みなさま、いかがお過ごしですか?

久しぶりの更新になってしまいましたが、みなさま、いかがお過ごしですか?

地球規模でのウイルスによる感染症。

その脅威は、歴史上の事実として、また、現実に起こりうる事とは認識していたものの、まさかそれを目の当たりにするとは思っていませんでした。

まだまだ先が見通せませんが、なんとか早く収束してくれることを祈るばかりです。

おかげさまで私達は元気に過ごしておりますが、参加を予定していたいくつかのイベントは中止になってしまいました。また、5月に玉野市で予定していた展示会は10月に延期になりました。

さいわい岡山へ移住して職住一体となりましたので、私達は常に「在宅ワーク」です。予定は大きく変わってしまいましたが、新たな日程に向けてしっかりと準備を進めていきたいと思います。

さて、ちょっと遅くなってしまいましたが、建部からの春のたよりです。

1ヶ月ほど前、お花見したい気持ちをぐっと抑えて、近くの土手の桜並木をゆっくりと散歩しました。

土手の桜並木
土手の桜並木

この土手にはソメイヨシノ以外の様々な種類の桜が植えられているので、とてもよい桜の香りがたちこめていました。

まるで、そこかしこの木に ” 桜餅 ” の実がなっているようで、とても幸せな気分になりました(私だけ?)。

庭に生えたフキ
庭に生えたフキ

春になると、庭の柿の木の周りにフキが生えてきます。

昨年はフキノトウをフキ味噌にして頂きましたが、今年はフキの佃煮にチャレンジしてみました。

あく抜きをしたフキ
あく抜きをしたフキ

板ずりをして、ゆでて、筋を取って …

思いのほか下準備に手間がかかりましたが、無事おいしい佃煮になりました(佃煮は例のごとく、写真を撮る前にお腹におさまってしまいました)。

淡路にいた頃、お隣の方が毎年フキの煮物をおすそ分けして下さっていたのですが、こんなに手間がかかっていたなんて知りませんでした。改めて感謝です。

杏の木には実が
杏の木には実が

昨年植えたあんずの木。

今年は花がたくさん咲き、小さな実がいくつか付いています。

鳥や虫など、私達以外にもこの実が大きくなるのを狙っている者がたくさんいます。

誰のお腹におさまるのかな?

みなさまも、どうか、お気を付けてお過ごしください。

(Ku)

 

縁の下は大騒ぎ!【後編】

我が家の縁の下で子育てをもくろんでいたタヌキくん達を追い出し、ようやく静かな夜を取り戻した私たち。

それがつかの間の静寂だったとは …

床下に撒いた灯油のニオイが薄れてきたある朝、買ったばかりの竹箒が縁の下に引きずり込まれているのを発見しました。

柄 が引っ掛かって途中で止まっていましたが、引っ張り出してみると、柔らかな穂先は巣作りに使われたらしく、見るも無惨なボソボソ箒になっているではありませんか!!
あんなにフサフサだったのに…。

そしてその夜から「縁の下の大騒ぎ」が再開されたのでした。

前回同様の、大きな足音、猫のような鳴き声、そして ” ジャジャジャジャ… ” という不思議な音。
きっと同じタヌキくん達が戻ったのでしょう。

道路に面した表側の縁の下換気口にはもともと、動物の侵入を防ぐための格子が取り付けられていましたし、板塀で囲まれている裏庭側も、前回の騒動で塀の隙間を塞いだはずです。

どこから入り込んでいるんだろう???

間もなくその答えが分かりました。

雨上がりの夕方、ガタッという物音で表に出てみると・・・

縁の下に続く足跡
縁の下に続く足跡

一カ所、木が傷んで少し緩くなっていた通気口の格子が外れていました。

そして、そこに向かう足跡と、何かが土台を乗り越えて縁の下に入った跡がはっきりと残っていたのです。

大きな足跡
大きな足跡

それにしても大きな足跡です。7~8cmもあるでしょうか。
また、5本指であることがはっきりと分かります。

念のためインターネットで動物の足跡を調べてみると、

あれれっ?
タヌキは4本指だって ???

縁の下で大騒ぎをしているのはタヌキではないの・・・?

では、何?

この界隈に出没するらしい動物の中でタヌキに似ているのはハクビシンかアライグマ。
ハクビシンもアライグマも5本指ですが、アライグマの足跡とは明らかに形が違うようです。

ハクビシンの標準的な足の大きさは数cmらしいので、ちょっと大き過ぎるような気がします。また、高い所が好きで、縁の下よりも天井裏に住みつくことが多いようです。

でもまあ、私達みたいなへそ曲がりなハクビシンだっているでしょうから、きっとハクビシンなんだろう。と、決め込んだ数日後・・・

今度は裏庭で「ガッシャ-ン」という大きな物音が!

何事かと駆け付けると、ひっくり返った植木鉢の脇に大きな動物がたたずんでいるではありませんか!!!!!

黄昏時、まだ十分に明るい庭の中で、姿形や顔つきまでがはっきりと見えました。

ハクビシンじゃあないっっっ!

今回の騒動で、タヌキ、ハクビシン、アライグマの見分け方を散々調べたので、各動物の特徴はだいたい頭に入っています。

まず、ハクビシン( 白鼻心 )の特徴である鼻すじの白い線がありませんでした。
ハクビシン→どちらかというと丸っこい顔で、色は全体的に黒っぽい
其奴→長く尖ったような顔で、全体的に白っぽい茶色

目が合い、お互いを(?)じっくり観察し合った後、其奴は板塀の際に置いてあった大きな植木鉢や甕を足場にして、悠々と塀を乗り越えて去って行きました。

何だったんだ 、 アイツは・・・

そこで思い出したのが、動物の見分け方の中にあった「アナグマ」なるもの。でも、ご近所のどなたからもそんな名前を聞いたことがありません。

「アナグマ」の特徴を調べてみると、今回の騒動での様々な出来事や証拠がことごとく一致することが分かりました。

名前の通り地下が好き(通常は地面に穴を掘って巣をつくるようです)。5本指の幅広の足跡。姿形。色。巣作りのために植物をちぎって運ぶこと。タヌキと同じように死んだふりをすること。タヌキとよく間違えられること。

そしてあの ” ジャジャジャジャ… ” という不思議な音は、アナグマの求愛行動での独特の鳴き声ということも分かりました。

全て合点がいきました。

縁の下で大騒ぎをしていたのは「アナグマ」だったのです。

ご近所の方々のお話に「アナグマ」が出てこないのは、タヌキと見間違えられているからかもしれません。

その後、アナグマ達が騒ぐたびに床を叩いて大きな音をたてたり、縁の下をライトで照らしたり、ニオイのキツイ防虫剤を撒いたりと、私たちのできる限りの嫌がらせを繰り返しているうちに子育ての時期が過ぎたのか、大騒ぎは無くなりました。

でも・・・

先日、足跡があったのとは異なる通気口に新たな痕跡を見つけました(入り込まれた通気口はガッチリと塞ぎました)。

通気口のツメ跡
通気口のツメ跡

内側から付けられたと分かる爪跡です。

アナグマは、巣の出入り口を複数つくるそうです。

私たちが気づいていないどこかのすき間から入り込んだアナグマが、ここを出口にしようとしたのでしょう。

よく観察してみると、木の棒には古い爪跡が他にもたくさん残っていました。

今も時々、縁の下でゴソゴソと音がすることがあります。きっとこの家の縁の下は、昔からアナグマくんたちのお気に入りの場所なのでしょう。

アナグマくんにしてみれば、私たちの方が新参者ですから、「天井裏がうるさくて・・・」というところでしょうか。

夜中に騒いだりせず、トイレも山の中かどこかで済ませてもらえれば、共同生活に異論はないのですが … 。

(Ku)

縁の下は大騒ぎ!【前編】

自然豊かなここ、建部町。

と、いうことは ・・・

そう、野生動物もたくさんいるのです。

ご近所の方々によれば、この辺りに出没するのは主に『タヌキ、イタチ、テン、ハクビシン、アライグマ』とのこと(ネズミは数のうちに入らないようです)。

我が家の前のご当主さんからも、「すきやき用に用意していた牛肉をすっかりイタチに取られてしまった」とか、「夜中にハクビシンらしい動物が階段を上がっていく足音がして怖い思いをした」とか、「タヌキが、”お前はだれじゃ~” というような怪訝な顔つきで振り向きながら立ち去っていった」などという、動物にまつわるお話をお聞きしています。

当然ながら、私たちのもとにも次々と訪問者がやってきました。

天井裏を毎晩のようにトコトコ走り回っているのは、きっとネズミでしょう。
台所のサツマイモを囓ったのも … 。
昔ながらの日本家屋ですから、ネズミの居候くらいは仕方ないかな、と思っています。
お芋やお米など、ネズミ君たちが好きそうな物はしっかりとしまっておくことにします。

2月には、イタチにお昼ご飯のおかずを食べられてしまいました。
修理を後まわしにしていた縁側のすき間から台所に入り込んだようです。
しばらくしてご近所で、つぶらな瞳のイタチくんがツナ缶につられて御用になったと聞きました。

そして4月のある夜更け、縁の下でなにやら大騒ぎが始まりました。

ドコドコドカドカと縁の下を走り回る大きな足音、猫に似た鳴き声(明らかに猫ではないと分かるのですが … )そして ” ジャジャジャジャ… ” という独特な音(声?)。

ネズミやイタチよりも随分大きな動物が2頭で動き回っているようです。

庭の草や木の葉をちぎってはせっせと縁の下に運び込んでいる形跡も … 。
(下の写真の手前右や、中央奥に写っている ”ハラン” が特にお気に入りのようで、葉がほとんどちぎられてしまいました。現在は茎だけが残りほぼ丸坊主です。)

草木の葉っぱがちぎられた庭
庭(この後、巣づくりで悲惨な状態に…)

どうやら子育ての場所に我が家の縁の下を選んだようですが、それはちょっと困ります。

かわいそうですがどこか他の場所に移ってもらうことにしました。

まず、市販の『動物忌避剤』を周辺に撒いてみましたが、家の中に『セイロガン』のようなニオイが充満しただけで全く効果がなく、その晩もドカドカと縁の下を走り回られました。

なんとか正体をつかめないものかと、畳を上げて床下点検口から縁の下をのぞき込んでみると・・・

いました!

すぐ目の前に!!

縁の下の地面の窪地に、ひと抱えほどの茶色のフサフサした毛の生き物が、気持ちよさそうに丸まって寝ていたのです。

大きなタヌキ!!!
(丸まっていて、頭も尻尾も見えなかったのですが、ひと目で “タヌキ” と思い込んでしまいました。)

棒で突っついてみたところ、ふてぶてしいのか「タヌキの死んだふり」なのか、初めはびくりともしなかったのですが、さすがに何度目かには走り去って行きました。

正体が分かったところで決定的な駆除方法があるわけではないのですが、やはり相手が何者かが分かると、なんとなく安心しました。

次に試したのは『バルサン』です。

縁の下を煙で充満させてみたのですが、縁の下が静かになったのは一晩ほどでした。
(床のすき間から家の中にも煙がもうもうと入り込み、私たちの方が慌てて家から逃げ出した次第です。)

悩んだ末に、ネットの動物駆除体験記で見つけた「灯油をまく」方法を試したところ、これが効果的でした。

しばらくの間、家中に灯油の臭いが漂っていましたが、タヌキくん達も、さすがに灯油のニオイの中で子育てをする気にはならなかったようで、我が家から退散してくれました。

タヌキが、あんな ” ジャジャジャジャ… ” みたいな変な音をたてるの?、なんて少々疑問を残しながらも、夜中の大騒ぎもなくなり、静かな夜と安眠が私たちに戻ってきたのでした。

ところが … (【後編】に続く)

(Ku)

 

雪が積もりました

このたびの寒波、各地で雪が積もったようですが、ここ建部も。

雪が降ったり止んだりの26日の建部
雪が降ったり止んだりの26日の建部

昨日(26日)は、雪が降ったり止んだりの一日でした。

昼間は、ちょっと屋根が白っぽくなったかナ、と思っても、すぐに溶けてしまって積もることはなかったのですが … 。

27日朝の雪景色
27日朝の雪景色

一夜明ければ雪景色。

屋根の上もこのとおりです。

屋根に積もった雪
屋根に積もった雪

積雪量1~2cmといったところでしょうか。

庭の南天も雪化粧
庭の南天も雪化粧

庭の南天もきれいに雪化粧していました。

そして・・・

何の足跡?
何の足跡?

裏庭に点々と足跡が …

明らかに、” ひづめ ” ではなく ” 肉球 ” の足跡。

猫でしょうか? それとも・・・?

庭をぐるっと一周して出ていったようです。

 

近年は、ここ建部で雪が積もることは少なくなったとのこと。

ご近所の方によれば、「今年の冬はまだ冷え込んでいない方」とのことですが、初めての建部の冬を迎えている私たちにとってはなかなか強力な寒さです。

冷蔵庫の中の方が「温かい!」と感じたり、台所のごま油やオリーブオイルが冷えて容器から出にくくなったり、携帯電話などの充電に時間がかかるようになったり、新聞をめくる時に出る” 微風 ” をとっても冷たく感じたり … 。

そういえば、建部では「ゴキブリ」を見ていません。

ひょっとしたら冬が越せないのかも(以前住んでいた ” 信州小諸 ” がそうでした)。

そんな寒さの中で、リクガメの「ホジホジ君」はどうしているかって?

新しく導入した強力保温ヒーターの効果で今までよりも元気です。

エサを食べては昼寝して、我が家で一番快適な冬を過ごしています。

(Ku)

 

【岡山移住顛末】-番外編①-

おかげさまで、先月末の倉敷での展示会は無事終了いたしました。

その後、工房の改築などでお世話になっている景山建設さんのイベントに参加させていただいたり、工房の薪ストーブの設置などをしているうちに、いつの間にか師走がもう目前です。

朝晩はかなり冷え込むようになり、先日は氷点下まで気温が下がったようです(まだ氷が張るほどではありませんが … )。あんなに暑かった夏がウソのようです。

十数年ぶりに準備した ” おこた ”(居間に、ず~っと憧れていた「掘り炬燵」があるのです)から離れられなくなりそうです。

さて、しばらくぶりの【岡山移住顛末】、移住先を決めるまでのお話で少し長引いてしまっておりますので、ここで番外編として、岡山へ引っ越してきて今日までに体験したことを少しご報告したいと思います。

まず、なんといっても7月の豪雨です。

おかげさまで私たちの家の周辺は被害を受けることはなかったのですが(たくさんの方にご心配をいただきました。ありがとうございました。)、今回の岡山での水害はかなり大きな出来事でした。

ニュースにはなならなかった土砂崩れや浸水地域も数多く、痛々しく崩れた山肌や、通行止めの道路、仮復旧の堤防などがまだそこかしこにみられます。「晴れの国、岡山」でこんな光景を目にするとは思ってもみませんでした。

雨が一段落した7月7日夕方の旭川
雨が一段落した7月7日夕方の旭川

自宅から、道路とお向かいの敷地をはさんで、目の前が旭川の堤防です。

上の写真は、雨が一段落した7月7日夕方の旭川の様子です(6日深夜が水位のピークで、その時よりかなり水量が減った状態です)。

当時、引越し作業の都合で建部に滞在しており、川の増水や大雨特別警報など、経験したことのない事態にやや緊張しましたが、ご近所の方が何かと気にかけてくださり、落ち着いて過ごすことができました。

9月初めから建部での生活を本格的にスタートさせたのですが、ご近所をはじめ、周りの方々がみなさん親切に、たいへんあたたかく私たちを迎え入れてくださいました。

通りがかりの方が気さくに話しかけてくださったり、穫れたてのおいしい野菜をおすそわけして下さったり、新聞屋さんや郵便屋さんなどが地域の情報を教えてくださったりと、とても楽しく毎日を過ごしています。

9月後半、桜並木のある堤防の土手は彼岸花が咲き乱れて真っ赤になりました。

彼岸花が咲き乱れる土手
彼岸花が咲き乱れる土手

10月には秋祭り。

私たちの住む地区では、10月の第2週の週末に「建部まつり」が行われます。地区内にある7つの神社から御神輿が集まり、神楽(獅子舞)も奉納される盛大なお祭りです。

建部まつり(2018)で集まった御神輿
建部まつり(2018)で集まった御神輿

家内安全を願って御神輿と神楽は地区を廻り、家々の前で神楽が舞われます。

秋祭りの神楽(獅子舞)
秋祭りの神楽(獅子舞)

家の前に立って神楽を迎えるのですが、なにぶん私たちにとっては初めてのことなので、 見ているだけなのにとても緊張してしまいました。

秋晴れの秋祭り
秋晴れの秋祭り

偶然、宵祭りの朝に立ち寄られた前のご当主さんが、「この家にもまだお祭り用の提灯があるのよ」と、倉庫から出してくださった提灯。

玄関前に提げて初めての秋祭りを楽しみました。

敷地内に建てていた両親の家も先日完成し、来月初めには両親も岡山に引っ越して来ます。

もう少し作業場関連の工事が残っていますが、「岡山へ行こう!」と決意した当初は、1年半でここまでこぎつけることができるとは思ってもいませんでした。

たくさんの方々のお力添え、応援に感謝の気持ちでいっぱいです。(Ku)

ひと段落!!

6月の淡路での展示会終了後にとりかかった工房と住まいの岡山への引っ越しは、9月1日をもってようやく一段落しました。

住まいの方の引っ越しは、業者さんにお願いしたのであっという間に終わったのですが、工房の荷物の移動には予想以上の手間と時間がかかってしまいました。

重量物専門の業者さんに運搬をお願いした大きな木工機械以外の荷物(工具類、手道具、材木、その他の材料、作品、作業台などの備品、備蓄していたストーブ用の薪など)は、トラックで自分たちで運びました。

運んでも運んでも荷物が減らず、当初7月末までの予定が、全ての荷物の移動に8月いっぱいまでかかってしまいました(結局、3tトラックで淡路ー岡山を8往復しました)。

運搬作業が無事終わり、2人ともホッとしています。

運搬と並行して作業場の改修や整備なども行ってはいましたが、本格的に工房の仕事を始めるまでにはもう少し作業が必要です。

10月半ばには今年も倉敷での展示会を予定しておりますので、あとひといき、がんばりたいと思います。

このブログも長らく中断しておりましたが、今後、引っ越し作業の経緯や、あれこれのハプニングなど、追々お知らせしてまいりますので、どうぞご笑読ください。

(Ku)