四方棚(大・中・小)
四方棚(大・中・小)

さて、製作過程をご報告していた『四方棚』も完成し、無事に納品させていただきました。今回納品させて頂いたのは、写真手前の背の高いタイプです。

お客様のご要望により、昨年の「スペースみき」で展示したものと異なり、柱と棚板の色具合を合わせて製作しました。

1月にオープンしたばかりの、まだ真新しいギャラリーに納品させて頂いたのですが、白を基調とした落ち着いた雰囲気の空間にうまく溶け込むように設置することができました。(Ku)

春の足音と漆塗り

スノードロップの花
スノードロップの花

工房の庭で、スノードロップの花が咲きました。3年前に植えてほとんどほったらかしにしてあるだけなのですが、毎年真っ白いきれいな花を咲かせてくれます。

「春を知らせる花」だとか。なにか心惹かれる、清楚な力強さを感じさせる花です。

春の足音ですね。

休眠中のひば
休眠中のひば

昨年の10月3日のブログに書いた「秋の三田手仕事展」で購入した「ヒバ」のその後です。枯れているように見えますが、現在冬の休眠中(のはず…)。

購入したときに教えてもらったとおり、霜が降りるようになってからは水やりをせず、枯れたのでは!?と思う心を抑えてじっと見守っているところです。春になって雨にあたると葉を拡げるとのこと。春が待ち遠しいです。

漆室
漆室

製作中の四方棚は、現在漆塗り作業の最中です。

木目がきれいに引き立つ「拭き漆」という手法をとるのですが、しっかりした塗膜を作るとともにツヤをあげるため「生うるしを塗って、拭き取って、乾かす」という作業を最低でも5,6回繰り返します。

漆は、絵の具やペンキなどのように溶剤が蒸発して乾燥するのではなく、漆に含まれる酵素が水分と化学反応を起こし、時間をかけて硬化することによって「乾く」ので、適度な温度と湿度を与える必要があります。

そのため、漆室(むろ)を用意して温度・湿度の管理をしながら作業を進めます。

手間と時間はかかりますが、それだけの甲斐のある美しい仕上がりになります。

漆は、化学系塗料にも負けない強い塗膜を形成する一方で、木の呼吸を妨げないという特徴を持ち、高温多湿な日本の環境にとても適した塗料です。もちろん、自然素材ですので、安心してご使用いただけます。

時間の経過とともに色つやが深まっていくので、使い込んでいく愉しみを感じて頂けるのも拭漆仕上げの特徴です。

また、よく、「かぶれ」を心配される方がいらっしゃいますが、いったん乾いてしまえば、かぶれることはありませんのでご安心ください。(塗っているときは、かぶれます。)

少しずつではありますが、日も長くなり、確実に春の足音が近づいているようです。四方棚の完成も間近。出来上がりましたらまたご報告させていただきます。(Ku)

【追伸】昨日(2月5日)、「タグ」および「カテゴリー」を整理しました。

十日戎と四方棚

十日戎 遠景
仮屋のえべっさん 遠景

今日は十日戎の宵戎です。

私たちの地域の十日戎は、事代主神社(通称『仮屋のえべっさん』)で行われます。

『えべっさん』は私が通っていた小学校のすぐ近所にあって、図工の授業で校外での写生大会などがあると、みんなでさぼって鬼ごっこなどをした思い出の場所です。参道は真っ直ぐに仮屋港に向かって伸びていて、毎年秋には豊漁とまちの繁栄を願い、練り歩く御輿に水をかける勇壮な「水かけ祭り」が執り行われます。

今年一年、健康で、よい出逢いと商売繁盛に恵まれますようにと、家内と二人でお参りしてきました。

仮屋のえべっさん
仮屋のえべっさん

年が明けてから、倉敷の展示会でご注文頂いた「四方棚」の製作にとりかかっています。

四方棚 製作中
四方棚 製作中

李朝家具のシンプルさが好きで長野の谷進一郎さんの元に弟子入りさせて頂き、その修行中に作らせて頂いたものをもとに、自分なりに寸法や細部を変えて製作しました。倉敷の展示会でお客様に見ていただいたところ、『色合いを変えたものが欲しい』というご注文をいただき、今回の製作となりました。

四方棚
倉敷で展示した四方棚

修行中に教わったことをもとに、お客様お一人お一人のご要望をお聞きしながら新たなものを作っていくという作業は、毎度の事ながら、楽しさと不安が入り交じったような不思議な気持ちで緊張します。(Hi)