アゲハチョウの幼虫-2

さて、1週間がたちました。

あの幼虫君はどうなったかといいますと…

”サナギ” になった幼虫君1号 (7月10日9:23)
”サナギ” になった幼虫君1号 (7月10日9:23)

今、こんな状態です(今日はもう少し茶色っぽくなっています)。

7月9日(火曜日)の夕方に、無事に ”サナギ” になりました。

結局7日から9日の午後まではほとんど変わらない勢いで「ボジボジ、ボジボジ、」と葉っぱを食べていたのですが、8日の16時を過ぎた頃に様子が急変しました。

先週ネットで調べたところ、サナギになるまでに、

「体内の水分を排出するために水っぽいフンをする」

「サナギになる場所を探すため、行動範囲を拡げてウロウロ歩き回る」

「場所が決まったら糸を吐いて体を固定する」

「最後の脱皮をしてサナギになる」

という経過をたどるらしいのですが、まさにその、「水っぽいフン」をしたのです。

サナギになる前の「水っぽいフン」
サナギになる前の「水っぽいフン」

容器の端の方に転がっているお団子のようなものはそれまでにしていた ”フン” です。本当にカラカラに乾いていて、落ちた時に ”コツンッ” と音がするほどです。

よく見ると水っぽいフンには、幼虫君が小さな口で1口1口囓ったままの形の葉っぱが点々とたくさん含まれています。乾いたフンも水っぽいフンもニオイは全くといっていいほどありません(強いていえば、柑橘系の葉っぱのよい香りがほんのり)。

そして ”ウロウロ” が始まりました。

サナギになる場所を探して動き回る幼虫君1号(8日17:09)
サナギになる場所を探して動き回る幼虫君1号(8日17:09)

サナギになるにはきっと棒状のものがいいだろうと、容器に木っ端やら枝やらを入れてみたのですがどうも気に入らないらしく、今までの様子とはうって変わったような勢いで歩き回ります。

ためしに長い棒を入れてみると写真のようにあっという間にてっぺんまで登り、さらに行き先を探します。

しばらく歩き回った末に結局落ち着いた所は、なんのことはありません。容器の壁でした。

落ち着いた幼虫君1号(8日21:55)
落ち着いた幼虫君1号(8日21:55)

ツルツルのプラスチックの壁に細かい糸できちんと足場を作って落ち着いていることが分かります。

この後、自分の体を糸で固定する作業をするはずですが、夜も遅くなり、この日の観察はここまでで断念。

で、翌朝になると、

しっかりと体を固定した幼虫君1号(9日8:20)
しっかりと体を固定した幼虫君1号(9日8:20)

しっかり体を糸で固定していました(まだ ”いもむし” の姿のままです)。

あとは、いつ最後の脱皮をしてサナギになるかです。この大きな変化は見逃したくありません。

工房へ連れて行き、作業の合間に、今か今かと様子をチェックしたのですが、結局帰宅する18:00前までほぼ変化なし。工房を出る直前、なんだかモゾモゾ体を動かしているなあ、とは感じたものの、きりがないので一緒に帰宅。

ただこの日は、途中で亀を助けたり (時々、亀がのそのそと道路を歩いています。車にひかれたりカラスの餌食になったりするので、そんな亀を見つけると、捕まえて近くのため池などの安全そうな場所に放してやることにしています。ひょっとしたら亀にとっては迷惑かもしれませんが…)、ホームセンターで ”よしず” を買って帰ったりしたため、家に帰るまで1時間ほどかかりました。

帰宅して幼虫君の様子を確認してビックリ!!

「変わってる~!!!」

いつの間にかサナギになった幼虫君1号(9日19:04)
いつの間にかサナギになった幼虫君1号(9日19:04)

なんと、亀を助けたりしていた1時間ほどの間にサナギに変わってしまっていたのです。

大切なところを見逃してしまったのが残念で、その部分は翌朝、今度はユズの木で捕獲した幼虫君2号(通称 ”ボブ”)に託すことにしました。

”ボブ”(幼虫君2号)(10日9:33)
”ボブ”(幼虫君2号)(10日9:33)

ボブはその後順調に成長し、変化のタイミングが幼虫君1号よりも2,3時間早かったため、体をくねらせて繰り返し体を支える糸を吐く様子や、”いもむし” から ”サナギ” への劇的な変化もしっかり観察することができました。

上体を支える糸を吐くボブ
上体を支える糸を吐くボブ

体を固定した後は、逃げることのできない全くの無防備な状態になります。羽化するまでに鳥に食べられたり、虫に襲われたりすることも多いはずです。そんなことに一切構わず(多分)、誰に教わったでもない一生に一度の作業を淡々とこなす様子は感動的でした。

10日程度で羽化するようですから、順調にいけば幼虫君1号は来週の後半、ボブはその翌週にチョウチョになるはずです。

夜中に羽化しませんように!

アゲハの話が続き、「随分とヒマな奴らだ」と思われているかもしれませんが、仕事もしっかりしています。どうかご安心を。(Ku)

アゲハチョウの幼虫-1

工房の庭に、”キンカン” と ”ユズ” の木があります。

毎年夏が近づいた頃、いつの間に卵が産み付けられるのか、アゲハチョウの幼虫に葉っぱを食い荒らされます。

それはそれはすごい食欲で、せっせせっせと葉っぱをかじり、うっかりしていると木が枝だけの丸坊主になってしまうので、気が付いたときに退治することにしています(ピンセットでつまんだ時の、あのニオイは強烈です)。

ところが、どうしても見逃してしまうらしく、金曜日、キンカンの木に大きく成長した立派な幼虫を見つけました。

葉っぱを食べるでもなく、しばらく見ていてもじっと動かないままなので、きっともう ”サナギ” になるのだろうと思い込み、せっかくなので羽化を観察してみることにしました。

鳥に食べられてしまうこともあるので、葉っぱの付いた枝ごと切り取って保護。

アゲハの幼虫(7月5日17:23)
アゲハの幼虫(7月5日17:23)

あのニオイにひるんであまりじっくり観察したことがなかったのですが、よく見るとなんとも綺麗なことにびっくりしました。

きれいな緑色、コントラストも鮮やかな脚もとの白い模様、愛嬌のある目玉とその間をつなぐような複雑な模様などなど…。

アゲハの幼虫(7月5日17:24)
アゲハの幼虫(7月5日17:24)

お腹の側から見るとこんな感じ。

短い脚で細い枝にキュッとしがみついている様子なんて、カワイイじゃあありませんか!!

枝ごとプラスチックの容器に入れて自宅に持ち帰りました。

ところが…

葉っぱを食べるアゲハの幼虫(7月6日20:52)
葉っぱを食べるアゲハの幼虫(7月6日20:52)

翌日土曜日になると、サナギになるどころか、バリバリ葉っぱを食べ始めたではありませんか(静かな所だと、「ボジッ、ボジッ」というような音が聞こえます)。

「えっ、もうサナギになるんじゃなかったの!」とは私の勝手な思い込み。

インターネットで調べてみると、たしかにこの緑色の姿になるのは、幼虫最後の脱皮の後で、サナギになるのは時間の問題らしいのですが、「すぐ」と判断したのは少々早合点だったようです。

今日日曜日になってもまだ動き回って葉っぱを食べています。葉をたくさん付けたまま枝を切り取ったのでよかったのですが、明日はまた工房へ連れて行って新鮮な枝葉を補充してあげようと思っています。

さて、この幼虫君の運命や、いかに…。(Ku)

来週から倉敷での個展です

先週の日曜日(14日)に”サンコア”さん(岡山県玉野市)での個展が無事に終了しました。遅くなってしまいましたが、ご来場くださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。

月曜日(15日)に搬出して淡路に帰ってきましたが、その後は23日から始まる倉敷での個展の準備に追われ、週一回を目標としているブログの更新がイレギュラーとなってしまいました。すみません。

個展の準備は順調に進み、昨日のうちにトラックへの積み込みやポスターの制作も済ませ、今日は珍しくゆったりとした搬入前日を過ごすことができました。

 

たくさん実を付けたハヤトウリ
たくさん実を付けたハヤトウリ

さて、工房の庭では今年もハヤトウリが葉を茂らせています。今年は植え替えをせず、せっせと肥料を与えたせいか、これまでになくたくさんの実がプラプラとぶら下がっています。

蔓が伸び放題のハヤトウリ
蔓が伸び放題のハヤトウリ

工房の壁際に張ったネットに蔓を這わせるはずだったのですが、今年はいつかの台風崩れの強風で上の方の蔓がちぎれたり外れたりしてしまったので、その後は蔓を充実させるために伸び放題にしておきました。そのせいか、庭のケヤキの枝にも蔓がからんでしまいました。

ケヤキにはちょっと気の毒ですが、ここは私達の食料確保を優先させて実の収穫までガマンしてもらうことにしました。

ハヤトウリの花の蜜を吸うスズメバチ
ハヤトウリの花の蜜を吸うスズメバチ

そして毎年のことですが、スズメバチがブンブンと大きな羽音をたてて、入れ替わり立ち替わりハヤトウリの花の蜜を吸いに来ています。巣を守るスズメバチは攻撃的ですが、自分の食事中は、それを邪魔さえしなければ攻撃はしてこないとのこと。

食事のお邪魔をしないよう、3つほど実を収穫しました。

収穫したハヤトウリ
収穫したハヤトウリ

ハヤトウリは日持ちがするので、個展が終わってからいただこうと思っています。

それでは、倉敷にてお待ちしております。

倉敷”スペースみき”さんでの個展は、10月23日(火)~28日(日) の10:00~18:00
(最終日は16:00まで)です。期間を通じて在廊しておりますので、お気軽にお立ち寄りください。(Ku)

暑~い毎日!!

この夏も暑い日が続いています。

天気予報であのビカビカした”晴れマーク”がずらっと並んでいるのを見るだけでげっそりしてしまいます。せめてあの元気いっぱいの”晴れマーク”をちょっと涼しげにしてもらえると気分も変わるのでは、と思っているのは私だけでしょうか?

「夕立でも来てくれないかな~」なんて思うのですが、最近の雨は降り出すと半端ではないことも多いので、どうにも困ったものです。

ところで、我が家にはエアコンがありません(数年前に故障して取り外して以来、使わずに過ごしています)。”暑いときは汗をかくもの”、と少々ヘロヘロしながらも扇風機に頼ってなんとか夏を乗り越えています。

汗を流しながらヘロヘロしている私達を横目に、リクガメの”ほじほじくん”は、上手に暑さ避けをしているようです。

先日、おがくずを山のように足してやったところ、上に登ったり、中に潜り込んだりして喜んでいるように見えました。

おがくずの山を登る”ほじほじくん”
おがくずの山を登る”ほじほじくん”

そしてそれ以降、日中の暑い盛りは、そのおがくずの奥の方へ潜り込んで姿を隠すようになりました。もともと砂漠などに生息するカメなのですが、野生の状態で日中はじっと砂にもぐって暑さを避けるのと同じなのでしょう。狭いケージの中で、おがくずの奥が涼しいのかどうかは分かりませんが…。

おがくずの山から顔を出す”ほじほじくん”
おがくずの山から顔を出す”ほじほじくん”

日が暮れて少し涼しくなると、じわじわとおがくずの奥から出てきます。朝もこんな状態で2度寝(3度寝?)しているのをよく見かけます。ちょっとうらやましくなる姿です。

さて、毎年夏になると工房の中に毎日のようにトンボが入り込んで来ます。

風が通るように開けっ放しにした裏口から入って来るのですが、入った所から出て行けばいいのに、どうしても出口を見付けられず、窓や蛍光灯にぶつかりながらパニック状態で飛び回るトンボが必ず何匹かいます。

工房に入り込んだ”オオシオカラトンボ”
工房に入り込んだ”オオシオカラトンボ”

金曜日にもそんなトンボが2匹ほどいました。上の写真はそのうちの1匹なのですが、胴体全体が青い、こんなトンボを見るのは初めてでした。インターネットで調べてみたところ、”オオシオカラトンボ”という、丘陵地に住むトンボとのことでした。

写真を撮った後でつかまえて窓から出してやったのですが、「ありがとう」と出て行ったのか、「覚えてやがれ!!」と飛んで行ったのかは分かりません。

工房の周りでは最近、夕方にヒグラシの声を聞くようになりました。「ヒグラシの声は秋の足音」と思っていたので、”おやっ”と思い調べてみると、どうもそういうわけではなさそうです。実は6月終わり頃から鳴き始めているのだそうで、暑過ぎると鳴かないけれども、明るさに敏感で、秋の到来に関わらず薄暗くなれば鳴くのだとか。

ちょっともの寂しい、あの「カナカナカナ…」という鳴き声に、少しは涼しくなるのかな、なんて抱いた希望は、はかなく消えたのでした。(Ku)

今年も参加します。「サンコア夏祭り企画」

九州ではたいへんな大雨が続いており、テレビに映る状況にためいきをつきながら、早く収まってくれることを祈るばかりです。

もう梅雨明けかと思った週明けからうって変わり、水曜日からは淡路でも大雨続きでした。特に木曜日は台風なみの強風も吹き、畑のキュウリが支柱ごと倒れて茎が何本か折れてしまいました。

あんな強い風雨を、庭の虫たちはどうやり過ごすのでしょうか?

しばらく前から、体長15cmほどのナナフシが庭の ”ホップ(その名はなんと、「スーパードライ」!)” に住み着いているのですが、無事に風雨を乗り切ったようで、金曜日にはじっと茎になりきっている姿を見付けました。キリギリスやバッタたちも何事もなかったかのように跳びまわっており、結局、自然そのままの力にかなうものはないのだなあ、と思うのです。

ホップに住み着いているナナフシ
ホップに住み着いているナナフシ(どこにいるか分かりますか?)

さて、昨年の”モビール展”で初めて参加させていただいた岡山県玉野市のギャラリー『サンコア』さんの「夏祭り企画展」に今年も出品させていただくことになりました。

今年のお題は「夏が来た!!」です。

この言葉からイメージして制作した作品を展示・販売して頂くのですが、昨年の”モビール”とは異なり、作品の範囲は無限大ともいえ、いわゆる”クラフト作家”の私達にとっては、妄想こそふくらむものの、なかなか実際の形に現すのが難しいお題でした(でも普段と違う思考はとても楽しいものです)。

どうにか構想をまとめ、現在2人とも鋭意制作中です。詳細は展示会まで秘密ですが、商売柄やはり実用的なものとなりました。

ただ、ふだんの製作では使わないような道具も登場しています。何ができるか、お楽しみに!

「夏が来た!!展」
「夏が来た!!展」

参加者は、岡山県内外はもとより、ニューヨーク在住のアーティストさんまで、総勢82名とのこと。どんな展示空間ができあがるのか、とても楽しみです。

2012年サンコア夏祭り企画『夏が来た!!展』は、8月11日(土)~27日(月)です(14日と24日は定休日)。ギャラリーの場所や時間等の詳細はホームページよりご確認ください。

私達はオープニングレセプションがある初日11日の午後のみの在廊になりますが、是非 ”” を満喫しにお気軽にお立ち寄りください。(Ku)

みんなハラペコ!

先週はまだつぼみだったカタクリの花が開きました。

カタクリの花
カタクリの花

雨の中、頭を垂れるようにして花を開いた姿は可憐でとてもきれいなのですが、葉の先が大きく欠けてなんとも痛々しい姿になってしまっています。

そう、春といえば、”クワゴマダラヒトリ”の幼虫の大発生。人を刺す毛虫ではないのですが、その食欲は旺盛で、草花や野菜の新芽を次々と食べてしまいます。

このカタクリも、芽を出した頃にその被害にあい、こんな痛ましい姿になってしまいました。

とにかく”捕殺”するしかないようで、仕事の合間に庭や畑を見回って退治するのですが、捕っても捕っても続々と周りの雑木林や草むらからやって来るのでキリがありません。でも放っておくときっと、何もかも丸裸にされてしまうので退治をやめることはできません。

どれくらいの数になるのか、退治した数を数えてみたところ、今週1週間で軽く千匹を超えました。毛虫たちが成虫になる7月頃までこのいたちごっこは続きます。

食欲旺盛な”ホジホジ”くん
食欲旺盛な”ホジホジ”くん

食欲旺盛といえば、我が家のリクガメ”ホジホジ”君も、です。寒い間はおがくずの中でウトウトしている時間が長かったのですが、ここ最近になって急に活動的になり、朝からうろうろバタバタ動き回っています。

菜っ葉やら庭で採ったタンポポの葉っぱやらを山のように入れてやってもあっという間に食べ尽くし、”エサが無い!!”と訴えているような目で見つめるのです。元気な証拠ですね。

エンドウ豆の支柱
エンドウ豆の支柱

もちろん私達人間の食欲も。

これは私の好きな”スナップえんどう”。遅霜の心配も薄れたので霜よけを外し、支柱を立てました。手前のプランターは”ニラ”です。

この他、この夏は枝豆,かぼちゃ,ナス,キュウリを育てる予定です。”ハヤトウリ”も去年の根から無事に新芽を出し、空豆,ブラックベリーも順調です。

エンドウの花
エンドウの花

エンドウは花もきれいです。でも私は花を見ながら「早く実になれ、早く実になれ…」と毎日つぶやいています。

ナナフシの子供
ナナフシの子供

毛虫以外の虫たちの姿もたくさん見かけるようになりました。まだ髪の毛よりも細い脚のナナフシの子をブラックベリーの葉陰に見付けました。キリギリスやバッタの子供達も跳びまわっています。

さて、仕事の方は、今回『木工家ウィークNAGOYA・2012』の企画イベントである「ちょっとスツール和みタイム(5月24~6月10日、東急ハンズ名古屋店)」に参加させて頂くことになりました。そちらに出品するため、定番のスツールや、スプーンなどのカトラリーを補充製作中です。

5月はこのほかに『ひめじクラフト・アートフェア』への参加と、地元の淡路で初めての展示会も予定しています。詳細はホームページでご案内していますが、このブログでも追ってご紹介させていただきます。(Ku)