空を見上げて

子供の頃から空を眺めるのが好きです。空を見上げては『この視線の先、空を抜け、雲を抜け、太陽系を越えてそのまたずーっと先はどうなっているのだろう。ひょっとして誰か(宇宙人?)の視線とぶつかってたりして…』なんて空想するちょっと変わった女の子でした。

自然、星や宇宙に興味をもつようになり、最近でいう『宙ガール』に。ただし、私が天文ファンになった30数年前は、かなり地味~な趣味で、小学校で入った”天文クラブ”では初めは女の子は1人だけ。顧問の先生が「他のクラブに変える?」なんて気を遣って下さいましたがなんのその。男の子たちと星の本を眺めながら、ますますどっぷりと宇宙の不思議さにはまっていったのです。

ちょうどその頃、父にねだって小さな望遠鏡を買ってもらいました。土星を観たかったのですが、まだ星図などの見方をよく知らず、仕方なく1つ1つ星をしらみつぶしに見て、やっと土星を探り当てたときの感動は今でも忘れません。

大学を選ぶときはサークル活動に”天文部”があることもしっかりチェックしていました(実は私達2人は大学の天文部で知り合いました)。”天文部”といっても、昼間はソフトボールやボウリング、夜はボックス(部室のこと)で宴会に精をだし、合間に太陽観測やら流星観測などを楽しんでいた部類で、小難しいことが好きなわけではありません。

きれいな星空をただただ眺めたり、宇宙開発のニュースにワクワクしたり、大きな天文現象があればちょっと写真を撮ってみたり、そんなお気楽な天文ファンのまま今に至っています。

そんな私にとって、”金環日食”、”部分月食”、”金星の太陽面通過”が続いたこの2週間ほどは居ても立ってもいられないような日々でした(しかも展示会もあって)。残念ながら6月4日の部分月食はベタ曇りで全く観ることはできませんでしたが、金環日食と金星の太陽面通過は直前に天気が良くなるという奇跡に恵まれ、存分に楽しむことができました。

金環日食は前日が私の誕生日だったので、すごいプレゼントをもらったような気持ちになりました。

金環日食(2012.5.21)淡路市
金環日食(2012.5.21)淡路市

これは私の父がコンパクトデジカメで撮影した写真です。私はフィルムカメラを使い、”金星の太陽面通過”と一緒に昨日現像に出したところです。きれいに撮れているとよいのですが…。

金星の太陽面通過(第2接触直後)
金星の太陽面通過(第2接触直後)

これは私がコンパクトデジカメで撮影しました。太陽の左端に近い所にある黒い点が金星です。

金環日食が派手だっただけに、金星の太陽面通過は時間も長く、かなり地味に感じました。ただ、普段空で光っている金星は、一見他の恒星と同じように感じてしまいますが、今回、地球と太陽の間を通過していることを目の当たりにし、金星への親近感が増したように感じます。

祖母がよく、”ちんぷんかんぷん”なことを「犬が星を見るようだ」と言っていましたが、そんな犬のような心境で、難しいこと抜きに空を見上げることをずっと楽しんでいきたいな、と思っています。

ある朝の”ほじほじ”くん
ある朝の”ほじほじ”くん

ある朝の熟睡中の”ほじほじ”君。生まれ故郷で見上げた星空の夢を見ているのかも…。(Ku)