ビワの収穫

2年前から、夫の高校時代の恩師のビワ畑に3本ほどのビワの木をお借りしており、今年も4月に摘果と袋掛けの作業をしました。先日、「そろそろ採り頃」とのご連絡をいただき、本日収穫をしてきました。天候の加減で昨年よりも1週間遅い収穫です。

収穫したビワ
収穫したビワ

ビワ畑は自宅から車で1時間半ほどの、淡路島最南端の”灘”という所にあります。お天気が心配だったのですが、朝起きたときは鳥の声が聞こえ雨も降っていなかったので強行出発。洲本あたりで雨がぱらつき始め、ビワ畑へ着く頃には本降りに。用意していった雨合羽を着て収穫を始めました。

ビワ畑はかなりの傾斜地です。加えて粘土質の地盤が雨でとても滑りやすくなっており、一緒に収穫した4人全員が1回は盛大に滑り転びました。収穫が終わる頃には雨もほとんど降り止み、泥と汗にまみれながらもなんとか無事においしいビワをたくさん収穫することができました。ただ、今年は日照不足など天候の具合か、小粒のものが多かったように思います。

灘はビワの産地で、周りにもたくさんのビワ畑が拡がっています。この時期、ビワ農家さんたちは家族総出の収穫作業になるそうです。海に向かって傾斜しているビワ畑は景色もよく、沼島を正面に見ることができるのですが、今日はあいにく霧にかすんでいました。

ビワ畑から見た沼島
ビワ畑から見た沼島

工房では、私は今、モビールの試作をしています。昨年個展をさせて頂いたサンコアさん(岡山県玉野市)から、”夏の企画展”にお声を掛けていただきました。いろいろなジャンルの作家さんが製作したモビールを展示・販売するというイベントで、夫と私各々で参加させていただくことになりました。

”モビール”、見たことはありますが作るのは初めてです。木工屋ですから、素材としては「木」を使います。とにかく『作って楽しく、見て楽しいこと』を念頭に、小さくて少ない私のアイデアの引き出しの隅をつついたりひっくり返したりしておおまかなイメージをつかむことから始めました。1つ思いつくとそこからいろいろと考えが膨らんで楽しい空想に…。木でできること、できないこと,重さ,見え方など、試作をしながら今いろいろ確認している段階です。まだまだ全容を明らかにすることはできませんが、ごく一部をシルエットで。

モビールの試作中
モビールの試作中

完成した姿は、8月のイベントの様子とともにご報告させていただきます。乞うご期待!?

工房の庭で古い火鉢で飼っているメダカの産卵が始まりました。ほおっておくと親メダカがエサ代わりに食べてしまうので、一部の卵を保護し、孵化を待っているところです。来週は孵化がご報告できると思います。(Ku)

ガラス絵の額

けんちくお客様から「古いガラス絵の額が傷んでしまったので新しく作り直せませんか」とのご相談をいただき、額を製作することになりました。

ガラス絵の額
ガラス絵の額

絵の由来についてはお客様もよくご存じないとのことで、古い額から中の絵を取り外してみると、ガラスの裏側から黒抜きでオウムと花の輪郭が描かれており、その部分に色とりどりの蝶の羽を貼り付けてあることが分かりました。

外国の新聞紙が裏貼りされていたのですが、日付はなんと1933年。80年ほど昔に製作されたもののようです。新聞の文字は、英語やドイツ語、フランス語などの私たちの知っている言葉ではなく、どこの国のものかは分かりません。ただ、ブラジルのガラス絵で以前にも同じような蝶の羽を使ったものを見たことがありますので、南米のものではないかと思います。

長い歳月の間にどんな旅をして私たちの手元にたどり着いたのか…。そんなことを考えながら、シンプルで落ち着いた雰囲気の額を製作し、納品させていただきました。

修理中の姫路城
巨大な素屋根

金曜日に姫路に行く用事があったので修理中の姫路城に立ち寄り、見学してきました。大天守を覆う巨大な素屋根(作業建屋)は遠くから見ても迫力があります。今回の修理は約半世紀ぶりの大規模なもので、傷みの激しい屋根の葺き替えと漆喰の塗り替えが主な目的だそうです。

姫路城の大屋根
姫路城の大屋根

見学施設をエレベーターで8階まで上がると、天守閣最上層の大屋根の修理状況をガラス越しに見学することができます。普段では絶対に見ることが出来ないアングルからお城を見ることになり、なんだか不思議な気持ちになりました。

お城と反対側の大きな窓からは、周囲の景色や城内の様子が一望できます。城内の入り組んだ通路や門の配置について、ボランティアガイドさんの熱心な説明に耳を傾けながら、今しか見ることができない風景を堪能しました。

修理の予定は約5年間とのこと。また時期を変えて見学したいと思っています。(Ku)

イカナゴのくぎ煮

”淡路島の春”といえば、「イカナゴのクギ煮」です。

親になると7cmくらいになるいかなごの新子を、釘のようにツンツンした佃煮にするので”クギ煮”といいます。

我が家でも昨年に続き今年も挑戦しました。

パックに入ったイカナゴ
パックに入ったイカナゴ

漁が解禁になると、パック詰めにされた生のイカナゴが店頭に並び、それを購入して各家庭でクギ煮にします。甘い良い香りがそこかしこから漂ってくると、「春が来た!!」と実感します。

上手に作るポイントは、①新鮮であること、②魚の大きさが揃っていること です。

解禁直後は、まだ小さいのやらちょっと大きいのやらが混じっており、どんなに慣れた方が作っても団子状になってしまうそうです。今年はお隣のおばさんの、「そろそろ買い時だよ」の声で近所のスーパーに買いにいきました。

鍋に投入直後
鍋に投入直後

柚子を入れたり、甘露飴を使ったりと、各家庭でいろいろな工夫があるそうですが、まだまだ初心者の私たちは、スーパーでもらったレシピに沿って、千切りショウガ入りのクギ煮を作ります。

ザラメ,醤油,酒,みりん,しょうがを煮立たせた煮汁にイカナゴを投入!

煮詰め中
煮詰め中

煮汁がほとんど無くなるまで、じっくりと煮詰めます。

かき混ぜたくなる気持ちはグッとおさえて静かに静かに焦がさないように煮詰めます。

『イカナゴのくぎ煮』出来上がり
『イカナゴのくぎ煮』出来上がり

十分煮詰まったら、大きなお皿やパットに取り出し、2人でうちわであおいで冷まして出来上がりです。

温かい白いご飯の上にクギ煮をたくさんのせて食べるのがこの季節の一番のたのしみです。お弁当にも欠かせません。

少々失敗しても、新鮮な魚を甘辛く炊いているのでおいしいことにかわりありません。今年もまずまずの出来、ということにしておきましょう。

古代ギリシャ展
古代ギリシャ展

今週は、神戸で開かれている「大英博物館 古代ギリシャ展」を観に出掛けてきました。完成された美しさや息をのむほどの写実性にただただ感動。ギリシャ神話の世界をもう少し知っていればもっと楽しめたのに、と思いました。(Ku)

四方棚の完成、そして気球!!

昨日、岡山の知り合いの方に誘っていただき、なんと、気球に乗ってきました。

この日は、平成21度の開催が最後になった「邑久町バルーンフェスティバル」を記念する集会で、岡山や関西周辺の色とりどりの気球が11機集まりました。

私たちは、知り合いの方が所属するチームの気球に「おもり」としてゲスト乗船させて頂いたのです。

先週までとはうって変わった非常に穏やかな晴天に恵まれ、「初めて乗るにはもってこいの気球日より」とのこと。きっと、他に来られていた方々の日頃の行いのたまものでしょう。

吉井川と気球
吉井川と気球

朝7時に瀬戸内市内の吉井川河川敷に集合、8時くらいに組立てなどの準備が始まり、9時頃から続々と空中へ。

気球は、大きく分けて、気球の膨らむ部分(「球皮」”きゅうひ”というそうです),籐編みのかご(人が乗るところ),バーナー,燃料ボンベ(プロパンガスだそうです)の4つに分かれます。収納された状態は非常にコンパクトで、かごのサイズによっては、軽トラックの荷台に全て乗ってしまうほど。

”かご”は畳めないので、収納状態では一番大きいのですが、これがドンッと乗った軽トラックを見ると、「これは何?」「むちゃくちゃ大きな背負いカゴ?」いえいえ、今回乗せて頂いたカゴは1.2×1.4mほどの大きさなので、”背負いカゴ”であるはずはないのですが、でもそんな感じです。

気球のカゴ
気球のカゴ

組立てとバーナーの試運転が終わると、いよいよ”球皮”を膨らませます。「強力扇風機」で、河川敷に拡げた球皮に風を送り、おおかた膨らませてからバーナーで熱い空気を送り込みます。

途端に球皮が立ち上がり始め見慣れた「気球」の形に。みんなで押さえ込まなければ浮いてしまいそうになる熱風の浮力にびっくりでした。

邑久町上空のたくさんの気球
邑久町上空に色とりどりの気球

そして、空中へ。

何の衝撃もなく、いつの間にか「浮いている!!」という不思議な感覚。見る間に河川敷の人や車が豆粒のように…。

操作にはパイロットの資格が必要ですから、私たちは邪魔にならないように目と口を持った”おもり”としてゆっくりと空中散歩を楽しませていただきました。

パイロットの方の説明を聞きながら、川面に映った自分たちの気球の姿,地元の方が気球のために描いてくださったというウサギとクマの”地上絵”,邑久平野に拡がる田んぼや家々,邑久丘陵の地形やその向こうの瀬戸内海などなど、静かでゆっくりとした気球ならではの景色を堪能しました。

太陽に向かって
太陽に向かって

約30分のフライトの後、田んぼの一角に着陸。気球は地元の方々のご理解とご協力があってこその競技で、見物に来られる近くの方々の、あたたかく、興味深そうに見守って下さる様子と、気球を楽しむみなさんの、「出来る限り迷惑にならないようにしよう」とする姿勢が印象的でした。

次に乗る方と交代して、今度は「地上班」へ。気球は基本的に元の場所へ戻ることは困難とのことで、最終的には車で撤収することになります。飛んでいる気球を目で追いながらドライバー役の方が田んぼを縫うように走る細い道に車を走らせます。

後片付け
後片付け

全てのフライトが終了すると、着陸地点で撤収作業です。球皮の空気を抜き、畳んでいきます。少しでも風があると球皮が煽られたり、雨の後では足下がぬかるんで片付けも大変とのことですが、この日は幸いなことに風もなく、足下もよく、私たちはたいへんな幸運に恵まれたようです。

こんなにコンパクトに
球皮、こんなにコンパクトに…

畳んだ状態で長さ30mほどもあった球皮も、専用の袋に収納すると軽自動車の後部に積んでしまえる大きさに。

当日の夜、たまたまテレビを付けるとNHKの「ワンダー×ワンダー」で『アルプス熱気球おやじ』という番組をやっていました。その日に実際に体験してきたことを再び映像として見ることで、よりいっそう感動が深まりました。

地図の上では決して長距離を飛んだわけではないのですが、私たちにとっては大冒険でした。今も私の頭の中では、「気球に乗って、ど~こ~まで行こ~」と中学の時に習った気球の歌が繰り返し流れています。「そ~こ~に何かが~待っているから~」。

当日お世話になりましたみなさま、本当にありがとうございました。

四方棚(大・中・小)
四方棚(大・中・小)

さて、製作過程をご報告していた『四方棚』も完成し、無事に納品させていただきました。今回納品させて頂いたのは、写真手前の背の高いタイプです。

お客様のご要望により、昨年の「スペースみき」で展示したものと異なり、柱と棚板の色具合を合わせて製作しました。

1月にオープンしたばかりの、まだ真新しいギャラリーに納品させて頂いたのですが、白を基調とした落ち着いた雰囲気の空間にうまく溶け込むように設置することができました。(Ku)

銀世界の淡路

淡路島にも雪が積もりました。

金曜日(2月11日)、朝起きて外を見ると、車の上にうっすらと雪が積もっていました。自宅の裏の方にある山々は真っ白。ここまで真っ白になったのを見るのは、淡路に住むようになって初めてです。

雪景色を見ながら、さあ、仕事に出掛けようとしたそのとき、「工房へ行く道路には雪が積もっていて車が走れない」という一報が…。

工房と自宅との標高差は約300m、気温も2度は違います。予報では1日中雪とのことでしたので、無理をせず臨時休業としました。

自宅から見た雪景色
自宅から見た雪景色(2月11日)

翌土曜日は道路の雪もほとんど溶けており、無事に仕事場へ。

工房へ行く途中、「あわじ花さじき」に寄ってみました。駐車場などの一部では雪は溶けていましたが、公園内は一面の銀世界です。

まだ早い時間だったので、降り積もったままのきれいな雪景色を見ることができました。

銀世界の花さじき-2
銀世界の花さじき-1

こんな本格的な雪景色は小諸に住んでいたとき以来です。

雪の積もった花さじきの階段
銀世界の花さじき-2

階段にも雪が積もっており、滑って転ばないように用心して上がりました(小諸に住んでいた時はよく派手に転んでいました)。

雪に埋もれた鉢植え達
雪に埋もれた鉢植達

工房の周りももちろん真っ白です。裏庭にいくつか置いてある鉢植えも雪に埋もれてしまいました。先週の「ひば」の鉢もこの雪の中です。運命やいかに…。

待ち遠しい春ですが、こんな冬らしい景色もときにはよいものです。

ルーシー・リー展
ルーシー・リー展

今日は、午後から大阪で仕事の打合せがありました。午前中は空いていたので、東洋陶磁美術館で開かれていた「ルーシー・リー展」を見に行ってきました。最終日ということもあり、たくさんの見学者が訪れていました。

色鮮やかな釉薬、繊細な造りの器が数多く展示されていました。様々な形の「ボウル」が特に興味深く、深い味わいの白色には心を惹かれるものがありました。(Ku)

新舞子の海

先日、『新舞子』に行ってきました。

『新舞子』は姫路の南西に位置する潮干狩りや海水浴で有名な海辺の集落で、父の故郷です。

浜に出てみると、夕暮れの中、丁度潮が引きかけているときで、思いがけずとてもきれいな干潟を見ることが出来ました。干潟が現れる時間や潮の引き具合は暦によって大きく違うので、いつ行っても大きな干潟が見られる訳ではありません。この日はたまたまよい潮の日と時間に当たったというわけです。家内は大きな干潟を見るのは初めてだったので、とても喜んでくれました。

干潟の夕暮れ
干潟の夕暮れ

幼かった頃、夏は決まってお盆の時期に家族みんなで帰省し、兄や従兄弟たちと海水浴をして遊びました。遠浅の海なので、沖へ沖へと歩いていき、泳ぎの苦手だった私でも安心して浜遊びが出来ました。ゴムくさい水中めがねをして海の中をのぞき込むと、砂の上に波が作り出す不思議な『紋様』が見え、小魚が泳ぎ回っていたのをついこの間の出来事のように思い出します。

潮が引くのにあわせ、カモメたちがエサを求めて新しく現れる干潟を散策していました。

干潟の足跡
カモメの足跡

お隣のおばさんから水仙の花を頂きました。散歩の途中、陽当たりの良いあぜ道に咲いていたのを摘んできたとのこと、寒い寒い毎日ですが、季節は少しづつ春に向かって進んでいるのだと思うと、なんだか暖かい気持ちになります。早速、試作で作った『竹花筒』に活けて楽しんでいます。部屋一杯に水仙の香りが立ちこめています。(Hi)

水仙と竹花筒
水仙と竹花筒