いよいよ3日から、倉敷での展示会です。

週明けの火曜日から、いよいよ倉敷での展示会です。

本日、展示会前の最後の作品の組立が無事に終了しました。

欅の一枚板を使った拭き漆仕上げのローテーブルのご注文を頂いていたのですが、お客様のご好意により、今回、納品前に展示させていただくことになりました。

欅のローテーブル-1
欅のローテーブル-1

天板の厚みは約50mm。

どっしりとした重厚感があります。

欅のローテーブルの複雑な木肌
欅のローテーブルの複雑な木肌

一部に皮の部分を残した ”耳付きの板” を使用しており、シンプルではあるけれども面白みも十分な形に仕上がりました。

欅のローテーブル-2
欅のローテーブル-2

部分的に非常に複雑な木目が現れており、拭き漆仕上げにすることで美しさが引き立ちました。

どっしりとした存在感のあるローテーブルを、是非会場でご覧になってください。

このほか、和室でも洋室でもお使いになれる腰掛けや、大小の「櫃(ひつ)」などの新作や、定番のベンチ、スツールなどの展示を予定しています。

モビールや鍋敷きなどの楽しいコモノもたくさん展示いたしますので、お気軽にお立ち寄りください。

コモノ類の梱包も終わり、明日はトラックへの積み込みです。

搬入の月曜日はお天気が少々心配ですが、こればかりはどうにもならないので、雨にも備えて出掛けたいと思います。

それでは、今年も会場にて2人でお待ちしております!!(Ku)

秋の展示会まであと約2週間

今年もあっという間に秋の展示会が近づいてきました。

” 暑い、暑い” とか、” 食欲の秋” とか言っている間にも、静かに、でも確実に時間は過ぎているのですね。

日にちを数えてみれば、あと約2週間。

現在は、最後の追い込み製作中ですが、その他にも、トラックや宿の手配、ご案内ハガキの準備、ポスターの製作などなど、やらないといけないことが山ほどあります。

回を重ね、初めの頃よりも落ち着いて準備ができるようにはなってきましたが、それでも小さなうっかりや、思わぬ予定のずれなどでどうしてもアタフタしてしまう部分がでてきます。

あともうひといき、”アタフタ” ができるだけ少なくなるよう、そして、より充実した展示会になるようにがんばりたいと思います。

今回は、定番の椅子や棚などのほか、新作として、大、小の「櫃(ひつ)」(収納家具です)や、ケヤキの一枚板を使った拭き漆仕上げのローテーブルの展示を予定しております。

今年の倉敷での展示会のご案内-1
今年の倉敷での展示会のご案内-1
今年の倉敷での展示会のご案内-1
今年の倉敷での展示会のご案内-2

昨年の展示会の様子などを、ホームページ中の「展示会案内」からご覧頂けます。是非ご参照ください。

イトトンボ-工房の庭で-
イトトンボ-工房の庭で-

すっかり秋も深まった工房の庭で、「イトトンボ」 を何匹も見かけるようになりました。

緑色っぽいトンボや青みがかったものなど、何種類かがいるようですが、こんなにたくさんのイトトンボを見るのは初めてです。

繊細な躰がまとう金属的な美しい色合いにしばし見入ってしまいました。

秋になると繁殖のために水辺に集まってくるとのことですが、工房の庭にはメダカを飼っている睡蓮鉢代わりの火鉢が2つあるだけです。

知らない間に火鉢でイトトンボが繁殖していたのでしょうか…

さて、来年は?(Ku)

一気に秋に

8月のうだるような暑さがウソのようです。

覚悟していた残暑もほとんどなく、例年ならまだ今頃は半袖Tシャツで、「暑い、暑い…」 と唸っていたように思うのですが、朝晩の肌寒さに慌てて長袖や毛布をひっぱり出したりしています。

一気に秋が深まる気配で、栗、ぶどう、柿、いちじくなど、店先に山積みになった秋の実りが、ただでさえ旺盛な私たちの食欲をさらにくすぐり、日々自制心との戦いです。

温かな食べ物もいっそうおいしく感じるようになったところで、今回は私の製作している? 『なべしき』? を紹介させて頂きます。

『なべしき』「熱っ」,「おっ鍋」
『なべしき』「熱っ」,「おっ鍋」

文字や絵柄を切り出した鍋敷きをつくるようになったきっかけは、何年か前に玉野の ”サンコア” さんで参加させて頂いたイベントでした。

『夏』 というタイトルで、作品を自由に製作するというイベントだったのですが、いろいろ悩んだ末に、私は ”夏” から連想するモノや文字をデザインした鍋敷きを製作しました。

それがとても楽しかったことと、たいへんご好評を頂いたことから、少しずつデザインを変えながら、いつの間にか定番の作品のひとつとなりました。

上の写真の2点は、鍋敷きの気持ちを文字に表した、ちょっと楽しい鍋敷きです。

「熱っ」は文字通り、熱っつ~いお鍋を上に載せられる鍋敷きの気持ちですが、もちろん冷たいお鍋を載せていただいても構いません。

「おっ鍋」は、「おっ鍋が載るんだナ」という鍋敷きの気持ちを表してみました。もちろんフライパンにもどうぞ。

この他、「春」・「夏」・「秋」・「冬」、「暑っ」 などの文字や、「鯛」、「かめ」、「エビ」 などの絵柄のものもあり、使わないときは壁に掛けて飾って頂くことができます。

是非展示会でいろいろなデザインの鍋敷きを手にとってご覧ください。

さて、先日またまたサクランボの木に発生した毛虫を退治していたところ、脱皮直後のカマキリを見付けました。

脱皮直後のカマキリ
脱皮直後のカマキリ

ちょっと分かりにくいのですが、写真中央少し上のうす黄色の部分が脱いだ皮です。

大きくて立派な躰でしたが、まだ羽が無かったので、成虫の一歩手前の状態だと思います。

無事に成虫になった姿をまた見たいものです。(Ku)

「積み木」のおはなし -その2-

前回に引き続き、「積み木」のおはなしをさせていただきます。

今年4月のサンコアさんでの展示会で、”ちょっといびつな積み木” をご覧になったお客様から、「昔、息子が使っていた古い積み木を、もうじき誕生する孫にプレゼントしたいので、削りなおしてきれいにならないだろうか」 というご相談をいただきました。

積み木を見せていただくと、キズや黒ずみはあったものの、元の木がしっかりしていたので、表面を削り直せば十分きれいになりそうでした。

積み木の修理
積み木の修理

お預かりし、表面をカンナでひと削りした上でサンドペーパーで磨き、オイルを塗装し直すと、きれいな積み木に蘇りました。

木箱にきれいに収まる積み木セットだったのですが、不足していたピースが2,3個あったので、それらは新たに作り足しました。

木箱も削りなおして積み木を収めると、立派な積み木セットにリニューアルできました。

きれいに蘇った積み木セット
きれいに蘇った積み木セット

深いキズや落書きもありましたが、それはそれで歴史を感じさせてくれる味わいとして残すことにしました。

世代を越えた、素敵な贈り物のお手伝いができたことをとても嬉しく思いました。

さて、工房の庭のユズの木で見付けた ” クロアゲハ” の幼虫が、先日羽化し、旅立っていきました。

キアゲハの羽化は以前観察したことがあるのですが、クロアゲハは初めてです。

是非、羽化の瞬間を見たかったのですが、サナギになってちょうど2週間目の朝、ちょっと目を離したスキにサナギから出てしまっていました。

サナギから出た直後のクロアゲハ
サナギから出た直後のクロアゲハ

サナギの色が変わり、今日明日中には羽化しそうだったので、できるだけ目に付く場所に置いて ”その時” を待ち構えていたのですが、ほんの数分間家の外で作業をして戻ってみると、羽化したばかりでまだ羽がヨレヨレの蝶がケースの蓋にしがみついていたのです。

羽化直後のクロアゲハ-2
羽化直後のクロアゲハ-2

先の写真から約8分後の写真です。

みるみるうちに羽がしっかり開いて、あっという間に一人前の蝶の姿になりました。

きれいな曲線を描く触角、うまく巻き上げられた口、それはそれは深い色合いの青みがかった眼など、そのひとつひとつの美しさが驚きです。

羽化から約30分後
羽化から約30分後

羽化から約30分後、羽を大きく拡げたり閉じたりしはじめました。飛び立つ準備なのでしょう。

開いた羽の、細かい点で描いたような紋様にもまた魅せられました。

機能と美しさを兼ね備えた姿を創り出す、自然の力の偉大さに感服するばかりです。

この日はあいにく風が強く、飛び立つのがちょっと難しそうでしたが、羽化から2時間ほどしてなんとか無事に飛び立って行きました。

その後、さらにお隣の家の網戸にとまってしばらく羽を休ませたのち、どこかへふいに飛び立って行ったそうです。

羽化直後の一番きれいな姿を、間近でじっくりと観察させてもらいました。

ありがとう!!(Ku)

「積み木」のおはなし -その1-

私たちの定番のコモノに、「ちょっといびつな積み木」 というものがあります。

”いびつ” の文字通り、直方体などのきちんとした形ではなく、面が斜めになっていたりして、ちょっと工夫しないとうまく積むことができない、少し歪んだ形の “積み木” です。

3年ほど前、展示会へお越しくださったお客様から、「初孫のお祝いに、子供の創造力が育つような “木のおもちゃ” を何か。」 というご相談をいただきました。

どのようなものが良いのか、おもちゃ屋さんへ行ってみたりしたのですが、それはそれは様々な玩具があり、なかなかアイデアをまとめることができませんでした。

そこで保育のお仕事をしている方に相談にのって頂いたところ、「やっぱり “積み木” にかなうものはない。」 とのアドバイスを頂きました。

実際に保育施設で子供達が遊んでいる積み木を見せて頂いたところ、木の枝や小径の幹を切ったままのような変形のものがたくさん混ざっていることに驚きました。「子供達は、むしろこのような変わった形の積み木の方が楽しいようで、子供の遊びの創造力は大人の想像を越えている。」 という説明をして下さいました。

これが、「ちょっといびつな積み木」 を作り始めたきっかけです。

「ちょっといびつな積み木」入りの”積み木”
「ちょっといびつな積み木」入りの”積み木”

もちろん、”いびつな積み木” だけではうまく積み上げることができず、積み木遊びにはなりませんから、お孫さんへのお祝いとしては、”いびつな積み木” と、きちんとした形のものを混ぜた「積み木セット」をご提案し、これを納める木の箱をあわせてお作りすることになりました。

家具製作で出る端材を活用することで、木の種類も様々になり、色にもバリエーションが出ました。

手触りをよくするとともに、木の質感が出るよう、積み木の表面には滑らかな刃物の削り跡を残して仕上げました。

塗装には、食器にも使用されている自然素材のオイルを使用していますので、赤ちゃんが舐めても囓っても安心です。

木の箱に収めた積み木セット
木の箱に収めた積み木セット

積み木を納める箱は、見た目も手触りも柔らかな ”桂” を使用しました。底には車輪を付け、転がして運べるようになっています。

展示会では、”いびつな積み木” を展示販売させて頂いておりますが、これを通常のきちんとした形の積み木にいくつか混ぜて頂くと、”積み木の世界” が一気に広がるのではないかと考えています。(Ku)

”擬宝珠”付きの厨子

今回は、今年1月にお納めした「厨子」の紹介です。

昨年の夏に、ホームページで「厨子」の写真(ホームページの写真にリンク)をご覧になった方から、詳細についてのお問い合わせをいただきました。

内寸や、より細かい部分が分かる資料をお送りしてご検討いただいた結果、中に納める予定のご本尊の寸法に合わせ、ホームページのものよりも少し大きくして製作させて頂くことになりました。

寸法のほかに、
①材料は 『ケヤキ』を用い、木目は”柾目” のようなシンプルなものではなく、複雑で特徴的な部分を使用する
②”オイル仕上” とする
③屋根に ”擬宝珠” を付ける
といったご希望をうかがいました。

材料の木目を写真で確認して頂いたり、”擬宝珠” のデザインをご相談したりと、メールやお手紙での打合せを重ね、今年の初めに無事お納めすることができました。

擬宝珠付きの厨子
擬宝珠付きの厨子

扉は一枚の板から曲面に削り出すことで、木目の複雑さがより際立ちました。

”オイル仕上” ということで、ケヤキ独特の、明るいオレンジがかった美しい厨子に仕上がりました。

これから時が経つと共に、漆にも負けない深い色つやに変化し、さらに美しくなっていくと思います。

”擬宝珠” は初めての製作でしたが、擬宝珠を付けたことで全体がぐっと引き締まったような気がします。

扉を開いた状態
扉を開いた状態

ご本尊を安置する ”ひな壇” もあわせてお作りしました。

お客様には、最初にご相談を頂いてから納品まで、たいへんお待たせすることになりましたが、その分時間をしっかりとかけて納得のいく製作ができたと思っています。

現代の生活スタイルに合った、お厨子やお仏壇の製作もいたしております。

リビングルームに置いても違和感のない小さめのお仏壇など、どうぞお気軽にご相談ください。(Ku)