てんやわんやです

今年最初の展示会となった先週末の 『三田手仕事展』 は無事終了いたしました。

例年は、雪が舞うなどとても冷え込むことが多いのですが、今年はぽかぽか陽気に恵まれ、たくさんのお客様にご来場いただきました。

幸先の良い展示会シーズンの幕開けとなりました。

ご来場いただきました皆様、ほんとうにありがとうございました。

さて、現在は、その後片づけもままならぬまま、来週17日(金)から始まる岡山県玉野市のギャラリー サンコアさんでの展示会に向けての準備で、てんやわんやの状態です。

3年ぶりの玉野での展示会。

お客様に心地よい空間を楽しんで頂けるよう、あと一踏ん張り、がんばります。

サンコアさんでの展示会のご案内
サンコアさんでの展示会のご案内

写真は、今回の展示会用に製作した新作の 『櫃』 です。

上部の蓋が開く、小さめの物入れです。

この他、積み重ね式の本棚や戸棚、定番の椅子等を展示する予定です。

17日(金)~26日(日)(22日はギャラリーがお休みですのでご注意ください)の10:00~18:00、高松や直島へのフェリー乗り場である宇野港にほど近いモダンなギャラリーが会場です。(ギャラリーの場所等の詳細は、工房のホームページから、『展示会案内』をごらんください。)

会期中、私たちは、17(金),18(土),19(日),25(土),26日(日)に在廊予定です(17,18,26日は、終日の在廊を予定しております)。

モビール等の楽しいコモノもありますので、お気軽に脚をお運びください。(Ku)

『コート掛』が完成しました

年明けから製作に取りかかった 『コート掛』 が完成しました。

「事務所で使用する ”コート掛” を」 とのご相談を最初に頂いたのが昨年6月の淡路での展示会のときですから、あしかけ9ヶ月目での完成ということになります。

最大5人分のコートが掛けられること、他の調度品と調和がとれるよう仕上は拭き漆で、などのご希望をお聞きし、デザインなどのアイデアをじっくりと練り上げていくことになりました。

ご相談や打合せを重ねた結果、設置場所の関係から自立式ではなく、壁に固定する壁掛式とし、四角に整形した板にフック金具を取り付ける、という方向で、いったん計画はまとまりました。

ところがその後、別の目的で材木を整理していた際に、「今回のコート掛にピッタリでは?」 と思われるケヤキの一枚板が目に留まりました。

自然のままの形のバランスがよく、シンプル過ぎず、それでいてうるさ過ぎもせず、この形を活かせば、ありきたりではない、独特のコート掛 になるのでは、と感じました。

また木目も、よく詰まった、全体的には素直な木目なのですが、端の方や節周りには複雑で面白い木目も見られ、漆を塗って仕上げたらとてもきれいになりそうだと思いました。

念のため、お客様に材木の確認をお願いし、OKを頂いたうえで製作に取りかかりました。

その後、折に触れてこのブログでご報告させて頂いていたように順調に作業は進み、先日金具を取り付けて無事完成に至りました。

完成した”コート掛”
完成した”コート掛”

金具は千鳥に配置し、メインの上の3つは大きめの金具、サブの下の2つは小さめの金具としました。

節周りの状態
節周りの状態

自然のままの形を活かすため、刃物でざっくりと仕上げた端部もきれいに仕上がりました。

複雑できれいな木目
複雑できれいな木目

拭き漆仕上は木目が引き立つのが特徴ですが、複雑な木目の部分では、特にその美しさが際立ちました。

完成した”コート掛”の裏面
完成した”コート掛”の裏面(金具取付前)

コートが掛かることを考え、少しでも重量を軽くするために、裏面は大きくはつりました(これで3kgほど軽くすることができました)。

漆がしっかりと乾くのを待って先週お納めしたところ、早速取り付けて写真を送って下さいました(取り付けはお客様にお任せしました)。

設置された”コート掛”
設置された”コート掛”

白い壁に漆の色がよく映え、書棚などとの調和もとれ、とてもよい感じで納まっている写真を拝見して安心しました。

お客様もたいへ ん気に入って下さり、「ぴったりで素敵な空間になりました」 との、たいへん嬉しいお言葉を頂きました。 ありがとうございました。

設置された”コート掛”
設置された”コート掛”

春は確実に近づいているようですが、もうしばらくはコートが必要なようです。たいへんお待たせしましたが、なんとか 『コート掛』 を活用して頂ける時期にお納めすることが出来てホッとしています。(Ku)

未知との遭遇?

謎の影
謎の影

長~く伸びる2つの影。

これはいったい……?

詳しくは、また来週。

漆塗り作業
「コート掛け」の漆塗り作業

製作中の 「コート掛け」 は、2週間ほど前に漆塗り作業が終了し、現在 ” 室(むろ)” の中でじっくり乾燥中です。

” 漆はかぶれるのでは?” と思われる方も多いと思いますが、しっかり乾燥した漆製品でかぶれることはありません。

塗る前の ”生漆(きうるし)” は、ベージュ色をした、とんかつソース 位の粘り気のドロッとした液状で、これを木地に塗るのですが、この 乾燥前の ”生漆” が素肌に付くと大変な目にあいます(希にかぶれない体質の人もいるそうです)。

体も慣れてきたのか、最近はひどくかぶれることはなくなりましたが、私は以前、腕がパンパンに腫れて皮膚科にかかったことがあります。

思わず「それを注射するんですか?」と聞いてしまったほどの、針が中心より端に寄った位置から出ている、それはそれは太い注射器が目の前に…。

さすがにすっきり治りましたが、テレビで見たことのある、獣医さんが牛にしていた注射にそっくりで、かなりおっかなびっくりの治療でした。

お客様をそんな目にあわせては大変と、拭き漆仕上の場合は、充分に漆が乾いてから納めさせて頂くことにしています。

そんなこともあって手間暇のかかる拭き漆仕上げですが、その分出来上がりの美しさは格別です。

近日中に金具を取り付けて、完成した「コート掛」をご紹介させて頂く予定です。ご期待ください。(Ku)

『コート掛』の製作

年が明けてはや3週間が経とうとしています。

毎年のことですが、年明けしばらくは、伝票や書類に記入する日付の ”年” の部分を悩んだり、間違えたりしてしまいます。

今のところはまだ意識して書いているのでよいのですが、もうすこし経つと油断が出て、”年” の箇所に修正印を何遍か押すことになります。今年も多分…。

さて、現在工房では、 『コート掛け』 の製作の真っ最中です。

ベースとなるケヤキの一枚板
ベースとなるケヤキの一枚板

ケヤキの一枚板に金具を取り付け、最大5着のコートを掛けることができる、大きな壁掛け式のコート掛けです。

現在、大まかな板削りが済んだところで、これから重量を軽くするために、裏側をはつる作業に入ります。

出来上がりましたら、またご報告させていただきます。

今年の私たちの展示会シーズンの幕開けは、4月になります。それまでじっくり、今までにご注文頂いているものの製作や、展示会用の新作の製作に取り組む予定です。

今年の展示会の予定につきましては先日、ホームページの『展示会案内』を更新いたしましたのでご参照ください。

確定申告の準備もしなければ…。(Ku)

今年も、全ての展示会が無事終了いたしました

先週末は、倉敷での ”アイビーバザール” に参加してまいりました。

すきま風や石畳の床冷房(!!)で寒さに打ち震えた昨年の経験から、今年はダウンジャケットや大量のカイロなどで完全武装。それに加えて、ホテルで沸かしたお湯をポットで運び、熱~いお茶やインスタント味噌汁で温まりながら楽しい2日間を過ごすことができました。

ライトアップされた『アイビー学館』
ライトアップされた『アイビー学館』

急な冷え込みの中、脚をお運びくださった皆様、ありがとうございました。

また、実行委員やスタッフの方々には搬入搬出などたいへんお世話になり、感謝するばかりです。

このアイビーバザールで、今年も全ての展示会を無事に終えることができました。来年も、たくさんの方々に楽しんでいただけるようがんばっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします(来年の展示会の予定は、近日中にホームページ中の『展示会案内』でご案内させていただきます)。

さて、先日、本年度の 『日本民藝館展』 の審査結果通知をいただきました。おかげさまで、今回出品させていただいた積み重ね式の本棚 「拭漆四段積書棚」 が入選を頂きました。

積み重ね式の本棚
積み重ね式の本棚

昨日13日より、東京駒場の ”日本民藝館” で開催されている 『日本民藝館展』(外部リンク) で展示して頂いております。機会がございましたら、是非脚をお運びください。(Ku)

『引出棚』の納品

今回は、2週間ほど前に納品しました 『引出棚』 の紹介をさせて頂きたいと思います。

6月の淡路での展示会においでくださったお客様から、以前古い家を取り壊した際に保存しておかれた床の間の ”床板” と、”違い棚の棚板” を使って、息子さんが新築される家で使うことのできる何かを、というご相談をいただきました。

実際にご使用になる息子さんご夫婦のご希望で、床の間に置く小ぶりな 『引出棚』 を作らせていただくことになりました。

材料をお預かりして状態を確認したところ、”床板” はけやき材,”棚板” は栃材であることが分かりました。

”床板” のけやき材は大きかったのですが、反りのため、棚の側板としては十分な厚みをとることが出来なかったので、このけやき材は引出の鏡板として用い、側板は厚みのしっかりした ”棚板” の栃材を使って製作することになりました。

引出棚-1
引出棚(幅680×奥行300×高さ300mm)

側板に使用した”棚板” だった栃材は、もとの塗装を削り落とすときれいな木目が現れました。

引出のつまみはアクセントにウォールナットで製作しました。

新築の床の間に収まった『引出棚』
新築の床の間に収まった『引出棚』

新しい畳と木の香りでいっぱいの新築の家の床の間に、昔の家の床の間の材料で作られた棚が無事に収まりました。

結婚祝いではないのですが、マザーグースの幸せのおまじない「なにかひとつ古いもの」 と、「なにかひとつ新しいもの」 を兼ねた素敵な贈り物のお手伝いができてとても嬉しく思っています。(Ku)