いつのまにか、もう7月

今年は、梅雨らしい梅雨となり、じめじめと雨空が続いています。

ここしばらく、5月の展示会の際に頂いたご注文の打合せや、展示会のためにお待ちいただいていたテーブルなどの製作に追われ、ついついブログの更新を後回しにしていたら、いつの間にか7月に入ってしまいました。

そして今日、5月8日にこのブログで紹介しました、洲本沖の巨大風車の曳航が開始されたというニュースを目にしました。

今日(7月2日)午前中に出発し、8日夜には福島沖に到着する予定なのだそうです。

あの後、6月半ばに洲本方面へ出向く機会があり、風車の付いたほぼ完成形の姿を見ることができました。

洲本沖の巨大風車(6月13日)
洲本沖の巨大風車(6月13日)

高さが約150メートルということで、たしかに大きいです。

大きいのですが、実は5月に土台部分だけを見て勝手に想像していた姿が相当な巨大さだったので、「予想よりもこぢんまりしてる…」 というのが正直な感想でした(それはそれは大きな風車が、天にそびえ立っているという、ありえない姿を思い描いていたのですが…)。

あとは、無事に福島に到着することを願うばかりです。

さて、先日、1人用の小さめのテーブルを納品させていただきました。

「一人で食事をしたり、書き物などの作業をするためのテーブルで、できるだけシンプルなものを」、というご相談でしたので、以前製作しました、『児童発達支援施設の小学生用の机(ブログ掲載:2016年3月6日)』 や、『シンプルな学習机(ブログ掲載:2016年2月28日)』 と同様の構造のテーブルを提案させていただきました。

1人用のシンプルなテーブル
1人用のシンプルなテーブル

天板、脚ともにタモ材で製作し、オイルで仕上げました。

木をふんだんに使って新築されたお部屋にしっくりと馴染み、「部屋の雰囲気がとてもよくなった」 とたいへん喜んでいただけました。

ありがとうございました。(Ku)

 

 

 

拭漆仕上げのタオル掛け

昨年の玉野での展示会で知り合ったお客様から、お寺の御手洗いの 『タオル掛け』 のご相談を頂きました。

数年前に新築された、たいへん立派な寺院建築の客殿の御手洗いに樹脂製のタオル掛けが設置されており、せっかくの木造建築の空間にそぐわないので、木製のものに取り替えたいとのお話しでした。

設置状況を確認しながらお聞きしたご希望は、「タオルを掛ける棒も含めて木製とし、拭き漆仕上げとすること」、「元のタオル掛けを取り付けてあったビス穴が隠れるようにすること」 、「タオルを縦半分に折って掛ける巾で」 という内容でした。

拭漆仕上げのタオル掛け
拭漆仕上げのタオル掛け

壁のビス穴が隠れるように ”座板” のあるデザインとし、座板と側板は ”セン”、棒は ”ウォールナット” を使いました。

今回使用したセンには ”縮み杢” という珍しい模様が見られ、拭き漆仕上げにすることでその模様が浮き立ち、たいへんきれいに仕上がりました。

ウォールナットはもともと焦げ茶色の木なのですが、きめが細かいので、漆を塗ると、とてもツヤのある滑らかな仕上がりになります。

拭き漆仕上げのタオル掛け
拭き漆仕上げのタオル掛け

タオルを掛ける棒は八角形としましたが、見た目がシャープになることに加え、タオルを掛けた際に滑りにくくなる効果もあります。

壁に取り付けたタオル掛け
壁に取り付けたタオル掛け

 

タオル掛けのご使用状況
タオル掛けのご使用状況

手前の ”フック” は 『荷物掛け』 です。

元のタオル掛けの巾が広く、今回お作りしたものでは一方のビス穴しか隠れないため、もう片方のビス穴隠しとして、タオル掛けと同様の台座の付いたフックをご提案し、タオル掛けとセットで製作させていただきました。

漆喰の白い壁や板壁の明るい空間に漆の色合いが引き立ち、よい空間になったとたいへん喜んで頂けました。

ありがとうございました。(Ku)

 

 

小学生用の机と椅子の製作-②

今回は、前回の机と合わせてお作りした小学生用の椅子について紹介いたします。

椅子については、特に 「収納の際にはスタッキングできるものを」、とのご希望がございました。

また、「座面と背もたれのすき間は、子供さんが頭を突っ込んで抜けなくならないような間隔にすること」 など、子供さんたちと直接触れあう現場ならではの、具体的できめ細やかなアドバイスをいただきながら製作をすすめました。

小学生用の椅子
小学生用の椅子

ぶつかった際にケガをしないよう、角は優しい丸みを帯びており、机と同様、優しいシルエットの椅子に仕上がりました。

座面の下に持ち運び用のすき間を入れたところ、「たいへん便利」 と喜んでいただきました。

スタッキングした小学生用椅子
スタッキングした小学生用椅子

写真は3脚ですが、5脚くらいまでは安定してスタッキングできます。

たくさんたくさん子供さんたちに触れられて、どんどん色つやがよくなっていくのが今から楽しみです。

今回は、お客様の様々なご助言やご提案が、私たちの仕事の進め方ととてもうまくかみあい、机、椅子ともに、シンプルですが、木の質感を十分に活かした、優しくて丈夫な、使いやすいものに仕上がったと思います。

先日、使い勝手などのご意見をうかがったところ、職員さんの会議も今回の机と椅子で行うようになり (椅子も机も、大人でも十分お使い頂けるサイズです)、「それまでよりもよいアイデアが出るようになった」 とのたいへん嬉しいご感想をいただきました。

アンズにつぼみがつきました
アンズにつぼみがつきました

さてさて、一昨年、知り合いの方に杏の実を頂いてジャムにしたところ、とても美味しくて、その後苗を購入したのですが、その苗に蕾がつきました。

1本では実が着きにくいようで、もう1本種類の違うものを購入したいと考えているところです。

しばらくは 「 だんごより花 」 で我慢することになりそうです。(Ku)

 

小学生用の机と椅子の製作-①

今回は、先週の 「シンプルな学習机」 のデザインのもととなりました机を紹介させていただきます。

昨年の夏、児童発達支援施設を運営されている方から、小学生が食事時などに輪になって座ることのできる机と、それにあわせて使う木の椅子のご相談をいただきました(この椅子については次回に紹介させていただく予定です)。

机については、1つ1つは台形で、2つ合わせると一辺の長さが70cmくらいの六角形になり、各辺に子供さんがゆったりと座れるものを、自然素材のオイル仕上げで、というご希望でした。

通常、机やテーブル、椅子などの ”脚” で荷重を支える構造の家具(いわゆる ”脚物” 家具)では、強度をもたせるために、”脚” と ”脚” を水平につなぐ ”貫(ぬき)” という部材を配置するのですが、この ”貫” は、椅子の出し入れには邪魔になったり、足や膝に当たってしまうことがあります。

どの辺にも楽に椅子が出し入れできてゆったりと座ることができるようにするためには、脚まわりはできるだけすっきりしたものにする必要がありますが、強度を犠牲にするわけにもいかず、ここがいちばんの思案のしどころとなりました。

小学生用机-1
小学生用机-1

いろいろと悩んだ末、脚の取り付け部分に厚みと巾のある短い ”幕板” 状の補強材を取り付けることで、強度を確保することにしました。

小学生用机-2
小学生用机-2

脚まわりがすっきりとしているので、とてもシンプルな、でも柔らかい曲線をもつ優しいシルエットの机に仕上がりました。

小学生用机-3
小学生用机-3

2月初めに椅子と合わせてお納めしてまいりました。

子供さんたちに、木の優しくてあたたかい感触を楽しんでいただければ、と思っています。(Ku)

シンプルな学習机

「データベースの移行」 ですったもんだしているうちに、いつのまにかウグイスの声が聞こえる季節になってしまいました。

さてさて、今週からまた、私たちの ”べっちゃない日々” のご報告をさせていただくのですが、昨年末からいくつか納品がありましたので、それを遡るかたちで、数回に分けて1つずつ紹介させていただこうと考えております。

今回はまず、今週末に納品させていただきました 「学習机」 です。

 

昨秋の倉敷での展示会で、この春に小学生になる子供さん用の学習机のご相談をいただきました。

「大きさは 60×110cm程度、引出や棚板の無いシンプルなデザインのものを、オイル仕上げで」 というご希望でした。

シンプルなだけに、「天板」と「脚」をどのような形にし、どう組み合わせるかがポイントになります。また、子供さんがお使いになるのですから、扱いやすくかつ丈夫であることも大切です。

実は、この学習机のお話しを伺う2ヶ月ほど前に、児童発達支援施設を運営されている方から、小学生用の机と椅子のご相談を頂いておりました(この机と椅子につきましては、来週末に紹介させていただく予定でおります)。

児童発達支援施設では、障がいをお持ちの子供さんが使用されるので、いろいろと細かなアドバイスを頂きながらデザインと製作を進めました。

ただ、「障がいをお持ちの子供さん用」 とはいっても、特殊な機能を持たせたものではなく、たとえばぶつかった際にケガをしないように角を丸くする、椅子に座って机に向かった際に脚が机とぶつからず、椅子も中に入りやすいなど、誰にとっても使いやすい、いわば ”ユニバーサルデザイン” の机と椅子であり、形もスッキリとしたものに仕上がったので、そのデザインを今回の学習机にも活かすことにしました。

シンプルな学習机-1
シンプルな学習机-1

どの方向からも椅子の出し入れができ、また脚が引っかからないよう、脚まわりは極力すっきりさせてあります(構造的な強度は、天板と脚の取り付け部分の、形を工夫した幕板で確保しています)。

シンプルな学習机-2
シンプルな学習机-2

材料は天板、脚などすべて ”タモ” を用いました。

しっくい壁のお部屋の一角に納まり、すてきな勉強部屋づくりのお手伝いができたことをたいへんうれしく思います。

シンプルなだけに、大人になっても作業机や2人掛けの食卓など、いろいろな用途にお使いいただけると思います。

きっと子供さんの成長とともにツヤがでて、そして少しずつキズも付いて、素敵な机に変わっていくのでしょう。

楽しみです。(Ku)

 

欅の一枚板を使った拭き漆仕上げのローテーブル

先月、今年最後の展示会を終えてから、納品や後片づけなどでなんだかバタバタとしているうちに、あっという間にもう12月も半ばを過ぎてしまいました。

年賀状の準備や(大?)掃除などでもうしばらく落ち着きそうにもありませんが、なんとか穏やかに今年を締めくくれるよう、がんばっていきたいと思います。

さて、今回は、10月の終わりに少しだけ紹介しました、欅の一枚板を使ったローテーブルの納品の報告をさせていただきます。

今年3月にこのブログで紹介させて頂いた 「コート掛」 をご注文下さったお客様から、その後、ご自宅の洋間でお使いになる 「ローテーブル」 のご相談をいただきました。

一枚板を使った重厚感のあるテーブルをご希望とのことで、作業場にストックしている材木の中から、ご希望のサイズや雰囲気に合うものを選んで頂きました。

その結果、「コート掛」と同じ丸太から製材された、ちょうど隣り合う板を使用することになりました。

また、お部屋のダークブラウン系の家具に調和するよう、仕上げは拭き漆とすることになりました。

天板は板の自然なままの形を活かした ”耳付き” とし、脚の形状は、3種類ほどのデザインをご提案させて頂いたところ、たいへんありがたいことに、どっしりとした雰囲気であれば、細部はお任せ頂けることになりました。

ローテーブルの裏側
ローテーブルの裏側

上の写真は組立完了直後の状態で、天地が逆になっていますが、脚はタモの厚盤から切り出して製作しました。

ローテーブルの天板
ローテーブルの天板

全体的に木目の詰まったきれいな板で、それに加えて、先日のブログで紹介させて頂いたように、”耳” に近い部分には、非常に複雑できれいな木目が目を惹く、たいへん美しい天板に仕上がりました。

納品したローテーブル
納品したローテーブル

無理をお願いして11月の倉敷での展示会で展示させて頂いた後、先月無事に納品いたしました。

お部屋の雰囲気や、他の調度品にぴったりで、お客様にもたいへん喜んで頂くことができました。

年月の経過と共に木目の美しさもさらに引き立ち、味わいを増していくことと思います。(Ku)