梅雨明けの、その日に…

今日、7月22日は二十四節気の一つ『大暑』だそうです。

そういえば梅雨が明けたかと思うと、急に暑くなり、日差しも格段に厳しくなりました。

お風呂場に“あまがえる”が…
お風呂場に“あまがえる”が…

どこからともなくお風呂場に忍び込んだ“あまがえる”も暑さのせいなのかどことなく不機嫌そうな目つきをしています。

今年も、大きな災害のニュースが流れました。被害にあわれた九州地方の方々、本当にお気の毒です。ニュース映像での女性の方が“心が折れるねぇ”と話されていた姿がとても印象的で涙が流れそうになりました。今の私達には祈ることしかできませんが、1日も早い復興を心よりお祈りしています。

淡路では、大きな災害にはならなかったものの、来る日も来る日もどんよりとした曇り空に覆われ、いつもの年よりもお日様を見ることが少なかったように思います。また、時に急に激しく降る雨には特に神経質になりました。少しずつ気候が変わっているのではないかという思いが、身近な体験をとおして強くなっていきます。

最近車のトラブルが続いています。

1ヶ月ほど前に急に後ろの方から“ゴトゴト”音がし始めて、車屋さんに相談したところ、“ブレーキパッド”がすり減ってしまっていて交換が必要とのこと。早速修理してもらい、調子も良くなってご機嫌だったのですが、それも束の間、今度はエンジンがかからなくなってしまいました。

それは、工房での仕事を早めに切り上げて、お客様との小さな打合せを済ませ、ついでに買い物をして帰ろうと立ち寄ったホームセンターでの出来事です。

買い物を終え、さて帰ろうかと車に乗り込み何も考えずいつものようにエンジンキーを回したのですが、“ウン”とも“スン”とも言いません。本当に、気が抜けるほど“ウン”とも“スン”とも言わないのです。

何度試してみてもそれは同じで、“またバッテリーがあがったのかなぁ、急に暑くなったしなぁ…”などと考えてみたのですが、パワーウィンドゥは問題なく動くし警告灯もしっかり点灯しているので、バッテリーは大丈夫のよう。とすると…

兎にも角にも、いつもの車屋さんに連絡することにしました。

不幸中の幸いだったのが、そのホームセンターが車屋さんから車で10分程度の距離だったことです。すぐに軽トラで来てくれて、状況を確認。

“これはセルですね、とりあえず軽トラで引っ張りますので、ギアをサードに入れて、アクセルをふみながらクラッチをつないで下さい。ちょうど“押し掛け”の要領です。”

とのこと。

“では、いきますよぉ~”

あまり広いともいえない駐車場で、軽トラに引かれてゆっくりとレガシィが動き出します。

周りの視線を気にしながら、言われたとおり、恐る恐る試してみると、2回目で無事エンジンがかかり、そのまま工場へ直行、やはり“セル”の故障で交換が必要とのことで、とりあえず車を預けて代車で帰ってきました。

その帰宅途中、代車を運転しながら聞いたカーラジオからは“梅雨明け”を伝えるニュースが流れていたのでありました…

まだまだ頼りにしています…
まだまだ頼りにしています…

車は2日後に修理が完了し、無事に帰ってきました。

思わぬ出費にトトホの一週間でした。

工房では、小さなお仏壇の漆塗りの作業が終わり、サンコアさんでの企画展“夏が来た!”の出展作品の制作が大詰めを迎えています。この制作にもいろいろとおもしろいお話しがあるのですが、それはまた後日、詳しくご紹介する予定です。

とにかく、食事と睡眠をしっかりとって、元気で暑い夏を乗り切ろう!!(Hi)

あと、もうちょっと

工房の畑ではこの夏、エダマメ,きゅうり,なす,たかのつめ,かぼちゃ,そしていつものハヤトウリを育てています。あともうちょっとで収穫できそうなものが目白押しです。

畑の様子(2012夏)
畑の様子(2012夏)

工房は標高およそ250~300mの『北淡路高原』の中にあります(”高原”です!!)。市街地よりも気温が2℃ほど低いため、花や野菜の育ち方はちょっと遅れぎみです。

そのため自宅のご近所や実家などで最盛期を終えるころに見頃・採り頃を迎えるので、時間差ができて長く楽しむことができます。

エダマメ,きゅうり,なす,たかのつめは小さな実を付け始めました。

実の付き始めたエダマメ
実の付き始めたエダマメ

エダマメは小さいときから毛むくじゃら。これからカメムシに注意です。

小さな実を付けたキュウリ
小さな実を付けたキュウリ

先っぽに花を付けたきゅうりは、小さなイボイボも付いていてミニチュアみたい。

ナス
ナス

ナスは苗を植えた直後にヨトウムシにほとんど丸裸にされてしまいました。ヨトウムシ退治後になんとか盛り返し、やっと実を付け始めました。

まだ青いタカノツメ
まだ青いタカノツメ

ホームセンターで値下げ処分されていたタカノツメ。ちゃんと花を付け、小さな実を付けています。辛~くなあれ!

ハヤトウリとかぼちゃは今のうちに葉をいっぱい茂らせて成長してもらわないといけないので、せっせと追い肥をしています。

いつものベリー類も順調です。

ブルーベリーはまだまだ…
ブルーベリーはまだまだ…

ブルーベリーも実を付けましたが食べ頃になるにはもうしばらくかかりそうです。

色づき始めたブラックベリー
色づき始めたブラックベリー

今年もたくさん実を付けたブラックベリーは色づき始め、そろそろ少しずつ収穫できそうです。ちょうど昨日、去年作ったジャムの最後の1瓶を開けたところなので、それが無くなる頃に今年のジャムを作れるのではないか、と期待しています。

今年の新兵器は”竹酢液”です。

プランターでとても立派な野菜を作っているお隣のおばさんにすすめられ、薄めたものを葉にスプレーしてみたのですが、葉の色つやが目に見えて良くなりました。病害虫にも効くらしいので、夕方の水まき後にせっせとスプレーしています(なので、畑の周りは燻製のようなよい香りが漂っています)。

夏野菜は実の野菜が多く、採りがい、食べ応えがあり、育てていてとても楽しいです。どれもあともうちょっと。虫たちに負けずにしっかり育ちますように!(Ku)

おばあちゃんの机

夜になるとカエルの気持ちよさそうな鳴き声が聞こえるようになりました。

雨の季節を前に、我が家のまわりでは田んぼに水が張られ、田植えが始まっています。

中学生の頃、国語の授業で『~遠田の蛙、天に聞ゆる』という斎藤茂吉の短歌を習いました。教科書に取り上げられている短歌はどれも、きっと優れた短歌なのだとは思いますが、この『~遠田の蛙』の歌と『 白鳥は 哀しからずや 空の青~』という 若山牧水の短歌だけはなぜか印象深く、いまでもそのころの情景とともに、心の中に残っています。

おばあちゃんの机
おばあちゃんの机

上の写真は昨年の1月に99歳で亡くなった私の祖母が使っていた座卓です。形見わけ、という訳ではないのですが、家具を作る仕事をしている、ということで、このたび私の元へ引き取られることになりました。

祖母と最後まで一緒に暮らしていた叔父夫婦は、『何かの部材としてでも活用してくれれば…』という思いで託してくれたようなのですが、父に相談したところ、父がものごころついたときにはもう既に使っていた、と言うのです。そういえば、私も小さいときに見たような気が…ざっと考えてみても70年以上の歴史を刻み込んだ机、ということになります。

あらためてみてみると、天板と枠のあいだにはすき間が空いていたり、木が欠けているところがあったりと傷んでいるところもあるのですが、構造自体はしっかりしていて、さらに、長い年月使い込まれてきたせいで角がすり減り、全体的に柔らかく丸みを帯びていて、何ともいえぬ雰囲気を醸し出しているのです。父にとっても思い出深い机らしく、大事に使うことを条件に、私が引き取ることになりました。

今使っている机(訓練校の卒業制作でつくったもの)をかたづけて、これから丁寧に使い込んでいこうと思っています。この机を眺めながら、私達も、世代を超えて大切に使っていただける家具を作っていかなければ、という思いを強くした次第です。

冬の冷え込みが厳しかったせいなのか、今年は生りものが豊作です。

いちご -収穫は早い者勝ちです-
いちご -収穫は早い者勝ちです-
収穫したソラマメ
鞘ごと網焼きにしても美味しいです

工房の脇の畑では、今、空豆といちごが収穫期を迎えています。

空豆については春にこのブログで紹介しましたが、思った以上の大豊作で、大きな実がたわわに実っています。普段お世話になっているご近所さんにおすそ分けし、あとは私達の胃袋へ…

湯がきたてを“ほぐほぐ”ほおばったり、鞘ごと網焼きにして、これも“ほぐほぐ”ほおばったり、食いしん坊の私達は写真を撮るのも忘れて“食”を楽しんでいます。(Hi)

シイタケのはなし

4月に入りました。

日に日に陽差しも柔らかくなってくるとともに、ようやく桜のつぼみも目に見えてふくらみ始め、甲子園では高校野球が大詰めを迎えています。

特に高校野球ファンという訳ではないのですが、この季節になると、ついつい作業場のラジオのダイヤルをNHKに合わせ、聴くとはなしに聴いています。

ラジオの実況中継では、アナウンサーの言葉や球場の歓声などから状況を想像することになるのですが、少し大げさで過熱気味のアナウンサーと、常に冷静で落ち着いた解説者のやりとりが何ともうまくかみ合っていて、聴き心地のよいものになっています。特に、試合終了後、その試合を振り返る解説者のコメントには、勝者敗者を問わず、球児達の良かったところに光を当てようとする暖かい姿勢が強く感じられ、とても気持ちの良いものです。

ただ、状況が緊迫してくると、アナウンサーの絶叫などにより状況が上手く伝わらず、ついつい作業している手も止まりがちになり、やきもき、ドキドキしながら聴き耳を立てる、ということになってしまいます。

ラジオの迫力ある中継から、火の出るような強烈な打球を想像したり、はたまた、すごいクロスプレーを想像したりするのですが、夜のニュース映像では思ったほどではなくてちょっと拍子抜けすることもままあるのですが、それはご愛敬と言うことで、何にしても高校生が一生懸命白球を追いかけている姿はすがすがしくて、気持ちのいいものです。

今年は“21世紀枠”というので淡路島から洲本高校が出場しました。淡路島からの出場は、ものごごろ付いて以来、春夏を通じて初めてのことなのでやはり注目して応援していたのですが、残念ながら接戦の末、1回戦で鳴門高校に惜しくも負けてしまいました。

ただ、いくら抽選の結果とはいえ、甲子園までいって、よりによって1回戦から鳴門海峡を挟んで目と鼻の先にある“お隣同士”で対戦しなくてもいいのに…と少々複雑な気持ちになってしまいました。

シイタケの種(バーゲンセール!!)
シイタケの種(セール品)

植えもしないのにシイタケがどんどん生えてくることに気をよくした私達は、自分たちでもシイタケを植えてみようということになりました。

植え付けに使う木は、本来は薪にする予定だったもののなかから適当な太さ(直径30センチ前後)のもの(カシの木)を選び、70センチほどに玉切りして使うことにして、菌は近くのホームセンターで都合良く“売り尽くしセール”になっていたものを買い求めました。

カシの木に穴を開けて…
カシの木に穴を開けて…
シイタケの菌
シイタケの菌

手引書を片手に、まずドリルで穴を開け、ダボに植え付けられた状態の菌をひとつひとつ、丁寧に打ち込んでいきます。

このあと金槌で菌を打ち込みます
このあと金槌で菌を打ち込みます
あとはたわわに実るのを待つばかり…
あとはたわわに実るのを待つばかり?

菌を植え付けた木を“ほだ木”と呼ぶのですが、それを井形に組んで適切に管理すると、来年の秋から収穫出来るということです。“ほだ木”を置いておく場所についてはいろいろと条件があるようなのですが、あまり難しいことは考えずに、今まで勝手にポコポコ生えていた所に置いておくことにしました。“ほだ木”にうまくシイタケが生え始めると、そのまま放っておいても4~5年は収穫出来るということなので、ずぼらな私達には何ともぴったりの、とても有り難い“恵み”です。

たわわに実りますように…
たわわに実りますように…

願わくば、うまく生え始め、私達の家計の救世主になりますように…

さて、今週末(4/7,8)は三田にてグループ展の予定です。今回は、シンプルで懐かしい形のスツール、新たに製作した小さな厨子、小机、など比較的小さな家具と、家内のつくるカトラリー、ストラップ、ボタンなどのコモノを展示、販売する予定です。是非お越し頂きお手にとってご覧下さい。心よりお待ちしております。(Hi)

薪づくり

春の雨の合間の木曜日、薪ストーブ用の薪づくりをしました。

工房の手作業場の暖房は薪ストーブなのですが、朝から晩まで部屋を暖かく保とうとすると、結構たくさんの薪を使います。

家具製作で出る端材のうち、ボタンやマグネットなどの小物にも使えないような部分ももちろん薪として使いますがそれらは量も少なく、焚き付けくらいにしかなりません。そこで近くで出た廃材や伐採された雑木などを頂いて薪をつくります。

まず、チェーンソーでストーブに入る長さに玉切りし、太いものは斧で割っていきます。

薪割り
薪割り

伐採された雑木にはいろいろな種類があります。芯が鮮やかな黄色のもの(これは”山ハゼ”のようです)、樹皮がさつまいもの皮のようなもの(私は勝手に”サツマイモの木”と呼んでいます)、象の足のような樹皮のもの(これは、”ゾウの木”)などなど。木の名前は分からないのですが、近くの山にこんなにたくさんの種類の木があるのかと驚くばかりです。

作った薪は、工房の壁際に積み上げます。

枝分かれして叉のあるもの、ねじ曲がったもの、そして比較的真っ直ぐなもの。うまく組み合わせて崩れないように積み上げていきます。

積み上げた薪
積み上げた薪

上の写真で黒っぽくなっているのは、一昨年作った薪です。今回の薪は手前の一番白っぽいものです。きれいに積み終わったら、トタン板で雨よけをする予定です。

一気にするとなかなか大変な作業ではありますが、欲しい時に廃材や伐木が手に入るとは限らないので、頂けたときに薪にしてストックしておかないと、いつか寒い冬を過ごすことになってしまいます。

私は薪割りは苦手なのでもっぱら、薪を運んで積み上げる作業をします。薪の一本一本はそんなに重くはないのですが量が多いので、翌日の金曜日は体中が筋肉痛でした。

さて、淡路の春の風物詩、イカナゴ漁も最盛期。魚も私たちがクギ煮にしやすい大きさになったので、この週末、自宅はクギ煮工場と化しました。

できあがった「クギ煮」と「釜揚げ」
できあがった「クギ煮」と「釜揚げ」

毎日のお弁当用と、知人へのちょっとしたおすそ分けに自分たちで作るようになって3年目になります。”できるだけ新鮮な魚を使った方が上手にできる”などのコツも少しずつつかめてきたこともあってか、今年は手前味噌ながらなかなか上出来だと思います。

家の中は、甘辛い佃煮の香りが充満し、おかずがなくてもご飯が食べられそうです。

クギ煮の他、一部はこの時期しか食べられない”釜揚げ”にしていただきます。(Ku)

風車のお話し~その2~

風力発電の風車の建設は順調に進んでいるようで、4基目もそろそろ完成です。

下の写真は工房の戸口を出たところから撮ったものです。左側、木の向こうに見えるのが3基目で、これは木の葉が茂ると見えなくなりそうですが、右側の4基目は遮る物がなく、工房から完全に見通すことができます。

建設中の4基目
建設中の4基目

工房は北淡路丘陵の尾根すじを通る県道から脇に100メートルほど離れています。1,2基目はその県道まで出ないと見ることができないので、工房へ行き来する朝と夕方しか作業の進み具合を見ることができませんでした。

あんなに大きな部品をどうやって組み立てていくのかとても興味があったのですが、そのために県道まで出てボーッと見ているわけにもいきません。

その点4基目は、作業の合間に戸口からちょっと首を出せば見ることができます。

支柱の吊り下げ
支柱の吊り下げ

これは、支柱を継ぎ足しているところです。写真ではよく分かりませんが、下の設置済みの支柱との間にまだすき間があり、継ぎ足す直前といったところです。

羽根の取り付け
羽根の取り付け

これは、1枚目の羽根を取り付けた直後のようです。支持具で水平に吊り上げて取り付けるようです。回転軸のモーター部分に、人影も小さく動いていました。

本当は、吊り上げていく途中も見たかったのですが、残念ながら見逃してしまいました。

この作業を見た前日、たまたま用事があって夜中に国道を走っていると、警備員さんに車を止められました。”今から50mのトレーラーが通るのでちょっと待つように”とのこと。

風車の部品は船で運ばれてきて、”大磯”にある、もとはフェリー乗り場だった広大な空き地に仮置きされているのですが、どうも今から何か長いものを建設現場へ搬入するようです。

しばらく待っていると、長い羽根を1本積んだトレーラーがゆっくりとやって来ました。すれ違うときは、あまりの大きさに2人とも”オ~ッ”と声が出るばかり。しかもこの”オ~”の長かったこと!!

いかなごのクギ煮
いかなごのクギ煮

さて、瀬戸内の春の風物詩、いかなご漁が解禁になり、あちこちからおいしそうなクギ煮を炊く香りが漂うようになりました。

早速、お隣のおばさんが初物を炊いておすそ分けしてくださいました。ホカホカの炊きたてご飯にのせれば、もうそれだけで春のご馳走です。

まだ魚が小さく、大きさも揃っていないので、上手にクギ煮にするには熟練の技が必要です。私たちは、もう少し魚が大きくなって炊きやすくなってから作る予定です。(Ku)